ホテルのキャンセル料はいつから・何日前から?|決めるのは予約のキャンセルポリシー、国のモデル宿泊約款の形と当日・不泊・台風のとき

ホテルのキャンセル料が何日前からかかるかは、法律で一律には決まっていません。予約のときに示されたキャンセルポリシー(宿泊約款の違約金の決まり)に書かれた日からかかり、施設やプランごとに違います。
宿泊日の2〜3日前からかかり始めることが多いとされます。前日まで無料で当日からかかる施設もあれば、大型連休やイベントの時期は1〜2週間前からのこともあり、返金不可のプランは予約した時からかかります。
観光庁のモデル宿泊約款も、違約金の表には「不泊・当日・前日・9日前・20日前」といった日の区切りを置くだけで、率は空欄にして施設が書き入れる形です。自分の予約が何日前から・何%かは、その予約の決まりで確かめます。
自分の額は、予約確認メールや予約サイトの予約の詳細にあるキャンセルポリシーで、今日がどの段かを見て、宿泊料に率を掛けると出せます。取り消すか迷っているなら、無料で取り消せる期限の日付と時刻を先に確かめます。
予定が変わってホテルを取り消すか迷っています。何日前からキャンセル料がかかるのか、今取り消すといくらになるのかが分かりません。
キャンセル料は、予約のキャンセルポリシーに書かれた日からかかる
モデル宿泊約款では、宿泊契約は、ホテルや旅館が予約の申し込みを承諾したときに成立します(第3条)。お金を払う前でも、予約が確定した時から、その予約の決まりに沿ってキャンセル料がかかりえます。
東京都消費生活総合センターの案内も、キャンセル料がかかる時期や率は、各ホテル・旅館が独自に決められるとしています。同じ施設でも、プランや予約した窓口ごとに決まりが違うことがあります。
国のモデル宿泊約款は、率が空欄になっている
モデル宿泊約款は、観光庁(国土交通省)が示す宿泊約款のひな形です。客がその責めに帰すべき事由で取り消したときの違約金は別表第2で定める形で、表の率は空欄のまま、施設が自分で数字を入れます。
ホテル用の表の区切りは、不泊・当日・前日・9日前・20日前の5つです。旅館用の表は、不泊から30日前まで13の区切りがあり、早い時期からかかる率も書けるようになっています。
表の%は、基本宿泊料に対する率です。基本宿泊料は、室料(朝食などの食事が付くプランは、その飲食料を含む)のことで、サービス料や税金とは分けて書かれています(別表第1)。
何日前からかかるかは、施設とプランで違う
かかり始める日は、施設とプランごとに次のように分かれます。自分の予約がどれかは、予約の決まりの最初の段を見ると分かります。
- 前日までは無料で、当日から、または当日の決まった時刻からかかる
- 前日から、または2〜3日前からかかる
- 大型連休やイベントの時期に、1週間前や2週間前からかかる
- 返金不可・キャンセル不可のプランで、予約した時からかかる
段の区切りには、日付だけでなく「3日前の18時まで」「前日15時以降」のように時刻が付くことがあります。期限の時刻を過ぎると次の段になるので、日付と時刻の両方を見ます。
自分のキャンセル料は、宿泊料に段の率を掛けて出す
次の表は、例のキャンセルポリシーで、伝えた日ごとの額を並べたものです。2人1室・1泊朝食付きで、基本宿泊料を2万6,000円と置きました。
| 伝えた日 | 例の率 | 例の額 |
|---|---|---|
| 4日前まで | 0% | 0円 |
| 3日前〜前日 | 30% | 7,800円 |
| 当日 | 60% | 1万5,600円 |
| 連絡なしの不泊 | 100% | 2万6,000円 |
率も額も例です。自分の予約のキャンセルポリシーで、今日がどの段かと率を見て、率を掛ける額(基本宿泊料か、宿泊料金の総額か)に当てはめると、おおよその額が出ます。
率を掛ける額を確かめる
モデル宿泊約款は基本宿泊料に率を掛けますが、施設の決まりでは「宿泊料金の〇%」「宿泊代金の〇%」と書くこともあります。サービス料や税、食事の追加分が入るかで額が変わるので、何に掛けるかを読みます。
2人以上で1室を予約したときや、連泊の予約を取り消すときは、何人分・何泊分にかかるかも見ます。東京都消費生活総合センターの相談事例には、当日に3泊分を取り消し、2日目・3日目にもかかると言われた例があります。
申込金や事前決済で先に払っていたとき
モデル宿泊約款では、申込金は宿泊期間(3日を超えるときは3日間)の基本宿泊料を限度に、施設が決めます。払った申込金は、まず宿泊料金に充て、違約金や賠償金がかかるときは違約金、賠償金の順に充て、残りがあれば返す決まりです。
予約サイトのカードの事前決済で払っていたときは、キャンセル料を引いた残りが返る扱いになることがあります。返金不可のプランでは返る額が無いことがあるので、返る額と返る時期を予約の詳細で確かめます。
申込金を求められていない予約のとき
モデル宿泊約款では、予約のときに申込金を求めなかった場合や、その支払期日を決めなかった場合は、申込金を要しない特約に応じたものとして扱います(第4条)。この特約の予約では、違約金を払う決まりを施設が客に告知していたときに限り、違約金がかかります(第6条)。
また、施設が申込金の支払期日を決めて払いを求めた予約で、払う前に客が取り消したときは、違約金がかからない定めです。自分の施設の約款が同じ定めかは、宿泊約款の違約金の条で確かめます。
予約確認メールと予約サイトで見る所
自分の予約の決まりは、予約したときの画面と、予約のあとに届く確認メールで分かります。予約サイトで予約したときは、そのサイトの予約の詳細に出る決まりが、自分の予約の決まりです。
- 無料で取り消せる期限:何日前の何時までか
- 段ごとの率:前日・当日・連絡なしの不泊など、段の区切りと%
- 率を掛ける額:基本宿泊料か、宿泊料金の総額か
- プランの条件:返金不可・キャンセル不可か、大型連休の特別な決まりか
- 人数と泊数:1人だけ減らすときや、1泊だけ減らすときの扱い
- 取り消し方:予約サイトの画面で取り消すか、施設に電話するか
同じ施設でも、公式サイトから予約したときと予約サイトから予約したときで、決まりが違うことがあります。旅行会社のツアーで予約したときは、契約の相手が旅行会社になるので、まず旅行会社に確かめます。
電話で予約したときは、予約の前にキャンセル料がいつから・どのくらいかかるかを聞くよう、東京都消費生活総合センターは勧めています。聞いていなかったときは、施設に電話して、今日取り消すとどの段になるかを尋ねます。
当日・連絡なしの不泊になる前に伝える
モデル宿泊約款には、連絡をしないまま、宿泊日の決まった時刻(到着予定の時刻を伝えていればその何時間か後)になっても着かないときは、客が取り消したものとみなすことがある定めです(第6条)。連絡なしの不泊は、当日に伝えたときと別の段で、率が当日より高いことがあります。
取り消すと決めたら、段が上がる前に、予約サイトの画面か電話で伝えます。電話で伝えたときは、日時と相手の名前、聞いた額を書き残しておくと、あとで取り消した日を確かめるときに使えます。
台風・地震・体調不良のとき
モデル宿泊約款で違約金がかかるのは、客が自分の責めに帰すべき事由で取り消した場合です(第6条)。台風や地震で行けなくなったときにこれに当たるかは、モデル宿泊約款には書かれていません。自分の施設の約款に、災害のときの定めがあるかを見ておきます。
交通機関が止まったときなどに、施設がキャンセル料をかけない扱いにすることもありますが、決まりとして一律ではありません。行けるか分からなくなったら、段が上がる前に施設に連絡し、キャンセル料の扱いを聞きます。
施設の側が泊められないとき
モデル宿泊約款では、天災など施設の力の及ばない理由で泊められないときは、施設の側から契約を取り消すことがあり、まだ受けていない宿泊サービスの料金はかかりません(第7条)。施設から取り消しの連絡が来たときは、先に払った額がどう返るかも聞いておきます。
施設が予約した客室を用意できないときは、客の了解を得て、できる限り同じ条件の別の施設を紹介します。紹介できないときは、施設の責めに帰すべき事由がないときを除き、違約金に当たる額の補償料を客に払う定めです(第14条)。
体調不良や家族の不幸のとき
急な病気やけが、家族の不幸による取り消しも、予約の決まりでは客の都合による取り消しとして扱われ、キャンセル料がかかることがあります。事情を伝えて相談すると、施設が減らしたり、日を変える形にしたりすることもあります。
その場合に、診断書などを求められることがあります。旅行のキャンセル料を補う保険やサービスに入っているときは、どの理由が対象か、どの書類が要るかを、その約款と窓口で確かめます。
キャンセル料が高すぎると感じたら
違約金の率は、施設がいくらでも高くできるわけではありません。消費者契約法第9条第1項第1号により、取り消しに伴う違約金などを前もって決めた条項は、同じ種類の契約で事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効です。比べるのは、当日・前日といった区分ごとです。
同じ条の第2項では、違約金を請求する事業者は、客に求められたら、違約金の算定の根拠(どう決めた率や額か)の概要を説明するよう努めなければなりません。請求の額に納得できないときは、払わないままにせず、どう出した額かを施設に尋ねます。
施設と話してもまとまらないときは、消費者ホットラインの188番に電話すると、住んでいる地域の消費生活センターや相談窓口を案内してもらえます。予約確認メールや画面の写し、施設とのやりとりの記録を手元に置いて相談します。
これから予約する人が確かめること
予約サイトで予約するときは、申し込みを終える前に、申込画面と申込内容の確認画面で、取り消し・変更・払い戻しの条件を確かめます。安いプランが返金不可・キャンセル不可のことがあるので、予定が決まっていないときは条件を比べてから選びます。
予約の確認画面は、印刷するか画面を保存して、旅行が終わるまで取っておきます。東京都消費生活総合センターも、トラブルに備えて予約確認画面を保管するよう勧めています。
宿を予約したら、家計簿の旅行の行に、無料で取り消せる期限の日時と、返金不可かどうかを一言添えておきます。事前決済なら、払った日と額も同じ行に書いておくと、取り消したときの返金と見比べられます。
よくある質問
Q連泊の途中で予定より早く帰るときも、キャンセル料はかかりますか
モデル宿泊約款の別表第2の注には、契約日数が短縮した場合は、短縮した日数にかかわらず1日分(初日)の違約金を受け取る定めがあります。自分の施設の約款が同じ定めかは、違約金の表の注で確かめます。
早く帰ると決めたら、その日のうちにフロントに伝えます。予約サイトで予約したときも、泊数を減らす扱いは施設の決まりによるので、フロントで額を聞きます。
Q団体で予約して、人数が少し減ったときはどうなりますか
モデル宿泊約款では、15名以上の団体の一部が取り消したときは、宿泊の10日前の宿泊人数の10%(端数は切り上げ)にあたる人数まで、違約金はかかりません。10日前より後に申し込んだ予約は、申し込みを受けた日の人数で数えます。
人数の減り方がこの範囲を超えるときや、自分の施設の約款が違う決まりのときは、施設の表の率でかかります。減ることが分かった時点で、早めに人数を伝えます。
まとめ
- ホテルのキャンセル料が何日前からかかるかは法律で一律には決まっておらず、予約のときのキャンセルポリシー(宿泊約款の違約金の決まり)で決まる
- 観光庁のモデル宿泊約款は、違約金の表に日の区切り(ホテル用は不泊・当日・前日・9日前・20日前)を置き、率は空欄で施設が決める
- 前日まで無料・数日前から・大型連休は1〜2週間前から・返金不可は予約した時から、と施設とプランで違う
- 自分の額は、今日がどの段かを見て、率を掛ける額(基本宿泊料か総額か)に率を掛けて出す
- 予約サイトで予約したときは、そのサイトの予約の詳細の決まりを見て、取り消しもその画面か施設への電話で伝える
- 連絡なしの不泊は、当日より率が高いことがある。取り消すと決めたら段が上がる前に伝え、日時と相手を書き残す
- 台風や体調不良のときの扱いは一律ではないので、自分の施設の約款を見て、段が上がる前に施設に尋ねる。施設が泊められないときは、まだ受けていないサービスの料金はかからない(モデル宿泊約款)
- 率が高すぎると感じたら、どう決めた額かを施設に聞き(消費者契約法第9条第2項)、話がつかなければ188に電話して相談する
予約確認メールのキャンセルポリシーで、今日がどの段かと率が分かり、取り消したときの額が出せました。無料の期限の時刻も確かめて、どうするか決めます。
この記事で参照した公的情報
- モデル宿泊約款(国振第416号 昭和60年12月23日・最終改正 令和5年12月13日/第3条 宿泊契約は申込みを承諾したときに成立・申込金は宿泊期間(3日を超えるときは3日間)の基本宿泊料を限度として定める・申込金はまず宿泊料金に充当し違約金に次いで賠償金の順序で充当し残額は返還・指定した日までに申込金を払わないときは契約は効力を失う(その旨を告知した場合に限る)/第4条 申込金の支払いを要しない特約・申込金の支払いを求めなかった場合等は特約に応じたものとして取り扱う/第6条 宿泊客は申し出て宿泊契約を解除できる・宿泊客がその責めに帰すべき事由により解除した場合は別表第2により違約金(申込金の支払期日を指定してその支払いより前に解除したときを除く・特約に応じた場合は違約金支払義務を告知したときに限る)・連絡をしないで宿泊日当日の午後〇時(到着予定時刻を明示した場合はその時刻を〇時間経過した時刻)になっても到着しないときは解除されたものとみなし処理することがある/第7条 天災等不可抗力に起因する事由により宿泊させることができないときなどはホテル(館)が解除することがあり、その場合はいまだ提供を受けていない宿泊サービス等の料金はいただかない/第14条 契約した客室を提供できないときは同一の条件による他の宿泊施設をあっ旋し、できないときは違約金相当額の補償料(責めに帰すべき事由がないときを除く)/別表第1 宿泊料金=基本宿泊料(室料(及び室料+朝食等の飲食料))とサービス料・追加料金・税金/別表第2 違約金(ホテル用=不泊・当日・前日・9日前・20日前、旅館用=不泊から30日前までの13の区切り・率は空欄)・注1 %は基本宿泊料に対する違約金の比率・注2 契約日数が短縮した場合は短縮日数にかかわりなく1日分(初日)・注3 団体客(15名以上)の一部の解除は宿泊の10日前の宿泊人数の10%(端数切り上げ)の人数は違約金なし)
- 窓口
- 観光庁(国土交通省)
- 確認日
- 確認先
- https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001747987.pdf
- 宿泊を予約する際はキャンセル料を確認しましょう!(平成29年8月10日・キャンセル料が発生する時期やキャンセル料率は各ホテル・旅館が独自に設定できる・電話で予約する場合は予約する前にキャンセル料がいつからどのくらい発生するか等を聞いて確認・予約サイトでは申込画面と申込内容確認画面で契約条件(解約・変更・払戻条件等)を確認・キャンセル不可の宿泊プランもある・予約確認画面はプリントして旅行が終わるまで保管・相談事例=前日夜のキャンセルで20%を請求された例/当日に3泊分を取り消し2日目・3日目にもかかると言われた例/予約サイトで予約した海外のホテルがキャンセル不可だった例)
- 窓口
- 東京都消費生活総合センター
- 確認日
- 確認先
- https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/kinkyu/documents/170810.pdf
- 消費者契約法 第9条(第1項第1号 消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し又は違約金を定める条項で、解除の事由・時期等の区分に応じ、同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるものは、当該超える部分について無効/第2項 消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならない。今の版(2026-06-24施行)と未施行の版(2028-12-23施行)で文は同じ)
- 窓口
- e-Gov法令検索(消費者庁所管)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
- 消費者ホットライン(188=地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内)
