温水洗浄便座の電気代は1か月いくら?|貯湯式と瞬間式の違いと、フタ・温度設定・節電機能で変わる額を自分で出す方法

温水洗浄便座の電気代は、カタログや取扱説明書に載っている「年間消費電力量」と、1kWhあたりの電気の単価の2つで決まります。トイレにいる時間は短くても、便座と洗浄水を温めておくために電気を使い続けるので、1年分の量から考えます。
この記事では、資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ2025年版の平均を使って、貯湯式と瞬間式の1年・1か月・1日の額を計算します。フタや温度の設定で下がる額と、自分の家の単価で出し直す手順も載せます。
トイレの便座は一年中電源が入ったままですが、電気代がいくらになっているのかわかりません。設定を変えるとどれくらい違うのかも知りたいです。
温水洗浄便座の電気代は、年間消費電力量×単価で出す
温水洗浄便座の電気の量は、カタログや取扱説明書では、1時間あたりではなく1年に使う電力量(kWh)で示されています。この値に単価を掛けると1年分になり、そこから1か月分と1日分を割り出します。
- 1年の電気代:年間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの単価(円)
- 1か月の電気代:1年の電気代÷12
- 1日の電気代:1年の電気代÷365
単価は電力会社と料金プランの組み合わせで変わります。製品どうしを同じ物差しで比べるときは、全国家庭電気製品公正取引協議会が決めた目安単価の1kWhあたり31円(税込)を使うと便利で、令和4年7月22日に改定された値です。
便座の暖房と洗浄水の加熱に、電気を使う
資源エネルギー庁は、トイレを使う時間はわずかでも、温水洗浄便座はいつでも使えるように便座や洗浄水を温め続けていると説明しています。だれも使っていない時間にも電気を使っているので、温度やフタの扱いを変えると電気代に表れます。
カタログには最大定格消費電力(W)も載っていますが、これは温めるときに瞬間的に使う電力の大きさです。1年の電気代を出すときは、消費電力ではなく年間消費電力量の欄を使います。
貯湯式と瞬間式で、電気の使い方が違う
温水洗浄便座の洗浄水の温め方には、貯湯式と瞬間式の2つがあります。資源エネルギー庁の説明をもとに整理すると、違いは次のとおりです。
- 貯湯式:本体のタンクにためた水をヒーターで温めておく。一度にたっぷりのお湯で洗えるが、お湯を保温するための電力を使う
- 瞬間式:お湯をためておかず、洗うたびに水をその場で温める。保温の電力が要らないので、貯湯式より年間の電力量は少ないが、温めるときに大きな電力を使い、出せるお湯の量に限りがある
本体の値段は、貯湯式のほうが安く、瞬間式は高い傾向にあるとされます。電気代だけでなく、買うときの値段や、続けて使うときのお湯の量も合わせて比べます。
家の便座がどちらの方式かを確かめる
自分の家の便座がどちらの方式かは、本体に貼られた表示で型番を見て確かめます。その型番で、取扱説明書かメーカーの製品の頁の仕様の欄を見ます。
型番がわかれば、メーカーの製品の頁で年間消費電力量も探せます。年間消費電力量が「節電機能を使用」と「使用しない」の2つ並んでいる製品もあるので、ふだんの使い方に近いほうを書き写します。
1年・1か月・1日の電気代(カタログの平均で計算)
省エネ性能カタログ2025年版の電気便座の一覧では、登録された製品の年間消費電力量の平均が方式ごとに示されています。この平均に目安の単価31円を掛けると、次のようになります。
- 貯湯式・節電機能を使う(平均154kWh):1年4,774円、1か月約398円、1日約13円
- 貯湯式・節電機能を使わない(平均217kWh):1年6,727円、1か月約561円、1日約18円
- 瞬間式・節電機能を使う(平均89kWh):1年2,759円、1か月約230円、1日約7.6円
- 瞬間式・節電機能を使わない(平均119kWh):1年3,689円、1か月約307円、1日約10円

図のとおり、節電機能を使う同士で比べると、貯湯式は瞬間式の約1.7倍です。カタログの「年間の目安電気料金」の欄は1kWhあたり約27円で計算されているので、31円で計算したこの額より低く出ています。
節電機能を使うかどうかで、1年の差はいくらか
同じ一覧の平均どうしで比べると、節電機能を使うかどうかで、貯湯式は63kWh、瞬間式は30kWh違います。目安の単価31円なら、貯湯式で1年1,953円、瞬間式で1年930円の差です。
節電機能には、決めた時間に温度を下げるタイマーのほか、使う時間帯を覚えて使わない時間に便座の温度を自動で下げるものがあります。どの機能があるかは製品で違うので、取扱説明書の節電の頁を開いて、入っているかどうかを確かめます。
設定と使い方で下げられる額(資源エネルギー庁の試算)
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、貯湯式の温水洗浄便座で使い方を変えたときの、1年の省エネの量と節約額を示しています。金額は1kWhあたり31円で換算したものです。
- 使わないときは便座のフタを閉める(開けっぱなしと比べる):34.90kWh・約1,080円
- 便座の設定温度を「中」から「弱」に一段下げる(冷房期間はオフ):26.40kWh・約820円
- 洗浄水の温度設定を「中」から「弱」に一段下げる:13.80kWh・約430円

どれも、比べる2つの状態を決めて出した差です。洗浄水の試算では、周りの温度を暖房期間11℃・中間期18℃・冷房期間26℃と置いています。3つの額を足し合わせても、同時に行ったときの額がその合計と同じになるとは限りません。
寒い時期だけ温め、節電機能を使う
資源エネルギー庁は、一年を通して便座の暖房をつけっぱなしにせず、必要な時期だけ使うよう勧めています。便座の暖房を夏のあいだ切っておくと、上の試算の「冷房期間はオフ」と同じ使い方になります。
タイマーや自動で温度を下げる機能がある製品は、それを使うことも勧められています。出勤や通学で家にだれもいない時間帯に合わせて、タイマーで止める使い方もあります。
留守にするときは、電源を切ってもよいか
旅行などで長く家を空けるときは、電源を切って保温の電力を止めると、電気代の節約になるとされます。貯湯式は、電源を入れ直してからお湯が温まるまで時間がかかるので、帰る日に合わせて入れ直します。
電源の切り方は製品で違います。電源プラグを抜く前に、取扱説明書で止め方と入れ直し方を確かめておきます。
古い便座は、買い替えると電気代が下がるか
資源エネルギー庁は、今どきの省エネタイプの温水洗浄便座は、10年前と比べると約9%の省エネになっていると示しています。仮に年間170kWhの便座が約9%下がると約15kWhで、目安の単価31円なら1年約470円です(年間消費電力量は例)。
方式を替えると差が大きくなります。カタログの平均(節電機能を使う場合)で貯湯式154kWhと瞬間式89kWhの差は65kWhで、目安の単価31円なら1年2,015円です。本体と取り付けの費用の差が3万円なら、3万円÷2,015円で約15年かかります(費用の差は例)。
取り戻す年数が使うつもりの年数より長ければ、電気代の差だけでは費用の差を埋められません。替えるかどうかは、今の便座の古さや具合と合わせて決めます。
長く使っている便座は、異常がないかを点検する
製品評価技術基盤機構(NITE)は、温水洗浄便座の事故が2014年から2023年の10年間に69件あり、製造から10年以上たった製品の事故が約8割を占めたと公表しています。内部の部品の劣化や、異常を放っておいたまま使い続けたことによる発火の事故が挙げられています。
同じ発表では、夏に便座が冷たいのは、長年の使用で便座の暖房のヒーターが断線しているせいかもしれないと注意しています。電気代を下げるために暖房を切っている場合と、壊れて温まらない場合を取り違えないようにします。
NITEは、定期的に点検し、異常や故障に気づいたら、すぐに止水栓を閉めて電源プラグを抜き、使うのをやめるよう呼びかけています。掃除のときの洗剤の使い方を確かめることと、使っている製品がリコールの対象でないかを確かめることも挙げています。寿命の目安は温水洗浄便座の寿命にあります。
自分の家の単価で、1年の額を出し直す
カタログの平均と目安の単価で出した額は、比べるための目安です。自分の家の便座の値と、電気の明細から出した単価を使うと、家計簿に書ける額になります。紙のメモでも表計算でも、同じ順番で進められます。
ステップ1便座の型番と年間消費電力量を控える3分
便座の側面や操作部の近くにある表示で型番を見つけ、取扱説明書かメーカーの製品の頁で年間消費電力量を探します。節電機能を使う場合と使わない場合の2つがあれば、両方とも控えます。
ステップ2電気の明細で、1kWhあたりの額を出す3分
検針票か電力会社の会員ページで、ある月の請求額とその月に使った電力量(kWh)を見て、請求額を電力量で割ります。燃料費調整額などで月ごとに動くため、冬の月と夏の月の2つを出しておくと幅がわかります。
ステップ31年と1か月の額を計算して、メモに残す2分
控えた年間消費電力量に、出した単価を掛けます。たとえば明細から出した単価が33円で、年間消費電力量が140kWhの便座なら、1年4,620円・1か月385円です(単価と年間消費電力量は例)。
家計簿の電気代の行には、便座の分だけが分かれて出てくることはありません。出した額を電気代の欄の横に書いておくと、設定を変えたり買い替えたりしたときに、前と比べる材料になります。
温水洗浄便座の電気代は、年間消費電力量に単価を掛けて出せます。貯湯式か瞬間式か、節電機能を使うかどうかで、額が大きく変わります。
よくある質問
Q温水洗浄便座の電気代は1か月いくらですか
省エネ性能カタログ2025年版の平均に目安の単価31円を掛けると、節電機能を使う場合で貯湯式は1か月約398円、瞬間式は約230円です。自分の便座の値は、取扱説明書かメーカーの製品の頁で確かめます。
Q貯湯式と瞬間式では、どちらの電気代が安いですか
カタログの平均では瞬間式のほうが少なく、節電機能を使う場合で貯湯式154kWh・瞬間式89kWhです。目安の単価31円なら、1年で2,015円の差です。
Qフタを閉めるだけで、電気代は変わりますか
変わります。資源エネルギー庁の試算では、貯湯式の便座で使わないときにフタを閉めると、開けっぱなしと比べて1年約1,080円の節約です。
Q夏は便座の暖房を切ったほうがいいですか
資源エネルギー庁は、必要な時期だけ使うよう勧めています。便座の設定温度を「中」から「弱」にして冷房期間はオフにすると、貯湯式で1年約820円の節約という試算です。
Qずっと電源を入れっぱなしでも大丈夫ですか
省エネ性能カタログの年間消費電力量は、家庭での平均的な使い方で1年間使ったときの電力量として示されています。長く使っている製品は、NITEの呼びかけにならって、異常や故障がないかを定期的に点検します。
Q1日あたりの電気代はいくらですか
1年分を365日で割って出します。カタログの平均(節電機能を使う場合)と目安の単価31円で、貯湯式は1日約13円、瞬間式は約7.6円です。
まとめ
- 便座の1年の電気代=年間消費電力量(kWh)×単価で、1か月は12で割る
- 計算に使った31円は、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価(令和4年7月22日改定)
- カタログ2025年版の平均・節電機能を使う場合で、貯湯式は1年4,774円、瞬間式は2,759円
- 節電機能を使わないと、平均どうしで貯湯式は1年1,953円、瞬間式は930円高くなる
- 貯湯式でフタを閉めると1年約1,080円、便座の温度を一段下げると約820円、洗浄水の温度を一段下げると約430円
- 10年以上使っている便座は、異常がないかを点検する(NITE)
- 家計に近い額は、自分の便座の値と明細の単価で計算し直す
便座の年間消費電力量と明細の単価がわかれば、トイレの便座にかかる1か月の電気代を出せます。設定を変える前と後も、同じ式で比べられます。
この記事で参照した公的情報
- よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 省エネ性能カタログ 2025年版 電気便座 省エネ性能一覧(温水洗浄便座 貯湯式の平均値:年間消費電力量 節電機能を使用154kWh・使用しない217kWh/瞬間式の平均値:89kWh・119kWh)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネ型製品情報サイト)
- 確認日
- 確認先
- https://seihinjyoho.go.jp/frontguide/pdf/catalog/2025/catalog2025.pdf
- 無理のない省エネ節約 風呂・トイレ(温水洗浄便座:貯湯式と瞬間式・使わないときはフタを閉める34.90kWh・約1,080円/便座の設定温度を中から弱に下げる26.40kWh・約820円/洗浄水の温度設定を中から弱に下げる13.80kWh・約430円・いずれも貯湯式)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/bathtoilet/index.html
- 無理のない省エネ節約 省エネ効果の算出根拠(電気の金額換算係数31円/kWh=令和4年7月 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/index.html
- 機器の買換で省エネ節約(今どきの省エネタイプの温水洗浄便座は10年前と比べると約9%の省エネ)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/
- 温水洗浄便座は“電気製品”なんです!~経年劣化、故障放置による事故に注意~(令和6年7月25日・2014年から2023年の10年間の事故69件・製造から10年以上経過した製品が約8割)
- 窓口
- 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)
- 確認日
- 確認先
- https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs240725.html
