光回線の解約・乗り換えでかかる違約金と工事費の残債はいくら?|撤去工事・機器の返却と、工事なしで移れる場合

2022年7月1日以降に結んだ光回線の契約(法人契約を除く)なら、解約のときに請求できる違約金は、サービスの月額料金が上限です。開通工事の費用の分割の残り(工事費の残債)も、契約期間に応じて減り、契約が満了するとゼロになる額までしか請求できません。
このほかに、解約する月の利用料、自分から頼んだ撤去工事の費用、返さなかったレンタル機器の代金がかかることがあります。解約手数料と事業者変更の手数料は、窓口での手続きのような利用者の便宜のためのオプションを除いて、請求できない決まりです。
2022年6月30日の時点で結んでいた期間の決まった契約と、その契約を2025年6月30日までに更新したものなどには、この制限が当分の間当てはまりません。高い違約金の定めが残っていることがあるので、まず自分の契約がいつのものかを確かめます。
光回線を乗り換えたいのですが、違約金と工事費の残りで、全部でいくら払うことになるのかが分かりません。工事なしで移れるのかも気になります。
解約でかかるお金の内訳と、請求できる上限
次の表は、総務省の携帯電話ポータルサイトにある2022年7月1日からの消費者保護ルールの案内をもとに、その日以降に結んだ契約で、解約のときに請求できるものと上限を並べたものです。
| 項目 | 請求できる上限 | 確かめる所 |
|---|---|---|
| 違約金 | 月額料金まで | 契約の期間と更新月 |
| 工事費の残債 | 期間に応じて減る額 | 工事費と始まった月 |
| 撤去工事(自分の都合) | 全額 | 撤去が要るか |
| 撤去工事(会社の都合) | 期間に応じて減る額 | 契約書の説明 |
| レンタル機器 | 使用料(返さないと買い直しの額) | 返す期限 |
| 解約する月の料金 | 使った分の料金 | 日割りか1か月分か |
光テレビや電話などのオプションも、光回線の解約に伴って終わるものは、同じ決まりの中で数えます。解約の前に、付けているオプションを契約書か会員ページで見ておきます。
違約金は、月額料金が上限
違約金がかかるのは、2年契約や3年契約など期間の決まったプランを、違約金のかからない更新月などの外で解約したときです。違約金の無いプランもあるので、契約書か会員ページで、違約金の有無と額、違約金のかからない月を確かめます。
上限になる月額料金は、セット割や学割のように契約期間を通して受ける割引を引いた後の額です。最初の半年だけ無料のような、期間を限った割引は考えません。
総務省の施行規則のQ&Aでは、2年使うことを条件に受け取ったキャッシュバックの分を、解約のときに取り返すことはできないとされています。違約金そのものは請求できますが、1か月の利用料金の分が上限です。
工事費の残債は、契約期間に応じて減る
開通工事の費用を24回・36回などの分割にしていると、払い終わる前に解約したとき、残りをまとめて請求されることがあります。毎月の割引で工事費を打ち消す「実質無料」の形でも、割引は解約で終わるので、残りの支払いが出ることがあります。
2022年7月1日以降の契約では、請求できる工事費の残りは、契約期間に応じて減り、契約が満了するとゼロになる額までです。総務省の案内の例では、24か月契約のサービスを10か月目に解約すると、工事費の(24−9)÷24を請求できます。
対象は、引込線などの工事(これに付随するものを含む)の費用です。工事費をキャンペーンで割り引いていた場合、総務省のQ&Aでは、割り引く前の額をもとに残りを請求することはできないとされています。
次の回線を申し込むときにも、開通の工事費がかかります。家の配線ごとの額と「実質無料」の見方は、光回線の工事費にあります。
撤去工事は、自分で頼んだかどうかで変わる
解約のときに、家に引き込んだ光ファイバーの線を取り外す撤去工事が、住まいや物件によって要ることがあります。撤去が要るかと費用は解約を申し込むときに確かめ、要るときは日程を決めて工事に立ち会います。
撤去工事の費用は、自分の都合で頼んだものなら全額を請求できます。会社の都合で行うものは、工事費の残債と同じように契約期間に応じて減り、契約が満了するとゼロになる額までです。
レンタル機器は、返さないと代金がかかる
光回線の終端の装置(ONU)やルーターなど、会社から借りている機器は、解約した後に返します。解約を申し込むと返却用の箱や袋が送られてくるので、機器をまとめて入れ、期限を過ぎないうちに送り返します。
返さなかったり壊したりしたときは、買い直しの額(再調達価額)を請求できます。返送の費用を利用者が払うこと自体は禁じられていませんが、どちらもその額が契約書面に書いてあることが要ります。
解約する月の料金と、プロバイダ
解約する月の料金は、日割りにする契約と、1か月分を払う契約があります。解約日によって払う額が変わるので、乗り換え先の開通日と合わせて、今の回線を解約する日を決めます。
回線とプロバイダを別々に契約している場合は、両方に解約を申し込みます。プロバイダにも違約金の定めがあることがあるので、プロバイダの契約書も確かめます。
自分の額の出し方
違約金は、契約書の額を月額料金と見比べます。工事費の残債は、次の式で請求できる上限の見当がつきます。契約期間の月数はサービスが始まった月から満了する月まで、経過した月数は始まった月の翌月から解約する月までで数えます。
- 工事費の残債の上限=工事費×(契約期間の月数−経過した月数)÷契約期間の月数
施行規則では、24か月で同じように割った率のほうが高いときは、その率を使います。1年契約のように24か月より短い契約では、24か月で割った率のほうが高くなります。
次の表は、例として工事費を33,000円、3年(36か月)契約、月額料金を5,170円と置き、16か月目に解約する場合と、満了の翌月(37か月目)に解約する場合に請求できる上限を並べたものです。金額はどれも例です。
| 項目 | 16か月目に解約 | 37か月目に解約 |
|---|---|---|
| 違約金 | 5,170円 | 0円 |
| 工事費の残債 | 19,250円 | 0円 |
| 撤去工事(頼んだ場合) | 8,800円 | 8,800円 |
| 合計 | 33,220円 | 8,800円 |
16か月目なら経過した月数は15なので、工事費の残債の上限は33,000円×(36−15)÷36=19,250円です。37か月目は(36−36)÷36でゼロになります。37か月目の違約金0円は、その月が違約金のかからない月に入っている場合の例です。
撤去工事の額は、契約書や解約の申し込みの画面で確かめて、自分の額に置き換えます。解約する月の料金は、表とは別に、契約の定めどおりにかかります。
通信費をまとめて見直すときの明細の見方は、通信費の平均と家計簿での書き方にあります。スマホも同時に乗り換えて、光回線とのセット割が外れるときの考え方は、格安SIMへの乗り換え費用はいくら?にあります。
工事なしで移れる場合(転用・事業者変更)
光回線の乗り換えは、今の回線と乗り換え先の組み合わせで、工事が要るかどうかが変わります。光コラボは、回線の会社の光回線を借りて、プロバイダなどの会社が自社のサービスとして売る光回線です。次の表は、乗り換えの形ごとの手続きと工事の要否です。
| 今の回線→乗り換え先 | 手続き | 開通工事 |
|---|---|---|
| 回線の会社と直接契約→光コラボ | 転用 | 原則不要 |
| 光コラボ→別の光コラボ | 事業者変更 | 原則不要 |
| 独自の回線との乗り換え | 解約と新規契約 | 要る |
転用と事業者変更は、同じ回線の設備を使い続けるので、新しく線を引き込む工事が原則として要りません。今の会社から承諾番号(転用承諾番号・事業者変更承諾番号)をもらい、乗り換え先に伝えて申し込みます。
転用のときの違約金と工事費の残債
転用は解約ではなく、契約を移す手続きです。元の契約の違約金がかかるかは契約の定めによるので、承諾番号をもらうときに今の会社に確かめます。総務省のQ&Aでは、転用のときの工事費の残債は、利用者に請求されるものではなく、乗り換え先の会社が引き継ぐものとされています。
その残債は、乗り換え先の会社を後で解約するときに、契約期間に応じて減らした額の範囲で請求できるとされています。転用で移った後の契約書に、工事費の残りの扱いが書いてあるかを確かめます。
事業者変更と、独自の回線の乗り換え
事業者変更でも今の会社との契約は終わるので、今の契約の違約金や工事費の残債は、上の決まりの範囲でかかることがあります。2022年7月1日以降の契約では、事業者変更の手数料は、窓口での手続きのようなオプションを除いて請求できません。
独自の回線との乗り換えは、今の回線を解約して新しく契約し、開通工事を受けます。工事の日程によっては開通まで時間がかかるので、新しい回線がつながったのを確かめてから今の回線を解約すると、ネットが使えない期間を作らずに済みます。
光回線の電話サービスの番号は、もとは固定電話(加入電話)で使っていた番号なら引き継げることがあります。光回線を契約したときに新しくもらった番号は、解約すると使えなくなることがあるので、番号を残したいときは申し込む前に乗り換え先に確かめます。
2022年6月30日までに結んだ契約のとき
今の電気通信事業法施行規則の附則では、2022年6月30日の時点で結ばれていた期間の定めのある契約には、違約金と工事費などの制限が当分の間当てはまりません。その契約の一定の範囲の変更と、2025年6月30日までに行われた更新も同じです。
この扱いは、2028年6月30日限りで効力を失うと附則に書かれています。古い契約のままの人は、違約金と工事費の残りが新しい決まりと違う額になっていることがあるので、契約書か会員ページで違約金の欄を確かめます。
自分の契約がどちらに当たるか分からないときは、契約した会社に、契約を結んだ日と最後に更新した日、解約したときに請求される額の内訳を聞きます。聞いた内容は、後で届く請求と見比べられるように控えておきます。
契約したばかりで合わなかったとき
光回線も、契約書を受け取ってから8日以内なら、初期契約解除で会社の同意なしに契約をやめられると総務省は案内しています。この場合は違約金が要りません。電気通信事業法 第26条の3では、総務省令で定める場合を除き、解除は書面で行います。
初期契約解除でも、解約までの利用料、事務手数料(概ね3,300円前後)、工事費用などの実費は払います。工事費用は固定回線(家のインターネット回線)だけにかかり、総務省の案内では、最も高額なものでも2万7,500円まで(土日・休日などは別に加算あり)です。
電話で勧められて契約した場合、国民生活センターは、「説明書面」と「契約書面」の2つの書面が送られると案内しています。契約書面が届いたらすぐに中身を確かめ、取りやめたいときは早めに契約した会社に申し出ます。
解約で請求された額が契約書の説明と合わないときは、契約した会社に内訳を出してもらいます。それでも解決しないときの相談先は消費者ホットライン188で、電話をすると最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。
よくある質問
Q引っ越しで解約するときも、違約金はかかりますか
引っ越しでも、解約になるなら違約金や工事費の残債は契約の定めどおりにかかることがあります。引っ越し先でも同じ回線を使えるなら、解約ではなく移転の手続きができる場合があるので、先に今の会社に確かめます。
Q違約金がかからない月に解約すれば、ほかに払うものはありませんか
違約金がかからない月でも、工事費の分割の残り、解約する月の料金、頼んだ撤去工事の費用がかかることがあります。工事費の分割があと何回残っているかを、会員ページか請求の明細で確かめます。
まとめ
- 2022年7月1日以降の契約(法人契約を除く)では、違約金は月額料金が上限
- 工事費の残債は契約期間に応じて減り、契約が満了するとゼロになる額まで
- 自分で頼んだ撤去工事は全額、返さなかった機器は買い直しの額がかかることがある
- 解約手数料と事業者変更の手数料は、オプションの手続きを除いて請求できない
- 転用と事業者変更は、原則として開通工事が要らない
- 2022年6月30日の時点の契約と2025年6月30日までの更新には、当分の間この制限が当てはまらない
- 契約書を受け取ってから8日以内なら、初期契約解除ができる
この記事で参照した公的情報
- 携帯電話ポータルサイト ③乗換えのチェックポイントは?(コラム2.2022年7月1日から電気通信サービスに関する消費者保護ルールが強化されました=2022年7月1日以降に締結された契約(法人契約を除く)は解約時に請求できる金額が制限される・2022年6月30日までに締結された契約やその更新契約などを除く・違約金はサービスの月額料金が上限(月額料金はセット割や学割など契約期間を通して適用される割引を考慮した金額・期間限定割引は考慮しない)・開設工事費等の残債は契約期間に応じて低減し契約満了時にゼロとなる額(24か月契約を10か月目に解約すると工事費の(24-9)/24)・撤去工事費等は事業者都合なら低減した額、利用者都合なら全額・レンタル物品は未返却・損壊なら再調達価額、返送費用の利用者負担は禁止されていないがその額が契約書面に明記されていることが必要・請求できないものの例=解約手数料・事業者変更手数料(利用者の便宜を図るためのオプション手続きの料金を除く)/解約月の利用料金の日割り・一月分の定め)
- 改正電気通信事業法施行規則に関するQ&A(最終改正:令和4年7月1日)(A3-2-4 2年契約を条件にしたキャッシュバック相当額は解約時に請求できない・違約金は1月当たりの利用料金相当額が上限/A3-3-1・A3-3-2 転用の際に光コラボ事業者が譲り受ける開設工事費残債は利用者に請求されるものではない・利用者が光コラボ事業者のサービスを解約する際は契約期間に応じて低減した合理的な額なら請求できる/A3-3-7 開設工事費のキャンペーン割引の前の額を基礎として請求することはできない/A3-4-1 事業者変更承諾番号の払出しの事務手数料は利用者の便宜を図るためのオプションなら全額請求できる)
- 携帯電話ポータルサイト Q5.「初期契約解除」ってなに?(通信サービスの契約書を受け取ってから8日以内であれば一方的に契約を解約できる・違約金の支払いは不要・初期契約解除でも解約時までのサービス利用料・工事費用(固定回線(家のインターネット回線)のみ・最も高額なものでも2万7,500円まで・土日・休日等の場合は別途加算あり)・事務手数料(概ね3,300円前後)などの実費は支払う)
- 電気通信事業法施行規則 第22条の2の13の2第2号(契約の解除に伴い請求できる額=ロ 違約金等は一月当たりの料金に相当する額・ハ 工事費は契約満了月数から契約月数を控除した月数を契約満了月数で除した率と、二十四月から契約月数を控除した月数を二十四月で除した率のいずれか高い率を乗じた額・契約月数は提供開始の月の翌月から解除の月までの月数・ホ 利用者等の求めに応じて行われる工事等は通常要する費用の額・ト 貸与物品は使用料、返還されない場合は取得のために通常要する価額を加える)・令和4年総務省令第6号附則 第2項(施行日の前日に現に締結されている契約(契約期間の定めがない契約を除く)と、一定の範囲の変更又は令和7年6月30日までに行われた更新を内容とする契約には、当分の間、第22条の2の13の2第2号を適用しない)・第3項(第2項は令和10年6月30日限り効力を失う)(2026-08-10 施行の版。未施行の版は無い)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50001000025
- 電気通信事業法 第26条の3(書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間、総務省令で定める場合を除き、書面により当該契約の解除を行うことができる)(2026-05-27 施行の版。未施行の 2027-05-27・2028-06-13 施行の版も同じ文)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000086
- 光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています!(2026年7月1日公表=電話勧誘の契約では「説明書面」と「契約書面」の2つの書面が送付される・契約書面が届いたらすぐに内容を確認し、キャンセル・解約したいと思った場合は速やかに契約先事業者に申し出る・最寄りの消費生活センター等に相談)
- 窓口
- 国民生活センター
- 確認日
- 確認先
- https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260701_1.html
- 消費者ホットライン(188に電話すると、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する)
