自動車保険の等級は、事故で保険を使うと3等級下がる|保険料が高いのは何年か、今の等級ごとの早見と、保険を使うか自分で払うかの比べ方

支出の見直し ・ ・ 最終更新

自動車保険で事故を起こして保険金を受け取ると、翌年の等級は事故1件につき3等級下がります。さらに、そのあと3年間は、同じ等級でも「事故有」の低い割引率になります。下がった等級から3年間無事故で過ごせば、4年目の契約で元の等級と無事故の割引率に戻ります。

20等級の人なら、使った翌年は17等級で、割引率は63%から44%になります(日本損害保険協会の割増引率の例)。盗難や台風などで車両保険の保険金を受け取ったときは1等級下がって1年間、人身傷害保険だけのときなどは下がらないことがあります。

相手の保険から払われる事故で、自分の保険を使わなければ等級は下がりません。もう保険を使った人が更新の前に確かめることも、後半にまとめました。

事故で保険を使うと、保険料がどれだけ上がって、いつまで続くのかが分かりません。修理代を自分で払ったほうがいいのかも迷います。

今の等級から、保険を使った翌年の割引率の早見

次の表は、今の等級が無事故の区分の人が、事故1件で保険を使った場合と使わなかった場合の、翌年の等級と割増引率です。率は日本損害保険協会が示す例で、契約している保険会社の率とは違うことがあります。

今の等級 保険を使った翌年 使わなかった翌年
20等級(63%割引) 17等級・事故有44%割引 20等級・63%割引
16等級(54%割引) 13等級・事故有24%割引 17等級・55%割引
12等級(50%割引) 9等級・事故有18%割引 13等級・51%割引
9等級(44%割引) 6等級・13%割引 10等級・46%割引
6等級(13%割引) 3等級・38%割増 7等級・27%割引

20等級の人は、使わなければ翌年も20等級です。使うと3等級下がったうえに「事故有」の率になり、割引は19ポイント小さくなります。6等級で使うと3等級になり、割引ではなく割増になります。

表に無い等級は、今の等級から3を引いた等級の「事故有」の率を、保険会社の表で見ます。6等級以下は事故有と無事故の区分が無いので、その等級の率がそのまま使われます。

保険料が高い年は何年続くか(20等級の例)

次の表は、20等級(無事故)の人が事故1件で保険を使った場合と、使わなかった場合の、翌年から4年分の保険料の例です。割増引の前の保険料を年13万円とし、ほかの条件は変わらないとして、割増引率だけを当てはめました。

契約の年 使った場合 使わなかった場合 差(例)
1年目 17等級・72,800円 20等級・48,100円 24,700円
2年目 18等級・70,200円 20等級・48,100円 22,100円
3年目 19等級・65,000円 20等級・48,100円 16,900円
4年目 20等級・48,100円 20等級・48,100円 0円

使った場合の1〜3年目は、どれも「事故有」の率です。この例では、3年間で増える保険料は合わせて63,700円で、4年目の契約から差がなくなります。

実際の額は、保険会社の料率の改定や、型式別料率クラスの見直しでも変わります。表は等級のしくみだけを取り出した目安として見て、自分の額は保険会社か代理店に聞いて確かめます。

損害保険料率算出機構の資料でも、戻るのは4年後

損害保険料率算出機構の「自動車保険の概況」には、18等級の契約で事故が1件あった例が載っています。翌年度は15等級で「事故有」の残りが3年、次は16等級で残り2年、その次は17等級で残り1年です。

4年後に18等級の「無事故」の区分に戻ります。「事故有」の期間は事故1件につき3年で、1年たつごとに1年ずつ短くなります。

20等級より下の人は、影響が長く残る

20等級の人は、使わなかった場合も20等級のままなので、差は3年で消えます。20等級より下の人は、使わなければ毎年1等級ずつ上がるので、使った場合との差は20等級に届くまで残ります。

例えば12等級の人は、使わなければ8年後の契約で20等級になります。使うと翌年は9等級からやり直しになり、20等級になるのは12年後の契約です。この例では、3等級下がる事故1件で、20等級に届くのが4年遅れます。

4年目からは「事故有」の率が外れるので差は小さくなりますが、20等級に届くまでは残ります。20等級より下の人は、保険会社に聞く年数を長く取って比べます。

等級と「事故有」の期間の決まり

1年間無事故なら1等級上がり、事故1件で3等級下がる

日本損害保険協会の案内では、等級は1等級から20等級まであり、初めての契約は6等級から始まります。1年間事故がないと1等級上がり、事故で保険金を受け取ると、1つの事故につき3等級下がります。

損害保険料率算出機構の資料では、2台目以降の車で条件に当たるときは、新しい契約でも7等級から始まります。保険会社によっては、20等級より上の区分を設けている場合もあるとされます。

7等級から上は、同じ等級でも「事故有」の率が分かれる

7等級から20等級は、同じ等級でも、事故があった人と無かった人で率が分かれています。機構の資料では、20等級の「事故有」と「無事故」の保険料の差は約1.32倍です。

1等級から6等級は、事故有と無事故の区分がありません。1等級と20等級(無事故)の差は約5.62倍で、等級の数字が小さいと保険料は高くなります。

事故が重なると、「事故有」の期間は最長6年

事故が2件あれば、1件につき3等級ずつ、合わせて6等級分が下がります。「事故有」の期間も事故1件につき3年ずつ足されますが、機構の資料では、足した期間の上限は6年です。

「事故有」の期間の途中でまた事故があったときも、残りの期間に足されます。1年に3件以上の事故があっても、期間は6年までです。

1等級だけ下がる事故

日本損害保険協会の案内では、盗難や台風、洪水、高潮などで車両保険の保険金を受け取ったときは、1つの事故につき1等級下がります。「事故有」の低い割引率も1年間だけです。

機構の資料は、車両保険の火災や落下物との衝突なども1等級だけの例に挙げています。ほかに落書き・いたずら・窓ガラスの破損なども挙げられています。どの事故がこれに当たるかは、契約の約款と保険会社で確かめます。

飛び石でフロントガラスを直すときも、保険を使うかで翌年からの保険料が変わります。年ごとの例は、フロントガラスの飛び石の修理費用で並べられます。

20等級の人なら、翌年は19等級の「事故有」で50%割引、その次の年は20等級に戻ります。上の例と同じ年13万円なら、増えるのは1年分の16,900円です。

等級が下がらない事故(ノーカウント事故)

機構の資料では、人身傷害保険だけの事故や、原動機付自転車の特約の事故などは、保険金を受け取っても等級が下がらず、翌年は1等級上がります。日本損害保険協会は、この扱いは保険会社によって違う場合があるとしています。

弁護士費用の特約や、日常の賠償の特約だけを使ったときも等級が下がらないとされます。使う前に、その特約がこの扱いかを保険会社に聞いておくと、迷わずに済みます。レッカーの料金はレッカーの費用にあります。

1〜5等級は、割増になる等級がある

日本損害保険協会の例では、1等級は108%割増、2等級は63%割増、3等級は38%割増、4等級は7%割増で、5等級は2%割引です。この低い等級は「デメリット等級」とも呼ばれます。

低い等級では、保険会社から契約や更新を断られることがあるともされます。6等級のうちに保険を使うと、すぐに割増の等級に入ります。

保険会社を替えても、等級と「事故有」の期間は引き継がれる

日本損害保険協会の案内では、保険会社と共済組合が等級の情報を交換する制度があります。1〜5等級や「事故有」の期間の情報も、別の保険会社に移ったときに確かめられます。

そのため、保険会社を替えても、下がった等級や「事故有」の期間はそのまま引き継がれます。替えれば元に戻る、というしくみではありません。

保険を使うか、自分で払うかの比べ方

日本損害保険協会は、少ない保険金を受け取るより、翌年からの保険料の割増のほうが高くなる場合があるとしています。そのときは保険会社が保険金の請求を勧めないことがあるので、説明をよく聞いて決めます。

比べるのは、保険から出る額と、使った場合に増える保険料の合計です。次の3つの手順で並べます。

手順1:保険から出る額を出す

修理工場の見積もりの額から、契約で決めた免責金額(自分で払う額)を引きます。修理代の目安は車の板金修理の費用で確かめられます。

手順2:使った場合に増える保険料を聞く

保険会社か代理店に、使った場合と使わなかった場合の、次の更新からの保険料を聞きます。20等級の人は3年分、20等級より下の人は、20等級に届くまでの年数で聞くと差が見えます。

手順3:保険から出る額と、増える保険料を並べる

例えば、修理代の見積もりが9万円で免責金額が5万円なら、保険から出るのは4万円です。上の20等級の例で増える保険料は3年で63,700円なので、この例では自分で払うほうが負担は小さくなります。

逆に、保険から出る額が増える保険料の合計より大きければ、使うほうが負担は小さくなります。どちらも数字は例なので、自分の見積もりと、保険会社が出した額で並べます。

事故は、使うか決める前に保険会社へ知らせる

事故が起きたら、保険を使うかどうかにかかわらず、警察と保険会社に知らせます。知らせるのが遅れると、あとで使いたくなっても使えるとは限らないとされます。

知らせただけで等級が下がるわけではなく、等級が下がるのは保険金を受け取ったときです。使うかは、保険会社や代理店に増える額を聞いてから決められます。

もう保険を使った人が、更新の前にすること

すでに保険金を受け取った人は、次の更新の案内で、等級と「事故有」の残りの期間を確かめます。上の早見と同じ等級と率になっているかを見ると、何年で戻るかの見当がつきます。

増える保険料は、3年分を家計簿の更新の月の行に先に書いておきます。年払いなら1年ごと、月払いなら月の額の差を書くと、いつまで続くかが見えます。

保険料が家計に重いときは、運転する人の範囲や年齢の条件、車両保険の付け方が今の暮らしに合っているかを見直します。見直すところは自動車保険の平均にまとめています。

よくある質問

Q事故で保険を使うと、保険料は何年高くなりますか

3等級下がる事故なら、「事故有」の率になるのは3年間です。20等級の人は4年目の契約で元に戻りますが、20等級より下の人は、使わなかった場合との差が20等級に届くまで残ります。

Q20等級の人が保険を使うと、何等級になりますか

翌年は17等級の「事故有」で、例では44%割引です。18等級、19等級と1つずつ上がり、4年目の契約で20等級の無事故の63%割引に戻ります。

Q1等級だけ下がるのは、どんなときですか

盗難や台風、洪水、高潮などで、車両保険の保険金を受け取ったときなどです。「事故有」の率は1年間で、くわしい範囲は保険会社で確かめます。

Q保険会社を替えれば、下がった等級は元に戻りますか

戻りません。保険会社と共済組合が等級の情報を交換していて、1〜5等級や「事故有」の期間も引き継がれます。

Q修理代を自分で払うか、保険を使うかはどう決めますか

保険から出る額(修理代から免責金額を引いた額)と、使った場合に増える保険料の合計を比べます。増える額は、保険会社か代理店に聞いて確かめます。

まとめ

  • 事故で保険金を受け取ると、翌年の等級は事故1件につき3等級下がる
  • そのあと3年間は、同じ等級でも「事故有」の低い割引率になる
  • 20等級の人は、使った翌年は17等級の事故有(例で44%割引)、4年目の契約で20等級の63%割引に戻る
  • 20等級より下の人は、使わなかった場合との差が20等級に届くまで残る(12等級の例では、20等級に届くのが4年遅れる)
  • 盗難や台風・洪水などで車両保険の保険金を受け取ったときは1等級下がり、事故有は1年間
  • 人身傷害保険だけのときなどは等級が下がらない(扱いは保険会社で確かめる)
  • 保険会社を替えても、等級と事故有の期間は引き継がれる
  • 使うかは、保険から出る額と、使った場合に増える保険料の合計を比べて決める

今の等級と「事故有」の期間を証券で確かめ、使った場合の3年分の保険料を聞きました。修理代と並べて、保険を使うかを額で決められます。

この記事で参照した公的情報

  1. 損害保険Q&A 問23 自動車保険の「等級」について(初めての契約は6等級・1年間事故がないと1等級上がる・保険金の支払いを受けると1事故につき3等級下がる・有事故契約者は3年間低い割引率で、3年間無事故で過ごせば無事故契約者と同じ割引率・等級別割増引率例(1等級108%〜20等級無事故−63%・事故有−51%)・継続契約の1〜6等級は無事故・有事故の区分けなし・盗難や台風、洪水、高潮などで車両保険の保険金を受け取った場合などは1事故につき1等級下がり1年間・ノーカウント事故は各社で取扱いが異なる場合がある・等級情報交換制度=1〜5等級・事故有係数適用期間の情報を保険会社と共済組合で交換)
    窓口
    一般社団法人 日本損害保険協会
    確認日
    確認先
    https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q023.html
  2. 損害保険Q&A 問49 自分の自動車保険から少額の保険金を請求しようとしたところ、保険は利用しない方がよいといわれたのはなぜか(受け取る少額の保険金の額より、翌年以降に支払う保険料の割増額の方が高くなる場合がある・保険会社または代理店の説明をよく聞いて判断)
    窓口
    一般社団法人 日本損害保険協会
    確認日
    確認先
    https://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q049.html
  3. 自動車保険の概況 2025年度(2024年度統計) 2 自動車保険の保険料率 ❻過去の事故歴─ノンフリート等級─(1〜20等級・1等級と20等級の較差約5.62倍・20等級の無事故と事故有の較差約1.32倍・1〜6等級は無事故と事故有の差なし・事故1件で3等級下がり3年間「事故有」区分・18等級の例で4年後に18等級の無事故・新規は6等級か7等級・車両保険の火災や落下物との衝突などは1等級のみで「事故有」も1年間・人身傷害保険のみ、原動機付自転車の特約の事故などは下がらず1等級上がる・「事故有」区分の期間の加算は最長6年)
    窓口
    損害保険料率算出機構
    確認日
    確認先
    https://www.giroj.or.jp/publication/outline_j/j_2025.pdf

この記事を書いているのは

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