薪ストーブの費用はいくら?|本体・煙突・工事の内訳と、1シーズンの薪代を自分の家で出す式・手入れの費用・補助の例

支出の見直し ・

薪ストーブを家に付ける費用は、本体が20万〜65万円、煙突の部材が40万〜75万円、炉台などを含む工事が20万〜40万円で、合計80万〜180万円ほどが目安です。煙突の長さと通し方で額が大きく変わるので、本体の値段だけでは総額は決まりません。

使い始めてからは、薪を買う家には薪代が、どの家にも煙突の掃除などの手入れの費用が毎年かかります。薪代は「1シーズンに燃やす量×1立方メートルあたりの値段」で出せて、2.5立方メートルを1立方メートル1.8万円で買う例なら4.5万円です。

すでに付いている家で、毎年の費用だけを知りたい人は、1シーズンの薪代を出す式から読んでください。住んでいる市区町村の補助は、補助は市区町村ごとに違うにまとめました。

薪ストーブを付けたいのですが、本体のほかに煙突や工事でいくらかかるのかが分かりません。毎年の薪代や掃除の費用まで入れると、家計にどれだけ重いのかも迷います。

付けるときの費用の内訳

薪ストーブを付ける費用は、ストーブの本体、煙を外へ出す煙突の部材、炉台や取り付けの工事の3つに分かれます。次の表は、薪ストーブを製造・販売する会社と、住まいの情報サイトが同じ内訳で示している目安です。

内訳 目安 何の費用か
本体 20万〜65万円 ストーブそのもの
煙突の部材 40万〜75万円 煙突・屋根の部材
工事 20万〜40万円 炉台・取り付け
合計 80万〜180万円

表のとおり、煙突の部材が本体より高くなることがあります。屋根の上まで通す煙突の長さや、熱を外へ逃がしにくい断熱二重煙突を使う範囲で、部材の額が変わるためです。

費用を抑えるために、室内の部分だけを一重の煙突にすることもあります。その場合も、下の節の、燃えやすい部分から離す決まりは同じです。

ほかの出どころの目安も並べておきます。リフォーム工事の一括見積もりを仲介するサイトは、総額95万〜170万円で、予算は100万円以上を見込むのが無難としています。

北海道の販売・施工の店は、本体を除く費用を65万〜120万円としています。これまで客が負担した設置の合計の範囲としては、100万〜160万円を示しています。

これらはどれも、薪ストーブを売る・取り付ける側か、工事を仲介する側が示す数字です。目安の1つにとどめ、自分の家の額は見積もりで確かめます。

本体の値段の幅

本体の値段は、大きさと素材とメーカーで決まります。リフォーム工事の一括見積もりを仲介するサイトは、安い製品で10万〜15万円、高い製品では80万〜120万円ほどになることもあるとしています。

素材では、鋳物(いもの)でできたものは暖まるのに時間がかかる代わりに冷めにくく、鋼板でできたものは早く暖まり、火が消えると冷めるのも早いのが違いです。暖まり方の好みと、たく時間の長さで選びます。

本体の値段が安いものほど総額も安くなるとは限りません。北海道の販売・施工の店は、本体以外の費用は本体の値段に比例するわけではなく、建物に合わせた煙突の計画や設置場所のデザインで変わるとしています。

煙突と離す距離は、決まりがある

煙突と薪ストーブの置き場所には、法令の決まりがあります。費用の内訳に炉台や炉壁の工事が入るのは、この決まりを満たすためでもあります。

建築基準法施行令 第115条は、建物に付ける煙突について、次のように決めています。

  • 屋根から上に出る部分は、屋根面から垂直に60cm以上
  • 煙突の先から水平に1m以内に軒のある建物があるときは、その軒より60cm以上高くする
  • 木材など燃えやすい建物の部分から15cm以上離す(厚さ10cm以上の、金属以外の不燃材料で造る・覆う部分などは除く)

火事を防ぐための距離もあります。市町村の火災予防条例のもとになる国の基準(総務省令の別表第一)では、ガスなどの気体の燃料や、灯油などの液体の燃料を使うもの以外のストーブは、燃えやすい仕上げの壁や物から、上に150cm・横に100cm・前に150cm・後ろに100cmです。

この距離のほかに、国が定める方法で得た距離を、消防長か消防署長が認めることもあります。自分の家でどこまで離すかは、施工する会社と、住んでいる地域の消防署に確かめます。

新築と後から付けるときの違い

新築のときに付けると、間取りと屋根の計画に煙突の通り道を最初から入れられます。北海道の販売・施工の店は、計画の初めの段階から相談すると、むだな煙突や工事の費用を抑えやすいとしています。

今ある家に後から付けるときは、屋根や壁に穴を開けて煙突を通すリフォームの工事になります。煙突をまっすぐ通せない家では、曲がりや横に引く部分が増えて、部材と工事の額が上がることがあります。

1シーズンの薪代を出す式

薪を買う家の1シーズンの薪代は、燃やす量に単価を掛けて出します。薪は「束」か「立方メートル」で売られているので、買う単位に合わせます。

  • 立方メートルで買うとき:1シーズンに燃やす量(立方メートル)× 1立方メートルあたりの値段
  • 束で買うとき:1日に燃やす束の数 × 1束の値段 × 使う日数

福井市の補助の条件では、薪2立方メートルを「150束程度」としています。1立方メートルで75束ほどの計算ですが、1束の大きさは売る店で違うので、買う店で1束の重さや寸法を確かめます。

買い方で変わる、2.5立方メートル分の額(例)

次の表は、1シーズンに2.5立方メートルの薪を燃やすと置き、買い方ごとの額を出した例です。束は1立方メートルを75束として、約188束と数えています。単価は例で、買う店と地域で変わります。

買い方 単価(例) 2.5立方m分
束で買う 1束450円 約8.4万円
立方mで買う 1立方m1.8万円 4.5万円
譲ってもらう 0円 運ぶ費用だけ

同じ量でも、束で少しずつ買うと、まとめて立方メートルで買うより高くなることがあります。束で毎日買う例では、1日2束を1束450円で120日燃やすと、10万8,000円です。近くに薪を売る店や、原木を分けてくれる森林組合などがあるかでも、手に入れやすさと値段が変わります。

燃やす量は、家の断熱と使い方で変わる

1シーズンに燃やす量は、家の広さと断熱、1日に何時間たくか、ほかの暖房と合わせて使うかで変わります。北海道の販売・施工の店は、30坪ほどの新築住宅で、主な暖房を薪ストーブにする場合に、少なくとも約2トン・3立方メートルほどとしています。

同じ店は、断熱に不安のある家や大きい家では、量が2倍ほどになることもあるとしています。自分の家の量は、1シーズン目に買った量を書き留めておくと、2シーズン目からの見込みに使えます。

原木を買って自分で割る

薪を自分で作るなら、割る前の木(原木)を買う方法もあります。北海道の販売・施工の店は、原木は1立方メートルあたり6,000〜9,000円ほどで、一冬2万〜3万円ほどで済むとしています。

その代わり、チェーンソーや斧(おの)、薪割り機などの道具が要り、同じ店は道具の償却や燃料と手入れで年に2万円ほどかかることもあるとしています。割った薪は乾かす期間が要るので、使う冬より前に用意します。

毎年の手入れの費用

薪ストーブは、使わない季節に煙突と本体の掃除と点検をします。煙突にすすやタールがたまったままにすると、煙の逆流や火事につながるので、屋根に上る煙突の掃除は業者に頼む家もあります。

業者に頼む費用は、出どころごとに次のように示されています。

  • リフォームの一括見積もりを仲介するサイト:煙突や灰の掃除で3万〜6万円ほど。出張費が別にかかることもある
  • 住まいの情報サイト:フルメンテナンスで4万〜5万円ほど
  • 北海道の販売・施工の店:フルメンテナンスの基本料金35,000円、出張費〜18,000円、交換する部品は実費
  • 滋賀県の住宅会社:煙突掃除で1万〜2万円ほど

扉のすき間をふさぐガスケットなどの消耗する部品は、傷んだら交換します。煙突そのものを替えなければならないときは、煙突の部材と工事の費用が別にかかります。

1年あたりの費用の出し方

薪ストーブが家計に重いかは、付けるときの費用を使う年数で割った額と、毎年の薪代と手入れの費用を足して見ます。

  • 1年あたりの費用:(付けるときの費用 − 補助)÷ 使う年数 + 1年の薪代 + 1年の手入れの費用

薪ストーブの1年あたりの費用を出した例の図。付けるときの費用130万円から補助10万円を引いた120万円を20年で割ると1年6万円。これに薪2.5立方メートルを1立方メートル1.8万円で買う薪代4.5万円と、手入れの4万円を足して、1年あたり14.5万円。金額は例

図は、付けるときの費用を130万円、補助を10万円、使う年数を20年と置いた例です。20年は割り算のための置き方で、薪ストーブや煙突が使える年数を示すものではありません。1年あたりは14.5万円になります。

今の暖房代と並べる

薪ストーブに替えたら暖房代が減るかは、今の冬の暖房代と、上の1年あたりの費用を並べると見えます。家計調査(2025年)では、二人以上の世帯が灯油に払った額は、北海道地方は1年94,430円(1か月約7,870円)でした。

薪ストーブだけで家じゅうを暖められず、エアコンやファンヒーターと合わせて使う家は、その電気代や灯油代も残ります。冬の光熱費の増え方は、暖房費の平均はいくら?で、自分の家の灯油代は灯油代の1ヶ月の平均はいくら?で確かめられます。

住宅ローンに入れるとき

新築のときに付けると、薪ストーブの本体と工事の費用を住宅ローンに含めることがあります。月々の返済に足される額は小さく見えますが、利息の分も払うことになるので、総額で比べます。

補助は市区町村ごとに違う

薪ストーブの補助は、木の燃料の利用を進める目的で、市区町村などが設けています。額も条件も自治体ごとに違い、買う前に申し込みが要るものや、先着順で予算に達すると締め切るものがあります。ここでは、令和8年度の2つの市の例を示します。

福井市の例(令和8年度)

福井市の補助は、購入費と設置費用の3分の1で、上限は1事業あたり10万円です。設置費用に入るのは配送料と取り付けの施工料だけで、取り付けに伴う建物の増改築や電源の工事は入りません。

申し込みは2026年4月16日から12月25日までの先着順で、予算に達ししだい締め切ります。設置するときに未使用の品であること、煙突の建物を貫く部分と屋外の部分が二重断熱の構造であることが条件です。

付けてから1年の間に、福井県産の薪を2立方メートル(150束程度)以上使うことも条件で、1年後に使った量を報告します。国や県の同じ目的の補助を受ける人は対象になりません。

盛岡市の例(令和8年度)

盛岡市の住宅向けの補助は、二次燃焼の機能が付いた薪ストーブを新しく付けるときに、経費の総額の3分の1か15万円の、いずれか低い額です。新築の家も、今ある家も対象です。

申請には、買う予定の薪ストーブと排煙の設備の工事の見積書の写しと、その薪ストーブに二次燃焼の機能があると分かる書類を付けます。提出の期間は、2026年4月10日から12月28日までです。

付ける前に確かめること

見積もりを受け取ったら、次の点を確かめます。

  • 本体・煙突の部材・炉台や炉壁・取り付けの工事が、分けて書かれているか
  • 煙突の長さと、断熱二重煙突を使う範囲
  • 屋根や壁に穴を開ける工事と、その後の雨漏りへの手当てが入っているか
  • 初めの年の煙突の掃除と点検を、誰がいくらで行うか
  • 補助を受けるなら、契約や工事の前に申請が要るか

薪の置き場も、付ける前に決めておきます。薪は湿っていると燃えにくいので、雨の当たらない風通しのよい場所に、1シーズン分を置ける広さが要ります。

着火のときなどに出る煙とにおいで、近所に迷惑がかからないかも考えておきます。福井市の補助では、煙の発生で近隣の住宅などの迷惑にならないよう留意することを条件にしています。

家計簿での付け方

付けるときの費用は、毎月の生活費とは分けて、特別な支出の行に書きます。補助を受けたら入金を別の行に書き、費用から補助を引いた額を控えておくと、1年あたりの費用を出すときに使えます。

薪代は光熱費の中に「薪」の行を作り、金額と一緒に買った量(束か立方メートル)も書きます。量を書いておくと、次のシーズンに要る量と予算を、その年の単価で見込めます。煙突の掃除などの手入れは年に1回の出費として、使わない季節の月に入れておきます。

よくある質問

Qペレットストーブは、薪ストーブより安いですか

リフォームの一括見積もりを仲介するサイトは、ペレットストーブの総額を30万〜60万円ほどとしています。煙突の代わりに壁を抜いて排気筒を付けるので、工事が軽くなります。燃料の木質ペレットは1kgあたり50〜70円ほどで、電気で動く機種は電気代もかかります。

Q薪ストーブを自分で取り付けてもいいですか

煙突は、屋根からの高さや燃えやすい部分から離す距離が建築基準法施行令で決まっていて、置き場所には火事を防ぐための距離もあります。補助を受けるときは、煙突の構造などの条件もあります。施工する会社に頼み、決まりを満たしているかを確かめます。

Q薪代を安くする方法はありますか

束で少しずつ買うより、立方メートル単位でまとめて買うと、1立方メートルあたりの値段が下がることがあります。原木を買って自分で割る方法や、庭木の剪定(せんてい)や伐採で出た木を譲ってもらう方法もあり、道具と乾かす手間と置き場が要ります。

まとめ

  • 付ける費用は、本体20万〜65万円・煙突の部材40万〜75万円・工事20万〜40万円で、合計80万〜180万円ほどが目安。煙突の長さと通し方で額が変わる
  • 煙突は屋根面から60cm以上出し、燃えやすい部分から15cm以上離す(建築基準法施行令 第115条)。ストーブは燃えやすい壁などから、上150cm・横100cm・前150cm・後ろ100cmが国の基準
  • 薪代は、1シーズンに燃やす量×1立方メートルあたりの値段で出す。2.5立方メートルを1立方メートル1.8万円で買う例で4.5万円、束で買うと高くなることがある
  • 煙突の掃除などの手入れは毎年かかる。業者に頼む額は出どころで違い、仲介サイトは3万〜6万円ほど、北海道の店はフルメンテナンスの基本料金35,000円と出張費
  • 1年あたりの費用は、(付ける費用−補助)÷使う年数+薪代+手入れで出し、今の冬の暖房代と並べる
  • 補助は市区町村ごとで、福井市は3分の1・上限10万円、盛岡市は3分の1か15万円の低い額(どちらも令和8年度)

本体・煙突・工事の内訳と、自分の家で燃やす量から出した薪代、手入れの費用を足して、1年あたりにいくらかかるかが分かりました。住んでいる市区町村の補助を確かめてから、見積もりを取ります。

この記事で参照した公的情報

  1. 建築基準法施行令 第115条(建築物に設ける煙突=煙突の屋上突出部は屋根面からの垂直距離を六十センチメートル以上・その先端からの水平距離一メートル以内に建築物がある場合でその建築物に軒がある場合はその軒から六十センチメートル以上高くする・建築物の部分である木材その他の可燃材料から十五センチメートル以上離して設ける(厚さ十センチメートル以上の金属以外の不燃材料で造り又は覆う部分などを除く))
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338
  2. 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令 第5条・別表第一(火災予防上安全な距離=別表第一の離隔距離か消防庁長官が定めるところにより得られる距離のうち消防長又は消防署長が認める距離以上・ストーブのうち気体燃料と液体燃料に分類されないもの=上方150cm・側方100cm・前方150cm・後方100cm)
    窓口
    総務省消防庁(e-Gov 法令検索)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/414M60000008024
  3. 令和8年度 薪ストーブ・ペレットストーブ等の購入・設置を支援します(木質バイオマス利用促進事業=購入費及び設置費用の3分の1・1事業当たり上限10万円・設置費用は配送料や取り付け施工料のみ(建物の増改築及び電源工事に要する経費は除く)・申込期間 令和8年4月16日〜令和8年12月25日・先着順・設置時点で未使用品・導入後1年間に福井県産の薪を2立方メートル(150束程度)以上使用・煙突の建物の構造を貫通する部分および屋外部分が二重断熱構造・国県等の同一目的の補助金等を受ける者は対象外・2026年4月10日更新)
    窓口
    福井市 農林水産部 林業水産課
    確認日
    確認先
    https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/jutaku/sumai/p025857.html
  4. 薪ストーブ設置費補助事業【住宅向け】(令和8年度=市内に居住しその住居に新たに二次燃焼機能付き薪ストーブを設置する場合に経費総額の1/3もしくは15万円(いずれか低い方)・新築・既設住宅どちらも可・見積書の写し(薪ストーブ及び排煙設備設置工事)と二次燃焼機能を確認できる書類を添付・提出期間 令和8年4月10日〜令和8年12月28日・2026年4月28日更新)
    窓口
    盛岡市 農林部 林政課
    確認日
    確認先
    https://www.city.morioka.iwate.jp/service/shinseisho/1036941/sangyo/norin/1048099.html
  5. 家計調査 2025年 二人以上の世帯 第4-1表(灯油の地方別の年間の支出金額=北海道地方94,430円)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409546

この記事を書いているのは

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。