暖房費の平均はいくら?|冬の光熱費がほかの月より増える額を、人数別・地域別に国の統計で見る

暖房費だけの平均は、国の家計調査には項目がありません。暖房に使った分は、電気代、ガス代、灯油などの「他の光熱」に分かれて入っています。そのため、冬の光熱費がほかの月よりいくら増えるかで見るのが近道です。
この記事では、総務省の家計調査で、冬の光熱費の上乗せ分を月ごと、人数別、地域別に確かめます。暖房器具ごとの電気代の出し方と、家計簿で冬の分を先に見込む方法もまとめます。
冬になると光熱費が増えますが、そのうち暖房の分がいくらなのか分かりません。よその家と比べて多いのかも、どこを見ればいいのか迷います。
暖房費は、冬に光熱費がどれだけ増えるかで見る
総務省の家計調査は、電気代、ガス代、灯油などの「他の光熱」、上下水道料の4つを合わせて「光熱・水道」としています。暖房にだけ使った額は分けていないので、冬の月とほかの月の差を、暖房などで増えた分の目安にします。
ここで使うのは、二人以上の世帯の月ごとの表(第1-1表)です。ほかの世帯への贈り物にした分を交際費に入れる「用途分類」の数字で、どれも1か月あたりの額です。

2025年8月から2026年7月までの12か月では、2026年1〜3月の平均が29,112円、ほかの9か月の平均が21,530円でした。冬の3か月は、ほかの月より1か月あたり約7,600円多く、3か月で約2万2,700円の差です。
差の中身を分けると、電気代が約3,300円、ガス代が約2,300円、灯油などの他の光熱が約1,800円でした。上下水道料の差は約200円で、ほかの3つより小さい額でした。
この差は、暖房のほかに、給湯や照明で増えた分も含みます。一方で、ほかの9か月にも12月や4月のように暖房を使う月が入っているので、暖房だけの額をぴったり示す数字ではありません。
家計調査の月は、払った月
家計調査の光熱・水道は、使った月ではなく、実際に払った日(口座から落ちるものは落ちた日)の月で数えています。1月に使った電気代は、2月の額に出ることがあります。
そのため、表の「1〜3月」の額には、前の月に使った分の支払いが入っています。払った月の数え方は、光熱費の平均の記事でも詳しく書いています。
冬の光熱費を、世帯の人数ごとに見る
一人暮らしも含めた全世帯(総世帯)では、人数ごとの表(第4表・用途分類)が3か月ごとに出ています。2026年1〜3月期と、夏の2025年7〜9月期を並べました。
- 1人:15,965円(7〜9月期は11,069円・差4,896円)
- 2人:27,380円(19,101円・差8,279円)
- 3人:30,328円(21,958円・差8,370円)
- 4人:29,980円(23,154円・差6,826円)
- 5人:32,985円(24,667円・差8,318円)
- 6人以上:38,229円(31,917円・差6,312円)
- 全世帯の平均:24,019円(17,244円・差6,775円)
どれも1か月あたりの光熱・水道です。一人暮らしでも、冬の3か月は夏より1か月あたり約4,900円多く、2人以上の世帯では差が6,000円台から8,000円台になりました。
2人の世帯は、世帯主の平均年齢が68.5歳で、働いている人は平均0.82人です。若い二人暮らしと比べるときは、年齢や働き方の違う家計の平均だと考えて、目安として見ます。
人数別の年間の平均や、世帯主の年齢ごとの額は、光熱費の平均の記事の人数ごとの表にまとめています。年の平均と、この冬の額を並べると、冬にどれだけ増えるかが人数ごとに分かります。
寒い地域ほど、灯油の分が大きい
地方ごとの表(第2表・総世帯・用途分類)では、冬の差がもっとはっきりします。2026年1〜3月期の光熱・水道は、北海道地方が35,004円、沖縄地方が13,869円でした。

北海道地方は、灯油などの他の光熱だけで11,060円あり、全体の約3割を占めました。2025年7〜9月期の北海道地方は17,707円だったので、冬は1か月あたり17,297円多い計算です。
東北地方は冬が31,012円で、夏の18,077円より12,935円多くなりました。沖縄地方は反対に、冬のほうが夏の16,944円より少ない額でした。
寒い地域では、電気代だけを見ても暖房費の全体は分かりません。灯油を配達や店で買っている家は、電気代とガス代に灯油代を足して、冬の光熱費を比べます。
冬と夏では、どちらが高いか
電気代だけでも、冬のほうが夏より高く出ています。総世帯の平均では、2026年1〜3月期の電気代は1か月12,536円で、2025年7〜9月期の10,278円より2,258円多い額でした。
一人暮らしでは、冬の電気代が8,640円、夏が6,822円です。冬は電気代に加えて、ガス代と灯油の分も増えるので、光熱費全体の差は電気代の差より大きくなります。
冬に増える理由として、外の気温と部屋の温度の差が冬のほうが大きく、暖めるのにエネルギーを使うことが挙げられます。日が短く、照明をつける時間が長くなることも挙げられています。エアコンの暖房と冷房の額の差はエアコンの電気代で見られます。
電気代だけの月ごとの平均は電気代の平均はいくら?で見られます。ガス代だけの月ごとの平均と、都市ガス・プロパンガスの違いはガス代の平均はいくら?にまとめています。
暖房器具ごとの電気代は、式で出す
電気を使う暖房器具の電気代は、消費電力に時間と1kWhあたりの単価を掛けて出せます。電気ストーブを強と弱で使い分けた例は、電気ストーブの電気代にあります。オイルヒーターの例はオイルヒーターの電気代にあります。
- 1時間あたりの電気代=消費電力(W)÷1,000×1kWhあたりの単価(円)
- 1か月の電気代=1時間あたりの電気代×1日に使う時間×日数
全国家庭電気製品公正取引協議会は、カタログなどの電気代の目安に使う単価を1kWhあたり31円(税込)としています。この単価で、消費電力1,000Wの暖房器具を1時間使うと31円、1日8時間を30日使うと7,440円になります。
エアコンは、設定温度や外の気温で消費電力が変わるので、表示の値は目安です。消費電力は本体の表示や取扱説明書で、自分の家の単価は検針票や会員ページの明細で確かめると、目安の単価より近い額が出せます。こたつの額の出し方はこたつの電気代にまとめています。
ガスや灯油の暖房器具は、使った量で見る
ガスファンヒーターや石油ファンヒーターは、ガスや灯油の代金に、送風などに使う電気代が加わります。ガスは使った量(m³)に1m³あたりの単価、灯油は使った量(L)に1Lあたりの値段を掛けて出します。
灯油は季節や地域で値段が動きます。買ったときのレシートの量と金額を家計簿に写しておくと、1Lあたりの額も出せます。灯油代だけの平均と月ごとの額は灯油代の平均にあります。
薪ストーブの燃料代も、燃やす量に単価を掛けて出せます。薪代の式と、付けるときの費用は、薪ストーブの費用はいくら?にまとめています。
国が示す、暖房の節約の目安
資源エネルギー庁は、暖房の使い方を変えたときの1年の節約の目安を示しています。どれも外の気温6℃、1日9時間使う場合などの条件で出した額です。
- エアコン:設定温度を21℃から20℃にすると約1,650円、使う時間を1日1時間短くすると約1,260円
- ガスファンヒーター:設定温度を21℃から20℃にすると約1,320円、1日1時間短くすると合計約2,150円
- 石油ファンヒーター:設定温度を21℃から20℃にすると約880円、1日1時間短くすると合計約1,470円
この額は、電気31円/kWh、ガス162円/m³、灯油86円/Lの単価で換算したものです。暖房の期間は169日としています。いまの単価が違えば、節約できる額も変わります。加湿器と一緒に使うときの比べ方は加湿器の電気代にあります。
家計簿で、冬の暖房費を先に見込む
暖房費は冬の月にまとまって出るので、その月だけ見ると使いすぎに見えます。去年の記録から冬の上乗せ分を出し、前もって見込んでおくと、冬の月に慌てずに済みます。
ステップ1光熱費を、電気・ガス・灯油に分けて書く5分
光熱費は1つの項目でも構いませんが、中を電気、ガス、灯油、水道に分けて額を書きます。国の家計調査と同じ分け方なので、あとで平均と並べられます。
灯油を店や配達で買ったときは、買った日に灯油の欄に書き、量も書き添えます。光熱費の分け方と量の書き方は、光熱費の平均の記事にまとめています。
ステップ2冬の上乗せ分を出す5分
去年の家計簿から、冬の3か月の光熱費の平均と、ほかの月の平均を出します。その差が、1か月あたりの冬の上乗せ分です。3を掛けると、冬の3か月で増える額になります。

図は、冬の3か月の平均が28,000円、ほかの月の平均が20,000円だった場合の例です。差は1か月あたり8,000円で、冬の3か月では24,000円多く出ます。
去年の記録がないときは、この記事の国の平均の差(二人以上の世帯で1か月約7,600円、一人暮らしの夏との差で約4,900円)を仮に置きます。住む地域の差も大きいので、1年たったら自分の家の額に入れ替えます。
ステップ3上乗せ分を、秋のうちに見込む5分
冬の上乗せ分は、年間収支表の冬の月の光熱費の行に、先に書いておきます。図の例なら、1〜3月の光熱費をそれぞれ28,000円で書くと、その月の残りが先に分かります。
冬の月の残りが足りなくなりそうなら、秋の数か月で少しずつ取り分けておく方法もあります。図の例では、24,000円を秋の4か月で分けると、1か月6,000円です。
ステップ4暖房器具を買った分は、光熱費に入れない1分
家計調査では、エアコンやストーブなどを買った代金は、光熱費ではなく「家具・家事用品」の冷暖房用器具に入ります。光熱費に混ぜると、その冬の暖房費が高く見えます。
家計簿でも、暖房器具を買った分は家電や家具の項目に書き、光熱費は毎月の電気・ガス・灯油の代金だけにします。そうすると、去年と今年の冬の光熱費をそのまま比べられます。
光熱費の支払いが苦しい月は、請求元への連絡と公的な相談先を、電気代が払えないときの記事にまとめています。止まるまでの流れも、その記事で確かめられます。
よくある質問
Q一人暮らしの冬の光熱費の平均はいくらですか
総世帯の人数ごとの表では、1人の世帯の2026年1〜3月期の光熱・水道は1か月15,965円でした。うち電気代が8,640円、ガス代が3,608円、灯油などの他の光熱が1,520円です。2025年7〜9月期は11,069円なので、冬は1か月あたり4,896円多い額でした。
Q北海道の冬の暖房費はどのくらいですか
家計調査の北海道地方(総世帯)では、2026年1〜3月期の光熱・水道が1か月35,004円で、うち灯油などの他の光熱が11,060円でした。2025年7〜9月期の17,707円より、1か月あたり17,297円多い額です。
暖房だけの額は表に分かれていないので、この夏との差を、暖房などで増えた分の目安にします。北海道地方では、差のうち灯油などの他の光熱が10,104円でした。
Qエアコンと石油ファンヒーターは、どちらが安いですか
エアコンは消費電力と電気の単価で、石油ファンヒーターは灯油の量と値段に電気代を足して比べます。灯油の値段や電気の単価、部屋の広さで結果が変わるので、自分の家の単価で1時間あたりの額を出して比べます。
Qエアコンの暖房は、つけたままと、こまめに消すのとどちらが安いですか
エアコンは、部屋が暖まるまでの間に電気を多く使います。そのため短い外出ならつけたままのほうが安く済むことがあり、長く家を空けるなら消したほうが安く済みます。どちらが得かは、部屋の断熱や外の気温でも変わります。
Qオール電化の家の冬の電気代は、平均と比べてよいですか
家計調査の電気代の平均には、ガスや灯油を使う家も入っています。オール電化の家は、お湯や調理の分まで電気代に入るので、電気代だけを平均と比べると高く見えます。電気代、ガス代、灯油代を足した光熱費の合計で比べます。
Q暖房費は、家計簿のどの項目に書けばいいですか
暖房のために使った電気・ガス・灯油の代金は、光熱費に書きます。暖房器具を買った代金は、家計調査と同じく光熱費には入れず、家電や家具の項目に書きます。
まとめ
- 暖房費だけの平均は、家計調査に項目がない。冬の光熱費がほかの月よりいくら増えるかで見る
- 二人以上の世帯(用途分類)では、2026年1〜3月の光熱・水道は月平均29,112円で、ほかの9か月の21,530円より約7,600円多い
- 総世帯の人数別では、冬と夏の差は一人暮らしで4,896円、2人以上で6,000円台から8,000円台
- 北海道地方は冬の光熱・水道が35,004円で、灯油などの他の光熱だけで11,060円
- 電気の暖房器具は「消費電力÷1,000×単価×時間」で出せる。目安の単価は31円/kWh
- 家計簿では、去年の冬の上乗せ分を出して、秋のうちに冬の月に書いておく
- 暖房器具を買った分は光熱費に入れず、毎年の冬の光熱費をそろえて比べる
暖房費は、冬の月とほかの月の差で見れば、自分の家の額がつかめます。去年の差を先に書いておけば、冬の光熱費が増えても使いすぎと取り違えずに済みます。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(月次)2025年8月〜2026年7月 第1-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出(用途分類・全国の光熱・水道・電気代・ガス代・他の光熱・上下水道料。2026年1月28,362円・2月30,118円・3月28,855円)
- 家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表(四半期)2025年7〜9月期・2026年1〜3月期・2026年4〜6月期 第4表 世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(用途分類・世帯人員別の光熱・水道・電気代・ガス代・他の光熱)
- 家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表(四半期)2025年7〜9月期・2026年1〜3月期 第2表 都市階級・地方別1世帯当たり1か月間の収入と支出(用途分類・地方別の光熱・水道・電気代・他の光熱)
- 家計調査の概要(Ⅳ 月次結果をみる際の注意点「光熱・水道費の利用と支払」=光熱・水道は実際に払った日で記入)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/2025np/pdf/gaiyou.pdf
- よくある質問 Q7 電力料金の目安単価(令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 無理のない省エネ節約(空調)=エアコン・ガスファンヒーター・石油ファンヒーターの暖房の設定温度を21℃から20℃にした場合・1日1時間短縮した場合の年間の節約額
- 窓口
- 経済産業省 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html
- 無理のない省エネ節約 省エネ効果の算出根拠(金額換算係数=電気31円/kWh・ガス162円/m3・灯油86円/L、暖房期間169日)
- 窓口
- 経済産業省 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/index.html
