エアコンの電気代は1か月いくら?|6畳〜14畳の冷房・暖房の額を省エネ性能カタログ2025年版の平均で計算し、設定温度とつけっぱなしの差も見る

エアコンは、部屋の温度や外の気温で使う電力が大きく動くので、1つの消費電力で電気代を言い切れない家電です。そこでカタログには、ひと季節に使う電力量の目安として「期間消費電力量」が載っています。
この記事では、資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ2025年版に載っている冷房能力の区分ごとの平均を使い、6畳用から14畳用までの冷房と暖房の額を計算します。1か月と1時間に直した額、設定温度や使い方でどれだけ変わるかも、国の資料の数字で並べます。
夏と冬にエアコンを使うと、電気代がどれだけ増えるのかが分かりません。つけっぱなしにしてよいのかも迷います。
エアコンの電気代は、期間消費電力量×単価で出す
エアコンのひと季節の電気代は、カタログや取扱説明書の仕様の欄にある期間消費電力量(kWh)に、1kWhあたりの単価を掛けて出します。冷房の分と暖房の分が別に書かれていて、その合計が1年分です。
- 冷房のひと季節:冷房の期間消費電力量(kWh)×単価(円/kWh)
- 暖房のひと季節:暖房の期間消費電力量(kWh)×単価(円/kWh)
- 1年:合計の期間消費電力量(kWh)×単価(円/kWh)
この記事の単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が家電の表示のために定めた目安の1kWhあたり31円(税込・令和4年7月22日改定)です。家ごとの契約でかかる単価とは違うので、家計に入れる額は後の手順で明細の単価に置き換えます。
期間消費電力量は、決まった条件での試算
日本冷凍空調工業会の説明では、期間消費電力量は JIS C 9612:2013 の条件で出した試算の値です。外の気温は東京をもとにし、冷房は27℃・暖房は20℃の設定で、1日のうち6時から24時までの18時間運転します。
冷房の期間は5月23日から10月4日まで(135日)、暖房の期間は11月8日から4月16日まで(160日)で、部屋は平均的な木造住宅の南向きです。住む地域や部屋の断熱、使う時間が違えば、実際の電力量は変わります。
畳数ごとの電気代(カタログの平均で計算)
省エネ性能カタログ2025年版のエアコンの一覧には、冷房能力の区分ごとに、登録された機種の期間消費電力量の平均が載っています。目安の単価31円を掛けると、ひと季節の額は次のとおりです。
- 6畳用(2.2kW):冷房204kWhで6,324円、暖房475kWhで14,725円
- 8畳用(2.5kW):冷房227kWhで7,037円、暖房535kWhで16,585円
- 10畳用(2.8kW):冷房253kWhで7,843円、暖房607kWhで18,817円
- 12畳用(3.6kW):冷房363kWhで11,253円、暖房854kWhで26,474円
- 14畳用(4.0kW):冷房399kWhで12,369円、暖房950kWhで29,450円

1年の合計の欄の平均は、6畳用が678kWhで21,018円、10畳用が860kWhで26,660円、14畳用が1,350kWhで41,850円です。合計の欄は機種ごとの合計を平均した値なので、冷房と暖房の平均を足した値と1kWh違う区分があります。
カタログの「年間の目安電気料金」の欄は、1kWhあたり約27円で計算されています。6畳用の平均の欄は18,329円で、31円で計算したこの記事の21,018円より低く出ます。
畳数は、部屋の作りで読み方が違う
冷房能力と畳数の対応は、日本冷凍空調工業会の表で2.2kWまでが6畳、2.5kWが8畳、2.8kWが10畳、3.6kWまでが12畳、4.5kWまでが14畳です。カタログの区分も「4.0kW(14畳)」のように、この対応で書かれています。
資源エネルギー庁は、「6畳〜9畳用」のような表示のうち、小さいほうの数字は木造の和室の南向き、大きいほうの数字は鉄筋のマンションの南向きを示すと説明しています。木造の家なら小さいほうの畳数を、自分の部屋の広さと比べます。
1か月と1時間に直すと
期間消費電力量は、ひと季節分の値です。日数で割ってから30日を掛けると、その季節の1か月あたりの額になります。冷房は135日、暖房は160日で割ります。
- 6畳用:冷房の1か月約1,405円、暖房の1か月約2,761円
- 10畳用:冷房の1か月約1,743円、暖房の1か月約3,528円
- 14畳用:冷房の1か月約2,749円、暖房の1か月約5,522円
この額は、毎日18時間運転する条件の平均です。季節の中でも、暑さや寒さのきびしい月ほど電力量は増え、春や秋に近い月は減ります。
1時間あたりは、運転の状態で何倍も変わる
18時間で割った1時間あたりの平均は、6畳用で冷房約2.6円・暖房約5.1円、10畳用で冷房約3.2円・暖房約6.5円です。部屋が設定の温度に近づくと、エアコンは出力を下げて運転するので、平均はこのくらいの額になります。
一方、運転を始めた直後や、外との温度差が大きい時間は、消費電力が大きくなります。カタログの6畳用の平均では、冷房の消費電力が508W、暖房が480Wで、この電力で1時間動くと冷房約15.7円・暖房約14.9円です。
日本冷凍空調工業会は、運転の時間が短くなっても、その時間帯によっては消費電力は比例して少なくならないと注意しています。1日の使う時間を18時間より短くした額を出すときは、時間で単純に割らず、後の手順のように明細で確かめます。
暖房が冷房より高くなるわけ
カタログの平均では、どの区分でも暖房の期間消費電力量が冷房の2倍を超えています。6畳用なら冷房204kWhに対して暖房475kWhで、ひと季節の額も6,324円と14,725円です。
資源エネルギー庁の説明では、冷房の能力は外が35℃・部屋が27℃、暖房の能力は外が7℃・部屋が20℃の条件で測ります。暖めるときのほうが外と部屋の温度差が大きく、運転する日数も暖房のほうが長くとられています。
寒い地域ほど、暖房の分はさらに増えます。冬の光熱費が国の統計でどれだけ増えるかは、暖房費の平均で見られます。
設定温度と使い方で、どれだけ変わるか
環境省は、快適さを損なわない範囲で省エネを目指す目安として、部屋の温度を夏は28℃、冬は20℃にすることを勧めています。これは部屋の温度で、エアコンの設定温度そのものではありません。
同じ環境省の頁では、設定温度を1℃緩めたときの消費電力量は、冷房で約13%、暖房で約10%減ると見込まれています。10畳用の平均の額に当てはめると、冷房のひと季節7,843円で約1,020円、暖房の18,817円で約1,880円の差です(当てはめた額は例)。
資源エネルギー庁が示す、1年の節約の額
資源エネルギー庁は、エアコンの省エネ行動ごとに、次の節約の額を示しています。設定温度の2つとフィルターは2.2kWのエアコン、設定温度の2つは1日9時間使う条件で、どれも単価31円の1年分の額です。
- 冷房の設定温度:27℃から28℃に1℃上げると、1年約940円
- 冷房の時間:設定28℃で1日1時間短くすると約580円
- 暖房の設定温度:21℃から20℃にすると、1年約1,650円
- 暖房の時間:設定20℃で1日1時間短くすると約1,260円
- フィルターの掃除:目詰まりしたままと、月に1回か2回掃除した場合の比較で約990円

暖房の2つは冷房の2つより額が大きく、冬の使い方を見直すほうが額は動きます。どれも決まった条件での試算なので、家ごとの額は使う時間と部屋で変わります。
部屋と室外機の工夫
同じ頁では、使い方の工夫も挙げています。主なものは次のとおりです。
- ドアや窓の開け閉めを減らす:冷房のときも暖房のときも同じ
- カーテンを使う:夏はレースのカーテンやすだれで日差しを遮り、冬は床まで届く厚手のカーテンにする
- 扇風機を一緒に使う:夏は風が体に当たると涼しく感じ、冬は暖まった空気を部屋に回せる
- 室外機の吹出口のまわりに物を置かない:物があると冷暖房の効き目が下がる
扇風機を足すと、その分の電気代もかかります。扇風機の額の出し方は扇風機の電気代にまとめています。室外機の要らない機械の額はスポットクーラーの電気代と窓用エアコンの電気代で出せます。
つけっぱなしと、こまめに消すのとでは
エアコンは、運転を始めてから部屋が設定の温度に近づくまでに、もっとも多くの電力を使います。そのため短い外出なら、消して戻ってからまた冷やし直すより、つけたままのほうが電気代を抑えられる場合があります。
30分ほどの外出ならつけたままのほうが安く済むとされる一方、長く家を空けるなら消したほうが安く済みます。どちらが得かは、外の気温や部屋の断熱でも変わるので、同じ季節の明細で使った量を比べて確かめます。
除湿(ドライ)の電気代
除湿には、部屋の空気を冷やして湿気を取る「弱冷房除湿」と、冷やした空気を温め直してから戻す「再熱除湿」があります。同じ温度と湿度の設定なら、弱冷房除湿がもっとも安く、再熱除湿は冷房より高くなるとされます。
自分のエアコンの除湿がどちらかは、取扱説明書の運転の説明で確かめます。除湿機を別に使う場合の額は除湿機の電気代で出せます。
古いエアコンを買い替えると、どれだけ違うか
資源エネルギー庁は、今の省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約13%の省エネになると示しています。10畳用のカタログの平均(1年26,660円)を今の機種とみると、10年前の機種は約30,640円で、1年の差は約3,980円です(当てはめた額は例)。
機種を比べるときは、APF(通年エネルギー消費効率)と期間消費電力量を並べます。APF は1年間に必要な冷暖房の能力を期間消費電力量で割った値で、数字が大きいほど省エネです。
カタログの2.8kWの区分でも、期間消費電力量の合計は最小725kWhから最大929kWhまで幅があります。同じ畳数の候補なら、差のkWhに単価を掛けると、1年の電気代の差が出ます。
中の汚れと、捨てるときの費用
資源エネルギー庁は、長く使ったエアコンは中にほこりがたまり、性能が落ちることがあると説明しています。業者に中の洗浄を頼むときの料金と注意は、エアコンクリーニングの料金にまとめています。
エアコンは家電リサイクル法の対象なので、買い替えで古いものを引き渡すときはリサイクル料金がかかります。料金の調べ方は家電リサイクル料金はいくら?で見られます。寿命の目安と買い替えの費用はエアコンの寿命にあります。
明細の単価で、エアコンの分を出し直す
31円で出した額は、機種どうしを比べるための値です。自分の家でエアコンにかかった額は、エアコンを使わない月と使う月の明細を並べて見当をつけます。どの手順も、紙と電卓でできます。
ステップ1冷暖房を使わない月の量を探す3分
検針票か電力会社の会員ページで、冷房も暖房も使わなかった月(春や秋の月)の使用量(kWh)を探します。この量を、エアコン以外の家電で使う量の目安にします。
ステップ2使った月の量との差を出す3分
エアコンを使った月の使用量から、ステップ1の量を引きます。差が、その月にエアコンなどで増えた量の見当です。冷蔵庫など季節で量が変わる家電もあるので、差はおおよその値です。
ステップ3明細の単価を掛ける2分
請求額をその月のkWhで割ると、家の単価が出ます。たとえば5月が250kWh、8月が420kWhで、8月の単価が33円なら、差の170kWhで5,610円です(使用量と単価は例)。
家計簿の電気代の行に、夏と冬のエアコンの分の見込みを書いておくと、翌年の同じ月にどれだけ増えるかを先に見込めます。電気代の平均と比べる手順は電気代の平均にあります。
エアコンの電気代は、仕様の欄の期間消費電力量に単価を掛ければ、ひと季節分が出ます。暖房は冷房の2倍を超えるので、冬の分を多めに見込みます。
よくある質問
Qエアコンの電気代は1か月いくらですか
省エネ性能カタログ2025年版の平均を目安の単価31円で計算し、毎日18時間使う条件の1か月に直すと、6畳用で冷房約1,405円・暖房約2,761円です。手元のエアコンの値は、仕様の欄の期間消費電力量から同じように出せます。
Q冷房と暖房では、どちらの電気代が高いですか
カタログの平均では、どの畳数でも暖房の期間消費電力量が冷房の2倍を超えています。外と部屋の温度差が大きく、運転する期間も暖房のほうが長いためです。
Q設定温度を1℃変えると、どれくらい違いますか
環境省の頁では、設定温度を1℃緩めると、消費電力量は冷房で約13%、暖房で約10%減ると見込まれています。資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定を21℃から20℃にすると1年約1,650円の節約です。
Qエアコンはつけっぱなしのほうが安いですか
短い外出なら、つけたままのほうが安く済む場合があります。運転を始めてすぐがもっとも電力を使うためで、長く家を空けるときは消したほうが安く済みます。
Q古いエアコンは電気代が高いですか
資源エネルギー庁は、今の省エネタイプは10年前と比べて約13%の省エネと示しています。買い替えを考えるときは、候補の期間消費電力量と今の機種の値を並べて、差のkWhに単価を掛けます。
まとめ
- エアコンのひと季節の電気代=期間消費電力量(kWh)×単価
- 期間消費電力量は、東京・18時間運転などの決まった条件での試算
- カタログ2025年版の平均と31円で、6畳用は冷房6,324円・暖房14,725円
- 暖房は冷房の2倍を超える。外と部屋の温度差が大きく、期間も長い
- 設定温度を1℃緩めると、冷房で約13%・暖房で約10%減る見込み(環境省)
- 短い外出はつけたまま、長く空けるなら消す。明細の量で確かめる
- 家計簿に書く額は、使わない月との差と明細の単価で出し直す
エアコンのひと季節の額は、仕様の欄のkWhと単価から出せます。冬の分を多めに見込んでおけば、請求が来てから慌てずに済みます。
この記事で参照した公的情報
- よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 省エネ性能カタログ 2025年版 エアコン 省エネ性能一覧(冷房能力の区分ごとの平均値:2.2kW 冷房204kWh・暖房475kWh・合計678kWh/2.5kW 227・535・763kWh/2.8kW 253・607・860kWh/3.6kW 363・854・1,217kWh/4.0kW 399・950・1,350kWh。APF と消費電力量は JIS C 9612:2013 に基づく値)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネ型製品情報サイト)
- 確認日
- 確認先
- https://seihinjyoho.go.jp/frontguide/pdf/catalog/2025/catalog2025.pdf
- 期間消費電力量を省エネ性の目安にお選びください(JIS C 9612:2013 の算出基準=東京・冷房27℃/暖房20℃・冷房5月23日〜10月4日・暖房11月8日〜4月16日・6時〜24時の18時間・平均的な木造住宅(南向)・冷房能力ランクと畳数)
- 窓口
- 一般社団法人 日本冷凍空調工業会
- 確認日
- 確認先
- https://www.jraia.or.jp/product/home_aircon/e_saving_energy.html
- 家庭部門のCO2排出実態統計調査 エアコンの使い方について(室温は夏季28℃・冬季20℃を推奨=設定温度ではない/設定温度を1℃緩和した場合の消費電力量は冷房時約13%・暖房時約10%削減の見込み)
- 無理のない省エネ節約 空調(エアコン:冷房の設定温度を27℃から28℃にした場合 約940円・暖房の設定温度を21℃から20℃にした場合 約1,650円・冷房を1日1時間短縮 約580円・暖房を1日1時間短縮 約1,260円・フィルターを月1〜2回清掃 約990円/室外機のまわりに物を置かない・扇風機を併用)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html
- 機器の買換で省エネ節約(今どきの省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約13%の省エネ・冷房能力と暖房能力の測り方・APF・畳数の目安の読み方)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/
