加湿器の電気代は1時間いくら?|スチーム式・気化式・超音波式・ハイブリッド式の違いと、1か月・ひと冬の額、エアコンと一緒に使うときの比べ方

加湿器の電気代は、加湿の方式で桁が変わります。水を沸かすか、風や振動で水を飛ばすかで消費電力が大きく違い、同じ時間使っても、方式によって1か月の額に数千円の差が出ることがあります。
この記事では、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、4つの方式の額を例として出します。ひと冬の額の出し方と、エアコンの暖房と一緒に使うときに電気代が増えるか減るかの比べ方も載せます。
冬のあいだ加湿器を長くつけていますが、電気代がどれくらいかかっているのかわかりません。方式によって、どれだけ額が違うのかも見当がつきません。
加湿器の電気代を出す式
加湿器の電気代も、ほかの家電と同じ掛け算で出せます。仕様の欄にある消費電力のWを1,000で割ってkWにし、運転した時間を掛けると使った電力量(kWh)になり、そこに1kWhの単価を掛けます。空気清浄機の額は空気清浄機の電気代で出せます。
- 1時間の額:消費電力をkWに直した値に、1kWhの単価を掛ける
- 1日の額:1時間の額に、その日に動かした時間を掛ける
- 1か月やひと冬の額:1日の額に、使った日の数を掛ける
1kWhの単価は、電力会社や料金プランで変わります。家電の額をそろえて比べるには、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価を使います。いまの値は1kWhあたり31円(税込)で、令和4年7月22日に改定されました。
消費電力は、運転の強さと立ち上がりで変わる
消費電力は、本体のラベルや取扱説明書の仕様の欄で確かめます。「強」「弱」「ひかえめ」などモードごとに値が書かれている製品では、ふだん使うモードの値を使います。
スチーム式には、水を沸かし始めるときの消費電力と、沸いたあと加湿を続けるときの消費電力を分けて書いている製品があります。立ち上がりの値は大きいので、長い時間の額は加湿を続けるときの値で出します。
4つの方式と、消費電力の違い
加湿器は、水を湿気にして部屋に出す方法で4つに分けられます。水を温めるかどうかが、消費電力の差を生みます。
- スチーム式(加熱式):ヒーターで水を沸かし、蒸気で加湿する。加湿の力が強く、沸かすので雑菌が増えにくい一方、4つの中で消費電力が大きい
- 気化式:水を含ませたフィルターに風を当てて、水を湿気にする。ヒーターを使わないので消費電力が小さいが、加湿の力は控えめ
- 超音波式:超音波の振動で水を細かい霧にして出す。消費電力は小さく、形も小さくできるが、加熱しないのでこまめな手入れが要る
- ハイブリッド式:温風を当てる気化式(加熱気化式)や、加熱と超音波の組み合わせ(加熱超音波式)がある。温めるあいだだけ消費電力が上がる
ハイブリッド式には、部屋が設定した湿度に近づくと加熱を止めて、気化式だけで動くものがあります。そうした製品では、1時間の額が運転の状態によって何倍も動きます。
1時間・1日・1か月の電気代の例
方式ごとに消費電力を例として置き、目安の単価31円で計算すると、1時間の額は次のとおりです(消費電力は例)。
- 350W(スチーム式の例):1時間10.85円
- 120W(ハイブリッド式で加熱しているときの例):1時間3.72円
- 24W(超音波式の例):1時間0.744円
- 6W(気化式の例):1時間0.186円
1日10時間・30日使うと、350Wでは105kWhで3,255円、120Wでは36kWhで1,116円です。24Wでは223.2円、6Wでは55.8円になります(消費電力と時間は例)。
ひと冬では、いくらになるか
ひと冬の長さは、資源エネルギー庁が省エネの試算に使う暖房期間(10月28日から4月14日までの169日)を目安にします。169日のあいだ毎日10時間使った例は、次のとおりです。
- 350Wの例:591.5kWh・約18,337円
- 120Wの例:202.8kWh・約6,287円
- 24Wの例:40.56kWh(例)・約1,257円
- 6Wの例:10.14kWh(例)・約314円

図のように、スチーム式の例と気化式の例では、同じ時間でも額が50倍を超えて違います。加湿の力も違うので、安いほうがいつも合うとは限らず、部屋の広さに足りる方式の中で額を比べます。
部屋の広さに合った加湿器を選ぶ
加湿器には、加湿できる部屋の広さの目安(適用畳数)が書かれています。部屋に対して力が足りないと、設定した湿度になかなか届かず、強いモードで長い時間動かすことになり、電気代がかさみます。
少し余裕のある加湿量の製品を、部屋に合わせて使うほうが、力の足りない製品を強いモードで回し続けるより電気代を抑えられるともされます。広い部屋はスチーム式やハイブリッド式、寝室など狭い部屋は気化式や超音波式と使い分ける考え方もあります。
水道代は、電気代に比べて小さい
加湿器は、タンクの水をそのまま部屋に出すので、出した分の水道代もかかります。たとえば1時間に400mLを出す運転を1日10時間・30日続けると、120L(0.12m³)です(加湿量は例)。
水道料金の単価は市区町村ごとに違い、使った量の段階でも変わります。仮に1m³あたり250円とすると30円で、上の電気代の例と比べると小さい額です(単価は例)。自分の地域の単価は、水道の検針票か市区町村の水道の案内で確かめます。
エアコンの暖房と一緒に使うときの比べ方
資源エネルギー庁は、冬の暖房の室温は20℃を目安にするよう勧めています。外の気温が6℃のとき、2.2kWのエアコンの暖房の設定温度を21℃から20℃にすると、1日9時間で1年53.08kWh、約1,650円の節約になると示しています。
湿度が上がると、同じ室温でも暖かく感じるともされます。加湿して設定温度を1℃下げられたとき、加湿器の電気代がこの節約額を下回れば、2つを合わせた電気代は減ります。
同じ時間動かすと、加湿器の額はいくらか
エアコンの試算と同じ1日9時間・暖房期間169日で、加湿器を動かした額を出します。6Wの気化式の例は約283円、24Wの超音波式の例は約1,132円で、どちらも約1,650円を下回ります(消費電力は例)。

一方、120Wで加熱し続けるハイブリッド式の例は約5,658円、350Wのスチーム式の例は約16,503円で、節約額を大きく上回ります。消費電力の大きい方式では、暖房の節約で加湿器の電気代をまかなうのは難しいとわかります(消費電力は例)。
加湿器の電気代を抑える使い方
加湿器の電気代も、消費電力と時間の掛け算です。湿度を保つ工夫で運転の時間を短くし、強いモードを使う時間を減らすと、そのまま額が下がります。
- 自動運転とタイマーを使う:湿度センサーで加湿の量を変える運転や、切タイマーで、湿度が足りたあとに動かし続けない
- 置き場所を考える:結露を招きやすい窓ぎわは外し、湿気が部屋に広がるよう、なるべく部屋の中ほどで壁や家具と間をあけて置く。床にじかに置かず、少し高い所に置くとよいともされる
- 空気を回す:サーキュレーターや扇風機で、加湿した空気を部屋全体に行き渡らせる
- 湿気を逃がさない:ドアや窓を閉め、カーテンなどで部屋の暖かさと湿度を保つ
寝室でエアコンと加湿器を両方使う夜は、掛ける寝具を増やしてエアコンの温度を控えめにし、加湿器の運転も弱める方法があります。部屋が暖まったころに2台とも切れるようタイマーを合わせておけば、朝までつけたままにせずに済みます。
手入れで、加湿の力を保つ
フィルターやタンクが汚れると加湿の力が落ち、同じ湿度にするまでの運転が長くなります。タンクの水は毎日入れ替え、フィルターやタンクの掃除は取扱説明書の間隔で行います。
水は、取扱説明書で決められたもの(水道水など)を使います。ミネラルウォーターや井戸水は、機器の中に成分がたまり故障のもとになるともされます。
湿度の目安と、加湿しすぎの注意
厚生労働省は、空気が乾燥すると気道の粘膜の防御の働きが落ち、急性呼吸器感染症にかかりやすくなると説明しています。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などで湿度を50~60%に保つことも効果的としています。
一方で、湿度を上げすぎると、結露やカビ・雑菌が増えるもとになります。湿度計で部屋の湿度を見ながら運転すると、上げすぎを防げて、要らない分の電気代もかかりません。
スチーム式は、子どもの手が届かない場所に置く
消費者庁は、スチーム式の加湿器の蒸気の吹き出し口に触れたり、倒れた加湿器の熱湯を浴びたりして、子どもがやけどをした事故の情報が医療機関から寄せられていると注意しています。子どもは大人より皮膚が薄く、やけどが皮膚の奥まで及んで重くなるおそれがあるとしています。
床に置くタイプの加湿器は、子どもの手が届かない場所に置くか、安全柵などで囲むよう呼びかけています。買うときは、高温の蒸気への対策がある製品や、倒れても熱湯がこぼれにくい製品を検討するよう勧めています。
自分の家の単価で、ひと冬の額を出し直す
31円は、製品どうしを同じ条件で比べるための単価です。冬の電気の明細から1kWhあたりの額を出して入れ替えると、家計の実際に近い額になります。紙に書き出しても、表計算に入れても同じ手順です。
ステップ1ふだんのモードの消費電力を確かめる2分
ラベルか取扱説明書で、いつも使うモードの消費電力を探します。ハイブリッド式で加熱する・しないの値が分かれているときは、両方を書き出します。
ステップ2冬の明細で1kWhの額を出す3分
加湿器を使った冬の月の検針票か会員ページで、請求額と使った電力量(kWh)を見て、請求額を電力量で割ります。冬の月は暖房で使う量が増え、単価の段階も変わることがあるので、使った月の明細で出します。
ステップ3時間と日数を掛ける2分
1日の運転時間と日数を式に入れます。たとえば明細の単価が35円の家で、120Wの例を1日10時間・169日動かすと、202.8kWh×35円で約7,098円です(単価と時間は例)。
目安の単価31円で出した約6,287円より、約811円高い額です。家計簿の冬の電気代の行に、加湿器と暖房の見込みを分けてメモしておくと、次の冬の比べる手がかりになります。冬の暖房費全体の目安は、暖房費の平均はいくら?で見られます。
加湿器の額を知るには、方式と消費電力、1日に動かす時間、冬の明細の単価がそろえば足ります。暖房の設定温度を下げるなら、その節約額と加湿器の額を並べます。
よくある質問
Q加湿器の電気代は1時間いくらですか
方式と消費電力で決まります。目安の単価31円で、350Wのスチーム式の例は1時間10.85円、6Wの気化式の例は0.186円です(消費電力は例)。自分の加湿器の値は、ラベルか取扱説明書で確かめます。
Q加湿器を1か月つけっぱなしにすると、いくらですか
1日10時間・30日の例では、スチーム式350Wで3,255円、気化式6Wで55.8円です。24時間なら、この2.4倍になります(目安の単価31円・消費電力は例)。
Q電気代が安いのは、どの方式ですか
ヒーターを使わない気化式と超音波式は、消費電力が小さくなります。ただし加湿の力も控えめなので、部屋の広さに足りるかを適用畳数で確かめてから比べます。
Qスチーム式の加湿器は、電気代が高いですか
水を沸かすので、ほかの方式より消費電力が大きくなります。350Wの例では暖房期間169日・1日10時間で約18,337円です。立ち上がりの値でなく、加湿を続けるときの値で計算します。
Q加湿器を使うと、エアコンの電気代は下がりますか
設定温度を下げられれば、エアコンの分は減ります。資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃にすると1年約1,650円の節約で、気化式の例(約283円)は下回り、スチーム式の例(約16,503円)は上回ります。
Q部屋の湿度はどれくらいがよいですか
厚生労働省は、特に乾燥しやすい室内では、加湿器などで湿度を50~60%に保つことも効果的としています。上げすぎると結露やカビのもとになるので、湿度計を見ながら使います。
まとめ
- 加湿器の電気代は、消費電力(kW)×運転した時間×1kWhの単価で出す
- 製品どうしを比べる単価は31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安・令和4年7月22日改定)
- 1日10時間・30日で、350W(スチーム式の例)は3,255円、6W(気化式の例)は55.8円
- 資源エネルギー庁の暖房期間169日で数えると、350Wの例は約18,337円、6Wの例は約314円
- 暖房の設定温度を21℃から20℃にすると1年約1,650円の節約(資源エネルギー庁)。加湿器の額と並べて比べる
- 湿度は50~60%が目安(厚生労働省)。スチーム式は子どもの手が届かない場所に置く(消費者庁)
- 家計に近いひと冬の額は、冬の明細から出した単価で計算し直す
加湿器の方式と消費電力がわかり、冬の明細の単価を出せれば、ひと冬の額を自分で計算できます。暖房と合わせた電気代が増えるか減るかも、数字で見比べられます。
この記事で参照した公的情報
- よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 無理のない省エネ節約 空調(冬の暖房時の室温は20℃を目安に・外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間9時間/日)年間で電気53.08kWhの省エネ・約1,650円の節約)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html
- 無理のない省エネ節約 省エネ効果の算出根拠(電気の金額換算係数31円/kWh・暖房期間5.5か月(10月28日〜4月14日)169日)
- 窓口
- 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/index.html
- 令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A Q14(適度な湿度の保持=空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下・特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的)
- みんなの消費安全ナビ Vol.572 暖房器具やスチーム式加湿器でのやけどに注意!(床に置くタイプの加湿器は子どもの手が届かない場所に設置するか安全柵などで囲む・高温蒸気への対策機能や転倒しても熱湯がこぼれにくい製品の検討)
