プリンターのインク代が高いときの節約|1枚あたりの額の出し方と、互換インク・大容量タンク・コンビニ印刷の比べ方

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プリンターのインク代は、まず自分の家の1枚あたりの額を出し、刷る量と使い道に合わせて選び方を変えると下げられます。たくさん刷るなら大容量タンク型、月に数枚ならコンビニのコピー機との比べ、すぐ捨てる物なら互換インクや白黒の設定が候補です。

カタログの1枚あたりの額は、業界団体のガイドラインで決まった原稿を刷って出した値です。大容量タンク型の額はこの決まりの対象外で、メーカーが独自の方法で出した値です。

互換インクで不具合が出た人は、不具合が出たときを先に読んでください。月に数枚しか刷らない人は、コンビニのコピー機との比べ方が近い答えです。

インクを買い替えるたびに値段が高く、互換インクに替えてよいのか、大容量タンク型に買い替えるべきか迷います。何から見直せばよいのか分かりません。

刷る量と使い道で選ぶ早見

インク代の下げ方は、どれだけ刷るかと、何を刷るかで変わります。次の表で、自分の刷り方に近い行を見てください。

刷り方 合う方法 見る点
月に数枚 コンビニと比べる 詰まり
文書が多い 大容量タンク型 元が取れる枚数
写真・長く残す物 純正インク 色あせ
すぐ捨てる物 互換インクも 保証の条件
白黒の文書だけ 白黒で刷る カラーを減らす

どの行でも、先に今の1枚あたりの額を出しておくと、替えたあとにいくら下がるかを比べられます。白黒の文書をとても多く刷るなら、インクジェットではなくレーザー方式のプリンターも比べる候補に入ります。

1枚あたりのインク代の出し方

インク代が高いかどうかは、1本の値段ではなく、1枚あたりの額で比べます。増量タイプや大容量タンク型は1回の値段が上がっても、刷れる枚数がそれ以上に増えれば1枚あたりは下がります。

カタログの1枚あたりの額は、決まった原稿で測る

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は、プリンターの印刷コストを正しく比べられるように、表示の統一の基準をガイドラインにしています。ガイドラインは2006年から使われ、今は2022年7月8日に公開された第3版です。

ガイドラインでは、インクカートリッジごとに、国際規格(ISO/IEC 24711 など)の方法で決まった原稿を刷り、何枚刷れるかを測ります。そのうえで、カートリッジの価格をその枚数で割り、色ごとの額を足して1枚あたりの額にします。

  • A4の文書1枚:(黒の価格÷黒の枚数)+(各色の価格÷各色の枚数)を足した額
  • L判の写真1枚:インクの額に、写真用紙1枚分の額を足した額

たとえば、黒が1本1,600円で500枚、カラー3色が各1,100円で各400枚刷れるなら、カラーの文書1枚は3.2円+2.75円×3で11.45円です(値段と枚数は例)。黒だけで刷る文書なら、黒の分の3.2円が目安になります。

大容量タンク型の額は、この決まりの外

ボトルからインクを注ぐ大容量タンク型(インクボトル方式)は、JEITA のガイドラインの対象外です。2022年5月の時点で、ボトルで何枚刷れるかを出す国際規格も国内規格も無かったためです。

大容量タンク型の1枚あたりの額は、メーカーが独自の方法で出した値です。ガイドラインは、独自に出すときも同じ原稿を使い、どの原稿かを明記するよう勧めているので、比べるときは注意書きの原稿と条件を見ます。

自分の家の1枚あたりの額を出す

カタログの額は、決まった原稿で測った値です。自分の家の額は、1年に買ったインクの合計を、1年に使った用紙の枚数で割ると出せます。

たとえば、1年のインク代が9,600円で、用紙を800枚使ったなら、1枚あたり12円です(数字は例)。用紙の代金は別にかかるので、コンビニの料金と比べるときは、用紙1枚の値段も足します。

カタログの額と、自分の家の額がずれる理由

ガイドラインの原稿は文書と写真の決まった見本なので、色を広く塗る資料や写真を多く刷ると、インクの減り方が変わります。年賀状のように写真入りのはがきをまとめて刷る家は、1枚あたりが上がることがあります。

長く使わないとノズルが詰まり、ヘッドのクリーニングを繰り返すと、刷っていないのにインクが減ることがあります。刷る枚数が少ない家ほど、この分が1枚あたりの額に乗ります。

純正・互換・リサイクル・詰め替えの違い

インクには、プリンターのメーカーの純正品のほかに、ほかの会社が作る互換インク、使用済みのカートリッジを再利用したリサイクルインク、空のカートリッジに自分で補充する詰め替えインクがあります。

種類 値段 注意
純正 高い メーカーの保証の対象
互換 安い 保証と色の差
リサイクル 安い 色の差
詰め替え もっとも安い 手間と汚れ

純正以外のインクで起こりうることとして、色が純正と違って見える、刷った写真が早く色あせる、カートリッジを認識しないといった不具合があります。ノズルが詰まり、クリーニングでインクを使い切ってしまうこともあります。

使い道で分ける考え方があります。写真や長く残す書類は純正インク、学校のプリントや下書きのようにすぐ捨てる物は互換インク、と刷る物で替えれば、色あせの心配がある物だけに純正の値段を払えます。

互換インクを使う前に確かめること

プリンターのメーカーの保証期間の中でも、純正以外のインクが原因と判断された故障は、有償の修理になることがあります。互換インクを使う前に、次の点を確かめます。

  • プリンターの保証書と取扱説明書の、保証の対象外になる条件
  • 保証期間が残っているか(切れた古い機種かどうか)
  • 互換インクの販売元が、自分の機種に対応しているとしているか
  • 互換インクを買うときの説明に、プリンターが故障したときの扱いが書かれているか

保証期間が残っている新しい機種は、修理代がかかったときの損が大きくなります。保証が切れた古い機種で、すぐ捨てる物を刷る使い方なら、互換インクを試す損は小さくなります。

文字は顔料、写真は染料

インクには、顔料インクと染料インクがあります。文書の印刷には顔料インク、写真の印刷には染料インクが向くとされるので、互換インクを選ぶときも、元の純正インクと同じ種類かを見ます。

今のプリンターのままでできる節約

プリンターを買い替えなくても、買い方と刷り方でインク代は下がります。どれも、自分の家の1枚あたりの額を出し直すと、効いたかを確かめられます。

増量タイプとセット品

同じ機種のインクに標準と増量の2つのサイズがあるなら、値段を刷れる枚数で割って比べます。増量タイプは、値段の伸びより刷れる枚数の伸びが大きいことがあり、そのときは1枚あたりが下がります。

1本ずつ買うより、色をまとめたセット品のほうが1枚あたりが下がることもあります。色ごとに分かれたカートリッジの機種なら、減った色だけを替えられるので、残った色を捨てずに済みます。

ただし、たまにしか刷らない家は、標準サイズのほうがインクを新しいうちに使い切れます。使い終わったカートリッジは、家電量販店などの回収箱に出すとポイントが付く場合があります。

印刷の設定で減らす

印刷の画面で、画質を下げる設定や、白黒(グレースケール)で刷る設定が選べる機種があります。人に渡さない下書きや確認用の資料は、この設定にすると、カラーのインクを使わずに済みます。

両面印刷に対応した機種なら、用紙の枚数を減らせます。刷る前に画面の印刷プレビューで、余分な空白のページや、写真ばかりのページが入っていないかを見ておくと、刷り直しも減ります。

放置しない・クリーニングを繰り返さない

長く使わないとノズルが詰まり、クリーニングでインクを使うことがあります。刷る回数が少ない家は、標準サイズのインクを選び、開けたインクを古くしないようにします。

かすれたからといってクリーニングを何度も続けると、そのたびにインクが減ります。直らないときは、続ける前に取扱説明書の手順やメーカーの案内を見て、次にすることを決めます。

大容量タンク型は、何枚刷れば元が取れるか

大容量タンク型は、本体の値段がカートリッジ式より高めで、1枚あたりの額が下がる方式です。元が取れるかは、本体の値段の差を、1枚あたりの差で割った枚数で見ます。

  • 元が取れる枚数:本体の値段の差÷(今の1枚あたり−大容量タンク型の1枚あたり)
  • かかる月数:元が取れる枚数÷1か月に刷る枚数

たとえば、本体の差が24,000円で、1枚あたりが11.45円から1.45円に下がるなら、差は10円で、2,400枚で元が取れます(数字は例)。月に100枚刷る家は24か月、月に30枚なら80か月かかります。

大容量タンク型の元が取れる枚数の例の図。本体の値段の差24,000円を、1枚あたりの差10円(11.45円から1.45円)で割ると2,400枚。月に100枚刷る家は24か月、月に30枚刷る家は80か月。数字は例

今のプリンターがまだ使えるなら、割るのは差額ではなく、新しい本体の値段の全部です。写真を中心に刷る人は、写真の色を重く見て、カートリッジ式の写真向けの機種と比べる考え方もあります。

大容量タンク型の1枚あたりの額は、メーカーが独自の方法で出した値です。式に入れる前に、注意書きでどの原稿で測ったかを見て、自分の刷る物に近いかを確かめます。

たまにしか刷らないなら、コンビニのコピー機と比べる

月に数枚しか刷らない家は、インクが乾いたり、詰まりを直すクリーニングでインクを使ったりして、1枚あたりが上がりやすくなります。自分の家の1枚あたりの額と、コンビニのコピー機の料金を比べます。

コンビニの料金は、白黒かカラーか、用紙の大きさで店の料金表に決まっています。家で刷る額は、インクの1枚あたりに用紙1枚の値段を足し、店の1枚の料金と並べます。

ただし、仕事の資料のように外に出せない書類は、店のネットプリントに預けられないことがあります。勤め先の決まりを確かめ、家で刷る書類と店で刷れる書類を分けておきます。

年賀状のように枚数が決まっているものは、はがき代も足して店の印刷と比べます。何枚から頼むほうが安くなるかの式は、年賀状を自宅で印刷する費用は?にあります。

1年に刷る枚数がごく少ないなら、プリンターを持たずに店で刷る選び方もあります。プリンターが壊れて買い替えを迷うときは、1年に刷った枚数を家計簿で数えてから決めます。

家計簿でインク代を見える形にする

インク代は、1回の買い物は小さく見えても、1年の合計で見ると大きくなることがあります。家計簿で別の行にしておくと、自分の家の1枚あたりの額を出せます。

総務省の家計調査の分け方では、プリンターの本体は「パソコン」の品目の周辺機器に入り、プリンター用紙は「ノート・紙製品」に入ります。「インク」は「他の学習用消耗品」の例示にありますが、プリンター用かどうかは書かれていません。

家計簿では、「インク」の行を作って買った日と額を書き、用紙の包みを開けた日もメモしておきます。1年の終わりにインクの合計を用紙の枚数で割れば、1枚あたりの額が出て、次の買い方を決める材料になります。

互換インクで不具合が出たとき

互換インクを使ってから、認識しない・かすれるといった不具合が出たときは、まず互換インクを外して、純正インクに戻すと直るかを見ます。直らないときは、プリンターの保証書と取扱説明書で保証の条件を確かめます。

互換インクを買ったときの説明や付いてきた書面も見直します。プリンターが故障したときの扱いが書かれていれば、その内容に沿って販売元に連絡します。

よくある質問

Qインク代を下げるには、何から始めればよいですか

まず、1年に買ったインクの合計を、使った用紙の枚数で割って、自分の家の1枚あたりの額を出します。そのうえで、刷る量と使い道に合わせて、インクの種類・買い方・印刷の設定・プリンターの方式を見直します。

Qカタログに書いてある1枚あたりの額どおりにならないのはなぜですか

カタログの額は、JEITA のガイドラインで決まった原稿を刷って出した値です。写真や色の多い資料を刷る、長く使わずにクリーニングでインクを使うといった使い方では、1枚あたりが上がります。

Q互換インクを使うと、プリンターの保証はどうなりますか

プリンターのメーカーの保証期間の中でも、純正以外のインクが原因と判断された故障は、有償の修理になることがあります。保証書と取扱説明書の条件と、互換インクを買うときの説明を確かめてから使います。

Q大容量タンク型に買い替えると得ですか

本体の値段の差を1枚あたりの差で割った枚数を、1か月に刷る枚数で割ると、元が取れるまでの月数が出ます。差額24,000円・1枚あたりの差10円の例なら2,400枚で、月100枚なら24か月、月30枚なら80か月です。

Qインクを買うより、本体を買い替えたほうが安いのですか

インクのセットを何回か買う額が、安い本体の値段を超えることはあります。ただし、本体に付いてくるインクの量や、今の本体がまだ使えるかで変わるので、1枚あたりの額と、1年に刷る枚数で比べます。

Q家計簿では、インク代はどの費目に入れればよいですか

総務省の家計調査の分け方では、「インク」は「他の学習用消耗品」の例示にありますが、プリンター用かどうかは書かれていません。家計簿では「インク」の行を別に作り、1年の合計を見られるようにしておくと、1枚あたりの額を出せます。

まとめ

  • インク代は、1本の値段ではなく1枚あたりの額で比べる。自分の家の額=1年のインクの合計÷使った用紙の枚数
  • カタログの1枚あたりの額は、JEITA のガイドラインで、カートリッジの価格を決まった原稿で刷れる枚数で割り、色の分を足した額
  • 大容量タンク型(インクボトル方式)は、ガイドラインの対象外で、メーカーが独自の方法で出した額
  • 互換インクは、写真や長く残す物を避けて使う。保証期間の中でも、純正以外のインクが原因の故障は有償の修理になることがある
  • 大容量タンク型の元が取れる枚数=本体の値段の差÷1枚あたりの差
  • 月に数枚なら、用紙代を足した1枚あたりの額をコンビニのコピー機の料金と比べる

自分の家の1枚あたりの額が分かりました。インクの種類・増量タイプ・印刷の設定・大容量タンク型・コンビニのどれで下げるかを、刷る量と使い道に合わせて選べます。

この記事で参照した公的情報

  1. 家庭用インクジェットプリンターの印刷コスト表示に関するガイドライン第3版の公開(2022年7月8日・消費者がプリンター本体購入時に各プリンターの印刷コストを正しく比較検討できるように印刷コストの表示に関する統一基準を策定し2006年から運用・イールド測定方法として ISO/IEC 24711 と ISO/IEC 29102、原稿として ISO/IEC 24712 などを利用・モノクロ専用インクジェットプリンターの A4 文書は ISO/IEC 22505・2022年5月現在インクボトル方式のイールド枚数の算出方法に関する国際規格又は国内規格が存在しないためインクボトル方式の印刷コスト算出及びコスト表示は適用範囲に含めない・独自の方法で算出する場合は同じチャートを使い明記することを推奨)
    窓口
    一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
    確認日
    確認先
    https://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=1402
  2. 家庭用インクジェットプリンターの印刷コスト表示に関するガイドライン第3版(本文・印刷コスト=各インクカートリッジの価格÷イールド枚数の和・L判写真は用紙の1枚分のコストを足す)
    窓口
    一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
    確認日
    確認先
    https://home.jeita.or.jp/terminal/file/inkjetprinter_printcost_guideline.pdf
  3. 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定:810 パソコン=ソフト、周辺機器、部品も含む・周辺機器(プリンタ ディスプレイ キーボードなど)/826 ノート・紙製品=コピー用紙 プリンター用紙/827 他の学習用消耗品=墨(墨汁) インク 替え芯 スペアインク・プリンターのインクの名指しは無い)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2025/zuhyou/kouh2025.xlsx
  4. 消費者ホットライン(188・地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内・相談は無料で通話料金がかかる)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

この記事を書いているのは

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。