バーチャルオフィスの料金|月額の目安と初期費用・郵便の転送の費用、開業の住所に使うときの注意
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バーチャルオフィスの料金は、住所を借りる月額、入会金などの初期費用、郵便を転送する費用の3つで決まります。月額は500〜5,000円ほどが目安で、最も安いプランには、会社の登記や郵便の受け取りが入っていないことがあります。
郵便の転送は、回数に応じた手数料と、送るときの郵便料金がかかる形が中心です。電話番号や会議室は、別の料金になっていることがあります。比べるときは、自分が使う機能を全部足した1年の総額で見ます。
開業届や会社の登記、ネットショップの住所表示に使うなら、そのプランで使えるかを契約の前に確かめます。契約のときは、法律で決まった本人確認があります。
自宅の住所を出さずに開業したいのですが、バーチャルオフィスに毎月いくらかかるのか分かりません。安いプランで、開業の手続きに足りるのかにも迷います。
料金は、3つの費用に分けて見る
バーチャルオフィスの料金表は、基本の月額に、初期費用とオプションが足される形になっています。次の表は、費用ごとに何に払うお金か、申し込む前に何を確かめるかを並べたものです。
| 費用 | 何に払うか | 確かめること |
|---|---|---|
| 月額 | 住所の利用料 | 登記に使えるか |
| 初期費用 | 入会金・保証金 | 返金はあるか |
| 郵便の転送 | 手数料と送料 | 回数と1回の額 |
| 電話 | 番号・転送 | 通話料は別か |
| 会議室 | 時間ごとの料金 | 1時間の額 |
月額は500〜5,000円ほど
月額は、借りる住所の場所と、基本料金に入っている機能で変わります。会社の設立の手続きのサービスを出している会社が2026年10月に更新した解説では、法人の登記に使える住所が月額500〜5,000円ほどです。
同じ解説では、基本料金が月額500円でも、登記・郵便の転送・電話の転送をオプションで足すと、月額5,000円以上になることがあるとしています。会議室は、1時間500〜3,000円ほどです。
最も安いプランで確かめること
数百円の月額のプランは、使える機能が限られていることがあります。転送の無いプランでは会社の登記や郵便の受け取りができない、受け取れる郵便が税金の書類などに限られる、といったプランもあります。
申し込む前に、次の3つが基本料金に入っているかを料金表で確かめます。
- 開業届や会社の登記に、その住所を書いてよいか
- 届いた郵便を受け取ってもらえるか(荷物・書留も含むか)
- 届いたことを知らせてもらえるか、転送は月に何回か
初期費用と前払い
月額のほかに、契約のときに入会金・事務手数料・保証金がかかることがあります。保証金は解約のときに返ってくるのか、入会金の割引に最低の利用期間などの条件が付いていないかを見ます。
半年分や1年分を前払いする条件のプランもあります。途中で解約したときに、残りの月の分が返ってこないことがあるので、解約の条件も契約の前に読みます。
郵便の転送の費用
郵便の転送の費用は、運営の会社に払う転送の手数料と、郵便料金の実費に分かれます。転送の回数は、週1回・月1回・届いたその日など、プランで決まっています。
送料は、日本郵便の料金がもとになる
郵便料金の実費は、転送するときの封筒の重さで決まります。次の表は、日本郵便の手紙の料金のうち、定形郵便と定形外郵便(規格内)の一部です。
| 送り方 | 重さ | 料金 |
|---|---|---|
| 定形郵便 | 50g以内 | 110円 |
| 定形外(規格内) | 100g以内 | 180円 |
| 定形外(規格内) | 250g以内 | 320円 |
| 定形外(規格内) | 500g以内 | 510円 |
届いた郵便を1つの封筒にまとめて送るプランなら、回数を減らすと送料も減ります。たとえば100gの封筒を月4回送ると720円、250gにまとめて月1回にすると320円です(金額は例)。
回数は、届く書類の期限で決める
役所や取引先からの書類に期限があるなら、月1回の転送では間に合わないことがあります。転送の回数を増やすか、届いたときに知らせてもらい、急ぐものだけを1回ごとに送ってもらう形にします。
本人限定受取の郵便のように、本人しか受け取れない郵便は、代わりに受け取れません。不在票を知らせてもらえるかを確かめておきます。
1年でかかる額の例
次の図は、住所を借りて郵便を受け取る2つの使い方で、1年にかかる額を並べた例です。月額・入会金・転送の回数は仮に置いた数で、送料は上の日本郵便の料金で数えています。

この例では、月額の差は2,400円でも、1年では3万4,320円の差になります。転送を週1回にした分は、送料だけで年9,360円です。
比べるときは、1年目は入会金を足した額、2年目からは月額と送料の額で見ます。郵便が月に数通の事業なら、転送の回数の少ないプランで足りることがあります。
開業の住所として使うときの注意
バーチャルオフィスの住所は、開業届・会社の登記・名刺・ホームページなどに書けます。ただし、使える範囲はプランで違い、手続きごとの決まりもあります。
個人事業主の開業届
個人事業主が事業を始めたときは、税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を出します。事業の事務所を設けたり、移したりしたときも、この届出書の対象です。
出す期限は、事業を始めた年の分の確定申告の期限までです(所得税法 第229条)。出し先は税務署で、届出書の書き方は国税庁の案内で確かめます。
所得税の納税地は、国内に住所がある人なら、その住所地です。住所地のほかに事業所などがあれば、その所在地を納税地にできます。バーチャルオフィスの住所をこの事業所として扱えるかは、出す前に税務署に確かめます。
会社の登記に使うとき
会社の本店をバーチャルオフィスの住所で登記するなら、そのプランが登記に使えるかを、契約書と料金表で確かめます。法人の登記に使う分だけ、別の料金になっているプランもあります。
同じ住所に、同じ名前の会社がすでに登記されていると、その名前では登記できません(商業登記法 第27条)。同じ住所をほかの会社も本店にしているので、社名を決める前に、同じ住所に同じ社名が無いかを登記の情報で調べておきます。
本店を別の住所に移すことになれば、移転の登記をし直し、登録免許税(本店の移転は1か所につき3万円)を払います。運営の会社がサービスを終えたときは、自分で決めていなくても移すことになります。
ネットショップの住所の表示
ネットショップでは、特定商取引法にもとづいて、事業者の住所と電話番号を表示します。消費者庁の案内では、住所は現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号です。
個人事業者がバーチャルオフィスの住所と電話番号を表示しても、消費者庁の案内で次の措置がとられていれば、特定商取引法の求めを満たすと考えられています。
- その住所と電話番号を、通信販売の連絡先として使うことを、運営の会社と合意している
- 運営の会社が、本人の今の住所と本人名義の電話番号を知っている
- 運営の会社と本人の間で、確実に連絡が取れる
本人と運営の会社のどちらかが不誠実で、消費者から連絡が取れないなどのことが起きれば、表示をしたことになりません。私書箱の住所は、住所の表示になりません。
契約のときの本人確認
郵便の受け取りや電話の転送をする事業者は、犯罪収益移転防止法の対象です。契約のときは、本人確認書類で氏名・住居・生年月日を確かめ、取引の目的と職業も確かめることが、法律で決まっています。
会社として契約するなら、会社の名前と本店の所在地、事業の内容、会社を実質的に支配する人も確かめます。事業者は、確かめた記録を7年間残します。運転免許証やマイナンバーカード、会社の登記事項証明書などを用意しておきます。
許可の要る仕事は、契約の前に確かめる
許可や登録を受けて営む仕事の中には、事務所の広さや、ほかと区切られていることが要件になるものがあります。宅地建物取引業・建設業・労働者派遣事業がその例で、住所だけを借りる形では要件に届かないことがあります。
こうした仕事を始めるなら、事務所の要件を、許可を出す役所の窓口で聞いてから契約します。業種によっては、運営の会社が利用規約で申し込みを断っていることもあります。
法人の口座を開くとき
法人の口座の申し込みでは、どんな事業をしているかを金融機関が確かめます。住所がバーチャルオフィスだからといって、それだけで開けないとは限りません。ただ、出す資料が増えたり、結果が出るまで日数がかかったりすることがあります。
要る書類は金融機関ごとに違うので、申し込む先に前もって聞いておきます。事業の中身を説明できるように、ホームページ・事業計画書・取引先との契約書などをそろえておきます。
自宅・レンタルオフィスとの違い
次の表は、住所だけを借りる形と、席や部屋も借りる形を、月額と作業の場所で並べたものです。月額は、上の月額の目安と同じ解説によるものです。
| 形 | 月額の目安 | 作業の場所 |
|---|---|---|
| バーチャル | 500〜5,000円ほど | 無い |
| シェアオフィス | 数千円〜数万円 | 共用の席 |
| レンタルオフィス | 数万円から | 個室 |
自宅を事務所にすれば、住所を借りる料金はかかりません。そのかわり、開業届や登記、ネットショップの表示に自宅の住所が出ます。来客や打ち合わせが多いなら、会議室の料金も足して、レンタルオフィスと比べます。
料金は、事業の経費になる
バーチャルオフィスの月額・入会金・転送の費用は、事業のために払うなら、事業所得の必要経費にできます。必要経費は、売上を得るために使った費用と、事業について生じた費用です(国税庁 No.2210)。
経費にするには、払った日・額・何の費用かを帳簿に付け、請求書や領収書を残します。事業と暮らしのお金を分ける考え方は、個人事業主の家計簿の分け方にまとめています。
迷いやすい場面
自宅の住所を出したくないのは、ネットショップの表示だけ
ネットショップの住所と電話番号は、請求があれば遅れずに知らせることを広告に書き、実際にそうできる用意があれば、表示を省けます。表示だけが目的なら、この形で足りるかを先に考えます。
ただし、請求があったときは、住所と電話番号を知らせます。開業届や会社の登記の住所は、表示の省略とは別に決める必要があります。
途中で別のバーチャルオフィスに移りたい
住所を移すと、名刺やホームページだけでなく、届け出た住所も変わります。個人事業主は、事業所を移したときの開業・廃業等届出書を税務署に出します。
会社なら、本店の移転の登記と登録免許税がかかります。乗り換えの費用も見込んで、最初に住所を選びます。
郵便が月に数通しか届かない
郵便が月に数通なら、転送が月1回のプランか、届いたときだけ1回ごとに送ってもらうプランで足りることがあります。届いたことの知らせと、中身を写真で見られるかを確かめておくと、急ぐ書類を見落としにくくなります。
よくある質問
Qバーチャルオフィスの住所で開業届を出せますか
そのプランで開業届に住所を使うことが認められているかを、契約の前に確かめます。バーチャルオフィスの住所を事業所として届け出るか、納税地をどこにするかは、税務署に確かめます。
Q月額のほかに、どんな費用がかかりますか
入会金・事務手数料・保証金などの初期費用と、郵便の転送の手数料と送料がかかることがあります。電話番号や会議室は、別の料金になっていることがあります。
Q契約に、本人確認書類は要りますか
要ります。郵便の受け取りや電話の転送をする事業者は、犯罪収益移転防止法で、契約のときに氏名・住居・生年月日、取引の目的、職業を確かめることになっています。
まとめ
- 料金は、月額・初期費用・郵便の転送の費用の3つ。月額は500〜5,000円ほどが目安
- 最も安いプランは、登記や郵便の受け取りが入っていないことがある。使う機能を足した1年の総額で比べる
- 転送の送料は日本郵便の料金がもとになる。回数をまとめると送料は減る
- 開業届・会社の登記・ネットショップの表示に使えるかは、プランと手続きの決まりで確かめる
- 契約のときは、法律で決まった本人確認がある。料金は事業の経費にできる
月額・初期費用・転送の送料を分けて足せば、1年でいくらかかるかが分かります。開業届や登記に使えるかを先に確かめれば、安いプランで足りるかも決められます。
この記事で参照した公的情報
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律 第2条第2項(郵便物を受け取る場所や電話番号を顧客に使わせ、郵便物の受け取りと引き渡し・電話の受付と連絡・電話の転送をする業務を行う者は特定事業者)・第4条(取引時確認=本人特定事項〈氏名・住居・生年月日、法人は名称・本店所在地〉・取引を行う目的・職業〈法人は事業の内容〉・実質的支配者)・第6条(確認記録は7年間保存)(2026-08-12 施行の版。未施行の 2027-10-01 施行の版まで同じ業務を定める)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000022
- 特定商取引法ガイド 通信販売 Q&A(Q17 住所は現に活動している住所・請求により遅滞なく提供する措置があれば表示を省略できる/Q18 個人事業者がバーチャルオフィスの住所と電話番号を表示する場合の3つの措置/Q19 私書箱の表示は住所の表示にならない)
- 所得税法 第229条(事業を開始し、または事業に係る事務所・事業所を設け・移転し・廃止したときは、その年分の確定申告期限までに届出書を税務署長に提出)(2030-06-19 施行の版まで同じ文)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(個人事業の開廃業等届出書・事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したときの手続・所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書)
- No.2029 納税地の特例(納税地は一般的に住所地・住所のほかに事業所などがある場合は事業所などの所在地を納税地にできる)
- 商業登記法 第27条(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)(2026-06-24 施行の版。未施行の 2028-12-23 施行の版まで同じ文)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125
- No.7191 登録免許税の税額表(本店または支店の移転の登記は、本店または支店の数1箇所につき3万円)
- No.2210 必要経費の知識(必要経費は売上原価など総収入金額を得るために直接要した費用と販売費・一般管理費その他業務上の費用・家事上の費用は必要経費にならない)
- 手紙・はがきの料金(定形郵便物は50g以内110円・定形外郵便物の規格内は50g以内140円、100g以内180円、250g以内320円、500g以内510円)
