電気圧力鍋の電気代は1回いくら?|加圧と減圧の時間を入れた計算、ガスこんろで煮込む場合との比べ方

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電気圧力鍋の電気代は、本体の消費電力・電源が入って動いている時間・1kWhあたりの電気の値段の3つで決まります。レシピに書かれた「圧力○分」だけで計算すると、加圧と減圧にかかる時間の分が抜けて、額が小さく出ることがあります。

以下では、店頭の電気代の表示と同じ1kWhあたり31円を使い、1回の額から1年の額までを例で計算します。ガスこんろの鍋で煮込む場合との比べ方、本体の値段を光熱費の差でまかなえるかの考え方、事故を防ぐ点、明細の単価で出し直す手順もまとめます。

電気圧力鍋は火を使わずに煮込めて便利そうですが、電気代がどれくらいかかるのか分かりません。ガスこんろで作るのと比べて、得になるのかも迷います。

電気圧力鍋の電気代を出す式

電気圧力鍋は、本体とふたで密閉した鍋を電気で加熱し、中の水蒸気で圧力をかけて煮込みます(消費者庁の説明)。鍋が使う電気の量は、W で書かれた消費電力をkW に直し(1,000で割る)、電源が入っていた時間を掛けたkWh で表します。

  • 電力量(kWh):消費電力(W)÷1,000×動いた時間
  • 1回の電気代:電力量に1kWhの単価を掛けた額

分で測った時間は60で割って直し、45分なら0.75時間、30分なら0.5時間です。W の数は、本体に貼られた銘板か、取扱説明書の仕様の表で見られます。

31円という単価の出どころ

電気の単価は、どの電力会社のどのプランで契約しているかによって家ごとに変わります。そこで店頭やカタログの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価、1kWhあたり31円(税込)で示されています。

今の31円は、協議会のQ&Aでは令和4年7月22日に改めた値とされています。自分の家の明細から出した単価に入れ替えると、家ごとの額に近づけられます(記事の後半で手順を示します)。

消費電力の幅と、1時間あたりの額

消費電力の目安は、電気圧力鍋で700W〜1,000Wとされます。製品ごとの値は、仕様の欄で確かめます。

目安の単価31円で1時間動かしたとすると、700Wで21.7円、900Wで27.9円、1,000Wで31円です。900Wなら1分あたり0.465円になります。ここで出す額は、表示の消費電力のまま動き続けたと置いた額です。

1回の額は、加圧と減圧の時間まで数える

電気圧力鍋で煮込むときは、中の圧力を上げる「加圧」、圧力をかけたまま煮る時間、圧力を下げる「減圧」の順に進みます。レシピに「10分」とあっても、それは圧力をかけて煮る時間で、前後の加圧と減圧が含まれていないことがあります。

加圧に10〜20分、減圧に10〜40分かかる例があります。カレーやシチューは、圧力で具材を煮たあとにルーを入れて煮込む時間も加わります。

カレーを作る1回の例

900Wの電気圧力鍋で、加圧12分・圧力をかけて煮る8分・減圧15分・ルーを入れて煮込む10分の、合わせて45分かかる例で計算します(消費電力と時間は例)。

  • 45分すべてを数えた場合:0.675kWhで約20.9円
  • 減圧の15分を数えない場合:30分で0.45kWh、約14.0円

900Wの電気圧力鍋でカレーを作る電気代を、目安の単価31円で計算した例の図。加圧から煮込みまでの45分すべてを数えると0.675kWhで約20.9円、減圧の15分を数えないと0.45kWhで約14.0円。月12回なら251.1円、週3回で1年なら約3,264円。消費電力と時間は例

減圧の間にどれだけ電気を使うかは、製品と減圧のやり方で違うことがあります。この記事では、45分すべてを表示の消費電力で数えた額を例として使い、額を小さく見積もりすぎないようにしています。

1か月・1年にすると

1回の額に作る回数を掛けると、1か月や1年の額になります。上の例のカレーと同じ45分の料理を、週3回作る家を例にします。

  • 月12回:8.1kWhで251.1円
  • 1年(週3回×52週=156回):105.3kWhで約3,264円

2025年の家計調査では、総世帯の電気代は1か月平均10,962円でした。月12回の例の251.1円は、その約2.3%にあたります。検針票の額は家全体の合計なので、鍋の分は式で出して初めて分かります。

ガスこんろの鍋で煮込む場合と比べる

電気圧力鍋を使うかどうかを考えるときは、同じ料理をガスこんろの鍋で作ったときのガス代と並べます。ガス代は、こんろの出力(kW)と使った時間から熱の量を出し、ガス1m³の熱の量で割って使ったガスの量にし、1m³の値段を掛けて求めます。

  • 熱の量(MJ):こんろの出力(kW)×3.6×使った時間
  • 使ったガスの量(m³):熱の量÷ガス1m³の熱の量
  • ガス代:使ったガスの量×1m³あたりの値段

中火の出力は、1.5〜3kWが目安とされています。資源エネルギー庁の省エネポータルは、省エネ効果を金額に直すときの値段を、都市ガス1m³あたり162円(熱の量45MJに換算した値)としています。

同じカレーを、ガスで1時間煮込む例

出力1.8kWのこんろで、鍋のカレーを1時間かけて作る例です。熱の量は6.48MJで、45MJで割ると0.144m³、162円を掛けて約23.3円になります(出力と時間、ガスの値段は例)。

  • 電気圧力鍋(900W・45分):1回約20.9円、月12回で251.1円
  • ガスこんろの鍋(1.8kW・1時間):1回約23.3円、月12回で約280円

電気圧力鍋とガスこんろの鍋で、同じカレーを作る光熱費を比べた例の図。電気圧力鍋900Wで45分は1回約20.9円・月12回で251.1円。ガスこんろ1.8kWで1時間は1回約23.3円・月12回で約280円。差は月約29円・1年約375円。電気は目安の単価31円、ガスは1m³あたり162円の例

この例では、電気圧力鍋のほうが1回約2.4円、月12回で約29円小さくなりました。ガスで煮込む時間が長い料理ほど、差は広がります。

ただし、弱火でことこと煮る時間が多い料理では、ガスの出力が小さくなる分、ガス代のほうが小さくなる場合があります。プロパンガスは都市ガスと1m³の値段も熱の量も違うので、契約しているガスの明細の値で計算し直します。ガスの種類による違いは、ガス代の平均はいくら?にまとめています。

夏はキッチンの暑さも違う

ガスの火で長く煮込むと、キッチンの温度が上がります。電気圧力鍋は火を使わないので部屋が暑くなりにくく、エアコンを使う量を減らせるともされます。

ただ、エアコンの電気代がどれだけ変わるかは、部屋の広さや外の気温で変わり、この記事の式だけでは出せません。光熱費の比べは、まずは上の式で鍋そのものの額を並べ、暑さは使い勝手の1つとして考えます。

本体の値段を、光熱費の差でまかなえるか

電気圧力鍋の値段は、容量や機能で違い、1万5,000円〜3万円ほどと紹介されています。光熱費の差で本体の値段をまかなえるかは、本体の値段を1年に浮く額で割ると見当がつきます。

上の例で、週3回・1年で浮く額は約375円です。本体を2万円とすると、2万円÷約375円で約53年かかる計算になります(本体の値段と使い方は例)。

この例のように、光熱費の差だけで本体の値段を取り戻すのは難しいことがあります。電気圧力鍋を選ぶときは、火の番をしなくてよいこと、その間にほかの家事ができることなど、時間の使い方の違いも合わせて考えます。

置き場所と手入れの手間も入れて考える

電気圧力鍋は炊飯器くらいの大きさがあり、置く場所が要ります。ふたやパッキン、蒸気の出口など、使うたびに洗う部品もあります。

一方で、自動のメニューを選べば火加減を見なくてよく、料理によっては炊飯や低温調理、蒸し料理にも使える製品があります。電気代の差より、こうした使い勝手のほうが家計や暮らしへの影響が大きいこともあります。

電気代を抑える使い方

電気圧力鍋の電気代は、消費電力と動いている時間の掛け算です。抑えるには、1回の時間を短くするか、回数を減らすかのどちらかです。

具材の大きさで、加熱の時間を短くする

かたまりの肉や固い根菜は、火が通るまでの時間が長くかかります。小さめに切ると、圧力をかけて煮る時間を短くできるとされます。

レシピの時間をそのまま使うだけでなく、加圧と減圧を含めた全体の時間を一度測っておくと、1回の額をつかみやすくなります。上の例のように45分かかる料理なら、時間が5分縮むごとに、900Wで約2.3円ずつ小さくなります。

ガスと使い分ける

煮込みに時間のかかる料理は電気圧力鍋で作り、さっと火を通す副菜や汁物はガスこんろで作る、という使い分けもあります。電気圧力鍋が動いている間に別の料理を作れば、台所に立つ時間も短くなります。

買い替えを考えるときは、候補の製品の消費電力と容量を仕様の欄で並べます。上の式のとおり、同じ時間動かすなら、消費電力の小さい製品ほど1回の額は小さくなります。

圧力鍋の事故を防ぐ3つの点

消費者庁は、令和3年4月に、圧力鍋の事故について注意を呼びかけています。事故情報データバンクには、令和3年3月までに圧力鍋に関わる事故の情報が231件寄せられ、高温の中身に触れてやけどをした事故が中心でした。

消費者庁は、どの圧力鍋にも共通する注意として、次の3つを挙げています。

  • 使う前に詰まりと傷みを見る:蒸気の出口など圧力を調整する部分が詰まっていないか、ふたと本体の間のパッキンにぬめりや傷みがないかを確かめる。使った後は、ふたとパッキンの汚れを落とす
  • 入れる量を守る:水と食材を合わせて3分の2以下、豆類や麺類は水と合わせて3分の1以下にする
  • 圧力が下がってからふたを開ける:ふたを完全に閉めて調理し、鍋の中の圧力が下がったのを確かめてから開ける

カレーやシチューは、具材を圧力で柔らかくしてから、最後にルーを入れ、圧力をかけずに仕上げるよう案内されています。電気圧力鍋は電気用品安全法の「電気なべ」にあたり、PSEマークの表示がない製品は販売できないとされています。

自分の家の単価で、出し直す

目安の31円は、どの家電でも同じ値段で比べるための数字です。自分の家の請求額から1kWhの値段を出して式に入れ直すと、実際に払っている額に近い数字になります。

ステップ1明細から1kWhの値段を出す3分

検針票か電力会社のウェブの明細から、1か月分の請求額と使用量(kWh)を写します。請求額÷使用量で、基本料金や再エネ賦課金を含めた1kWhの値段になります。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。

ステップ2消費電力と、1回の時間を確かめる3分

本体の表示か取扱説明書で、消費電力のW の数を確かめます。よく作る料理で、スタートを押してから減圧が終わるまでの時間を一度測っておきます。

ステップ3回数を掛ける2分

1回のkWh×月の回数×ステップ1の単価、の順に掛けます。たとえば明細の単価が1kWhあたり34円の家で、900Wの鍋で45分の料理を月12回作ると、8.1kWh×34円で275.4円です(単価と時間は例)。

ガスと比べるときは、ガスの明細でも同じように、請求額を使った量で割って1m³あたりの値段を出し、上のガスの式に入れます。家計簿で光熱費を見るときに、電気とガスの両方の額を並べると、どちらの使い方を変えるとよいかの見当がつきます。

よくある質問

Q電気圧力鍋の電気代は1回いくらですか

消費電力と時間で変わります。目安の単価31円で、900Wの製品でカレーを加圧から煮込みまで45分かけて作ると、約20.9円です。減圧の15分を数えなければ約14.0円です(消費電力と時間は例)。

Q1時間使うと、いくらですか

目安の単価31円で、700Wなら21.7円、900Wなら27.9円、1,000Wなら31円です。表示の消費電力のまま1時間動いたとした額です。

Q電気圧力鍋とガスこんろでは、どちらが安いですか

料理と火加減によります。900Wで45分の電気圧力鍋は約20.9円、出力1.8kWのガスこんろで1時間煮込む例は約23.3円で、この例では電気圧力鍋が小さくなりました。弱火で煮る時間が多い料理では、ガスのほうが小さくなる場合もあります(ガスは1m³あたり162円の例)。

Q光熱費の差で、本体の値段の元は取れますか

週3回作る例では、ガスとの差は1年で約375円でした。本体を2万円とすると約53年かかる計算で、光熱費の差だけで取り戻すのは難しい例です(本体の値段と使い方は例)。

Qレシピの「圧力10分」で電気代を計算してよいですか

レシピの時間には、加圧と減圧の時間が含まれていないことがあります。スタートから減圧が終わるまでの全体の時間で計算すると、額を小さく見積もりすぎずに済みます。

まとめ

  • 1回の電気代=消費電力(kW)×電源が入っていた時間×1kWhの単価
  • 家電どうしを比べるときの単価は、協議会の目安の1kWhあたり31円(令和4年7月22日改定)
  • レシピの時間に入らない加圧と減圧の時間も数える。900Wで45分の例は1回約20.9円、月12回で251.1円
  • ガスこんろで1時間煮込む例(1.8kW・1m³あたり162円)は約23.3円で、差は月約29円・1年約375円
  • 光熱費の差だけで本体の値段を取り戻すのは難しいことがあり、時間の使い方も合わせて考える
  • 使う前に詰まりとパッキンを見る、入れる量を守る、圧力が下がってから開ける(消費者庁)
  • 家の額を知るには、明細の請求額÷使用量で出した単価を31円と入れ替える

消費電力と全体の時間、明細の単価が分かれば、電気圧力鍋の1か月の電気代を出せます。ガスで作るときの額と並べて、使い分けを決められます。

この記事で参照した公的情報

  1. よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/qa/
  2. 無理のない省エネ節約 省エネ効果の算出根拠(金額換算係数 ガス162円/m³=平成29年版 ガス事業便覧の料金平均を45MJに換算)
    窓口
    資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
    確認日
    確認先
    https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/
  3. 家計調査 家計収支編 2025年(総世帯の電気代・1か月平均10,962円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409805
  4. 圧力鍋を安全に正しく使用しましょう! ―入れ過ぎに注意、蓋の洗浄が重要です―(令和3年4月28日・事故情報データバンクに令和3年3月までに寄せられた圧力鍋の事故情報231件)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_049/assets/caution_049_210428_0001.pdf

この記事を書いているのは

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