引っ越しのキャンセル料はいつから?|前々日20%・前日30%・当日50%の上限と、延期・段ボール・相談先

引っ越しのキャンセル料(解約手数料)がかかるのは、荷物を受け取る日の前々日からです。国土交通省の標準引越運送約款では、受取日の3日前までに申し出れば、解約手数料はかかりません。
前々日は見積運賃等の20%以内、前日は30%以内、当日は50%以内が上限です。日程をずらす延期にも同じ率の延期手数料があり、今日がもう前日・当日の人も、この上限を超える額は請求できない決まりです。
ただし、すでに済んだエアコンの取り外しなどの費用や、受け取った段ボールの扱いは、解約手数料とは別に決まります。自分の日付と見積書の額で上限を出す表と、業者に確かめることの順番をまとめます。
引っ越しの予定がなくなりそうですが、今日連絡したらキャンセル料がいくらかかるのか分かりません。延期にしたときも払うのかが心配です。
申し出た日で、キャンセル料の上限が決まる
約款は、解約や延期を申し出た日が、見積書に書いた荷物の受取日の何日前かで手数料を分けています。受取日は、業者が荷物を積み出しに来る日です。次の表は、受取日が11月20日、見積運賃等が6万2,000円の例で上限を並べたものです。
| 申し出た日 | 手数料の上限 | 例の上限額 |
|---|---|---|
| 3日前まで(17日まで) | かからない | 0円 |
| 前々日(18日) | 20%以内 | 1万2,400円 |
| 前日(19日) | 30%以内 | 1万8,600円 |
| 当日(20日) | 50%以内 | 3万1,000円 |
日付と額は例です。自分の受取日から2日前・1日前・当日を数え、見積書の見積運賃等の額に率を掛けると、自分の上限が出ます。率は「以内」なので、上限より低い額や、請求しない扱いにする業者もあります。
例の6万2,000円は、どう出したか
例では、見積書の運賃が4万6,000円、積込み・搬出などの作業の料金が1万6,000円で、合わせて6万2,000円としました。エアコンの取り外し1万1,000円も頼んでいたとしても、この額は上限の計算に入りません(入る料金・入らない料金は次の節)。
額は例で、平均ではありません。自分の見積書では、解約手数料の額も書く決まりになっているので(第3条第2項)、その欄があれば先に見ます。
以前の率は、もっと低かった
以前は、当日が運賃の20%以内、前日が運賃の10%以内で、前々日の手数料はありませんでした。平成30年6月1日の改正から、今の前々日20%・前日30%・当日50%になっています。
古い案内や、改正の前に結んだ契約の書類を読むときは、率が違うことに気をつけます。今の契約の率は、見積もりのときに受け取った約款で確かめます。
上限の計算に入る料金、入らない料金
約款のいう見積運賃等は、見積書に書いた運賃と料金です。ただし手数料の計算では、料金は積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造り、開梱にかかるものだけに限られています。
- 入る:運賃(トラックで運ぶ分)、積込み・取卸し・搬出・搬入の料金、荷造り・開梱の料金
- 入らない:エアコンの取り外し・取り付け、ピアノの運送、不用品の処理など、頼んで加えた附帯サービスの料金
見積もりの総額に率を掛けて請求されたときは、見積書の内訳と照らし合わせます。運賃と料金がどう分かれているかは、見積書に区分して書く決まりです(第3条第3項)。
キャンセル料がかからない場合・請求されない場合
3日前までに申し出たとき
約款が解約手数料・延期手数料を請求できるとしているのは、申し出が受取日の前々日、前日、当日のときだけです。受取日の3日前までに申し出れば、どちらの手数料もかかりません。
申し出の日は、業者に伝えた日で数えます。営業時間の外にメールを送ったときなどに受け付けた日がずれないよう、急ぐときは電話で伝え、受け付けた日時と担当者の名前を控えます。
業者が、3日前までの確認をしなかったとき
約款は、業者が受取日の3日前までに、見積書の内容に変更がないかなどを申込者に確かめると決めています(第3条第7項)。この確認をしなかった場合は、前々日以降の解約や延期でも、手数料を請求しない決まりです(第21条第1項ただし書)。
確認の電話やメールを受けていないときは、請求されたときにその点を業者に尋ねます。業者から確認の連絡が来たときは、日時と内容を控えておきます。
解約や延期の原因が、依頼した人の側に無いとき
手数料を請求できるのは、解約や延期の原因が荷送人(依頼した人)の責任によるときに限られています。業者の手配がつかないなど、業者の都合で運べなくなったときは、この条件に当たりません。
天候が悪くても作業に支障がないのに、依頼した人の判断で解約や延期をすると、手数料の対象になる場合があります。台風などの予報が出ているときは、自分で決めて断る前に、業者に作業の予定と手数料の扱いを聞きます。
見積もりを取っただけで、申し込んでいないとき
約款では、見積料は請求しないと決まっています(第3条第4項)。下見をしたときだけ下見の費用を請求することがありますが、見積もりの前に額を伝えて了解を得ることが条件です。
見積もりのときに、内金や手付金を求めないことも決まっています(第3条第5項)。見積もりを比べて申し込まなかった業者には、早めに断りの連絡を入れておきます。
延期にも、同じ率の手数料がある
約款では、解約だけでなく、荷物の受取日を延ばす延期にも、同じ率の延期手数料があります。前々日に延期を申し出れば20%以内、前日なら30%以内、当日なら50%以内です。
延期でも、3日前までに申し出れば延期手数料はかかりません。新しい日が繁忙期や休日に当たると、運賃そのものが変わることがあるので、延期の日を決めるときに見積もりを出し直してもらいます。
日がまだ決まらないときも、決まっていないことを先に業者へ伝えます。延期のまま日を決められなかったときの扱いは、その時点で業者と相談します。
キャンセル料とは別にかかるお金
すでに済んだ・始めた作業の費用
解約の原因が依頼した人の側にあるときは、解約手数料とは別に、業者がすでに行ったか始めた附帯サービスの費用を払います。対象は見積書に書いてあったものに限られます(第21条第3項)。
たとえば、引っ越しの前の日にエアコンの取り外しだけを先に済ませていたときは、その作業の費用がかかります。業者が3日前までの確認をしなかったときは、この費用も請求しない決まりです(第21条第4項)。
段ボールなどの資材
国民生活センターの資料では、契約のあとにすでに受け取った引越資材などがあると、解約のときに別に費用を請求されることがあるとしています。未使用なら返す、使ったものは買い取る、といった扱いと送料は業者によって違うので、電話のときに聞きます。
見積もりのときに段ボールを置いていった業者と契約しなかったら、返送料を負担するよう言われたという相談も寄せられています。契約の前に資材を受け取るときは、契約しなかった場合の返し方と費用を先に聞いておきます。
自分の契約が、この約款どおりかを確かめる
トラック(緑ナンバー)の業者との契約は、それぞれの業者が決めた引越運送約款に基づきます。国土交通省の標準引越運送約款をそのまま使う業者が多い一方で、自社で定めた約款を使う業者もあるので、見積もりのときに受け取った約款を見ます。
- 見積書:解約手数料の額の欄と、運賃と料金の内訳
- 約款:見積もりのときに業者が示す決まりで、解約・延期の条
- 定額のパック:決まった大きさの箱で定額で運ぶ運送などは、この約款によらないと先に告げられていれば適用されない
- 軽トラックの業者:黒ナンバーの業者には標準貨物軽自動車引越運送約款があり、解約・延期手数料の条件と率は同じ
約款には、法令に反しない範囲で特約に応じることがあるとも書かれています。特約を結んでいたときは、その中身が手数料の扱いにかかわるかを確かめます。当日の追加料金の決まりは引っ越しの追加料金にあります。
キャンセルの連絡のしかた
キャンセルや延期を決めたら、見積書に書いてある営業所か問い合わせの窓口へ、すぐに連絡します。前々日に入る前なら手数料がかからないので、迷っている段階でも、キャンセルするかもしれないと伝えておけます。
電話のときは、見積書を手元に置き、次のことを順に確かめます。終わったら、確かめた内容をメールで送り返してもらうか、自分で日時と一緒に書き残します。
- 解約か延期か、それを受け付けた日時と担当者の名前
- 手数料がかかるか、かかるならいくらで、何の額に何%を掛けたか
- すでに済んだ作業の費用と、段ボールなどの返し方・送料
- すでに払った額があれば、差し引いた返金や精算の方法と時期
- エアコンの工事などを別の業者が行う場合に、その取り消しを誰がするか
約款と違う請求をされたとき
3日前までに申し出たのに手数料を求められた、総額に率を掛けられた、上限を超える率だった、といったときは、まず請求の根拠を業者に尋ねます。見積書の内訳と、受け取った約款の条を並べて話すと、どこが違うかを示せます。
話がまとまらないときや、払う前に確かめたいときは、消費者ホットラインの188番に電話します。最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する、全国共通の番号です。
相談のときは、見積書、約款、請求書、業者とのやりとりの記録(メール・電話のメモ)を手元に置きます。いつ、誰に、何を伝えたかが分かると、相談員に状況を説明しやすくなります。
引っ越しをやめたら、ほかの手続きも取り消す
引っ越しそのものをやめたときは、業者のほかにも、引っ越しに合わせて申し込んだ手続きを取り消します。止める日を決めていたものは、そのままにすると今の家で使えなくなることがあります。
- 今の部屋の解約の通知:管理会社や大家さんに、取り消せるかをすぐに聞く
- 新しい部屋の申込み:契約の前か後かで、払ったお金の扱いが変わる
- 電気・ガス・水道・インターネット:今の家の停止と、新しい家の開始や工事の予約
- 郵便の転送:転居届を出していれば、取り消しを申し出る
- 転出届:出していれば、出した市区町村に連絡する
新しい部屋の申込金が戻るかは、賃貸の初期費用の記事にまとめました。引っ越しの日が延びて転出の予定日を過ぎるときの注意は、引っ越しの手続きとお金にあります。
業者に払うかもしれない手数料は、家計簿では引っ越しの行とは別の行にしておきます。延期で見積もりが変わったときも、前の額と並べて書くと差が分かります。
よくある質問
Q前日・当日にキャンセルしたら、必ず上限の額を払うのですか
約款が決めているのは「以内」の上限で、上限より低い額にしたり、請求しなかったりする業者もあります。ただし、解約の原因が依頼した人の側にあり、業者が3日前までの確認をしていれば、上限までの手数料を請求される場合があります。
請求された額が、見積運賃等に前日なら30%、当日なら50%を掛けた額を超えていないかを、見積書で確かめます。超えているときは、根拠を業者に尋ねます。
Q延期なら、キャンセル料はかかりませんか
約款では、延期にも解約と同じ率の延期手数料があります。3日前までに申し出れば延期手数料はかかりませんが、前々日・前日・当日の延期は、それぞれ20%・30%・50%以内の手数料がかかる場合があります。
延期の先の日によっては、運賃が変わることもあります。新しい日の見積もりを出してもらい、前の見積もりと並べて比べます。
Q見積もりを取っただけの業者を断るときも、お金はかかりますか
約款では見積料は請求しないと決まっていて、見積もりのときに内金や手付金を求めることもありません。下見の費用だけは、見積もりの前に額を伝えて了解を得た場合に限り、請求されることがあります。
見積もりのときに段ボールを受け取っていたときは、返し方と送料を聞きます。契約しなかった場合の扱いを、受け取る前に確かめておくと安心です。
まとめ
- 引っ越しのキャンセル料(解約手数料)がかかるのは、荷物の受取日の前々日から。3日前までに申し出ればかからない(標準引越運送約款 第21条)
- 上限は、前々日が見積運賃等の20%以内、前日が30%以内、当日が50%以内(平成30年6月1日から)
- 見積運賃等は運賃と、積込み・搬出・荷造りなどの料金。エアコンの取り外しなどの附帯サービスは入らない
- 延期にも同じ率の延期手数料がある
- 業者が受取日の3日前までに見積もりの内容を確かめなかったときや、原因が依頼した人の側に無いときは、手数料を請求できない
- すでに済んだ附帯サービスの費用(見積書に書いたもの)と、段ボールなどの扱いは別に確かめる
- 約款と違う請求は、根拠を業者に尋ね、まとまらなければ消費者ホットライン188へ
- 引っ越しをやめたら、賃貸の解約通知・電気やガス・郵便の転送・転出届も取り消す
自分の受取日から何日前かを数えて、見積書の額で上限を出せました。今日のうちに業者へ電話して、受け付けた日時と担当者を書き残します。
この記事で参照した公的情報
- 標準引越運送約款(平成二年運輸省告示第五百七十七号・最終改正 令和七年国土交通省告示第百九十三号)第1条(一般貨物自動車運送事業による引越運送に適用・事業所等の移転や定型の容器を用いて定額で行う運送で、この約款によらない旨をあらかじめ告知した場合は適用しない・特約の申込みに応じることがある)・第3条(見積書に解約手数料の額を記載・見積料は請求しない(下見をした場合は事前に通知し了解を得て下見の費用を請求することがある)・内金や手付金を請求しない・約款を提示・受取日の三日前までに見積書の記載内容の変更の有無等を確認)・第18条第3項(附帯サービスを行ったときは料金を収受)・第21条(解約手数料又は延期手数料は、原因が荷送人の責任によるもので、指図が受取日の前々日・前日・当日に行われたときに限る・第三条第七項の確認を行わなかった場合は請求しない・前々日は見積運賃等の二十パーセント以内、前日は三十パーセント以内、当日は五十パーセント以内(料金は積込み・取卸し・搬出・搬入・荷造り・開梱に要するものに限る)・解約の原因が荷送人の責任による場合は既に実施し又は着手した附帯サービスの費用(見積書に明記したものに限る)を収受))
- 窓口
- 国土交通省
- 確認日
- 確認先
- https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001881518.pdf
- 標準貨物軽自動車引越運送約款(平成十五年国土交通省告示第百七十二号・最終改正 令和六年国土交通省告示第二百十号)第21条(解約手数料又は延期手数料の条件と率は標準引越運送約款と同じ)
- 窓口
- 国土交通省
- 確認日
- 確認先
- https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001733389.pdf
- 標準引越運送約款等の改正について(解約・延期手数料の改正:当日 運賃の20%以内→運賃及び料金の50%以内・前日 運賃の10%以内→運賃及び料金の30%以内・前々日 なし→運賃及び料金の20%以内・施行日 平成30年6月1日)
- 引越トラブルにご注意(報道発表資料・令和8年2月4日:原則として荷物の受取日の3日前までに申し出れば解約手数料は発生しない(標準引越運送約款第21条)・契約締結後にすでに提供されたサービス(エアコンの脱着作業や引越資材の提供)等がある場合は解約時に別途費用を請求されることがある・見積りに料金は原則発生しない(第3条第4項)・見積り時に段ボール等の提供がある場合は契約に至らなかったときの返却方法や費用を事前に確認・黒ナンバーの事業者には標準貨物軽自動車引越約款・消費者ホットライン188)
- 窓口
- 独立行政法人国民生活センター
- 確認日
- 確認先
- https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260204_1.pdf
- 引越トラブルにご注意(発表情報の頁:見積り後に契約しないと伝えたら、置いていった段ボールを返送料負担で返送するよう言われた相談・約款や見積書を読み、疑問点は事前に確認・消費者ホットライン「188(いやや!)」番)
- 窓口
- 独立行政法人国民生活センター
- 確認日
- 確認先
- https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260204_1.html
