法事の引き物(引き出物)の相場はいくら?|1世帯2,000〜5,000円が目安。会食との合わせ方、会食がないとき、渡す数と予算の出し方、品物と掛け紙、家計簿での書き方
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法事の引き物(引き出物)の額に、法律や公的な決まりはありません。施主が参列者に当日渡すお礼の品は、1世帯に1つ、2,000〜5,000円ほどが目安とされ、いただく御仏前の額にかかわらず同じ品を用意する形が紹介されています。
会食をするときは、会食の料理と引き物を合わせて、いただく御仏前の7〜8割ほどになるように用意する考え方があります。会食をしないときは、料理の分だけ引き物を高めにして、4,000〜8,000円ほどの品にする形もあります。
ここでは、四十九日や一周忌などの法事で施主が渡す品を扱います。葬儀でいただいた香典に、忌明けのあとで送るお返しの額は香典返しの相場はいくら?にあります。
法事で親族に渡す品は、1つ何円くらいなら失礼にならないのでしょうか。夫婦で来る家と1人で来る家で、品を分けるのかも分かりません。
引き物は、法事の当日に施主が渡すお礼の品
法事の引き物は、法要に来て御仏前やお供えを包んでくれた人へのお礼として、施主が当日に渡す品です。結婚式と同じ「引き出物」の言葉も使われますが、弔事の品は、本来「返礼品」と呼ぶのがふさわしいともいわれます。
関西では「粗供養」、四国などでは「茶の子」と呼ぶことがあり、掛け紙の表書きにもこの言葉を使います。呼び方は違っても、法事の当日に参列者へ渡す品のことです。
葬儀の香典へのお返しとは、別のもの
香典返しは、通夜や葬儀でいただいた香典へのお返しで、四十九日の忌明けを知らせる意味も込めて送るものとされています。法事の引き物は、その法事でいただく御仏前へのお返しと、来てくれたことへのお礼を兼ねた品です。
四十九日の法要で、香典返しを引き物と一緒に渡す形も紹介されています。一方で、目的の違う品を2つ持たせると荷物が増えるので、香典返しは後日に送るほうがよいとする考え方もあります。
引き物の額の目安
法事の引き物は、2,000〜5,000円ほどが目安とされています。法事の当日に、参列者がいくら包んできたかを見てから品を選ぶことはできないので、目安の額で同じ品を前もって用意しておきます。
いただく御仏前の半額から3分の1を基にする考え方もあります。一周忌について、故人との関係ごとの御仏前と引き物の目安の一例は、次のとおりです。
| 参列する人 | 御仏前 | 引き物 |
|---|---|---|
| 血縁のある人 | 1万〜3万円 | 3,000円〜1万円 |
| 夫婦(会食なし) | 2万〜5万円 | 5,000円〜2万円 |
| 夫婦(会食あり) | 3万円〜 | 5,000円〜1万円 |
| 知人・友人 | 5,000円〜1万円 | 2,000〜5,000円 |
会食があるときは、引き物の額から食事の分を差し引いて考えてよいとされています。親族からの御仏前には法事の費用の一部を負担する意味もあるので、きっちり半額にせず、控えめな額でもかまわないとされています。
会食があるときは、会食と合わせて御仏前の7〜8割
施主からのお返しは、引き物だけでなく、当日ふるまう料理も含めて見ます。1人分の料理と引き物を足して、その人からいただく御仏前の7〜8割ほどに収める考え方があります。
会食代は、一周忌で1人5,000〜7,000円ほど、三回忌からは近い親族や家族だけで行うことが多いため3,000〜5,000円ほどが目安とされます。料理の額を先に決めると、引き物にかけられる額が見えてきます。
会食をしないときは、持ち帰りの品で補う
会食をしないときは、料理の分だけ引き物を高めにする形があり、4,000〜8,000円ほどが目安とされます。引き物とは別に、折詰の弁当と小さな瓶のお酒を持ち帰ってもらう形もあります。
折詰とお酒を付けるときは、御仏前を1万円と見込んで、その2つで3,000〜5,000円ほど、引き物は2,000〜5,000円が目安とされます。会食をしないことは、案内状を送るときに参列者に伝えておきます。
多めに包む人に備えて、価格の違う品も持っておく
引き物は同じ品で渡すのが基本ですが、2,000円前後・2,500〜3,000円・3,000〜5,000円のように、いくつかの価格帯で用意しておくと安心だとされます。夫婦や家族で来て多めに包む人や、会食に出ずに帰る人に、別の品を渡せるからです。
ほかの人と違う品を渡すときは、取り違えないよう、袋に印を付けておきます。関西を中心に引き物を2品組み合わせて渡す地域もあり、その場合は予算の中で2つの品に分けます。
自分の法事の引き物の予算を出す
引き物の予算は、渡す数に1つの額を掛けて出します。渡す数は参列者の人数ではなく世帯の数で数え、僧侶の分と予備を足します。次の表は、一周忌に8世帯14人を招くときの例です。
| 数えるもの | 数え方 | 例 |
|---|---|---|
| 世帯 | 夫婦・家族は1世帯で1つ。独立した子は別に数える | 8個 |
| 僧侶 | 会食に出ないときに備えて分けておく | 1個 |
| 予備 | 急に来る人や数え違いに備える | 1個 |
| 1つの額 | 2,000〜5,000円の中で決める | 3,500円 |
| 合計 | 個数に1つの額を掛ける | 35,000円 |
次に会食の料理を足し、見込める御仏前の7〜8割に収まるかを確かめます。例では料理を1人5,000円で14人分の70,000円とし、引き物と合わせて105,000円です。

図は、表の例を引き物と会食に分けたものです。御仏前を1世帯で平均1万8,000円と見込むと、8世帯で144,000円です。その7〜8割は100,800〜115,200円で、105,000円はこの中に入ります。金額はどれも例です。
収まらないときは、料理の額か引き物の額を見直します。お布施やお車代、会場代も含めた法事全体の費用は一周忌の費用はいくら?にまとめています。
引き物に選ばれる品
法事の引き物は、食べたり使ったりしてなくなる「消えもの」がよいとされています。弔事をあとに残さないという考えからです。参列者が持ち帰る品なので、軽くてかさばらず、日持ちするものが向きます。
- 菓子:焼き菓子・せんべい・羊羹など、日持ちがして個包装のもの
- お茶・コーヒー・海苔:軽くて日持ちし、どの家でも使いやすい
- 調味料・乾麺・だしパック:日持ちする。瓶や油は重いので、持ち帰る人の負担を見て選ぶ
- タオル・洗剤・石けん:使えばなくなる日用品。タオルは悲しみを拭う意味があるとされる
- カタログギフト:受け取った人が品を選べて、薄くて持ち帰りやすい
参列者に高齢の人が多いときは、かみやすく飲み込みやすい菓子や、梅干し・お茶漬けのような普段の食品を選ぶ形があります。遠方から泊まりがけで来る人が多いときは、薄くて荷物にしまいやすい品にします。
故人が好きだった菓子や地元の品を引き物にする形もあります。受け取った親族の間で、故人をしのぶ話のきっかけになるとされています。
引き物に向かない品
法事の引き物では、次の品を避けるとされています。
- 肉や魚などの生もの:仏事では殺生につながる品とされるため
- 昆布・かつお節:慶事に使う縁起物のため
- 鶴亀・松竹梅などの柄:お祝いを連想させるため
- 冷凍や冷蔵の要る品:日持ちせず、持ち帰りの間に傷みやすいため
- 商品券などの金券:額がはっきり分かるため
お酒は仏教の教えから避けるという考え方がある一方で、引き物と一緒に小さな瓶のお酒を持ち帰ってもらう地方もあります。商品券も、合理的だとして選ぶ形が出てきているとされるので、迷うときは親族の年長者に地域の習わしを聞きます。
引き物の掛け紙と表書き
引き物には、親族だけの法事でも弔事用の掛け紙をかけます。水引は一度きりの意味の結び切りで、色は黒白か双銀にします。関西など西日本の一部では、黄白の水引を使う地域があります。
- 仏式の表書き:「志」。関西などでは「粗供養」、四国などでは「茶の子」
- 神式の表書き:「偲び草」
- キリスト教式の表書き:「感謝」
- 名前:施主の姓か「〇〇家」。施主と故人の姓が違うときは、故人の姓で「〇〇家」とする
墨の色は、四十九日からは普通の濃い墨でよいとする考え方と、弔事なので薄墨で用意しても差し支えないとする考え方があります。手渡しなら包装紙の上にかける外のし、宅配便で送るなら破れないように内のしにする形が紹介されています。
渡す相手と渡し方
引き物は、会食があるときは会がお開きになる前後に、会食がないときは法要を終えてお見送りするときに手渡します。参列者が多いときは、前もって会食の席に置いておく形もあります。
渡す相手は、御仏前をいただくかどうかを目安に決めます。同居していない親族には、兄弟姉妹や自分の子でも引き物を用意しておくものとされ、独立した子は親と別の世帯として数えます。
夫婦や家族で来た人には、1世帯に1つ
夫婦や家族で来た人にも、引き物は世帯ごとに1つ渡せばよく、来た人数に合わせて増やさなくてよいとされています。夫婦で来た人は包む額も多めになるので、少し高い品を渡す形も紹介されています。
引き物を1人あたりの額で見込み、参列者全員に渡すという考え方もあります。親族の間で前の法事にどう渡したかが分かれば、それに合わせます。
僧侶にも渡す
読経をしてくれた僧侶にも、参列者と同じ引き物を渡してかまわないとされています。僧侶が会食に出ずに帰るときは、渡しそびれないように、お布施やお車代と一緒に渡せるよう分けておきます。
地域によっては、僧侶への返しをしない決まりのこともあるので、法要を頼むときにお寺に聞いておきます。お布施・お車代・御膳料の額は法事のお布施の相場はいくら?にまとめています。
持ち帰りが大変な人には、後日送る
新幹線や飛行機で来た人や、高齢で荷物を持つのが大変な人には、後日郵送することを伝えて送る形があります。送るときは、掛け紙をかけてお礼状を添えます。
来られなかった人や、多く包んだ人へのお返し
法事に来られず、御仏前を送ってくれた人には、いただいた額の3分の1から半額ほどの品を返すのが目安とされています。法要が終わってから1週間〜10日ほどで届くように手配し、法要を無事に終えた報告とお礼の手紙を添えます。
近い親族から3万〜5万円以上の御仏前をいただいたときも、当日の引き物で済ませてかまわないとされています。それでも気がかりなら、表書きを「御礼」にした控えめな品に、お礼状を添えて後日に送ります。
お供えの品をいただいたとき
お供えの品だけをいただいたときは、原則としてお返しはいらないとされています。ただし1万円以上の品や供花をいただいたときは、3分の1から半額ほどのお返しを用意する考え方があり、当日は引き物を渡して、後日あらためて品を送ります。
参列する側がお供えをいくらにするかは法事のお供えの相場はいくら?にあります。いただいたお供えの品は、法事のあとで小分けにして持ち帰ってもらう形もあります。
相続税では、引き物の代金を遺産から差し引けない
相続税は、一定の相続人と包括受遺者が負担した葬式費用を、遺産の総額から差し引いて計算します。ただし国税庁のタックスアンサー No.4129 は、香典返しのためにかかった費用と、初七日など法事のためにかかった費用を、差し引ける葬式費用に含まれないものに挙げています。
法事の当日に渡す引き物の代金は、この法事のための費用に当たるので、遺産から差し引く額には入れずに分けておきます。相続税の申告が要るかどうかや、差し引ける費用の線は、税務署に確かめます。
家計簿での書き方
総務省の家計調査は、法事の費用を「葬儀関係費」に入れています。引き物の代金を、お布施や会食代と同じ法事の行にまとめておくと、1回の法事でいくらかかったかが見えます。
家計調査は、ほかの世帯の人のために買った贈り物を「交際費」に入れていますが、法事の引き物がどちらに入るかは例示に書かれていません。家計簿では一方に決めて、次の法事でも同じ分け方で書きます。
いただいた御仏前は、収入の側に書く
施主として法事でいただいた御仏前は、収入の側に書きます。家計調査も、受け取った香典を「受贈金」に入れています。いただいた額と、会食と引き物にかかった額を並べると、7〜8割に収まったかをあとで確かめられます。
誰からいくらいただいたかは、芳名帳や別のメモに残しておきます。来られずに送ってくれた人へのお返しを用意するときや、次の法事で額をそろえるときに使えます。
迷いやすい場面
2人の年忌を同じ日に営む
亡くなった2人の法要を同じ日に行う(併修・合斎)ときは、参列者がやや多めに包むことがあるので、引き物を1.5倍ほどの品にする形があります。数は1世帯に1つか2つで、掛け紙にそれぞれの回忌を入れることもあります。
家族だけで法事をする
三回忌を節目にして、七回忌からは家族だけで営む形もあります。家族だけでも、同居していない子や兄弟姉妹が御仏前を包むなら、その世帯の分の引き物を用意します。家族だけのときの費用は七回忌の費用はいくら?にあります。
欠席した人の御仏前を、参列者が預かってきた
欠席した親族の分の御仏前を、参列者が預かって持ってくることがあります。持ってきた人が引き受けてくれるなら、欠席した人の分の引き物をその人に預けて届けてもらう形があり、葬儀で香典返しを預けるのと同じ考え方です。
よくある質問
Q法事の引き物は、いくらくらいの品を選べばよいですか
1世帯に1つ、2,000〜5,000円ほどが目安とされています。いただく御仏前の額にかかわらず、同じ品を前もって用意する形が紹介されています。
Q夫婦や家族で来た人には、人数分を渡しますか
世帯ごとに1つで足り、来た人数に合わせて増やさなくてよいとされています。夫婦で来て多めに包む人には、少し高い品を渡す形もあります。
Q会食をしないときは、引き物の額を上げますか
料理の分だけ引き物を高めにして、4,000〜8,000円ほどの品にする形があります。折詰の弁当と小さな瓶のお酒を、引き物と一緒に持ち帰ってもらう形もあります。
Q法事の引き物と香典返しは、同じものですか
別のものです。香典返しは葬儀でいただいた香典へのお返しで、法事の引き物はその法事でいただく御仏前へのお返しと、来てくれたことへのお礼を兼ねた品です。
Q引き物の掛け紙の表書きは、何と書きますか
仏式では「志」が使われ、関西などでは「粗供養」、四国などでは「茶の子」と書くことがあります。水引は結び切りで、黒白か双銀、地域によっては黄白を使います。
まとめ
- 法事の引き物の額に公的な決まりは無い。施主が当日に渡す品は、1世帯に1つ、2,000〜5,000円ほどが目安とされ、同じ品を前もって用意する
- 会食をするときは、会食代と引き物代を合わせて御仏前の7〜8割ほどにする考え方がある。会食をしないときは、4,000〜8,000円ほどの品にする形がある
- 予算は、世帯の数に僧侶の分と予備を足した個数に1つの額を掛けて出し、会食代と合わせて見込みの御仏前と比べる
- 品は、日持ちがして軽い菓子・お茶・海苔・タオルやカタログギフトなど。生もの・昆布・かつお節・金券は避けるとされる
- 掛け紙は結び切りで、表書きは「志」、関西などでは「粗供養」
- 来られずに御仏前を送ってくれた人には、3分の1から半額ほどの品を、法要のあと1週間〜10日ほどで届くように送る
- 引き物の代金は法事のための費用に当たり、相続税で遺産から差し引ける葬式費用には入らない(国税庁 No.4129)
- 家計簿では、引き物の代金を法事の費用の行にまとめ、いただいた御仏前は収入の側に書く
この記事で参照した公的情報
- タックスアンサー No.4129 相続財産から控除できる葬式費用(葬式費用に含まれないもの=香典返しのためにかかった費用・初七日など法事のためにかかった費用/令和8年4月1日現在法令等)
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(葬儀関係費=例示に葬儀費用・法事費用/交際費=贈答用金品及び接待用支出・世帯外の人のために使う贈答用と接待用に購入したものは交際費の各項目に分類/受贈金=例示に見舞金・祝金・せん別・香典・謝礼金)
