子の看護等休暇は有給?無給?何日取れる?|給料は就業規則で決まり、子1人なら年5日・2人以上なら年10日

子の看護等休暇を取った日の給料は、法律に払う決まりが無く、有給か無給かは勤め先の就業規則で決まります。取れる日数は、小学3年生修了までの子が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日で、1時間単位でも取れます。
年次有給休暇とは別の休みなので、看護等休暇を使っても年休の日数は減りません。無給の会社で給料を減らしたくない日は、年休を使うこともできます。2025年4月1日からは名前に「等」が付き、学級閉鎖や入園式にも使えるようになりました。
子が小学4年生以上になると、この休暇の対象から外れます。その場合の休み方は、この記事の「迷いやすい場面」で取り上げます。
子どもの急な発熱で休むとき、看護等休暇にすると給料が引かれるのかが分かりません。1年に何日まで使えるのかも気になります。
子の看護等休暇の日の給料は、就業規則で決まる
育児・介護休業法は、子の看護等休暇を取る権利を決めていますが、休んだ日の給料については決めていません。厚生労働省の通達は、休暇の間は民法第536条により会社の賃金を払う義務がなくなり、法律は支払いを義務づけていないと説明しています。
そのため、看護等休暇を有給にしている会社もあれば、無給にしている会社もあります。どちらにするかは会社が決め、就業規則や育児・介護休業の規程に書くものです。
休み方ごとの給料と、減る日数
同じ日に休むときでも、どの休みを使うかで、給料と残りの日数の動き方が変わります。次の表は、子の看護等休暇と年次有給休暇を使った場合の違いです。
| 休み方 | その日の給料 | 減るもの |
|---|---|---|
| 看護等休暇(有給の会社) | 出る | 看護等休暇の日数 |
| 看護等休暇(無給の会社) | 休んだ分を差し引く | 看護等休暇の日数 |
| 年次有給休暇 | 出る | 年休の残りの日数 |
年次有給休暇を使うか看護等休暇を使うかは、休む人が選んで申し出ます。年休の残りが少ないときや、年休を別の用事のために残したいときに、看護等休暇の枠を使い分けられます。
自分の会社がどちらかは、就業規則の子の看護等休暇の条と、賃金規程の欠勤や休暇の控除の条で確かめます。書いていないときは、人事や総務の担当に「子の看護等休暇の日の賃金の扱い」を聞きます。
無給の会社で差し引かれる額(例)
看護等休暇を無給としている会社では、休んだ時間に当たる額が給料から引かれます。1時間あたりの額の出し方は、会社の賃金規程に書かれています。

図は、月給24万円、月平均の所定労働時間が150時間、1日の所定労働時間が7時間45分の会社で、月給を時間で割って差し引く決まりの場合の例です。1時間あたりは1,600円になります。
朝の通院に付き添って2時間遅れて出れば3,200円、1日休めば1万2,400円です。子1人の5日を1日単位で全部使えば、6万2,000円が差し引かれる計算になります。
休んだ分より多く減らすのは不利益な取扱い
看護等休暇の申し出や取得を理由にした解雇などの不利益な取扱いは、育児・介護休業法の第16条の4で禁止されています。どこからが不利益かは、厚生労働省の指針が給料と賞与に分けて示しています。
指針によると、実際に休んだ時間の賃金を払わないことは問題になりません。賞与や退職金で、看護等休暇の日数を日割りで差し引くことも同じです。これに対し、取った日数より多く休んだことにして計算すると、不利益な算定になります。
1日分の休みで2日分が引かれていた、賞与が休んだ日数の割合を超えて減った、というときは、まず担当に計算の式を聞きます。それでも解決しなければ、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が育児・介護休業法の相談を受けています。
取れる日数は、子1人なら年5日・2人以上なら年10日
子の看護等休暇は、小学3年生修了までの子を育てる人が、1年度に取れる休みです。看護等休暇の日数は、子が1人なら5日、2人以上なら10日が、法律で決まった最低の線です。
1年度は、会社が別に決めていなければ4月1日から翌年3月31日までです。2人以上のときは1人につき5日ずつと決まっているわけではなく、同じ子のために10日を使うこともできると通達に書かれています。
日数は、申し出たときの子の人数で決まります。期間を決めて雇われている人も、契約の残りが短くても5日(2人以上は10日)を取れ、6か月の契約だから2.5日とする扱いは違法だと通達は説明しています。
1時間単位でも取れる
子の看護等休暇は、1日単位のほか、1時間単位でも取れます。令和3年1月1日に施行規則が改められ、1日の所定労働時間の長さにかかわらず、時間単位で取れるようになりました。
施行規則の時間単位は、朝の始業から何時間か休む形か、終業までの何時間かを休む形です。昼の途中だけ抜けて職場に戻る「中抜け」は法律の求める形に入っておらず、会社の制度で認められていれば使えます。
時間単位で取った分は、1日の所定労働時間の分がたまると1日と数えます。所定労働時間に1時間未満の端数があれば切り上げるので、7時間45分の人は8時間で1日分です。
使える理由と、使えない理由の早見表
子の看護等休暇は、子の病気やけがのときだけの休みではありません。次の表は、休みたい理由ごとに、看護等休暇が使えるかどうかを施行規則と厚生労働省の通達で並べたものです。
| 休みたい理由 | 使えるか | 確かめること |
|---|---|---|
| 子の発熱やけがの看病 | 使える | 風邪など短い病気も対象 |
| 病院への付き添い | 使える | 慢性の病気の通院も対象 |
| 予防接種・健康診断 | 使える | 定期以外の予防接種も可 |
| 感染症の学級閉鎖 | 使える | 子がかかっていなくても可 |
| 出席停止・登園の停止 | 使える | 保育所などの同じ扱いも |
| 入園式・卒園式・入学式 | 使える | 同じ性質の式典も対象 |
| 授業参観・運動会 | 対象外 | 年休か会社独自の休暇 |
| 小学4年生以上の子の用事 | 対象外 | 会社独自の休暇を見る |
学級閉鎖や式典で使えるようになったのは、2025年4月1日からです。病気の程度に決まりは無く、通達では風邪による発熱のような短い病気も、小児ぜんそくのような長く続く病気も対象としています。
授業参観や運動会は、式典に準ずるものに含まれないと通達に書かれています。こうした行事の日は、年次有給休暇か、会社が独自に設けた休暇で休みます。
2025年4月の改正で変わったこと
2025年4月1日の改正で、子の看護休暇は名前が「子の看護等休暇」に変わりました。変わった点は次の4つです。
- 名前:「子の看護休暇」に「等」が付いた
- 対象の子:小学校に入る前までから、小学3年生修了までに延長
- 使える理由:感染症に伴う学級閉鎖などと、入園(入学)式・卒園式を追加
- 労使協定で外せる人:勤めて6か月未満の人を外せる決まりを削除
小学3年生修了までとは、法律では子が9歳に達する日以後の最初の3月31日までのことです。日数の5日・10日と、時間単位で取れることは、改正の前と変わっていません。
取れる人と、労使協定で外される人
子の看護等休暇は、雇用の形を問わずに取れる休みです。日ごとに雇われる人は対象外ですが、パート、アルバイト、契約社員も入り、有期の契約の人に育児休業のような別の条件は付いていません。派遣で働く人は、雇用契約を結んでいる派遣元の会社に申し出ます。
例外は、職場の過半数の労働組合か過半数の代表者と会社が結ぶ労使協定です。協定で決めれば、1週間の所定労働日数が2日以下の人は子の看護等休暇の対象から外されます。協定の無い職場では、勤務が週2日以下でも取れます。
もう1つ、指針が例に挙げる航空機の客室乗務や流れ作業のように時間で区切りにくい業務は、協定で時間単位だけを外すことがあります。こうした人も、1日単位でなら看護等休暇を取れます。
対象の子と、配偶者の働き方
法律の「子」は、法律上の親子関係がある子です。特別養子縁組の成立を家庭裁判所に請求して監護している子や、養子縁組里親として預かっている子も入ります。
法律が対象から外しているのは日々雇用の人で、ほかに外せるのは労使協定の対象の人だけです。配偶者が働いているかどうかや、配偶者が看護等休暇を取ったかどうかは、取れる条件に入っていません。
申し出のしかた
申し出るときは、名前、子の名前と生年月日、休む日(時間単位なら始まりと終わりの日時)、休む理由を会社に伝えます。施行規則は申し出の方法を書面に限っていないので、口頭でも申し出られます。
通達では、休む当日に電話で申し出ても会社は拒めず、申出書を求めるなら後から出せる扱いにすべきとしています。会社には、休む日を別の日に変えさせる権限もありません。
証明書類を求められたとき
会社は、子の病気や行事を証明する書類を求めることができます。通達は例として、医療機関の領収書、保育所を休んだことが分かる連絡帳の写し、保育所や学校からの通知の写しを挙げています。
指針は、書類を後から出せるようにするなど、休む人に重い負担を求めないよう会社に求めています。書類を出さなかったとしても、看護等休暇の申し出の効力には影響しないと通達に書かれています。
家計簿での手順
無給の会社では、看護等休暇の差し引きが給与明細の控除の欄に出てきます。紙のノートでも表計算でも、次の順で書き出せます。
ステップ1就業規則で、有給か無給かと1時間の額を確かめる15分
就業規則の子の看護等休暇の条と、賃金規程の控除の条を読みます。無給なら、自分の月給を当てはめて、1時間分と1日分の額をメモします。
ステップ2年度の残りの日数と、年休の残りを並べる5分
その年度に使った看護等休暇の日数と時間、年次有給休暇の残りの日数を並べて書きます。子が2人以上なら、枠は10日です。
ステップ3給与明細の差し引きと照らし合わせる10分
給与明細が届いたら、控除の欄の額と、ステップ1の額に休んだ時間をかけた額を比べます。休んだ時間より多く引かれていれば、担当に計算の式を確かめます。
会社の就業規則か育児・介護休業の規程を開き、「子の看護等休暇」の条を探してみてください。賃金を払うかどうかと、年度の始まりの日が書いてあります。
子が2歳未満で時短勤務にして給料が減ったときは、雇用保険の給付があります。条件と額は育児時短就業給付で確かめられ、親の介護で休むときの日数と給料は介護休暇の日の給料で比べられます。
迷いやすい場面
子が小学4年生になった
小学3年生の年度の3月31日を過ぎると、法律の子の看護等休暇は使えません。子の病気で休むときは、年次有給休暇を使うか、会社が法律を上回って対象を広げていないかを就業規則で確かめます。
厚生労働省の指針は、子に障害がある場合や医療的ケアが必要な場合に、本人が希望すれば看護等休暇を使える期間を延ばすことを、会社に望ましい対応として示しています。上乗せがあるかは、会社の規程で確かめます。
年休が残っていて、どちらを使うか迷う
給料の面では、無給の会社なら年休を使うほうが差し引かれません。看護等休暇は年度ごとの別の枠なので、年休を減らしたくない日や、年休を使い切ったあとの日に使えます。
公務員として働いている
国家公務員には、この記事で説明した育児・介護休業法の子の看護等休暇の決まりは当てはまらず(同法第61条)、人事院規則で別に決まっています。地方公務員を含め、公務員として働く人は、日数と給料の扱いを勤め先の休暇の規程で確かめます。
夫婦の両方が取りたい
看護等休暇の日数は、働く人1人ごとに決まっています。夫婦がそれぞれ働いていて要件に当てはまれば、2人とも自分の勤め先に申し出て取れます。
パートで、週2日の勤務
勤める日が週2日以下だと、職場に労使協定がある場合に限って、子の看護等休暇の対象から外されることがあります。まず就業規則の看護等休暇の条に、対象外の人が書かれているかを見ます。
看護等休暇を取ったら賞与が減っていた
看護等休暇の日数を日割りで賞与の計算から引くのは、指針で認められた扱いです。取った日数を超える分まで減っていれば、不利益な算定に当たるので、賞与の規程の式と照らし合わせます。式どおりでないのに説明が得られないときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に問い合わせられます。
よくある質問
Q子の看護等休暇は有給ですか、無給ですか
勤め先の就業規則によります。育児・介護休業法には休んだ日の給料を払う決まりが無く、有給の会社も無給の会社もあります。
Q子の看護等休暇は何日取れますか
小学3年生修了までの子が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日です。1時間単位でも取れます。
Q看護等休暇を使うと、年次有給休暇は減りますか
減りません。子の看護等休暇は、年次有給休暇とは別の休みです。
Q就業規則に子の看護等休暇が書かれていません
子の看護等休暇は法律で決まった休みなので、要件に当てはまれば申し出て取れます。会社は申し出を拒めず、指針は会社に制度を前もって決めておくよう求めています。
Q授業参観の日に使えますか
法律の子の看護等休暇としては使えません。通達は、授業参観日や運動会などの行事は、看護等休暇で使える式典に含まれないとしています。
Q入社したばかりでも取れますか
取れます。2025年4月1日から、勤めて6か月未満の人を労使協定で外せる決まりは無くなりました。
まとめ
- 子の看護等休暇の日の給料は、法律に払う決まりが無く、有給か無給かは就業規則で決まる
- 子が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日まで取れ、1時間単位でも取れる
- 年次有給休暇とは別の休みで、無給の会社では年休を使えば給料は差し引かれない
- 対象は小学3年生修了までの子で、学級閉鎖や入園式・卒園式・入学式にも使える
- 当日に電話で申し出ても会社は拒めず、休んだ分を超えて減らすのは不利益な算定に当たる
就業規則で有給か無給かを確かめ、1時間あたりの差し引きの額をメモしておけば、休む日にどの休みを使うかをすぐ決められます。まずは就業規則の子の看護等休暇の条を探すところから始められます。
この記事で参照した公的情報
- 育児・介護休業法 第2条第1号(子に特別養子縁組の監護期間中の子・養子縁組里親に委託されている児童などを含む)・第16条の2(子の看護等休暇=9歳に達する日以後の最初の3月31日までの子・一の年度に5労働日〈2人以上は10労働日〉・負傷や疾病の世話・予防の世話・学校の休業等に伴う世話・行事への参加・1日未満の単位・年度は別段の定めが無ければ4月1日から翌年3月31日)・第16条の3(申出を拒めない・第6条第1項ただし書第2号の労使協定を準用)・第16条の4(第16条の不利益取扱いの禁止を準用)(2026-10-01 施行の版 403AC0000000076_20261001_507AC0000000063。未施行の版は無い)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076
- 育児・介護休業法施行規則 第8条第2号(1週間の所定労働日数が著しく少ない労働者)・第32条(予防接種又は健康診断を受けさせる)・第33条(学校保健安全法第19条の出席停止・保育所等での準ずる事由)・第33条の2(入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典)・第34条(時間単位=始業の時刻から連続し又は終業の時刻まで連続・1日の時間数は所定労働時間数で1時間未満の端数は切り上げ)・第35条(申出の事項・証明する書類の提出を求めることができる)・第36条(労使協定で除外できるのは第8条第2号の労働者)(2026-10-01 施行の版 403M50002000025_20261001_508M60000100018。未施行の版は無い)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/403M50002000025
- 子の看護等休暇(育児休業制度特設サイト:小学3年生修了までの子について1年度に5日まで・2人以上は10日まで・時間単位も可・感染症に伴う学級閉鎖等は子が罹患していなくても取得可能・入園式・卒園式・入学式・日々雇用を除く・労使協定で対象外になるのは1週間の所定労働日数が2日以下・緊急の場合は口頭で申し出て書面は事後提出も可能)
- 法改正のポイント(育児休業制度特設サイト:2025年〈令和7年〉4月1日施行で名称を子の看護等休暇に・対象を小学3年生修了までに延長・感染症に伴う学級閉鎖等と入園〈入学〉式・卒園式を追加・労使協定で除外できる労働者から引き続き雇用された期間が6か月未満を削除)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について(令和7年1月20日の通達・第4:休暇期間中は民法第536条により事業主の賃金支払義務が消滅し、賃金の支払を義務づけるものではない・2人以上なら同一の子について10日取得も可能・付与日数は申出時点の子の人数で判断・6か月契約で2.5日とする扱いは違法・風邪など短期間の疾病や慢性疾患も対象・病院への付添い・定期以外の予防接種も含む・授業参観日や運動会等は含まれない・当日の電話の申出も拒めない・申出書の提出は事後でもよい・証明書類の例と提出を拒んでも申出の効力に影響しない・取得日を変更する権限は無い・「その事業主」は育児休業と同様で派遣労働者は派遣元の事業主〈第4の1(3)→第2の1(4)〉)
- 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針(第二の二:証明書類は事後の提出を可能とするなど過重な負担を求めない・時間単位が困難と認められる業務の例/第二の十一:休暇を取得した日の現に働かなかった時間について賃金を支払わないこと・賞与や退職金の算定で日割りで控除することは不利益な取扱いに当たらない・取得した日数を超えて働かなかったものとして扱うことは不利益な算定に当たる)
- 子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになります(施行は令和3年1月1日・法令で求められているのは中抜けなしの時間単位・法を上回る制度として中抜けありを認めるよう配慮)
- 窓口
- 厚生労働省・都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
- 確認日
- 確認先
- https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582033.pdf
- 育児・介護休業法 第61条第1項(第2章から第9章までは国家公務員に適用しない)・人事院規則一五―一四 第22条第1項第11号(9歳に達する日以後の最初の3月31日までの子を養育する職員の看護等の特別休暇)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)・人事院
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/406RJNJ15014000
