家庭菜園の費用はいくら?|プランター・庭・市民農園で最初の年と2年目からかかるもの、何kg採れば野菜代の元が取れるか

家庭菜園にかける額は、種苗会社のタキイ種苗が20〜30代の1万人に聞いた調査(2022年公表)で、1年平均1万8,241円でした。種や苗を売る会社の調べで、年代も限られるので、目安の1つとして見ます。
畑を借りるなら、ここに利用料が加わります。農林水産省の調べ(令和7年3月末)で、日帰り型の市民農園の利用料は、1区画で年平均1万4,308円です。年5千円未満の農園が約5割あり、無料の農園もあります。
プランターなら、最初の年に容器・土・苗・支柱・肥料と道具をそろえ、2年目からは苗と肥料、土の足し分が中心です。野菜代の節約になるかは、かけた額を店の1kgの値段で割り、何kg採れば取り返せるかで見ます(後の「何kg採れば、店で買う額を取り返せるか」)。
家庭菜園を始めたいのですが、道具や土をそろえるといくらかかるのかが分かりません。スーパーで野菜を買うより安くなるのかも知りたいです。
最初の年と2年目からで、かかるものが違う
家庭菜園の費用は、始める年にだけ買うものと、毎年買い足すものに分かれます。次の表は、育てる場所ごとに、それぞれで何を買うかを並べたものです。
| 場所 | 最初の年 | 2年目から |
|---|---|---|
| プランター | 容器・培養土・苗か種・支柱・肥料・道具 | 苗か種・肥料・土の足し分・水道代 |
| 庭の土に植える | 苗か種・肥料・くわやスコップ・支柱 | 苗か種・肥料・水道代 |
| 市民農園 | 利用料・苗か種・肥料・道具・支柱 | 利用料・苗か種・肥料・通う交通費 |
じょうろや移植ごて、はさみ、支柱は、2年目からも使えます。最初の年の額が大きく見えても、2年目からは苗と肥料が中心になるので、1年あたりの額は下がっていきます。
プランターで始めるときにそろえるもの
ベランダで育てるなら、そろえるものは次のとおりです。どれもホームセンターの園芸の売り場でそろい、道具や土にこだわらなければ、100円ショップでもほとんど買えます。
- プランター:根の張り方に合う深さのもの。トマトやなすのように根を深く張る野菜には、深い容器が要る
- 培養土:野菜用の袋を選ぶ。肥料が混ぜてあるかは袋の表示で見る
- 苗か種:きゅうりやなすは苗を買って植えることが多く、ラディッシュは種をまいて育てる
- 支柱とひも:トマト・きゅうり・なすのように背の高くなる野菜に使う
- 肥料:育つ途中で足す分。液体のものと粒のものがある
- 道具:じょうろ・移植ごて・手袋・はさみ
なすを種から育てると、植えられる大きさの苗になるまでに約80日かかります。苗を買って植えれば、その日数と、苗に育てるまでの温度や水の世話を省けます。
庭の土に植えるときは、容器と土の多くが要らない
庭の土に植えるなら、プランターと袋の土はほとんど要りません。代わりに、土を耕すくわやスコップと、土に混ぜる肥料を買います。
同じ場所で同じ野菜を育て続けると、育ちが悪くなる連作障害が起きることがあります。続けるなら、植える野菜の場所を年ごとに入れ替える段取りも、最初に考えておきます。
市民農園は、利用料のほかに通う費用がかかる
市民農園を借りると、利用料が毎年かかるほか、道具を置ける場所が無ければ、毎回持ち運ぶことになります。車で通うなら、ガソリン代や駐車場の額も、家庭菜園の費用に入れて見ます。
1年にかけている額の目安
冒頭の調査では、20〜30代の約半数が家庭菜園をしたことがあり、そのうち約7割は続けている期間が3年未満でした。家庭菜園にかける1年の額は平均1万8,241円で、男性は女性の2倍以上をかけていました。
総務省の家計調査(2025年)では、二人以上の世帯が家庭菜園やガーデニングの苗・種・草花などの植物に使った額が1年3,725円、肥料や道具などの用品が1年4,780円でした。家庭菜園をしていない世帯も含めた平均で、花を育てる額も入ります。
この2つは、聞いた人も数え方も違うので、並べて足したり比べたりはしません。自分の額は、1年分のレシートを足して出すのが確かです(後の「家計簿に書くときの分け方」)。
市民農園を借りるといくらか
農林水産省の調べ(令和7年3月末)では、市民農園は全国に4,273農園、18万8,713区画あります。自宅から通う日帰り型の農園は、1区画の広さが平均40.0㎡、利用料が年平均1万4,308円です。
利用料は、水道や道具の置き場など、農園の施設の整い方で違います。農林水産省の利用の案内では、これまでの実態として、日帰り型の利用料は年5千円未満が約5割、5千円〜1万円未満が約3割で、無料の農園もあります。
1区画の広さは50㎡未満が約8割、借りられる期間は2年未満が約6割です。宿泊の施設のある滞在型の農園は、1区画が平均242.2㎡と広く、利用料も年平均38万8,146円と大きく違います。
申し込みの時期と、借りる前に確かめること
農林水産省の案内では、利用者の募集は、利用が始まる少し前の1〜3月に行われることが多いようです。市街化区域の農園は、募集した区画より応募が多く、応募倍率は1.04倍でした(令和7年3月末)。
借りる前に、利用料に何が入っているかと、通い続けられるかを確かめます。
- 水道と道具の置き場:水をくめる所と、道具を置ける小屋があるか
- 利用料の中身:種や苗、指導が入る農園か、区画を借りるだけか
- 借りられる期間:何年使えて、続けて申し込めるか
- 申し込める人:その市区町村に住む人に限るか
- 通う費用:家からの距離と、駐車場の有無
雑草を伸ばしたままにするなど、区画をまったく使わないと、開設した側が契約を解除できる決まりの農園もあります。週に何回通えるかを先に考えてから申し込みます。
探すときは、農林水産省の全国市民農園リストのほか、市区町村や農協の広報誌・掲示板も使えます。住む地域の利用料は、申し込む前に、その募集の案内で確かめます。募集を住民に限る農園や、区画が埋まって新しく募集していない農園もあります。
何kg採れば、店で買う額を取り返せるか
家庭菜園が野菜代の節約になるかは、次の式で見当がつきます。
- かけた額 ÷ 店で買う1kgの値段 = 取り返すのに要る量
次の表は、家計調査(2025年)で、二人以上の世帯が買った野菜の平均の値段と、1年に買った額です。1kgの値段は、100gあたりの平均価格を10倍したものです。
| 野菜 | 1kgの値段 | 1年に買う額 |
|---|---|---|
| トマト | 約884円 | 8,327円 |
| きゅうり | 約545円 | 3,578円 |
| なす | 約544円 | 2,231円 |
| ピーマン | 約959円 | 2,356円 |
トマトの額には、プチトマト(ミニトマト)も入っています。表の4つの野菜を1年分すべて自分で作れたとしても、二人以上の世帯の平均で、店に払う額は合わせて1万6,492円です。
市民農園を借りるなら、利用料もかけた額に足してから式に当てはめます。例えば利用料が年1万円なら、利用料の分で表の4つの野菜の1年分(1万6,492円)の約6割にあたり、育てる種類と採れる量を増やすほど取り返しやすくなります。
プランターでトマトを育てる例

図は、プランターでトマトを育てる例です。最初の年に7,000円かけると、トマトで取り返すには約7.9kg要ります。2年目からの3,000円なら、約3.4kgで取り返せます。
同じ3,000円でも、1kgの値段が安いきゅうりで取り返すなら、約5.5kg要ります。値段の高い野菜を選ぶほど、少ない量で取り返せる計算です。図の額は置いた例なので、自分の額はレシートを足して当てはめます。
天気と世話で、採れる量は変わる
植えた株が、どれも見込みどおりに実をつけるとは限りません。暑さや雨、水やりの具合、病気や虫で育ちが変わり、採れた量が少なければ、かけた額のほうが大きくなります。
採れた量を確かめるには、収穫のたびに台所のはかりで重さを量り、メモに足していきます。1年の終わりに、採れた重さに表の1kgの値段を掛けると、店で買えば払っていた額の見当がつきます。
店の野菜の値段は、同じ野菜でも月によって変わります。野菜代の平均や、月ごとの値段の動きは野菜代の平均にまとめています。
水道代は、使った水の量から出す
家庭菜園の水道代は、水やりに使った量に、水道の1㎥あたりの額を掛けて出します。1㎥は1,000Lです。
例えば、プランターに1日2Lの水をやって90日続けると、180L(0.18㎥)です。検針票や水道局の料金表で、使った量に応じてかかる1㎥あたりの額を見て掛けます。下水道の料金も水の量で決まる所では、その分も足します。
ためた雨水を水やりに使えば、その分の水道代はかかりません。家の水道代の平均や見方は水道代の平均にあります。
費用を抑えるには
始める額を抑えたいときは、次のような方法があります。
- 数を絞って始める:最初は1〜2種類、プランター1〜2つにして、道具を買いそろえすぎない
- 長く採れる野菜を選ぶ:ミニトマト・きゅうり・なす・ピーマンは、1株から何回も採れる
- 早く採れる野菜を選ぶ:ラディッシュは種をまいて30日ほどで採れる
- 道具は100円ショップで:じょうろや移植ごて、小さな容器は、こだわらなければ足りる
- 土の量を見積もる:プランターの容量を見て、要る分の袋だけ買う
使い終わった土は、市区町村によって、ごみに出せる所と出せない所があります。出せない所では、処理する業者に引き取りを頼む費用がかかるので、始める前に住む市区町村の案内で確かめます。土や砂利の出し方は砂利敷きの費用でも触れています。
虫や草の薬を使うなら、野菜に使える農薬登録のあるものを選びます。除草剤の見分け方は草むしりの料金にまとめています。
家計簿に書くときの分け方
総務省の家計調査の分け方では、家庭菜園の費用は「教養娯楽」に入ります。苗や種は「園芸用植物」で、ガーデニングや家庭菜園に使う植物の項目です。
肥料、くわやシャベル、移植ごて、じょうろ、植木鉢、菜園用の殺虫剤は「園芸用品」です。家庭菜園のために借りた土地の料金(借地料)もここに入るので、市民農園の利用料もここに書きます。水やりの水道代は、家の「上下水道料」にまとめて入ります。
採れた野菜を家で食べた分は、お金が動かないので、家計簿には書きません。採れた野菜を売ったときの代金は、家計調査では「他の特別収入」に入ります。市民農園の野菜を売れるのは、家で食べる量を超えた分に限られます。
家庭菜園の費用を食費と別の行に書いておくと、1年の終わりに、採れた量と並べて節約になったかを見られます。最初の年の道具代のような1回きりの出費は、特別費として分けておく方法もあります。何年かおきの出費を明細から拾う手順は、特別費は思い出さずに明細から拾うにまとめています。
よくある質問
Q家庭菜園を始めるのに、いくらかかりますか
種苗会社が20〜30代の1万人に聞いた調査(2022年公表)では、家庭菜園にかける額は1年平均1万8,241円でした。プランターなら、最初の年に容器・土・苗・支柱・肥料と道具をそろえ、2年目からは苗と肥料が中心になります。
Q市民農園はいくらで借りられますか
農林水産省の調べ(令和7年3月末)で、日帰り型の市民農園の利用料は、1区画で年平均1万4,308円です。年5千円未満の農園が約5割で、無料の農園もあります。農園の施設によって額が違うので、住む市区町村や農協の募集の案内で確かめます。
Q家庭菜園は野菜代の節約になりますか
かけた額を、店で買う1kgの値段で割った量より多く採れれば、取り返せます。家計調査(2025年)の平均の値段で、トマトは1kg約884円なので、3,000円かけたら約3.4kgが目安です。天気や世話で採れる量が変わるので、必ず節約になるとは限りません。
Q水道代はどのくらい増えますか
水やりに使った量に、水道の1㎥あたりの額を掛けて出します。例えば1日2Lを90日続けると0.18㎥です。1㎥あたりの額は、検針票や水道局の料金表で見ます。
Q市民農園で採れた野菜は売れますか
農林水産省の案内では、市民農園で採れた野菜を売れるのは、家で食べる量を超えた分に限られます。売ったときの代金は、家計調査の分け方では「他の特別収入」です。
まとめ
- 家庭菜園にかける額は、20〜30代の1万人への種苗会社の調査(2022年公表)で1年平均1万8,241円
- 市民農園の日帰り型の利用料は、1区画で年平均1万4,308円(農林水産省・令和7年3月末)で、年5千円未満の農園が約5割
- 最初の年は容器・土・道具が加わり、2年目からは苗・肥料・土の足し分と水道代が中心になる
- 節約になるかは「かけた額÷店の1kgの値段」の量を採れるかで見る(トマトは1kg約884円・家計調査2025年)
- 家計簿では、苗や種は園芸用植物、肥料や道具・市民農園の利用料は園芸用品に書く
最初の年と2年目からの額を分けて書き出し、店の1kgの値段で割ると、何kg採れば元が取れるかが分かります。採れた重さをメモして、1年の終わりに並べます。
この記事で参照した公的情報
- 市民農園開設状況調査の結果について(令和7年3月末時点)(農園数4,273・区画数188,713・面積1,284ha/開設主体=地方公共団体1,977・農業協同組合414・農業者1,433・企業・NPO等449/区画利用率81.8%・市街化区域88.9%/応募倍率=全体0.78倍・市街化区域1.04倍・都市計画区域外0.43倍/参考=日帰り型の平均区画数44.4区画・平均区画面積40.0㎡・平均利用料金14,308円(円/年)、滞在型の平均区画面積242.2㎡・平均利用料金388,146円(円/年)/簡易宿泊施設のある農園78)
- 窓口
- 農林水産省 農村振興局 都市農業室
- 確認日
- 確認先
- https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/attach/pdf/s_joukyou-5.pdf
- 市民農園の利用方法(探し方=インターネット・市区町村や農協の広報誌や掲示板・全国市民農園リスト/募集資格が地域住民に限られる農園や新規募集をしていない農園もある/募集は利用開始より少し前の1〜3月に行われることが多いようです/利用面積は1区画50㎡未満が約8割・50〜100㎡未満が約2割/利用期間は2年未満が約6割・2年以上5年未満が約4割/日帰り型の利用料は年間5千円未満が約5割・5千円〜1万円未満が約3割・無料の農園もある/雑草を繁茂させるなど利用しない場合は契約を解除できることになっている場合もある/栽培指導を受けられる農園もある/収穫物の販売は自家消費量を超える分について認められている)
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 詳細結果表 第4-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格(品目分類・きゅうり3,578円・6,565g・54.51円(100g)/なす2,231円・4,103g・54.39円/トマト8,327円・9,421g・88.39円/ピーマン2,356円・2,457g・95.89円/園芸用植物3,725円/園芸用品4,780円)
- 窓口
- 総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
- 確認日
- 確認先
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409546
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(84A 園芸用植物=ガーデニング、家庭菜園に係る植物・例示に草花の種・球根・鉢植えの植木・草花・苗木・盆栽/847 園芸用品=ガーデニング、家庭菜園に係る用品・例示に鎌・くわ・シャベル・せん定用はさみ・移植ごて・じょうろ・植木鉢・園芸用肥料(腐葉土・鹿沼土・油かすなど)・園芸・菜園用の殺虫剤・消毒剤・除草剤・家庭菜園の借地料/トマトの例示にプチトマト/上下水道料/他の特別収入の例示に自家菜園でできた野菜などの売却代)
- タキイ種苗、20、30代の家庭菜園意識調査 コロナ禍で経験者増える(2022年3月23日・全国の20、30代の1万人への「春の家庭菜園に関する調査」=約半数が家庭菜園経験者・うち約7割が継続期間3年未満・家庭菜園への年間使用金額は平均1万8,241円・男性は女性の2倍以上)
- 窓口
- 日本食糧新聞(調査の実施はタキイ種苗=民間)
- 確認日
- 確認先
- https://news.nissyoku.co.jp/news/fukase20220310023102418
