ベランダの防水工事の費用は?|4〜10㎡で5万〜10万円前後が目安、トップコートなら3万〜5万円・工法ごとの単価と時期、保険とマンションの扱い

支出の見直し ・

ベランダの防水工事の費用は、見積もりの仲介サービスの会社が示す目安で、4〜10㎡ほどのベランダなら、防水層からやり直す工事が5万〜10万円前後です。表面を守るトップコートの塗り替えだけで済めば、3万〜5万円ほどです。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)の見積事例では、2階のバルコニー3.9㎡を今の防水層の上からFRP防水で覆う工事が、総計7万4,642円〜10万5,994円でした。古い防水層をはがしてやり直すと、この1.5倍程度かかるとしています。

分譲マンションのベランダは、国の標準管理規約では共用部分とされ、扱いは各マンションの規約で決まるので、業者を呼ぶ前に管理組合に確かめます(分譲マンションのベランダは、管理組合に確かめる)。賃貸なら、先に大家か管理会社に知らせます。

ベランダの床のひび割れや色あせが、塗り直すだけで直るのか、工事が要るのかが分かりません。いくらかかるのかにも迷います。

床の状態ごとの早見:塗り替えで済むか、防水工事か

ベランダの床は、コンクリートなどの下地の上に水を通さない防水層があり、その表面をトップコートという塗料が守っています。傷みが表面のトップコートまでなら塗り替えで、防水層まで進んでいれば防水工事で直します。

次の表は、床の状態ごとの直し方と、4〜10㎡ほどのベランダでの額の目安です。どれも工事の会社を紹介している見積もりの仲介サービスの1つの会社が示す、洗浄や人件費を含めた額なので、実際の額は自分の家の見積もりで確かめます。

床の状態 直し方 目安
色あせ・表面の細いひび トップコートの塗り替え 3万〜5万円
下地の補修も要る 補修と塗り替え 8万〜10万円以上
防水層のひび・はがれ 防水工事 5万〜10万円前後
ふくれがある 防水工事が多い 5万〜10万円前後
下の部屋に雨漏り 調査と修理 原因の場所で変わる

ふくれは、防水層に水が入り込んでいるしるしとされ、そこから塗膜のはがれが広がります。トップコートだけの浅く細いひびなら塗り替えで済みますが、防水層から割れていれば防水工事が要ります。

雨のあとに水たまりが残るときは、まず排水口(ドレン)に落ち葉やごみが詰まっていないかを見ます。掃除しても水はけが直らなければ、防水層の傷みや床の傾き(勾配)の狂いを疑い、点検を頼みます。

コケやカビが出ている所は、湿ったままになっている所です。排水口のまわりに草が生え、根が下まで届いていると、下地から直すことになります。

下の部屋の天井にしみが出ているときは、床の防水だけでなく、水の入り口を探す調査が要ります。調査と修理の費用は雨漏り修理の費用の記事にまとめています。

防水の種類ごとの1㎡あたりの目安

ベランダの防水には、主にFRP防水・ウレタン防水・シート防水があります。次の表は、見積もりの仲介サービスの会社が示す、トップコートを含めた1㎡あたりの単価と耐用年数の目安です。

種類 1㎡あたり 耐用年数
FRP 4,000〜8,000円 10〜12年
ウレタン 3,000〜7,500円 10〜12年
シート(塩ビ) 3,500〜7,500円 10〜15年
シート(ゴム) 2,500〜7,000円 10〜15年

単価には、高圧洗浄や下地の補修、古い材料の処分、人件費などが別に加わります。同じ会社は、これらを含めた4〜10㎡のベランダの防水工事全体を5万〜10万円前後としています。

FRP防水

FRPは、ガラス繊維で強くしたプラスチックです。ガラス繊維のマットを敷いて樹脂を流し込み、硬くて軽い防水層をつくります。すり減りに強く、ベランダの防水ではFRPが主流とされています。

乾くのが早く、ベランダの広さにもよりますが1〜2日で工事が終わると案内されています。一方で紫外線に弱いので、トップコートの塗り替えが欠かせません。

伸び縮みしにくいため、建物の揺れや下地の動きでひびが入りやすい面があります。広いベランダには向かないとされ、工事中は樹脂のにおいが出ます。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を何回か塗り重ねて、ゴムのような弾力のある防水層をつくります。継ぎ目ができず、室外機の台や排水口のまわりなど、形の込み入った所にも塗れます。

塗って乾かすのを繰り返すので、工事に日数がかかり、家庭のベランダで1週間程度とする案内があります。手で塗るため、職人の腕で厚みにむらが出やすいことも短所です。

下地に直接塗る密着工法と、下地との間に通気のためのシートをはさむ通気緩衝工法があります。下地に水分を含んでいそうなときに通気緩衝工法が使われ、その分だけ費用は高くなります。

シート防水

シート防水は、塩化ビニルやゴムのシートを貼って防水層をつくります。工場でつくった厚みのそろったシートを使うので、仕上がりの質が安定します。

平らで広い所に向き、凹凸や込み入った形のベランダには貼りにくい工法です。4〜10㎡ほどのベランダには向かず、約30㎡以上の広いベランダで長所を生かせるとする案内もあります。

アスファルトを使うアスファルト防水もありますが、重くて狭い場所での工事が難しく、戸建てのベランダではあまり使われないとされています。主にビルやマンションの屋上の工法です。

示す会社で、幅が違う

同じ工法でも、示す会社によって額の幅が違います。暮らしの出張サービスの売り場を運営する会社は、10㎡あたりでウレタン4万5,000円〜8万8,000円、FRP4万〜9万7,000円、シート3万5,000円〜9万3,000円としています。

工務店などを紹介する会社は、1㎡あたりでウレタン4,000〜7,500円、FRP5,000〜8,000円、シート5,000〜8,500円としています。この会社は、10㎡程度のベランダの防水工事を5万〜30万円と幅広く示しています。

見積もりの仲介サービスの会社は、2024年に自社で出た見積もりから、ベランダの防水工事を1㎡あたり7,650〜8,500円としています。どれも工事を紹介する側が示す目安で、何を含めた額かがそろっていないので、見積書の内訳で比べます。

見積事例では、3.9㎡のFRP防水が約7万5,000円〜10万6,000円

住まいるダイヤルは、リフォームの見積書の見方の参考として、モデル住宅の見積事例を載せています。2階のバルコニー3.9㎡の床を、傷みが軽いので今の防水層の上からFRP防水で覆う「かぶせ工法」の例です。

住まいるダイヤルの見積事例(2階のバルコニー3.9㎡をFRP防水で覆うかぶせ工法)の内訳の図。シート養生14.0㎡で6,294円〜8,219円、下地洗浄3.9㎡で1,135円〜1,532円、FRP防水3.9㎡で5万4,773円〜7万8,578円、諸経費(合計の20%)1万2,440円〜1万7,666円で、総計7万4,642円〜10万5,994円の例

図は、見積明細の行をまとめたものです。FRP防水は仕上げの塗料まで含めて1㎡あたり1万4,044円〜2万148円で、諸経費は工事費の合計の20%で計上されています。

この事例には、下地の補修工事と、大きな設備の運搬搬入の費用は入っていません。傷みがひどく、古い防水層をはがして下地からやり直す「撤去工法」では、かぶせ工法の1.5倍程度かかるとしています。

総額は、単価と面積に、下地や足場の費用を足して決まる

防水工事の費用は、1㎡あたりの単価に面積を掛け、足場代や古い材料の処分費などの諸経費を足して出すと、仲介サービスの会社は説明しています。ベランダの幅と奥行きを測って面積を出しておくと、見積書の数量が合っているかを見られます。

見積事例のFRP防水の行は1㎡あたり1万4,044円〜2万148円で、仲介の会社が示す単価(4,000〜8,000円)より高く出ています。金額は資材のグレードや事業者の仕入れ価格で違うとされているので、単価だけでなく、総計と行ごとの中身で比べます。

トップコートの塗り替えで済む場合

トップコートは、防水層を紫外線やすり減りから守る表面の塗料です。表面の色あせや細かいひび、薄いはがれまでなら、トップコートを塗り替えるだけで直せます。

見積もりの仲介サービスの会社が示す塗り替えの単価は、FRPの上なら1㎡あたり1,700〜2,200円、ウレタンの上なら1,600〜1,700円、シートの上なら900〜1,500円です。高圧洗浄や人件費を含めると、4〜10㎡のベランダで3万〜5万円ほどになるとしています。

下地の補修が要るときは、8万〜10万円以上かかることがあるとしています。トップコートは防水層の傷みを止めるものではないので、防水層まで割れていれば塗り替えでは直りません。

自分で塗るときに気をつけること

ホームセンターなどでは、ベランダの防水塗料やトップコート用の塗料も売られています。自分で塗るときは、汚れやコケを落とし、下地との密着を高める下塗り(プライマー)を塗ってから、乾く時間を守って重ねます。

下地の処理や乾かす時間を省くと、数か月でひびやはがれが出ることがあるとされています。防水層の傷みはトップコートを塗っても直らないので、ふくれや防水層のひびがあれば業者に見てもらいます。

時期の目安は、トップコートが5年、防水工事が10〜15年

傷みが見えなくても、5年に1回のトップコートの塗り替えと、10〜15年に1回の防水工事が手入れの目安とされています。トップコートの寿命を5年程度とする案内もあります。

新築や前の手入れから10年以上たっているなら、目に見える傷みがなくても点検を受けるよう勧める案内があります。防水層が働いているうちに塗り替えるほうが、下地まで傷んでから直すより費用を抑えられます。

日ごろの手入れとして、排水口のまわりのごみを取り、植木鉢などで排水の道をふさがないようにします。重い物を直に置くと防水層を傷めるので、ゴムのマットなどを敷きます。

費用が上がるところ

同じ広さのベランダでも、次のようなときは見積もりの額が上がります。ここに挙げた額は、見積事例の1.5倍程度のほかは、工事を紹介する会社が示す目安です。

  • 下地が傷んでいる:表面の小さなひびなら数千円〜数万円の追加で済む。防水層の下が浮いていれば、はがして直す費用が5万〜15万円以上かかることがある
  • 古い防水層をはがす:見積事例では、撤去工法はかぶせ工法の1.5倍程度。FRPは今の防水層を取り除かないと施工できないことがあるとされる
  • 足場が要る:足場の費用は10万〜20万円が相場とする目安がある
  • 室外機やウッドデッキを動かす:工事の前に移し、後で戻す手間が加わる
  • 面積が広い:材料と手間は、ほぼ面積に比例して増える

下地の傷みは、表面をはがしてみないと分からないことがあります。見積もりのときに、下地の補修が追加になる場合の扱いと、その概算を先に聞いておきます。

外壁の塗り替えが近ければ、足場を分け合える

外壁の塗り替えや屋根の工事に足場を組むなら、同じ時期にベランダの防水もすると、足場代を一度で済ませられます。外壁の塗り替えの額と見積書の見方は、外壁塗装の費用の記事にまとめています。

ベランダだけの工事なら、一般的な広さのベランダは足場なしでできることも多いとされています。足場の行が見積書にあれば、なぜ要るのかを聞きます。

見積もりで確かめること

防水工事は、家を建てた会社、リフォーム会社、外壁塗装の会社、防水工事の会社などに頼めます。建てた会社やリフォーム会社は、工事を塗装や防水の会社に任せることがあり、その分だけ割高になることがあるとされています。

住まいるダイヤルは、見積書を複数の事業者から取り、比較表をつくって比べることを勧めています。見積書を受け取ったら、次の点を確かめます。

  • 数量と単価:ベランダの面積(㎡)と、工程ごとの単価が書かれているか。「一式」だけの行は中身を聞く
  • 工法:かぶせ工法か撤去工法か、ウレタンなら密着工法か通気緩衝工法か
  • 下地の補修:見積もりに入っているか、追加になるときの扱いと上限
  • 諸経費と足場:何が諸経費に入っているか、足場が要る理由
  • 保証:工事の保証の期間と、保証書を出すか

見積書の中身が分からないときは、住まいるダイヤルの「リフォーム見積チェックサービス」が使えます。契約前の見積書を送ると、建築士の相談員が電話で答える無料のサービスで、予約は登録から最短で14日後以降です。

電話の窓口は03-3556-5147で、平日の10時から17時まで受け付けています。住んでいる市区町村がリフォームの補助を出していないかは、住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で探せます。

火災保険で直せるのは、台風などで壊れた分

台風の強風で物が飛んできて床が破れた、ひょうで穴が開いたといった損害は、火災保険の契約によっては支払いの対象になります。日本損害保険協会は、自然災害のうち「風災・雹(ひょう)災・雪災」と「水災」に保険金が支払われるとし、範囲は保険の種類で違うとしています。

一方で、自然の消耗や劣化、ひび割れなどによる損害は、保険金が支払われない事由に挙がっています。年数がたってトップコートや防水層が傷んだための工事は、火災保険の対象になりません。

保険金を請求する権利は、保険法で、請求できる時から3年たつと時効で消えます。台風のあとに床の傷みに気づいたら、壊れた所の写真を撮り、工事の前に保険会社か代理店に連絡します。

「保険で直せる」と勧める業者とは、その場で契約しない

日本損害保険協会は、保険会社に連絡する前に、問題のある修理業者や保険金の請求の代行業者と契約しないよう呼びかけています。保険金が出ずに修理代を自分で払うことになったり、解約で高い手数料を求められたりする例があるとしています。

協会が示す例には、外壁や雨どい、ベランダの手すりを保険で直せると言われ、保険金の30%を報酬として求められたものがあります。相談は、協会の保険金に関する災害便乗商法の相談ダイヤル0120-309-444で受け付けています。

請求の手順と、被害の種類ごとに出るかの早見は火災保険で請求できるものは?にまとめています。契約によっては自分で負担する額(免責金額)が決まっているので、その額も保険証券で確かめます。

下の部屋に雨漏りしているとき

ベランダの下の部屋の天井や、軒裏に雨のしみが出ているときは、防水層が破れて水が入っていることがあります。床の防水工事の前に、どこから水が入っているかを調べてもらいます。

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、新築の家を建てた会社と売主は、雨水の浸入を防ぐ部分の欠陥について、引き渡しから10年間責任を負います。雨水の浸入を防ぐ部分は、政令で屋根・外壁とその開口部の建具、屋根や外壁の中か屋内の排水管と決められています。

雨漏りの原因がこれにあたるかは、まず建てた会社か売主に連絡して確かめます。ほかの業者に直してもらう前に連絡し、雨漏りの様子を写真に残します。

賃貸なら、まず大家か管理会社に知らせる

民法では、部屋を使うのに必要な修繕は、大家(貸す側)がする義務を負います。借りる側の落ち度で修繕が要るようになった場合は除かれます。

借りる側にも、修繕が要るときに遅れずに大家へ伝える義務があります。ベランダの床のひびや水たまりに気づいたら、自分で業者を呼ぶ前に、大家か管理会社に写真を添えて伝えます。

分譲マンションのベランダは、管理組合に確かめる

国土交通省が示すマンション標準管理規約では、バルコニーは共用部分とされ、各住戸の区分所有者が専用で使う権利(専用使用権)を持つ形になっています。実際の扱いは、それぞれのマンションの管理規約で決まります。

標準管理規約では、共用部分の管理は管理組合がその責任と負担で行います。バルコニーの経年劣化への対応は、管理組合が計画修繕として行うものとされています。

使う人が自分の負担で行うのは、バルコニーの清掃など「通常の使用に伴う」保存行為です。ただし、管理組合が行う修繕の周期より短い期間に、ほかの住戸のバルコニーより目立って劣化した場合は、特別な事情がない限り使う人の負担とされています。

あらかじめ理事長に申請して承認を受けた場合などを除いて、区分所有者は共用部分の保存行為を行えません。部屋を使うのに支障が出ていて、急を要する場合は別とされています。

これに反して工事をすると、その費用は自分で負担するとされています。床の傷みに気づいたら、まず管理組合か管理会社に伝えます。

大規模修繕でいつベランダを直す予定かは、管理組合の長期修繕計画で確かめられます。修繕積立金のしくみは修繕積立金の記事にまとめています。

気づいてから工事を頼むまでの順番

床の傷みに気づいてから工事を頼むまでは、次の順に進めます。先に聞く相手を飛ばすと、払わなくてよい費用を払ったり、工事をやり直したりすることがあります。

ベランダの床の傷みに気づいてから防水工事を頼むまでの順番の図。排水口の詰まりを掃除する、床の状態を見て塗り替えか防水工事かの見当をつける、賃貸なら大家、分譲マンションなら管理組合に先に知らせる、台風などで壊れたなら工事の前に保険会社に連絡する、2社以上の見積もりを面積・工法・単価をそろえて比べる、の順

図の2つ目で迷ったら、早見の表に戻って、ふくれや防水層のひびがあるかを見ます。戸建ての持ち主なら3つ目は飛ばし、建ててから10年に満たなければ建てた会社か売主に先に連絡します。

見積もりを比べるときは、同じ面積と同じ工法の条件で頼むと、額の差が何から出ているかが分かります。現地でベランダを見て、傷んだ所を写真で説明する会社を選ぶよう勧める案内もあります。

家計簿での書き方

国の家計調査は、ベランダの工事費を、住まいの修繕の中の「外壁・塀等工事費」に入れています。家計簿でも、防水工事の代金は「住まいの修繕」のような項目に分けて書くと、ふだんの支出と混ざりません。

トップコートの塗り替えを5年ごとにするなら、次の塗り替えまで毎月少しずつ取り分けておけます。たとえば塗り替えを4万円と見込むなら、5年の60か月で割って月に約670円です(額は例です)。

工事の額と工法、保証の期間を家計簿のメモに残しておくと、次に見積もりを取るときに比べられます。ベランダに鳩が来てフンで汚れるときの対策と費用は、鳩のベランダ対策の記事にまとめています。

迷いやすい場面

排水口を掃除しても、水たまりが残る

排水口の詰まりを取っても水が引かないときは、防水層のよれや床の傾きの狂いが考えられます。水がたまった所は防水層の傷みが早まるので、点検を頼み、防水工事が要るかを見てもらいます。点検のときは、水たまりができた場所と広さの写真を見せます。

台風のあとに、床がはがれた

まず入っている火災保険に、風災の補償があるかを保険証券で確かめます。工事を頼む前に、壊れた所の写真を撮り、保険会社か代理店に連絡します。

年数による傷みと台風の被害が重なっているときは、どこまでが保険の対象かを保険会社が調べます。「保険を使えば無料で直る」と訪ねてくる業者がいても、その場では契約しません。

外壁の塗り替えも、数年のうちに考えている

足場を組む工事が近いなら、ベランダの防水を同じ時期にまとめると、足場代を分け合えます。ベランダの傷みがふくれや雨漏りまで進んでいるなら、先に直します。

見積もりは、外壁とベランダの工事を分けて書いてもらいます。そうすると、どちらにいくらかかるかが分かります。

マンションのベランダの床が、自分の所だけ傷んでいる

標準管理規約では、経年劣化は管理組合の計画修繕で直すのが基本です。ほかの住戸より早く、目立って傷んだ場合は、使う人の負担になることがあるとされています。自分で業者を頼む前に、管理組合か管理会社に傷みを伝え、誰が直すかを確かめます。

よくある質問

Qベランダの防水工事は、いくらかかりますか

見積もりの仲介サービスの会社が示す目安では、4〜10㎡のベランダで防水工事が5万〜10万円前後、トップコートの塗り替えだけなら3万〜5万円ほどです。住まいるダイヤルの見積事例では、3.9㎡のFRP防水が総計7万4,642円〜10万5,994円でした。

QFRPとウレタンでは、どちらが安いですか

仲介サービスの会社が示す1㎡あたりの単価は、FRPが4,000〜8,000円、ウレタンが3,000〜7,500円です。込み入った形の所や、今の防水層の上から重ねるかどうかでも額は変わるので、同じ条件の見積もりで比べます。

Qトップコートの塗り替えだけで済むのは、どんなときですか

色あせや表面の細いひびなど、傷みがトップコートまでのときです。防水層まで割れている、下の部屋に雨漏りしているときは防水工事や修理が要り、ふくれがあるときも防水工事になることが多いです。

Q防水工事は何年ごとに必要ですか

5年に1回のトップコートの塗り替えと、10〜15年に1回の防水工事が目安とされています。傷みが見えたときは、年数にかかわらず点検を頼みます。

Qベランダの防水工事に火災保険は使えますか

台風や雪、ひょうなどで壊れた分は、契約によって対象になることがあります。年数による劣化やひび割れの工事は、対象になりません。

Qマンションのベランダの防水は、自分で頼めますか

国の標準管理規約では、バルコニーは共用部分で、経年劣化は管理組合が計画修繕で直し、承認を受けずに工事をすると費用は自分の負担とされています。実際の扱いは各マンションの管理規約で決まるので、先に管理組合に確かめます。

まとめ

  • 見積もりの仲介サービスの会社が示す目安で、4〜10㎡のベランダの防水工事は5万〜10万円前後、トップコートの塗り替えは3万〜5万円ほど
  • 住まいるダイヤルの見積事例では、3.9㎡のFRP防水のかぶせ工法が総計7万4,642円〜10万5,994円で、撤去工法は1.5倍程度
  • 色あせや表面の細いひびなら塗り替え、ふくれや防水層のひびなら防水工事
  • 1㎡あたりの単価は示す会社で幅が違うので、面積・工法・下地の補修・諸経費をそろえて見積書を比べる
  • 下地の傷み・古い防水層の撤去・足場で額が上がり、外壁の工事と一緒なら足場代を分け合える
  • 目安は、トップコートが5年に1回、防水工事が10〜15年に1回
  • 火災保険の対象は台風などで壊れた分で、劣化は対象外。請求できる期間は3年
  • 賃貸なら大家に知らせ、分譲マンションなら管理組合に先に確かめる
  • 防水工事の代金は「住まいの修繕」に書き、次の塗り替えまで毎月取り分けておく

床の状態を見て塗り替えか防水工事かの見当をつけ、面積と工法をそろえて見積もりを比べれば、払う額の中身が分かります。保険や管理組合に先に聞けば、自分で払わなくてよい費用も分かります。

この記事で参照した公的情報

  1. 見積事例(戸建)「バルコニー床を再防水する」(施工面積3.9㎡・2階バルコニー部・劣化の程度が軽微で立上り部の浮きがないため既存防水層の上からFRP防水を施工(かぶせ工法)・劣化が著しい場合は既存防水層を撤去し下地から施工(撤去工法)し費用はかぶせ工法の1.5倍程度/シート養生14.0㎡ 450〜587円・下地洗浄3.9㎡ 291〜393円・FRP防水工事(L-FF 仕上塗料塗り)3.9㎡ 14,044〜20,148円/合計62,202〜88,328円・諸経費(工事費合計の20%)12,440〜17,666円・総計74,642〜105,994円/下地補修工事と大型設備の運搬搬入費は含まない・積算資料ポケット版を参考)
    窓口
    公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
    確認日
    確認先
    https://www.chord.or.jp/reform/house10_01.html
  2. リフォームの見積書に関する相談(リフォーム見積チェックサービス(無料)=これから住宅のリフォーム工事の契約を予定している消費者から契約前の見積書等を送ってもらい内容を確認・回答は電話で建築士の相談員が担当・予約は登録時点から最短で14日後以降・施工業者等とトラブルが起きている場合は電話相談・電話 03-3556-5147 受付10時〜17時(土日祝休日・年末年始を除く))
    窓口
    公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
    確認日
    確認先
    https://www.chord.or.jp/reform/index.html
  3. リフォーム見積書セルフチェックのポイント(ポイント1 見積書は複数の事業者からとる・比較表をつくる/ポイント3 工事箇所、数量、仕様や単価を確認/ポイント6 追加工事が発生した場合について事前に打ち合わせておく/ポイント7 訪問販売の場合は契約から一定期間内であればクーリング・オフができる)
    窓口
    公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
    確認日
    確認先
    https://www.chord.or.jp/reform/basic_knowledge/index.html
  4. マンション標準管理規約(単棟型)令和7年改正(別表第2 共用部分の範囲=内外壁、床スラブ、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」/第14条・別表第4 バルコニーは各住戸の区分所有者が専用使用権を有する/第21条第1項 敷地及び共用部分等の管理は管理組合がその責任と負担において行う・バルコニー等の保存行為のうち通常の使用に伴うものは専用使用権を有する者がその責任と負担において行う・第3項 あらかじめ理事長に申請して承認を受けた場合を除き保存行為を行うことができない・ただし専有部分の使用に支障が生じている場合に緊急を要するときはこの限りでない・第5項 第3項に違反して保存行為を行った場合の費用は当該区分所有者が負担/コメント第21条関係③ バルコニー等の管理のうち管理組合が行わなければならないのは計画修繕等・④ 通常の使用に伴う保存行為とはバルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入替え等・⑤ 経年劣化への対応は管理組合が計画修繕として行う・修繕の周期と比べ短い期間で発生し他と比べ劣化の程度が顕著な場合は専用使用権を有する者の負担)
    窓口
    国土交通省
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001999022.pdf
  5. 損害保険Q&A 問50 火災保険は、どのような保険ですか。(風水災などの自然災害や盗難などによって建物や家財に生じた損害を補償・自然災害については「風災・雹(ひょう)災・雪災」と「水災」に対して保険金が支払われるが保険の種類により補償される範囲が異なる・賃貸住宅の建物は家主が契約・保険金が支払われない主な事由=保険の対象の欠如、自然の消耗、劣化、性質による変色、さび、かび、腐敗、ひび割れ等によって生じた損害/地震・噴火またはこれらによる津波)
    窓口
    日本損害保険協会(業界団体)
    確認日
    確認先
    https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q050.html
  6. 住宅の修理などに関するトラブルにご注意(「保険が使える」と言って勧誘する業者とのトラブルが増加・住宅の修理を業者と契約する前に契約している損害保険会社または損害保険代理店へ相談・自然の消耗もしくは劣化または性質によるさびなどによって生じた損害は支払いの対象とならない・保険金請求代行業者のトラブルの例(外壁、雨樋、ベランダの手すりの修理・保険金の30%の報酬)・保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル 0120-309-444)
    窓口
    日本損害保険協会(業界団体)
    確認日
    確認先
    https://www.sonpo.or.jp/news/caution/syuri.html
  7. 保険法 第95条第1項(保険給付を請求する権利は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056
  8. 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条(住宅新築請負契約の請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵について担保の責任を負う・注文者に不利な特約は無効)・第95条(新築住宅の売主も同じ)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000081
  9. 住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令 第5条第2項(雨水の浸入を防止する部分=住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具/雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/412CO0000000064
  10. 民法 第606条第1項(賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う・ただし賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときはこの限りでない)・第615条(賃借物が修繕を要するときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  11. 地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を都道府県・市区町村、支援分類、支援方法から検索・最新の情報は各地方公共団体に問い合わせ)
    窓口
    一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
    確認日
    確認先
    https://www.j-reform.com/reform-support/
  12. 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(設備修繕・維持>工事その他のサービス>外壁・塀等工事費の例示に「ベランダ工事費」)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2025/zuhyou/kouh2025.xlsx

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

App Store からダウンロードGoogle Play で手に入れよう

Mirai Kanaiを見てみる

この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。