電子レンジの電気代は1回いくら?|出力(W)と消費電力の違い、温め1回・1か月の額と、炊飯器の保温やガスコンロとの比べ方

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電子レンジの電気代は、本体の消費電力と、温めた時間と、1kWhあたりの電気の値段を掛け合わせて決まります。1回の温めは数分なので、1分あたりの額を出しておけば、1日や1か月の額にすぐ広げられます。

この記事では、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、温め1回と1か月の額を計算します。出力と消費電力の違い、国の省エネ性能カタログの値、炊飯器の保温やガスコンロとの比べ方、明細の単価で出し直す手順もまとめます。

毎日ご飯やおかずを電子レンジで温めていますが、電気代がどのくらいなのか分かりません。扉に書かれた600Wの数字で計算してよいのかも迷います。

500W・600Wは「出力」で、消費電力とは別の値

電子レンジの扉や操作部にある500W・600Wなどの数字は、食品を温めるマイクロ波の強さを表す「定格高周波出力」です。電気代の計算に使う消費電力は、これとは別に仕様の欄に書かれています。

レンジは、マイクロ波を出す部品のほかに、ターンテーブルやファンも動かします。そのため消費電力は出力より大きく、出力の1.5〜2倍になるとされています。本体の銘板か取扱説明書の仕様の欄で、「消費電力」の値を確かめます。

出力を切り替えると、使う電力も変わる

500Wと600Wを切り替えられる製品では、選んだ出力に合わせて消費電力も変わります。同じ時間なら出力の高いほうが額は上がりますが、高い出力では温め終わるまでの時間が短くなるので、1回の額は出力と時間の両方で決まります。

オーブンやグリルの機能がある製品は、レンジのときの消費電力と、オーブンのときの消費電力が分けて書かれていることがあります。計算には、使う機能の値を入れます。

電子レンジの電気代を出す式

消費電力のWを1,000で割るとkWになり、これに使った時間と1kWhの値段を掛けると額が出ます。レンジは分や秒の単位で使うので、1時間あたりの額を60で割った1分あたりの額を手元に置いておくと便利です。

  • 1時間の額:kWに直した消費電力に、1kWhの値段を掛ける
  • 1分の額:1時間の額を60で割る
  • 1回の額:1分の額に、温めた分数を掛ける

1kWhの値段は、契約先の電力会社や料金プランで違います。家電の売り場やカタログで電気代を示すときの値として、全国家庭電気製品公正取引協議会は目安単価を1kWhあたり31円(税込)と決めていて、いまの値は令和4年7月22日に改めたものです。

消費電力1,300Wの例で、1回の額を出す

消費電力1,300Wの製品を例に、目安の単価31円で計算すると、1時間では40.3円、1分あたりでは約0.67円です。温める時間ごとに当てはめると、次のとおりです。

  • 30秒(飲み物を温め直す例):約0.34円
  • 1分:約0.67円
  • 2分30秒(冷凍ご飯1杯の例):約1.68円
  • 3分30秒(冷凍のおかずをまとめて温める例):約2.35円

上の額は、仕様の欄の消費電力を温めている間ずっと使い続けたとして計算したものです。温めの途中で使う電力が上下する製品では、実際の額はこの計算より小さくなることがあるので、多めに見た目安として使います。

1日・1か月の電気代

1日に使う分数を足し合わせ、日数を掛ければ、1か月の額も出せます。消費電力1,300Wの製品を、朝1分30秒・昼2分・夜3分30秒の合計7分ずつ毎日使う例で計算します(時間は例)。

  • 1日(7分の例):約0.15kWhで約4.7円
  • 30日の例:4.55kWhで約141円
  • 365日の例:約55.4kWhで約1,716円

電子レンジの電気代を、消費電力1,300W・目安の単価31円で計算した例の図。1分は約0.67円、冷凍ご飯1杯を2分30秒温めると約1.68円。1日7分ずつ使うと30日で約141円、365日で約1,716円。消費電力と時間は例

図は、同じ1台の温め方を時間ごとに計算した例です。家計調査(2025年)を見ると、電気代は総世帯の平均で1か月10,962円です。1日7分の例の約141円は、その約1.3%にあたります。

国のカタログの「年間消費電力量」から出す

電子レンジは、国が省エネの基準を決めている製品です。資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ 2025年版」には、製品ごとに、決められた測り方で出した1年分の電力量(年間消費電力量)が載っています。

カタログの一覧では、単機能レンジの年間消費電力量は平均59.5kWh(54.9〜63.9kWh)でした。31円を掛けると1年約1,845円、1か月約154円です。オーブンレンジは区分ごとの平均が69.7〜78.7kWhで、1年約2,161〜2,440円になります。

店頭や製品の頁で買い替えの候補を比べるときは、この年間消費電力量を並べます。同じ測り方で出した値なので、自分の使い方とは別に、製品どうしの差を見られます。

オーブン・グリルの機能は、予熱の時間も入れて計算する

オーブンやグリルの機能は、予熱を含めると、レンジで温めるより使う時間が長くなることがあります。オーブンの消費電力が1,250Wの製品で、予熱8分と焼き15分の合計23分使う例では、約0.48kWhで約14.9円です(消費電力と時間は例)。

同じ料理をレンジの機能で短い時間に仕上げられるなら、そのほうが1回の額は小さくなります。予熱が要る料理は、オーブンの機能を使う分の額を見込んでおきます。トーストを焼く額をトースターと比べる例は、トースターの電気代にあります。

炊飯器の保温と、電子レンジの温め直し

ご飯を保温し続けるか、冷凍や冷蔵にして食べる前に電子レンジで温めるかは、保温の時間で額の大小が入れ替わります。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、炊飯器の保温は4時間までが目安とし、保温より電子レンジで温め直すほうが使うエネルギーが少なくなると説明しています。

省エネ性能カタログ2025年版では、IH式3合以上5.5合未満の炊飯器の保温は、平均で1時間約14.3Whです。4時間なら約57.2Wh・約1.77円で、消費電力1,300Wのレンジで2分30秒温める約54.2Wh・約1.68円とほぼ同じです(31円で計算)。

家族の分を1杯ずつ温めると、温める回数の分だけ額が増えます。3杯をそれぞれ2分30秒ずつ温めれば約5.04円で、上の保温の約11時間分です。食べる人数と、次に食べるまでの時間の両方で決めます。

ほかの調理の方法と比べる

野菜の下ごしらえは、ガスコンロで煮るより小さい

省エネポータルサイトは、100gの野菜を1Lの水(27℃程度)に入れて沸騰させて煮る場合と、電子レンジで下ごしらえする場合を、1日1回・365日で比べています。結果は次のとおりで、どの野菜でも電子レンジのほうが額は小さくなっています。

  • 葉菜(ほうれん草・キャベツの例):ガスコンロ約1,350円、電子レンジ約410円で、1年約940円の差
  • 果菜(ブロッコリー・カボチャの例):ガスコンロ約1,470円、電子レンジ約470円で、1年約1,000円の差
  • 根菜(ジャガイモ・里芋の例):ガスコンロ約1,540円、電子レンジ約680円で、1年約860円の差

この試算は、電気を1kWhあたり31円、ガスを1m³あたり162円で額に直したものです。食材の量などで変わると添えられているので、目安として見ます。煮込む料理の野菜を先にレンジで加熱してから鍋に入れる使い方も、ガスの火を使う時間を短くできます。

コップ1杯のお湯は、条件で結果が分かれる

コップ1杯ほどのお湯を電子レンジと電気ケトルのどちらで用意するかは、比べた条件で結果が分かれます。温めるだけか沸騰させるか、量はどのくらいかで、かかる時間が変わるからです。

自分の家で比べるなら、それぞれの消費電力に、同じ量を温め終えるまでの時間を掛けます。2L以上のように量が多いときは、電子レンジより電気ポットのほうが安くなるとする比べもあります。

電気代を抑える使い方

レンジの額は、使う電力の大きさと温める長さで決まります。1回ごとの額は小さいので、温め直しをくり返さないことと、1回の時間を短くすることが中心になります。

食品を小分けにし、離して置く

大きな塊のまま温めると、中まで熱が通るのに時間がかかります。冷凍するときに1回分ずつ小分けにし、ご飯は薄く平らにして冷凍しておくと、温める時間が短くなります。いくつかの食品を一度に温めるときは、触れ合わないように離して置き、温め直しを減らします。

置き場所を選び、庫内の汚れを拭く

ターンテーブル式は皿の外側、ターンテーブルの無いフラット式は庫内の中央が温まりやすいとされています。庫内に汚れが残っていると、マイクロ波が汚れにも当たって食品が温まりにくくなるうえ、発火の原因にもなるので、こまめに拭き取ります。寿命と買い替えのサインは電子レンジの寿命にあります。

冷凍品は、前もって冷蔵庫で解凍する

使う予定が決まっている冷凍の肉や魚は、前の日から冷蔵庫に移しておくと、レンジで解凍する時間を短くできます。庫内に一度に詰め込みすぎるとターンテーブルが回りにくくなるので、量が多いときは分けて温めます。

時間帯で単価が変わるプランなら、時間をずらす

時間帯ごとに単価が違う料金プランを契約しているなら、長く加熱する調理を単価の安い時間帯に回すと額を抑えられます。自分のプランの時間帯と単価は、契約先の会員ページか検針票で確かめます。

自分の家の単価で、計算し直す

31円は、どの家でも同じ計算になるように置いた目安です。明細から自分の家の1kWhの値段を出して31円と入れ替えると、実際に近い額になります。

ステップ1明細の請求額を使った量で割る3分

まず、検針票か電力会社の会員ページから、1か月分の請求額と使用量(kWh)を書き出します。請求額を使用量で割った値が、基本料金や再エネ賦課金まで含めた自分の家の1kWhの値段です。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。

ステップ2仕様の欄で消費電力を確かめる2分

取扱説明書か本体の銘板で、出力ではなく「消費電力」の値を見ます。オーブンの機能も使うなら、その値も書き写しておきます。

ステップ31日の分数と日数を掛ける3分

1日にレンジを使う時間を分で足し合わせ、日数を掛けます。明細の単価が1kWhあたり36円の家で、消費電力1,300Wの製品を1日7分・30日使うと、4.55kWh×36円で約164円です(単価と時間は例)。

電子レンジの1か月の電気代を、目安の単価31円と明細の単価36円で比べた例の図。消費電力1,300W・1日7分・30日の例で使う電力量は4.55kWh。31円なら約141円、36円なら約164円。単価と時間は例

図の例のとおり、使う量の4.55kWhは同じでも、1kWhの値段が5円違うと1か月の額は約23円違います。家計簿では、ほかの家電と合わせた電気代全体の動きを見るときの内訳として使えます。

よくある質問

Q電子レンジの電気代は1分いくらですか

消費電力で決まります。消費電力1,300Wの製品なら、目安の単価31円で1分約0.67円です。扉にある500W・600Wの出力ではなく、仕様の欄の消費電力で計算します。

Q500Wと600Wでは、どちらが安いですか

出力に合わせて消費電力が下がる製品なら、同じ時間では500Wのほうが額は小さくなります。ただ600Wのほうが短い時間で温まるので、1回の額は時間もあわせて比べます。

Q1か月使うと、いくらかかりますか

消費電力1,300Wの製品で1日7分・30日なら約141円です(目安の単価31円)。省エネ性能カタログ2025年版の単機能レンジの年間消費電力量の平均59.5kWhから出すと、1か月約154円です。

Q炊飯器で保温するのと電子レンジで温め直すのは、どちらが安いですか

資源エネルギー庁は、炊飯器の保温は4時間までが目安で、保温に使うエネルギーより電子レンジで温め直すエネルギーのほうが少なくなると説明しています。家族の分を1杯ずつ温めるときは、温める回数の分だけ額が増えます。

Qオーブンの機能を使うと、電気代は高くなりますか

予熱を含めて使う時間が長くなると、レンジで温めるより1回の額は大きくなります。オーブンの消費電力1,250Wの製品を23分使う例では、約14.9円です(目安の単価31円)。

まとめ

  • 500W・600Wは出力。電気代は仕様の欄の消費電力で出す
  • 1分の額は、消費電力÷1,000×1kWhの値段÷60
  • 計算の目安にする単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会の1kWhあたり31円(令和4年7月22日改定)
  • 消費電力1,300Wの例で1分約0.67円、1日7分・30日で約141円
  • 省エネ性能カタログ2025年版の単機能レンジの年間消費電力量は平均59.5kWh
  • 炊飯器の保温は4時間までが目安(資源エネルギー庁の省エネポータルサイト)
  • 自分の家の額は、明細の請求額を量で割った値段で出し直す

消費電力と1日の分数と明細の単価が分かれば、電子レンジの1か月の電気代を出せます。家計簿の電気代の内訳に、温めに使う分を書き添えておけます。

この記事で参照した公的情報

  1. よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/qa/
  2. 省エネ性能カタログ 2025年版(電子レンジ 省エネ性能一覧:単機能レンジの年間消費電力量 平均59.5kWh・最小54.9kWh・最大63.9kWh/オーブンレンジの区分ごとの平均69.7〜78.7kWh/ジャー炊飯器 IH3合以上5.5合未満の保温時 平均14.2986Wh/h)
    窓口
    経済産業省 資源エネルギー庁(省エネ型製品情報サイト)
    確認日
    確認先
    https://seihinjyoho.go.jp/frontguide/pdf/catalog/2025/catalog2025.pdf
  3. 無理のない省エネ節約 キッチン(電子レンジ:野菜の下ごしらえをガスコンロと比べた年間の額/炊飯器:保温は4時間までが目安)
    窓口
    経済産業省 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
    確認日
    確認先
    https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html
  4. 無理のない省エネ節約 省エネ効果の算出根拠(金額換算係数:電気31円/kWh・ガス162円/m³)
    窓口
    経済産業省 資源エネルギー庁(省エネポータルサイト)
    確認日
    確認先
    https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/index.html
  5. 家計調査 家計収支編 2025年 総世帯 詳細結果表 第4表(用途分類・電気代1か月10,962円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409805

この記事を書いているのは

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。