電気自動車(EV)の充電の電気代はいくら?|1回・1か月の額を電費と走行距離で出す式と、急速充電・ガソリン代との比べ方

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電気自動車の充電の電気代は、車に入れた電力量と、1kWhあたりの電気の値段で決まります。走った距離から出すときは、1kWhで何km走れるかを示す「電費」を使います。

この記事では、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、1回の充電、1か月、1年の額を計算します。外の急速充電の料金のしくみ、ガソリン車との比べ方、自宅の充電設備と補助、家計簿での分け方もまとめます。

電気自動車に替えると、家の電気代がいくら増えるのか分かりません。ガソリン代と比べて本当に安くなるのかも、外で充電するといくらかかるのかも迷います。

充電の電気代を出す2つの式

電気自動車の充電の額は、手元に分かっている数字によって、2つの出し方があります。どちらも最後に1kWhあたりの値段を掛けます。

  • 充電した電力量から出す:充電した電力量(kWh)×1kWhあたりの値段
  • 走った距離から出す:走った距離(km)÷電費(km/kWh)×1kWhあたりの値段

充電した電力量は、車の画面やアプリ、充電器の記録で見られる場合があります。記録が無いときは、走った距離を電費で割ると、走るのに使った電力量が出ます。電費は車の仕様の欄や、車の画面の表示で確かめます。

式に入れる1kWhの値段

1kWhの値段は、契約している電力会社と料金プランで家ごとに違います。比べるための値として、家電の店頭やカタログの電気代には、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安の単価31円(税込)が使われています。

協議会の説明では、この31円は令和4年7月22日に改定された値です。電力・ガス取引監視等委員会が公表する電力取引報の、小売電気事業者全体の販売電力量と販売額などから算出されています。

充電のときに失われる分

家のコンセントから車の電池に電気を送るとき、途中で熱などになって失われる分があります。そのため、家のメーターで測った量は、車の電池に入った量より少し多くなります。

この記事の計算は、失われる分を入れない額です。たとえば送った電気の9割が電池に入るとすると(割合は例)、同じ距離を走るための電気代は、計算した額を0.9で割った分になります。

自宅で1回充電するといくらか

自宅で充電するときは、電池の残りから何%まで入れるかで1回の額が決まります。毎回空から満タンにするとは限らないので、入れた分の電力量で計算します。

  • 電池60kWhの車で、残り20%から80%まで:36kWh×31円で1,116円
  • 電池20kWhの車で、残り10%から90%まで:16kWh×31円で496円

電池の容量(kWh)は、車の仕様の欄に書かれています。上の容量と残りの割合は例です。満タンまで入れるかどうかは車の説明書で確かめ、入れた分だけを式に入れます。

充電器の出力と、1時間あたりの額

家での普通充電は、充電器やコンセントの出力(kW)で1時間に入る量が決まります。100Vのコンセントで1.2kWなら1時間に1.2kWhで37.2円、200Vで3kWなら93円、6kWの充電器なら186円です(出力は例)。

上の36kWhを入れるには、3kWなら約12時間、6kWなら約6時間かかる計算です。出力が大きいほど早く入りますが、1kWhあたりの値段が同じなら、同じ量を入れた額は変わりません。

1か月・1年でいくらか

日本自動車工業会の「2025年度乗用車市場動向調査」では、車の月間の走行距離は平均345kmでした。2025年9月にWEB法で行った調査で、自動車を持つ世帯では直近に買った車の主な運転者が答えています。

電費6.5km/kWhの車で月に345km走るとすると、使う電力量は約53.1kWhです。目安の単価31円では、1か月約1,645円、12か月で約19,745円になります(電費は例)。100km走るごとに約477円、1kmあたり約4.8円の計算です。

電気自動車の充電の電気代を、目安の単価31円で計算した例の図。電費6.5km/kWhの車で月345km走ると約53.1kWhで1か月約1,645円、1年約19,745円。100kmあたり約477円。月600kmなら約2,862円、月150kmなら約715円。電費と距離は例

走る距離が違うとき

額は走った距離に比例します。同じ電費6.5km/kWhで、月600km走るなら約92.3kWhで約2,862円、月150kmなら約23.1kWhで約715円です(距離は例)。

同じ調査では、平日1日の走行距離は平均17km、休日は平均24kmでした。毎日の通勤や送り迎えで走る距離を1週間分足して4倍すると、自分の家の1か月の距離の見当がつきます。

家の電気代の中でどれくらいか

2025年の家計調査では、総世帯の電気代の平均は1か月10,962円でした。345kmの例の約1,645円は、その約15%にあたる大きさです。

自宅で充電すると、この分が家の電気代にそのまま上乗せされて請求されます。冷蔵庫やエアコンのように毎月の明細に混ざって見えにくいので、車に替えた月から明細の使用量(kWh)がどれだけ増えたかを見ておきます。

急速充電の料金のしくみ

高速道路のサービスエリアや道の駅、商業施設などにある急速充電器は、短い時間で多くの電気を入れられます。1回の充電が30分までと決まっている所があり、外出先で足りない分を補うのに使われています。

料金は、充電サービスの事業者が発行するカードやアプリで払います。会員の月会費に加えて、充電した時間に応じた料金がかかるしくみがあり、会員でない人が使う料金は割高に設定されていることがあります。

たとえば1分50円で30分充電すると1,500円です。その30分で20kWh入ったとすると、1kWhあたりにして75円です。自宅で目安の単価31円で充電する額と比べると、約2.4倍になります(料金と入った量は例)。

急速充電を月に何回も使う家は、月会費と1回あたりの料金を合わせて、月にいくらになるかを出します。料金表は事業者や会員の種類ごとに違うので、使う充電器の事業者の案内で確かめます。

ガソリン車と比べると

同じ調査では、自動車を持つ世帯の今の車の平均燃費は14.1km/lでした。ガソリンが1リットル160円とすると(値段は例)、100km走るのに約7.1リットルで約1,135円かかります。

電費6.5km/kWhの電気自動車を自宅で充電する例は100kmで約477円なので、この前提では電気自動車のほうが約658円小さくなります。月345kmでは、ガソリン車の約3,915円に対して約1,645円で、差は約2,270円です。

月345km走るときの燃料と電気の額を比べた例の図。ガソリン車は平均燃費14.1km/l・1リットル160円で1か月約3,915円、1年約46,979円。電気自動車は電費6.5km/kWh・目安の単価31円で自宅充電なら1か月約1,645円、1年約19,745円。値段と電費は例

1年(4,140km)では、ガソリン車が約46,979円、電気自動車が約19,745円で、差は約27,234円です。ただし、ガソリンの値段、家の単価、急速充電を使う割合で差は変わります。

急速充電ばかりで走ると、1kWhあたりの値段が上がる分、差は縮みます。充電設備の工事費や車の値段、税や保険も含めた車全体の費用は、車の維持費は月いくら?の手順で月割りにして比べます。ガソリン代の1か月の平均は、ガソリン代の平均の記事にあります。

時間帯で単価が変わる料金プラン

電力会社の料金プランには、夜の時間帯の1kWhの値段を安くし、昼の値段を高くしたものがあります。電気自動車の充電に向けたプランを用意している電力会社もあります。

月に約53.1kWhを充電する例で、夜の単価が25円なら約1,327円、昼の単価が40円なら約2,123円です(単価は例)。この例では、夜に充電すると同じ量でも月に約796円の差になります。

ただし、夜が安いプランは昼の家の電気が高くなることがあります。在宅の時間が長い家では、車の分だけでなく、家全体の1か月の額で今のプランと比べます。

自宅で充電するための設備と費用

自宅で充電するには、100Vか200Vの充電用コンセントや、壁や駐車場に置く充電器を使います。家のコンセントに工事をしないまま差しても使えないことがあり、専用の回路とブレーカーを工事で用意し、車に付いている専用のケーブルを使うように案内されています。

200Vで3kWの出力なら、充電している間に15Aの電流が流れます。家のほかの家電と重なってブレーカーが落ちないよう、契約のアンペアや分電盤の容量が足りるかを、工事の前に確かめます。

工事の費用は、7万〜10万円前後、10万円ほどとされています。分電盤から駐車場までの距離や工事の内容で変わるので、見積もりで確かめます。マンションや賃貸の駐車場では、管理組合や管理会社の決まりで設置できるかが変わります。

車の電池の電気を家で使う「V2H」という設備もあります。昼の高い時間に車の電気を家で使えば、家全体の電気代を抑えられる場合がありますが、機器の代金と工事費がかかります。

国と自治体の補助

国の補助は、一般社団法人次世代自動車振興センターが受け付けています。車両を買うときのCEV補助金、充電設備やV2H充放電設備の補助金があり、令和7年度補正では戸建て住宅の充電用コンセントの補助金も案内されていました。

補助の額は車の銘柄や設備ごとに決まり、受け付けの期間と予算も年度ごとに変わります。中古車は車両の補助の対象外と案内されています。都道府県や市区町村が独自に補助している場合もあるので、買う前と工事の前に、センターと住んでいる自治体の案内で確かめます。

電気代を抑える使い方

電気自動車の充電の額は、走るのに使った電力量と1kWhの値段の掛け算です。抑えるには、少ない電気で走るか、安い時間帯に入れるか、外の高い充電を減らすかのどれかです。

走り方で電費を良くする

急な加速や急なブレーキを控え、一定の速さで走ると、走るのに使う電気が減ります。タイヤの空気圧を保つことも、電費を落とさない点として挙げられています。

車のエアコンを強く使う夏や冬、渋滞する道では、電費が下がることがあります。電費6.5km/kWhの例が5km/kWhに下がると、345kmで使う電力量は約69kWhになり、目安の単価31円では約2,139円です(電費は例)。

自宅の充電を中心にする

外の急速充電は、1kWhあたりにすると自宅より高くなることがあります。ふだんは家で必要な分だけを入れ、遠出のときに外の充電を使うと、月の額を見込みやすくなります。

夜が安いプランなら、車のタイマーや充電器の予約で、安い時間帯に充電が始まるように設定します。毎回満タンにする必要は無いので、翌日に走る分と余裕の分だけを入れます。

家計簿では、車の費目に分けて付ける

自宅で充電した分は、電力会社の明細では家の電気代と一つになって届きます。そのまま光熱費に入れると、電気自動車に替えた月から光熱費が増えたように見え、ガソリン代が減った分と比べにくくなります。

ステップ1明細から1kWhの値段を出す3分

検針票か電力会社の会員ページに出ている、その月の請求額を、同じ月の使用量(kWh)で割ります。基本料金や再エネ賦課金まで含んだ、自分の家の1kWhの値段になります。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。

ステップ2その月に充電した量を出す3分

車の画面やアプリ、充電器の記録に、月ごとの充電量が出る場合は、その値を使います。記録が無いときは、その月に走った距離を電費で割って出します。

ステップ3電気代から車の費目へ移す2分

ステップ2の量にステップ1の値段を掛けた額を、電気代の行から差し引き、車の費目(燃料代など)に書きます。たとえば明細の単価が36円の家で、月に約53.1kWh充電したなら、約1,911円を移します(単価は例)。

外の急速充電の料金は、カードやアプリの請求で届くので、そのまま車の費目に入れます。毎月同じ形で分けておくと、ガソリン車のころの燃料代と、同じ費目の中で比べられます。

よくある質問

Q電気自動車の充電の電気代は、1か月いくらですか

走る距離と電費、家の単価で変わります。電費6.5km/kWhの車で月345km(日本自動車工業会の2025年度の調査の平均)走る例では、目安の単価31円で約1,645円です(電費は例)。

Q1回の充電はいくらですか

入れた電力量で決まります。電池60kWhの車で残り20%から80%まで入れると36kWhで1,116円、電池20kWhの車で10%から90%までなら16kWhで496円です(容量と割合は例・単価31円)。

Q急速充電は自宅の充電より高いですか

1kWhあたりにすると高くなることがあります。1分50円で30分充電し20kWh入った例では、1kWhあたりにして75円です。自宅で目安の単価31円で充電する額の約2.4倍で、月会費がかかるサービスもあるので、事業者の料金表で確かめます。

Qガソリン車より安くなりますか

自宅で充電する例では、月345kmで電気自動車が約1,645円、平均燃費14.1km/lのガソリン車が1リットル160円で約3,915円でした(値段と電費は例)。急速充電の割合が上がると差は縮みます。

Q自宅に充電設備を付けるといくらかかりますか

工事の費用は、7万〜10万円前後、10万円ほどとされています。家の配線や駐車場までの距離で変わるので見積もりで確かめ、国の補助は次世代自動車振興センターと自治体の案内を見ます。

まとめ

  • 充電の額は、充電した電力量×1kWhの値段か、走った距離÷電費×1kWhの値段で出せる
  • 式に入れる目安の単価は31円(全国家庭電気製品公正取引協議会が令和4年7月22日に改定)
  • 電費6.5km/kWhで月345km(日本自動車工業会の2025年度の調査の平均)走る例は、1か月約1,645円、1年約19,745円
  • 急速充電は月会費と時間に応じた料金のしくみがあり、1kWhあたりにすると自宅より高くなることがある
  • 平均燃費14.1km/lのガソリン車(1リットル160円の例)と比べると、月345kmで約2,270円の差
  • 補助は車の銘柄・設備・年度で変わるので、次世代自動車振興センターと自治体の案内で確かめる
  • 家計簿では、充電した分を電気代から車の費目へ移すと、ガソリン代と比べられる

電費と走る距離、明細の単価が分かれば、電気自動車の1か月の充電の電気代を出せます。電気代から車の費目に分けておけば、ガソリン車のころと比べられます。

この記事で参照した公的情報

  1. よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/qa/
  2. 2025年度乗用車市場動向調査(2026年3月・調査時期2025年9月・WEB法・月間走行距離の平均345km・A車の平均燃費14.1km/l)
    窓口
    一般社団法人 日本自動車工業会
    確認日
    確認先
    https://www.jama.or.jp/release/news_release/2026/3582/
  3. 家計調査 家計収支編 2025年(総世帯の電気代・1か月平均10,962円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409805
  4. CEV補助金(車両)・充電設備補助金・V2H充放電設備・戸建て住宅充電用コンセント補助金の案内(令和7年度補正)
    窓口
    一般社団法人 次世代自動車振興センター
    確認日
    確認先
    https://www.cev-pc.or.jp/hojo/cev/

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。