犬のワクチンの費用は年間いくら?|狂犬病は注射料と注射済票、混合ワクチンは種類と回数で変わる、子犬の最初の年の額

支出の見直し ・

犬のワクチンの費用は、日本獣医師会の調査(令和3年)の動物病院の料金の中央値で、狂犬病の予防注射が1回4,000円、混合ワクチンが5種・6種で1回6,250円、8種〜10種で8,750円です。狂犬病の注射を受けたら、市区町村の注射済票の手数料も払います。

狂犬病の予防注射は法律で毎年1回と決まっていて、混合ワクチンは義務ではありません。成犬が両方を年1回ずつ受けると、この中央値と横浜市の手数料の例で、1年に10,800円から13,300円になります。

子犬を迎えた最初の年は、登録の手数料と、混合ワクチンを何回か受ける分が上乗せされます。混合ワクチンを3回受けた例では、最初の年は26,300円です。

狂犬病の注射のほかに混合ワクチンも勧められました。1年でいくらになるのか、毎年受けるものなのかが分かりません。

1年にかかる額の早見

受け方ごとの1年の額を、日本獣医師会の調査の中央値と横浜市の手数料で並べた例です。注射の料金は動物病院ごとに、手数料は市区町村ごとに違うので、自分の額に置き換えて使います。

受け方 1年の額の例 内訳
狂犬病だけ(集合注射) 3,650円 横浜市の会場の額
狂犬病だけ(動物病院) 4,550円 注射4,000円+済票550円
狂犬病+混合5種・6種 10,800円 4,550円+6,250円
狂犬病+混合8種〜10種 13,300円 4,550円+8,750円
子犬の最初の年 26,300円 登録・狂犬病+混合3回

子犬の行は、登録の手数料3,000円、狂犬病の注射4,000円と注射済票550円に、5種・6種の混合ワクチン6,250円を3回足した額です。8種〜10種を3回受けると、最初の年は33,800円になります。

混合ワクチンを毎年でなく3年に1回受ける場合は、5種・6種の1年あたりの額は約2,083円です。表の額は、動物病院で聞いた額と比べる目安にします。

狂犬病の予防注射は、法律で毎年1回

狂犬病予防法で、犬の飼い主は、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならないと決められています。注射を受けた犬には市区町村から注射済票が交付され、犬に着けておくことも決まりです。

厚生労働省の案内では、生後91日以上の犬には早く予防注射を受けさせ、その後は1年に1回受けさせるよう求めています。受ける場所は、市区町村の集合注射の会場か動物病院です。

登録や予防注射をしていない飼い主は、20万円以下の罰金の対象になると、厚生労働省のQ&Aにあります。犬の登録は、犬を取得した日から30日以内(生後90日以内の犬は、90日を経過した日から30日以内)に、市区町村に申請します。

注射の料金と、注射済票の手数料

日本獣医師会の調査(令和3年)では、動物病院の狂犬病予防接種の料金の中央値は4,000円でした。答えた病院の59.0%が3,000〜5,000円未満、37.0%が2,000〜3,000円未満です。

これとは別に、注射済票の交付を受ける手数料がかかります。手数料は市区町村が決めていて、横浜市の案内では550円、なくしたときの再交付は340円です。

横浜市の令和8年度の集合注射の会場では、注射料金3,100円と注射済票の手数料550円の、合わせて3,650円でした。集合注射を受けるか動物病院で受けるかは、飼い主が選べます。集合注射を行っていない自治体もあると、厚生労働省のQ&Aにあります。

動物病院で受けたときの注射済票

動物病院で注射を受けると、獣医師から注射済証が渡されます。注射済証を市区町村に見せて、注射済票の交付を受ける流れです。

横浜市の案内では、市の委託を受けた動物病院なら、注射と注射済票の交付を同じ日に済ませられます。同じ日に済ませられる病院かどうかは、住んでいる市区町村の案内で確かめます。

注射の時期は、2027年3月2日から決まりがなくなる

いまの省令では、生後91日以上の犬は、4月1日から6月30日までの間に1回受けさせる決まりです。3月2日以降にすでに注射を受けた犬は、この期間に受け直さなくてかまいません(その年の3月2日以降に迎えた、まだ受けていない犬は、下の迎えたときの決まりによります)。

令和9年(2027年)3月2日に施行される改正後の省令では、この時期の定めがなくなり、1年を通じて受けられるようになります。毎年1回受けさせる決まりは、法律に残ったままです。

厚生労働省の通知は都道府県などに、注射の間があかないよう、少なくとも毎年同じ時期に1回受けさせることを、飼い主に引き続き呼びかけるよう求めています。集合注射をやめる意図ではないとも書かれています。

年の途中で犬を迎えたとき

生後91日以上で、3月2日(1月1日〜5月31日に迎えたときは前の年の3月2日)以降に注射を受けていない犬や、受けたか分からない犬を迎えた人は、迎えた日から30日以内に注射を受けさせます。2027年3月2日からは、迎えた日からさかのぼって1年以内に受けていない犬が対象になります。

迎えた年は、注射の費用に加えて、登録の手数料も払います。横浜市の案内では、登録の手数料は3,000円です。

混合ワクチンは義務ではなく、種類で額が変わる

混合ワクチンは、いくつかの病気のワクチンを1回にまとめて打つもので、法律で決まったものではありません。組み合わせは2種から11種まであります。

ワクチンは、受けるよう強く勧められるコアワクチンと、暮らす場所や環境で感染の危険が高い犬に向けたノンコアワクチンに分けて説明されます。コアワクチンは、ジステンパー、パルボウイルス、伝染性肝炎などを防ぐものです。

コアワクチンは、日本では一般的に5種以上の混合ワクチンに含まれていると説明されます。ノンコアワクチンには、コロナウイルスやパラインフルエンザなどがあり、多頭飼いなどで勧められることがあります。

混合ワクチンの料金

混合ワクチンの料金は、日本獣医師会の調査(令和3年)の中央値で、5種・6種が6,250円、8種・9種・10種が8,750円でした。5種・6種は72.4%の病院が5,000〜7,500円未満、8種〜10種は51.7%が7,500〜10,000円未満と答えています。

種類が多いほど料金は上がりますが、多く受ければよいというものではありません。散歩の範囲やドッグラン・ペットホテルを使うかなどを伝えて、動物病院で種類を決めます。

毎年か、3年に1回か

コアワクチンは効き目が長く続くとして、3年に1回の接種を勧める考え方があります。ノンコアワクチンのほうは、毎年1回受けるよう勧められています。

ドッグランやペットホテル、トリミングの店などでは、混合ワクチンの接種証明書を求められることがあり、施設によっては1年以内の証明書が要ります。使う施設の決まりを先に確かめてから、受ける間隔を動物病院と相談します。

PLAN-B が2021年5月に犬の現・元飼い主476人に聞いたインターネット調査では、毎年ワクチンを受けさせている(いた)人は80.9%でした。受けたワクチンで最も多い答えは「狂犬病ワクチンだけ」の37.8%です。

子犬の最初の年に受けるワクチン

子犬は、母犬の初乳から受けた免疫が薄れてくる生後2か月が、1回目の混合ワクチンの目安とされます。そのあと3〜4週間あけて2回目、さらに3〜4週間以上あけて3回目を受けることが勧められています。

狂犬病の予防注射は、生後91日以上になったら受けさせます。混合ワクチンと狂犬病の注射を同時に受けることは避けるとされるので、回数と日程は動物病院と相談して決めます。迎える前にワクチンを受けていることもあるので、接種の証明書があれば動物病院に見せて、残りの日程を相談します。

子犬を迎える年には、ワクチンのほかに、犬の代金や用品、マイクロチップの変更登録なども重なります。迎える年全体の額は犬を飼う費用は一生でいくら?にまとめています。

受ける前と当日に確かめること

ワクチンは、体調のよいときに受けさせます。当日に元気や食欲がなければ、日を改めます。持病のある犬や、以前に注射のあとで具合が悪くなった犬は、前もって獣医師に伝えて受けるかを決めます。

注射のあとは、少しぐったりすることがあり、その日は長い散歩や激しい運動を避けます。具合が変わったときに病院へ連絡できるよう、診療時間内の午前に受ける方法もあります。

厚生労働省のQ&Aでは、狂犬病の予防注射で、平成27年度に獣医師から報告された副作用は18件でした。同じ年度に注射を受けた犬は4,688,240頭です。

家計簿での取り分け方

ワクチンの費用は、毎月ではなく年に1回か数回出ていくお金です。払う月にだけ支出が大きく見えないよう、1年分を先に書き出して、12で割った額を毎月取り分けます。

成犬のワクチンの1年の支払いを、払う月ごとに並べた例の図。4月に狂犬病の予防注射4,000円と注射済票550円、9月に混合ワクチン(5種・6種)6,250円で、1年の合計は10,800円。12で割ると月900円。金額は例

図は、4月に狂犬病の注射、9月に混合ワクチンを受ける成犬の例です。1年の合計10,800円を12で割ると、毎月900円を取り分けておけば足ります。

混合ワクチンの月は、前の年に受けた月に合わせて書きます。家計簿の項目は「ペット」の中に「予防」の行を作るか、年1回の分の行にまとめると、病院代と分けて見られます。項目の作り方は家計簿のペットの項目にあります。

払ったら、次に受ける月と受けた種類を家計簿の欄に一言書いておくと、翌年の予定を立てるときに見返せます。注射済証やワクチンの証明書は、領収書と一緒にしておきます。

よくある質問

Q猫にも、狂犬病の予防注射は要りますか

狂犬病予防法で、登録と予防注射の決まりがあるのは犬です。猫には、この法律のうち一部の条文しか当てはまらず、登録と予防注射の条文は含まれていません。猫のワクチンの料金は猫を飼う費用にあります。

Q3月に狂犬病の注射を受けると、注射済票はどうなりますか

いまの省令では、3月2日から31日までに受けた注射には、次の年度の注射済票が交付されます。2027年3月2日からは注射した年度の注射済票になり、2027年3月中に受けた注射には令和8年度の注射済票が交付されると、厚生労働省の通知にあります。

Q注射済票をなくしたら、どうすればよいですか

注射済証を見せて、市区町村に再交付を申請します。再交付の手数料は市区町村が決めていて、横浜市の案内では340円です。

まとめ

  • 狂犬病の予防注射は法律で毎年1回。動物病院の料金の中央値は4,000円で、注射済票の手数料(横浜市は550円)もかかる
  • 混合ワクチンは義務ではなく、中央値は5種・6種で6,250円、8種〜10種で8,750円
  • 両方を年1回ずつ受ける成犬の例は、横浜市の手数料で出すと1年に10,800円から13,300円
  • 子犬の最初の年は、登録と混合ワクチンの回数が加わり、5種・6種を3回受けた例(横浜市の手数料)で26,300円
  • ワクチンの費用は1年分を払う月ごとに書き出し、12で割った額を毎月取り分ける

狂犬病と混合ワクチンを分けて見れば、自分の犬の1年の額が出せます。払う月を決めておけば、毎月取り分ける額も決まります。

この記事で参照した公的情報

  1. 狂犬病予防法 第2条(適用範囲=犬。猫は第7条から第9条まで・第11条・第12条・第14条などに限って適用)・第4条(登録=犬を取得した日から30日以内・鑑札)・第5条(予防注射を毎年1回・注射済票の交付と装着)・第27条(20万円以下の罰金)(2016年4月1日施行の版・e-Gov の版一覧で未施行の版なし)
    窓口
    e-Gov法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000247
  2. 狂犬病予防法施行規則 第11条(いまの版=生後91日以上の犬は4月1日から6月30日までの間に1回・3月2日以降に受けていない犬を所有するに至ったときは30日以内、令和9年3月2日施行の版=時期の定めなし・所有するに至った日から遡り1年以内に受けていない犬は30日以内)・第12条(獣医師の注射済証・市町村長の注射済票・いまの版の第5項=3月2日から31日までの注射は翌年度の注射済票)・第13条(注射済票の再交付)
    窓口
    e-Gov法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50000100052
  3. 狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令の公布について(令和8年4月1日 感発0401第1号=4月1日から6月30日までの規定の廃止・注射済票の年度を注射した時期とそろえる・少なくとも毎年同時期に1回・強化期間の目安は4月1日から6月30日・令和9年3月2日施行)
    窓口
    厚生労働省
    確認日
    確認先
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/dl/260421-01.pdf
  4. 犬の鑑札、注射済票について(生後91日以上の犬には早く予防注射を受けさせ、その後は1年に1回・市区町村が行う集合注射か動物病院で接種)
    窓口
    厚生労働省
    確認日
    確認先
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rabies_vaccination-tag.html
  5. 狂犬病に関するQ&A(Q20 91日齢以上の犬の登録と予防注射・Q24 20万円以下の罰金・Q28 平成27年度の副作用の報告18件と予防注射頭数4,688,240頭・Q30 集合注射か個別注射かは所有者が選べる・集合注射を行っていない自治体もある)
    窓口
    厚生労働省
    確認日
    確認先
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rabies_qa.html
  6. 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年8月2日〜10月25日・小動物診療施設の開設者・回答1,096件・令和5年9月公表)の中央値=狂犬病予防接種4,000円(2,000〜3,000円未満37.0%・3,000〜5,000円未満59.0%)・犬混合ワクチン5種・6種6,250円(5,000〜7,500円未満72.4%)・8種・9種・10種8,750円(7,500〜10,000円未満51.7%)
    窓口
    公益社団法人日本獣医師会
    確認日
    確認先
    https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
  7. 令和8年度 狂犬病予防注射集合注射会場について(注射料金3,100円・注射済票交付手数料550円・計3,650円・持病や以前の反応がある犬は事前にかかりつけの獣医師と相談)
    窓口
    横浜市 動物愛護センター
    確認日
    確認先
    https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/pet-dobutsu/aigo/kainushi/inutourokukaijou.html
  8. 犬の登録と狂犬病予防注射の手続き(登録申請手数料3,000円・注射済票交付手数料550円・済票再交付手数料340円・注射料金は動物病院ごとに異なる・委託の動物病院では注射と注射済票の交付を同時にできる)
    窓口
    横浜市 動物愛護センター
    確認日
    確認先
    https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/pet-dobutsu/aigo/kainushi/kyokenbyo.html
  9. 狂犬病予防法施行規則が改正されました(令和9年3月2日施行予定)(令和9年3月中に受けた注射は令和8年度の注射済票)
    窓口
    横浜市 動物愛護センター
    確認日
    確認先
    https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/pet-dobutsu/aigo/kainushi/inukisokukaisei.html
  10. 「動物病院」に関するアンケート(インターネット調査・全国の10代〜60代の犬の現・元飼い主476人・2021年5月12日〜13日=毎年接種している・いた80.9%、接種したワクチンで最も多い答えは「狂犬病ワクチンだけ」37.8%)
    窓口
    株式会社PLAN-B(民間の調査)
    確認日
    確認先
    https://dime.jp/genre/1144960/

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。