家計簿のペットの項目はどう作る?|毎月の分・年1回の分・急な病院代を分けて、国の平均と比べる

家計簿にペットのお金を書こうとすると、どの項目に入れるかで手が止まることがあります。フードは食費か日用品か、動物病院代は医療費か、ペット保険は保険料か。置き場が月によって変わると、ペットに1年でいくら使ったのかが見えなくなります。
国の家計調査には、ペットのお金の置き場がはっきり決まっています。この記事では、その分け方を物差しにして、家計簿の項目の作り方と、毎月の分・年1回の分・急な病院代の書き分け方、2025年の国の平均を順に書きます。
ペットのフードや病院代を、どの項目に入れればよいか迷います。月によって置き場が変わってしまいそうで心配です。
ペットのお金は、家計調査では「教養娯楽」に入る
総務省の家計調査は、支出を食料や住居、保健医療など10の大きな費目に分けています。ペットにかかるお金は、そのうち「教養娯楽」の中の「教養娯楽用品」に入ります。フードは食料ではなく、動物病院代も保健医療ではありません。
ペットの品目は4つに分かれています。分類表の例を合わせて書くと、次のとおりです。
- ペットフード:ペットのえさ代
- ペット・他のペット用品:犬や猫などのペットそのもの、水槽、犬小屋、鳥かご、ペット用の服・化粧品・おもちゃ・消臭剤
- 動物病院代:診察代、手術代、処置料、入院料、病院での預かり代。往診代や、病院で出される薬の代金も含む
- 他のペット関連サービス:ペットの美容院代、預かり代、登録料、埋葬料、ペット保険料

図のように、4つとも同じ「教養娯楽」の中にあります。ペット保険の保険料も、生命保険などの保険料とは別の所に置かれています。
例外は、ペットを運んでもらう運送料です。家計調査では、引っ越し代や宅配便と同じ「通信」の中の運送料に入ります。
家計簿の置き場は、家計調査と同じでなくて構いません。ただ、国の平均と比べるときは、この4つの品目を足した額と比べると、範囲がそろいます。
家計簿の項目の作り方は3つ
家計簿でペットのお金をどこに置くかは、家ごとに決めて構いません。大事なのは、決めた置き場を毎月同じに使うことです。作り方には、たとえば次の3つがあります。
1. 「ペット」の項目を1つ作る
フード、用品、病院代、トリミング、保険料まで、ペットのためのお金を全部1つの項目に入れる形です。1年でペットにいくら使ったかが、1つの数字で見えます。家計調査の4つの品目を足した額とも、そのまま比べられます。
2. 「ペット」の中に内訳を作る
「ペット」の項目の中に、フード・用品・病院・サービス・保険のような内訳を作る形です。合計が増えた月に、フードの値上がりなのか、病院代なのかが分かります。2匹以上いる家なら、名前ごとに分けておくと、1匹ずつの額も見えます。
3. ほかの項目に分けて入れる
ペットの項目は作らず、フードや用品は日用品か楽しみ、病院代は医療、保険料は保険に入れる形です。項目の数は増えませんが、ペットに使った合計は、あとで拾い集めないと分かりません。
ペットにかかるお金が多い家は、1か2のほうが見やすくなります。項目の決め方の記事では、ペット用品を「楽しみ」に置く例を書いています。3にする場合も、そちらの置き場と合わせて決めてください。
毎月の分・年1回の分・急な分を分ける
ペットのお金は、出ていき方で、毎月の分・年1回の分・急な分に分かれます。同じ「ペット」の項目でも、これらを分けて見ると、月ごとの額がぶれた理由が分かります。
- 毎月の分:フード、ペットシーツや猫砂、おやつ、月払いの保険料、トリミング
- 年1回の分:犬の狂犬病の予防注射、混合ワクチン、健康診断、年払いの保険料
- 急な分:体調を崩したときの通院、検査、手術、入院
年1回の分は、払う月が来るまで家計簿に出てきません。その月だけ支出が大きく見えるので、先に1年の予定として書き出しておきます。急な分はいつ来るか分からないので、月ごとの表とは別に、予備として取り分けておきます。
犬の登録と狂犬病の予防注射
犬の飼い主には、法律で3つのことが決められています。市区町村に犬を登録すること、年1回の狂犬病の予防注射を受けさせること、鑑札と注射済票を犬に付けることです。登録は、91日齢以上の犬を持ってから30日以内に行い、1頭につき基本的に生涯1回です。
子犬を迎えたときに、いつまでに何をすればよいかは、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。登録の手続きも、市区町村の窓口で行います。
予防注射は、令和9年3月1日までは、4月1日から6月30日までに受けさせる決まりです。厚生労働省の通知では、令和9年3月2日からこの時期の決まりがなくなり、1年のどの時期でも受けられるようになります。
通知は、変わった後も毎年同じ時期に1回受けさせるよう、呼びかけを続けることも求めています。家計簿では、毎年同じ月の予定として書いておくと、払う月を忘れません。
登録と注射済票の手数料は、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。家計調査では、ペットの登録料は「他のペット関連サービス」に入ります。狂犬病以外のワクチンは任意なので、受けるかどうかや時期は、かかりつけの動物病院と相談して決めます。
ペットのお金を家計簿につける手順
用意するのは、カードや口座の明細と、動物病院やトリミングの領収書です。紙でも表計算でも、どの家計簿でも同じ手順で進められます。
ステップ1項目の作り方を決め、家計簿の最初に書く3分
3つの作り方から1つを選びます。「ペットシーツは日用品ではなくペット」「ペット保険はペット」のように、迷いそうなものの置き場を1行ずつ書いておくと、あとで見返して決められます。
ステップ2去年1年の明細から、ペットの支払いを拾う15分
カードと口座の明細を12か月分さかのぼり、動物病院、トリミング、ペット保険、通販のフードなどの支払いに印を付けます。年払いの保険料や予防注射は、1年分を見ないと出てきません。拾い方は、特別費を明細から拾う手順と同じです。
ステップ3年1回の分を月ごとの表に書き、12で割る10分
印を付けたもののうち、年に1回のものを、払う月ごとに表に書きます。合計を12で割ると、毎月取り分けておく額が出ます。

図は、犬を1匹飼っている家の例です。1年の合計は48,000円で、12で割ると月あたり4,000円です。この額を毎月取り分けておけば、保険の年払いがある11月も慌てずに済みます。
金額はどれも例なので、自分の明細の額に置き換えてください。健康診断を受けていない年や、保険に入っていない家は、その行を外します。
年1回の分と毎月の分を足した1年の合計が出れば、長い目で見た額も見えます。ペットと暮らす年数を思い浮かべて1年の合計に掛けると、この先に備える額を考える材料の1つになります。年を取ると病院代が増えることもあるので、毎年作り直して額を直します。
ステップ4買った日に、ペットの分を分けて書く1分
フードやペットシーツを、ふだんの食料品や日用品と一緒に買うと、レシートの中でまぎれます。買った日に、ペットの分だけを抜き出して書きます。電子マネーで払ったときや通販で買ったときも、使った日にペットの項目で書きます。
動物病院代やトリミング代には、何の診察だったか、何回目かを一言メモしておきます。年末に1年を見返すとき、通院の回数やトリミングの時期を、あとで数え直せます。
ステップ5月1回の見直しで、3つを分けて見る5分
月1回の見直しでは、ペットの合計だけでなく、毎月の分・年1回の分・急な分を分けて見ます。毎月の分が少しずつ増えているなら、フードや用品の値上がりか、量の変化です。急な分が続いた月は、予備の残りを確かめます。
通院などの急な出費の置き方
ペットの治療には、人の健康保険のような公的な制度がありません。ペット保険に入っていなければ、動物病院代は原則として全額が家計から出ていきます。いつ・いくらかかるかが前もって分からないので、月ごとの表には入れられません。
そこで、年1回の表とは別に、自分で額を決めた「予備」の行を作っておきます。使わなかった年は、翌年に持ち越します。考え方は、特別費の記事のいつ来るか分からないものと同じです。
払った月の書き方
急な病院代は、払った日に動物病院代として書きます。予備から出したものは、特別費と同じくふだんの生活費とは別の欄に書くと、その月だけ赤字に見えることがありません。
保険から戻ったお金
ペット保険から保険金が戻ったら、戻った日に収入の側に「保険から戻った分」と書きます。病院代は払った額のまま残しておくと、1年の病院代と、保険で戻った額の両方が見えます。人の医療費の払い戻しの書き方と同じです。
保険の分を差し引いた額だけを動物病院で払ったときは、払った額だけを書きます。どちらの形でも、1年の終わりに病院代の合計を出すと、次の年の予備の額を決める材料になります。
国の平均は、年いくらか
家計調査の2025年の結果では、二人以上の世帯のペットの4つの品目は、1世帯当たり1年で合わせて32,164円でした。12で割ると、月あたり約2,680円です。

いちばん額が大きいのはペットフードの11,170円で、動物病院代の10,042円が続きます。ペット保険料やトリミング代が入る「他のペット関連サービス」は4,721円です。
飼っていない世帯も含めた平均
この額は、ペットを飼っていない世帯も含めて、調べた世帯全体で割った平均です。家計調査の品目別の表は、家賃のように払う世帯が限られるものも含めて、総世帯数で割って出しています。飼っている家だけの平均は、この表からは出せません。
自分の家計簿の額がこれより多くても、使いすぎとは限りません。比べるなら、国の平均より、自分の家計簿の去年の同じ時期の額のほうが、変化が分かります。
一人暮らしの平均
一人暮らし(単身世帯)の2025年は、4つの品目を合わせて1年19,278円でした。ペットフード7,487円、ペット・他のペット用品3,423円、動物病院代6,296円、他のペット関連サービス2,072円です。
10年前との比べ
二人以上の世帯の4つの品目の合計は、2015年の19,678円から、2025年の32,164円へ、約1.6倍になりました。品目ごとの2015年から2025年への変化は、次のとおりです。
- ペットフード:6,938円から11,170円(約1.6倍)
- ペット・他のペット用品:3,809円から6,231円(約1.6倍)
- 動物病院代:6,322円から10,042円(約1.6倍)
- 他のペット関連サービス:2,609円から4,721円(約1.8倍)
家計調査は2018年1月から調査に使う家計簿を改めていて、2018年をまたいで比べるときは、その影響による変動も含みます。10年の差のすべてが、使い方の変化とは限りません。
迷いやすい場面
ペット保険の保険料
家計調査では、ペット保険の保険料は「他のペット関連サービス」に入り、生命保険などの保険料とは別です。家計簿では、ペットの項目に入れても、保険の項目にまとめても構いません。ほかの保険とまとめるときの考え方は、保険料の記事に書いています。
年払いにしているなら、払う月を年1回の表に入れます。月払いなら、毎月の分として書きます。
トリミングやペットホテル
トリミング(ペットの美容院代)や、旅行のときのペットホテルなどの預かり代は、家計調査では「他のペット関連サービス」です。動物病院に預けたときの代金だけは「動物病院代」に入ります。家計簿では、どちらもペットの項目に入れておけば、合計が合います。
ペットシーツや猫砂を、日用品と一緒に買った
ペットシーツや猫砂は、トイレットペーパーや洗剤と同じ店で買うことがあります。レシートの中からペットの分だけを抜き出してペットの項目に書くと、日用品の額がペットの分でふくらみません。日用品の範囲の決め方は、日用品の記事にまとめています。
ペットのための電気代
暑さや寒さに合わせて、ペットのためにエアコンをつけておく家もあります。電気代はペットの分だけを分けられないので、家計簿では光熱費のまま書きます。ペットを迎えた月をメモしておくと、その前と後で電気代を比べられます。
ペット可の住まいでかかる費用
ペット可の賃貸では、家賃とは別にペットの分の費用がかかることがあります。家賃と一緒に引き落とされるなら住居費のまま書き、ペットの合計を見たいときだけ、その額をペットの項目に分けます。どちらにするかを決め、毎月そろえます。
ペットを迎えたときの費用
犬や猫を迎えたときの代金は、家計調査では「ペット・他のペット用品」に入ります。犬小屋や水槽のように、はじめにそろえる用品も同じ品目です。毎年ある出費ではないので、ふだんのペットの額とは分けて特別費として書くと、月ごとの比べ方がぶれません。
ペットが亡くなったとき
ペットの埋葬料は、家計調査では「他のペット関連サービス」に入ります。家計簿では、ペットの項目か特別費のどちらかに書き、1年の合計を出すときに拾えるようにします。
よくある質問
Qペットのお金は、固定費ですか、変動費ですか
フードや病院代のように月によって額が変わるものは、変動費として扱うと分かりやすくなります。毎月同じ額で引き落とされる保険料は、固定費の一覧に入れておくと、照らし合わせるだけで済みます。
Q動物病院代は、家計簿の医療費に入れてもよいですか
入れても構いませんが、人の医療費とは分けておくほうが、あとで困りません。医療費控除の対象は、国税庁の説明では「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」です。
控除の明細を作るときに動物病院代が混ざらないよう、ペットの項目か、医療の中の別の内訳にしておきます。控除の対象になるかどうかは、医療費控除の対象の節を見たうえで、税務署で確かめてください。
Qペットのお金は、月いくらくらいかかるものですか
家計調査の平均は、飼っていない世帯も含めた額なので、飼っている家の目安にはなりにくい数字です。ペットの種類や大きさ、年齢、病院にかかる回数で額は変わります。自分の家計簿の1年の合計を12で割った額を、自分の家の目安にしてください。
Qペット保険に入るかどうかは、家計簿で決められますか
この記事では、入るかどうかを勧めることはしません。家計簿で見られるのは、去年1年の病院代と、予備に取り分けてきた額です。その2つと保険料の額を並べると、自分で比べる材料になります。
Q2匹以上飼っています。分けて書いたほうがよいですか
合計だけ見られればよいなら、1つの項目のままで構いません。病院代が片方に偏っているときや、フードが別々のときは、名前ごとの内訳を作ると、1匹ずつの額が見えます。
Q家族でペットのお金を分けて払っています
誰が払っても、家のペットのお金として1つの項目にまとめます。誰の口座やカードから出たかをメモしておくと、あとで合計を出すときに拾えます。夫婦で分けて払うときの書き方は、夫婦で家計簿を共有する記事にまとめています。
まとめ
- 家計調査では、ペットフード・ペット用品・動物病院代・ペット保険料などは、どれも「教養娯楽」に入る
- 家計簿では「ペット」の項目を1つ作るか、内訳を作るか、ほかの項目に分けるかを決め、毎月そろえる
- 毎月の分・年1回の分・急な分を分けて見る
- 年1回の分は月ごとの表に書いて12で割り、急な分は予備の行で取り分ける
- 2025年の家計調査では、二人以上の世帯のペットの4品目は年32,164円(飼っていない世帯も含めた平均)
置き場が決まっていれば、フードも病院代も迷わずに書けます。年1回の分が見えていれば、保険の年払いの月も慌てずに済みます。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(ペットフード・ペット・他のペット用品・動物病院代・他のペット関連サービス・運送料)
- 家計調査 用語の解説(用途分類と品目分類)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 詳細結果表(品目分類 第6-1表 1世帯当たり年間の品目別支出金額・品目分類の統計表を見る上での注意)
- 家計調査 家計収支編 2025年 単身世帯 詳細結果表(品目分類 第3表 1世帯当たり年間の品目別支出金額)
- 狂犬病(犬の登録と狂犬病予防注射は飼い主の義務)
- 狂犬病に関するQ&A(Q20 犬を飼うにあたって、何をしなければいけませんか)
- 犬の鑑札、注射済票について(登録は1頭の犬につき基本的に生涯1回)
- 狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令の公布について(予防注射の時期の規定の廃止・令和9年3月2日施行)
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)