犬を飼う費用は一生でいくら?|生涯約278万円(2025年の調査)と、年齢・大きさ別の額、最初の年にかかるお金

犬を飼う費用の一生分は、業界団体の調査で目安を出せます。ペットフード協会の令和7年(2025年)の調査では、犬の生涯必要経費は2,784,190円で、平均寿命の14.82歳までの額です。
ただ、この額は飼っている人の平均で、病院にかかる回数や体の大きさで変わります。この記事では、一生分の内訳を年齢・大きさ別に並べ、迎えるときに一度だけかかるお金、毎年決まってかかるお金、家計簿で備える手順を順に書きます。
犬を迎えたいのですが、一生でいくらかかるのか見当がつきません。毎月の額と、急な病院代の両方が心配です。
犬の一生の費用は、約278万円(2025年の調査)
ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査は、全国の20〜79歳にインターネットで聞いた調査です。2025年は10月10日〜14日に行われ、犬の年齢ごとの平均の支出を、平均寿命まで足し上げて生涯必要経費を出しています。
2025年の結果は、次のとおりです。
- 犬全体:平均寿命14.82歳、生涯必要経費2,784,190円
- 超小型犬:15.28歳、3,002,239円
- 小型犬:14.59歳、2,582,402円
- 中型・大型犬:13.63歳、2,775,565円

額が最も大きいのは超小型犬で、平均寿命も15.28歳と長くなっています。中型・大型犬は平均寿命が13.63歳と短い分、1年あたりの額は小型犬より大きくなります。
同じ調査の犬全体の生涯必要経費は、2023年が2,446,068円、2024年が2,711,875円でした。年ごとの平均寿命と支出で計算し直しているので、調べた年によって額は動きます。
1か月の平均は約1万6,000円
1頭だけ飼っている人の支出(2025年)は、1か月平均16,030円、1年で192,356円でした。年齢で分けると、子犬の時期と13歳以上で額が上がります。
- 0歳(幼年期):1か月19,110円、1年229,323円
- 1〜6歳(成年期):1か月16,469円、1年197,629円
- 7歳以上(高齢期):1か月15,566円、1年186,798円
- 13歳以上:1か月17,461円、1年209,529円
この額は、医療・サービス・商品のどれかを使ったか、買う物を選んでいる人に聞いた平均です。0歳は回答が45人と少ないので、目安の1つとして見ます。
何にいくら使っているか
同じ調査で、項目ごとに使った人だけの1年の額を見ると、獣医にかかる医療費が60,423円、トリミングなどのケアが56,121円でした。市販の主食用のドッグフードは49,717円、犬の保険は40,299円です。
医療費は年齢で差が大きく、1〜6歳は43,382円、13歳以上は108,823円でした。年を取るほど病院代の比重が上がるので、一生分を考えるときは後半の年を厚めに見積もります。体重ごとのフードの量と1か月の額は、ドッグフードの1か月の費用で出せます。
別の調査では、1年約41万円
アニコム損害保険が自社のペット保険の契約者に聞いた調査では、2025年1月〜12月に犬1頭へ使った額は413,416円でした。インターネットで聞き、有効回答は5,494件、犬は3,974頭で平均5.6歳です。

内訳の上位は、ケガや病気の治療費89,120円、フード・おやつ80,029円、シャンプー・カット・トリミング料50,575円です。ペット保険料の44,879円のほか、飼うために増えた光熱費22,273円や交通費24,895円も数えています。
ペットフード協会の調査より額が大きいのは、聞いた相手と数えた項目が違うためです。保険に入っている飼い主の額で、光熱費や交通費まで入れているので、2つの調査の額をそのまま比べることはできません。
国の家計調査の額は、飼っていない家も含む
総務省の家計調査(2025年)では、二人以上の世帯のペットの4つの品目は、1年で合わせて32,164円でした。ペットを飼っていない世帯も含めて割った平均なので、犬を飼う家の目安にはなりません。品目の分け方は、家計簿のペットの項目の記事にまとめています。
迎えるときに、一度だけかかるお金
犬を迎える年は、毎月の分とは別に、一度だけのお金が重なります。代金、登録、用品、不妊・去勢の手術などです。猫を迎えるときの費用は、猫を飼う費用はいくら?にまとめています。
犬を迎える代金
ペットフード協会の調査(2025年)では、犬を手に入れたときの代金は、お金を払った人の平均で19.0万円でした。1年以内に飼い始めた人に限ると21.6万円です。
同じ調査で、お金を払わずに迎えた人は16.9%でした。自治体の動物愛護センターや保護団体から譲り受ける方法もあり、譲渡の条件や手数料は、それぞれの案内で確かめます。
登録と狂犬病の予防注射は、法律で決まっている
狂犬病予防法で、犬の飼い主には次の3つが決められています。登録は1頭につき基本的に生涯1回で、予防注射は毎年1回です。
- 登録:犬を取得した日から30日以内に、市区町村に申請する(生後90日以内の犬は、90日を経過した日から30日以内)
- 予防注射:毎年1回受けさせ、注射済票の交付を受ける
- 鑑札と注射済票:犬に着けておく
登録の手数料と注射済票の手数料は、市区町村が決めています。横浜市の案内では、登録の手数料が3,000円、注射済票の交付手数料が550円です。住んでいる市区町村の額は、その案内で確かめてください。
注射は、市区町村が行う集合注射か、動物病院で受けます。日本獣医師会の調査(令和3年)では、動物病院の狂犬病予防接種の料金は、中央値で4,000円でした。
登録や注射をしていない飼い主は、20万円以下の罰金の対象になると、厚生労働省のQ&Aにあります。引っ越したときは、移転先の市区町村への届出も要ります。
予防注射の時期の決まりは、2027年3月2日から変わる
いまの省令では、予防注射は4月1日から6月30日までの間に1回受けさせる決まりです。令和9年(2027年)3月2日に施行される改正後の省令では、この時期の定めがなくなります。
時期の定めがなくなっても、毎年1回の注射は法律で決まったままです。家計簿では、毎年同じ月の予定として書いておくと、払う月を忘れません。
マイクロチップの登録の手数料
ペットショップやブリーダーなどの販売業者には、犬にマイクロチップを付けて登録することが、動物愛護管理法で決められています。登録された犬を譲り受けた人は、取得した日から30日以内に、自分の名前で変更登録を受けます。
変更登録の手数料は、施行令で、オンラインなら400円、書面なら1,400円です。販売業者以外の飼い主は、マイクロチップを付けるよう努めることになっています。
自分で付けるときは、動物病院での装着の費用もかかります。迎え方ごとに払うお金と市の補助の例は、マイクロチップの費用はいくら?にあります。
用品と、不妊・去勢の手術
迎える前には、ケージやサークル、トイレのトレーとシーツ、食器、首輪やリードなどをそろえます。値段は物の大きさや素材で幅があり、犬の体の大きさに合わせて選びます。
不妊・去勢の手術を受けるかどうかは、飼い主が動物病院と相談して決めます。日本獣医師会の調査(令和3年)では、麻酔料を除いた体重10kgの料金の中央値が、犬の去勢で17,500円、避妊(卵巣子宮切除)で27,500円でした。
手術料のほかに麻酔や検査の代金がかかり、市区町村の補助を使える場合もあります。犬の去勢と避妊の総額の例と補助の確かめ方は、犬の去勢手術の費用にあります。
毎年決まってかかるお金
狂犬病の予防注射のほかにも、毎年決まった時期に払うお金があります。混合ワクチンや健康診断、年払いのペット保険料などです。
混合ワクチンと健康診断
混合ワクチンは、狂犬病の予防注射と違い、法律の義務ではありません。受けるかどうか、種類や時期は、かかりつけの動物病院と相談します。
日本獣医師会の調査(令和3年)では、犬の混合ワクチンの料金の中央値は、5種・6種で6,250円、8種〜10種で8,750円でした。健康診断(1日ドック)は16,250円です。1年の額は犬のワクチンの費用は年間いくら?にあります。
健康診断は、受ける検査の組み合わせで額が大きく変わります。検査ごとの料金の中央値と、年齢に合わせた組み合わせの例は、犬の健康診断の費用にあります。
病院代は全額が家計から出る
犬の治療には、人の健康保険のような公的な制度がありません。動物病院の料金は病院ごとに決めていて、同じ調査の中央値は、初診料1,500円、再診料750円でした。高い見積もりを一度に払えないときの相談の仕方はペットの医療費が払えないときにあります。
ペット保険は、治療費の一部を保険金で受け取る民間の保険です。補償の範囲や保険料は商品ごとに違うので、入るかどうかは、保険料と、自分で取り分けておける額を並べて決めます。手術や入院の料金の目安と、補償割合で戻る額から入るかを考えるときは、ペット保険は必要?で確かめられます。
額を見直すときは、項目ごとに見る
毎月の額を抑えたいときは、合計ではなく項目ごとに見ます。トリミングは、ブラッシングや爪切りなど家でできる手入れを増やすと、お店に頼む回数を見直せることがあります。見送るときの火葬の費用と自治体の料金の例はペットの火葬の費用にあります。
フードやペットシーツは、買う単位を大きくすると1つあたりの値段が下がることがあります。健康診断で病気を早く見つけられれば、治療の負担が軽くなることもあるので、予防の分は削る前に動物病院と相談します。
飼う前に決めておくこと
犬は人より寿命が短い一方、飼い始めると十数年続きます。動物愛護管理法では、飼い主は、動物がその命を終えるまで適切に飼うよう努めることになっています。
迎える前に、次の4つを家族で決めておくと、あとで額に驚かずに済みます。
- 毎月の額:フード・ペットシーツ・トリミングなど、毎月出ていく額をいくらまでにするか
- 年1回の額:狂犬病の予防注射・混合ワクチン・健康診断・年払いの保険料を、どの月に払うか
- 急な病院代:保険に入るか、自分で取り分けるか。取り分けるなら、いくらを目安にするか
- 住まい:ペット可の住まいか、賃貸なら敷金や退去のときの扱いを契約書で確かめたか
賃貸でペットによる傷や臭いがついたときに、退去のときに誰がどこまで払うかは、契約書の特約で確かめます。くわしい考え方は退去費用の記事にまとめています。
一生分に備える手順
家計簿があれば、一生分の額を、毎月取り分ける額に直せます。手順は、紙でも表計算でも同じです。
ステップ11年分の予定を書き出す10分
迎える年の一度だけのお金と、毎年のお金を、払う月ごとに表に書きます。金額は、動物病院や市区町村の案内で確かめた額に置き換えます。

図は、最初の年に一度だけ払うお金を、公的な案内と日本獣医師会の調査の中央値で並べた例です。犬の代金と用品は入れておらず、病院の料金も病院ごとに違うので、自分の地域と病院の額で書き直します。
ステップ2毎月の額と年1回の額を分ける5分
フードやペットシーツなど毎月の分と、年1回の分を分けて書きます。年1回の分の合計を12で割ると、毎月取り分けておく額が出ます。
ステップ3急な病院代の予備を決める5分
月ごとの表とは別に、急な病院代のための「予備」の行を作ります。13歳以上の医療費は1〜6歳の2倍を超えるので、年を取ったら予備の額を見直します。置き方は、通院などの急な出費の置き方と同じです。
ステップ41年ごとに実際の額と比べる10分
1年たったら、家計簿のペットの合計を、調査の平均と並べます。差が大きい項目が分かれば、次の年の予定を直せます。平均と比べるより、去年の自分の額と比べるほうが変化をつかめます。
よくある質問
Q犬を飼うと、月にいくらかかりますか
ペットフード協会の調査(2025年)では、1頭だけ飼っている人の1か月の平均は16,030円でした。0歳は19,110円、13歳以上は17,461円で、年齢によって額が動きます。
Q小型犬と大型犬では、一生の費用はどれくらい違いますか
同じ調査の生涯必要経費は、小型犬が2,582,402円、中型・大型犬が2,775,565円でした。中型・大型犬は平均寿命が短いので、1年あたりにすると差は大きくなります。
Q老犬になると、費用は増えますか
同じ調査で、獣医にかかる医療費は、1〜6歳の43,382円に対して13歳以上は108,823円でした。1か月の支出も、7歳以上の15,566円から、13歳以上は17,461円に上がります。
Q保護犬を迎えれば、費用は安くなりますか
犬の代金はかからないか、譲渡の手数料だけのことがあります。ただ、登録・予防注射・フード・病院代など、迎えた後のお金は同じようにかかります。
Q犬の病院代は、医療費控除の対象になりますか
国税庁の説明では、医療費控除の対象は、自分か、自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために払った医療費です。動物病院代を家計簿で人の医療費と分けておく方法は、ペットの項目の記事にまとめています。
Qペット保険には入ったほうがよいですか
この記事では、入るかどうかを勧めることはしません。保険料の年額と、自分で予備に取り分けておける額、去年の病院代を並べると、自分で比べる材料になります。
まとめ
- 犬の生涯必要経費は2,784,190円(ペットフード協会 令和7年調査・平均寿命14.82歳)
- 大きさ別では、超小型犬3,002,239円、小型犬2,582,402円、中型・大型犬2,775,565円
- 1頭の1か月の平均は16,030円。13歳以上は医療費が1〜6歳の2倍を超える
- 迎えるときは、代金のほか、登録・狂犬病の予防注射・マイクロチップの変更登録・用品・手術のお金がかかる
- 一生分は、毎月の分・年1回の分・急な病院代の予備に分けて、家計簿で取り分ける
一生分の額を3つに分けて見れば、毎月取り分ける額が決まります。年を取って病院代が増える時期も、前もって予定に入れておけます。
この記事で参照した公的情報
- 令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査(飼育者調査=インターネット調査・全国の20〜79歳・2025年10月10日〜14日・有効回収2,802サンプル)犬 生涯必要経費(2025年=平均寿命14.82歳・2,784,190円、超小型15.28歳・3,002,239円、小型14.59歳・2,582,402円、中型・大型13.63歳・2,775,565円、2024年2,711,875円、2023年2,446,068円)・犬 年齢別必要経費(1頭飼育者・1か月平均16,030円・年間平均192,356円・0歳19,110円・1〜6歳16,469円・7歳以上15,566円・13歳以上17,461円)・犬 年齢別支出内訳(獣医にかかる医療費60,423円・13歳以上108,823円など)
- 窓口
- 一般社団法人ペットフード協会(民間の調査)
- 確認日
- 確認先
- https://petfood.or.jp/data/
- 令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査 生体価格とペット飼育阻害要因詳細(犬の生体入手価格=2025年の平均19.0万円・有償で入手した人で算出・無償入手16.9%、1年以内飼育開始者21.6万円)
- 窓口
- 一般社団法人ペットフード協会(民間の調査)
- 確認日
- 確認先
- https://petfood.or.jp/pdf/data/2025/14.pdf
- 2025最新版 ペットにかける年間支出調査(ペット保険の契約者・2025年1月1日〜12月31日の1年間にペット1頭へ支出した費用・インターネット調査・有効回答5,494件。犬413,416円・回答3,974頭・平均年齢5.6歳、内訳=ケガや病気の治療費89,120円・フード・おやつ80,029円・シャンプー・カット・トリミング料50,575円・ペット保険料44,879円・ワクチン・健康診断等の予防費34,024円ほか)
- 窓口
- アニコム損害保険株式会社(民間の調査・2026年3月11日公表)
- 確認日
- 確認先
- https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2025/20260311/
- 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査(令和3年8月2日〜10月25日・小動物診療施設の回答1,096件・令和5年9月公表)の中央値=初診料1,500円・再診料750円・健康診断料(1日ドック)16,250円・狂犬病予防接種4,000円・犬混合ワクチン5種・6種6,250円・8種〜10種8,750円・犬去勢17,500円・犬避妊(卵巣子宮切除)27,500円(不妊手術は麻酔料を除き体重10kgの料金)
- 窓口
- 公益社団法人日本獣医師会
- 確認日
- 確認先
- https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
- 狂犬病予防法 第4条(犬を取得した日から30日以内に登録を申請・生後90日以内の犬は90日を経過した日から)・第5条(予防注射を毎年1回)・第27条(20万円以下の罰金)(2016年4月1日施行の版・e-Gov の版一覧で未施行の改正なし)
- 窓口
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000247
- 狂犬病予防法施行規則 第11条(いまの版=4月1日から6月30日までの間に1回、令和9年3月2日施行の版=時期の定めなし)
- 窓口
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50000100052
- 犬の鑑札、注射済票について(登録は1頭の犬につき基本的に生涯1回・引っ越しは移転先の市区町村に届出・集合注射か動物病院で接種)・狂犬病に関するQ&A(Q20・Q24・Q30)
- 犬の飼い主さんへ(登録の際は手数料3,000円と注射済票交付手数料550円)
- 動物の愛護及び管理に関する法律 第7条第4項(終生飼養に努める)・第39条の2(販売業者のマイクロチップの装着)・第39条の5・第39条の6(取得した日から30日以内に変更登録)(2026年6月5日施行の版と2027年1月4日施行の未施行の版で同じ文)
- 窓口
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105
- 動物の愛護及び管理に関する法律施行令 第5条(犬及び猫の登録等の手数料=登録・変更登録は1,400円、電子情報処理組織を使う場合は400円)(2024年4月1日施行の版・未施行の改正なし)
- 窓口
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/350CO0000000107
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合)
