猫の避妊手術の費用はいくら?|手術料の中央値と、麻酔・検査・入院を足した総額の例、オスの去勢、自治体の助成

支出の見直し ・

猫の避妊手術の費用は、日本獣医師会の調査(令和3年)の動物病院の料金の中央値で、手術料が22,500円です。オスの去勢手術は12,500円で、どちらも麻酔料を含まない額です。

手術の前の血液検査、麻酔、入院なども同じ調査の中央値で足すと、メスで47,000円、オスで33,750円になります。中央値どうしを足した計算の例なので、実際に払う額は動物病院の見積もりで確かめます。

市区町村によっては、手術の費用の一部を助成しています。新宿区の飼い猫の助成はメス4,000円、オス2,500円までで、手術を受ける前に申し込みます。

子猫の避妊手術を考えていますが、手術料のほかに何がかかるのかが分かりません。全部でいくら用意すればよいのかにも迷います。

避妊手術の手術料は、中央値22,500円

日本獣医師会は、全国の動物病院の料金を調べて公表しています。令和3年8月〜10月に、動物病院を開いている獣医師に聞き、1,096件の回答を令和5年9月にまとめたものです。

この調査は、料金を「20,000〜25,000円未満」のような幅から選んで答える形です。猫の避妊手術の中央値は、卵巣だけを取る手術も、卵巣と子宮を取る手術も22,500円でした。手術の料金は、麻酔料を含めずに聞いています。

卵巣だけか、卵巣と子宮か

避妊手術には、卵巣だけを取る方法と、卵巣と子宮を取る方法があります。同じ調査で、卵巣だけを取る手術を「対応外」と答えた動物病院は54.7%で、半分を超えていました。

どちらを選ぶかは病院ごとの方針によります。料金の中央値は同じなので、方法よりも、次に見る麻酔や検査の額が含まれているかで、総額が変わります。

料金の幅の割合

卵巣と子宮を取る手術の料金を、動物病院の答えの割合で見ると次のとおりです。

  • 15,000〜20,000円未満:18.3%
  • 20,000〜25,000円未満:32.1%
  • 25,000〜30,000円未満:21.0%
  • 30,000〜40,000円未満:8.9%

手術料だけで3万円以上の病院もあれば、2万円に届かない病院もあります。見積もりの手術料がこの幅のどこにあるかを見ると、高いか安いかの見当がつきます。

オスの去勢手術との違い

オスの去勢手術の中央値は12,500円で、メスより1万円低い額でした。答えの割合は、10,000〜15,000円未満が32.5%、15,000〜20,000円未満が30.0%、5,000〜10,000円未満が21.3%です。

メスの避妊手術はお腹を開けて卵巣や子宮を取りますが、オスの去勢手術は陰嚢を切って精巣を取ります。手術の大きさが違うので、料金にも差が出ます。

手術料のほかにかかるもの

手術の日には、手術料のほかに、麻酔、手術の前の検査、診察の料金がかかります。メスは入院することがあり、縫った糸を後日抜く抜糸の料金がかかることもあります。

同じ調査の中央値は、全身麻酔が11,250円、初診料が1,500円、入院料(猫)が2,500円、抜糸が750円でした。手術の前の血液検査は、採血料750円、血球の数を見るCBC検査1,500円、生化学検査6,250円です。

麻酔料と入院料は、動物の種類や体重、日数で決め方が違う病院があります。全身麻酔の中央値は犬と猫を分けた額ではなく、入院料も調査では何日分の料金かを示していません。

総額の計算の例

次の表は、調査の中央値をそのまま足した、総額の計算の例です。メスは入院1回分と抜糸を足し、オスは日帰りで抜糸の無い形にしました。

項目 メス オス
手術料 22,500円 12,500円
全身麻酔 11,250円 11,250円
血液検査 8,500円 8,500円
初診料 1,500円 1,500円
入院料 2,500円 なし
抜糸 750円 なし
合計 47,000円 33,750円

血液検査の8,500円は、採血料・CBC検査・生化学検査の3つを足した額です。中央値どうしを足した額は、実際に払う額の中央値ではないので、自分の病院の見積もりと項目ごとに並べて使います。

オスの去勢手術は日帰りのことがほとんどで、傷を縫わない方法なら抜糸もありません。メスでも、溶ける糸を使って抜糸の要らない病院や、日帰りの病院があります。

見積もりで確かめること

動物病院の料金は、病院ごとに決まっていて、全国で同じではありません。予約の前に、次のことを聞いておくと、総額の差が分かります。

  • 手術料に含まれるもの:麻酔料・痛み止め・術後の薬が入っているか
  • 手術の前の検査:血液検査だけか、レントゲンなども受けるか
  • 入院:日帰りか、何日の入院か
  • 手術の後:抜糸・再診・エリザベスカラーや術後服の料金
  • 方法:開腹か、腹腔鏡か(腹腔鏡は高くなることがある)
  • 払う時期:手術の日に全部払うか

料金は、使う麻酔の薬や、手術にかかわる人の数などでも変わります。額だけで病院を決めずに、何が含まれているかを比べます。

自治体の助成(新宿区の例)

猫の避妊・去勢手術の費用を助成するかどうか、いくらまでかは、市区町村ごとに決めています。ここでは、新宿区の案内(2026年10月2日更新)を例に、確かめることを見ていきます。

飼い猫の助成は、手術の前に申し込む

新宿区の飼い猫の助成は、区民(区内に住む・勤める・通学する人)が区内で飼っている猫が対象です。新宿区の案内では、上限はメス4,000円、オス2,500円です。

申し込みは手術を受ける前で、手術を受けた後では申請できません。窓口では、その場で助成の承認書を受け取れます。オンラインでも申し込めますが、承認書の郵送に1週間程度かかります。

指定の動物病院(東京都獣医師会新宿支部に入っている病院)で手術を受け、承認書を病院に渡します。払うのは、手術の費用から助成の額を引いた額です。

上限まで助成を受けたとして、総額の計算の例に当てはめます。メスは47,000円から4,000円を引いた43,000円、オスは33,750円から2,500円を引いた31,250円です。

承認書は、承認を受けた月の翌月末までに使います。3月に承認を受けたときは3月末までなので、手術の予約の日と合わせて申し込みます。

保護した猫を飼うときは「飼い猫」の助成

飼い主のいない猫を保護して、手術の後に自分で飼う場合は、「飼い猫」の助成を使います。自分では飼わなくても、新しい飼い主が決まっている場合は「飼い猫」の助成になります。

飼い主のいない猫は、別の助成

外にいる飼い主のいない猫の手術には、別の助成があります。新宿区では、上限がメス25,000円、オス15,000円で、これも手術を受ける前に申し込みます。

手術のときに、原則として耳先を切るなどの、手術を済ませた印をつけます。飼い主のいない猫の手術を支える事業をしている民間の団体もあり、申し込み方は団体ごとに違います。

住んでいる市区町村で確かめること

助成が無い市区町村もあり、ある場合も、額や対象、申し込みの時期、使える病院は違います。予算の分を使い切ると、受付が終わることもあります。

市区町村の名前と「猫 不妊手術 助成」で探すか、保健所や動物の担当の窓口に聞きます。手術の後では申し込めない形の助成があるので、予約の前に確かめます。

受ける時期と、妊娠しているとき

猫は、早いと生後4〜5か月ごろから子どもを産めるようになります。初めての発情の前に手術を考えることがありますが、体の大きさや健康の状態で時期は変わるので、獣医師と相談して決めます。

ワクチンは、多くの場合、手術の前に受けておきます。迎えたばかりの子猫は、ワクチンの日程と手術の時期を合わせて、動物病院で相談します。

新宿区の案内では、妊娠している猫の手術は、危険度と手術の料金が増すとしています。妊娠しているかもしれないときは、予約のときに動物病院へ伝えます。

ペット保険は、健康な猫の手術には使えないことがある

日本損害保険協会の説明では、ペット保険は主に入院・手術・通院の費用を補償します。ただし、健康なペットが受ける去勢・避妊手術の費用は、補償の対象とならない場合があります。

病気の治療として卵巣や子宮を取る手術は、契約によって補償の対象になることがあります。入っている保険の約款か、保険会社の窓口で確かめます。保険を考えるときの比べ方は、ペット保険は必要?にまとめています。

法律と環境省の基準での決まり

動物愛護管理法の第37条第1項では、猫の飼い主は、猫がむやみに増えて適切に飼えなくなるおそれがあると認める場合に、手術などの措置を講じなければなりません。以前は「努めなければならない」でしたが、2020年6月の改正の施行で今の形になりました。

同じ法律の第7条第5項では、飼い主は、増えて飼えなくならないよう、繁殖について適切な措置をとるよう努めることになっています。どちらも、手術の方法や時期までは決めていません。

環境省の基準(家庭動物等の飼養及び保管に関する基準)では、増えても自分の責任で飼うか譲るかができる場合を除き、原則として手術などで繁殖を制限します。猫を外にも出すときは、手術などの措置をとることになっています。

家計簿での取り分け方

手術の費用は、毎月の分ではなく、一度だけ出るお金です。見積もりを受けた月に額を家計簿に書いておくと、手術の月に慌てずに済みます。

メスの猫の避妊手術で払うお金の計算の例の図。手術の前に初診料1,500円と血液検査8,500円、手術の日に手術料22,500円・全身麻酔11,250円・入院料2,500円、手術の後に抜糸750円で、合計47,000円。日本獣医師会の調査(令和3年)の中央値を足した例で、金額は例

図は、メスの総額の計算の例を、払う時期で分けたものです。紙のノートでも表計算でも、次の順で書けます。

ステップ1見積もりの額を項目ごとに書く5分

動物病院で聞いた額を、手術料・麻酔・検査・入院・抜糸に分けて書きます。総額の計算の例の表と並べると、どの項目で差が出ているかが分かります。

ステップ2助成を引いた額にする5分

住んでいる市区町村の助成が使えるなら、上限の額を引いた額を、払う額として書き直します。申し込む日も、手術の予約の前の日付で書いておきます。

ステップ3払う月の行に入れる3分

払う額を、手術の月の「ペット」の行に入れます。迎えた年のほかのお金は猫を飼う費用に、急な出費の置き方は通院などの急な出費の置き方にまとめています。

一度に払うのが難しいときは、手術の前に、払える額や払い方を動物病院に相談します。相談のしかたは、ペットの医療費が払えないときにまとめています。

よくある質問

Q猫の避妊手術は、全部でいくらかかりますか

日本獣医師会の調査(令和3年)の中央値では、手術料が22,500円です。麻酔・血液検査・初診料・入院料・抜糸を足すと47,000円になりますが、中央値どうしを足した例なので、動物病院の見積もりで確かめます。

Qオスの去勢手術は、いくらかかりますか

同じ調査の中央値で、手術料が12,500円です。麻酔・血液検査・初診料を足すと33,750円で、日帰りで抜糸の無い形の例です。

Q拾った猫を飼うときも、助成を使えますか

新宿区では、保護した猫を手術の後に飼う場合は「飼い猫」の助成を使えます。ほかの市区町村では扱いが違うことがあるので、手術の前に窓口で確かめます。

Q手術を受けた後に、助成を申し込めますか

新宿区の助成は、手術を受けた後では申請できません。手術の前に申し込む形の助成があるので、予約の前に住んでいる市区町村の案内を見ます。

Q手術の費用に、ペット保険は使えますか

健康な猫が受ける避妊・去勢手術の費用は、補償の対象とならない場合があります。病気の治療で卵巣や子宮を取る手術は、契約によって対象になることがあるので、約款で確かめます。

Q手術の後に、ほかにかかるお金はありますか

抜糸の料金(中央値750円)や、再診、エリザベスカラーや術後服の料金がかかることがあります。手術の後は太りやすくなることがあるので、フードの量や種類を獣医師と相談して見直します。

まとめ

  • 猫の避妊手術の手術料の中央値は22,500円、オスの去勢手術は12,500円(日本獣医師会 令和3年の調査・麻酔料を含まない)
  • 麻酔・血液検査・初診料・入院料・抜糸の中央値を足した例は、メス47,000円・オス33,750円
  • 卵巣と子宮を取る手術は、2万円台の病院が半分を超え、3万円以上の病院もある
  • 見積もりでは、麻酔・検査・入院・抜糸が手術料に入っているかを聞く
  • 新宿区の飼い猫の助成はメス4,000円・オス2,500円まで。保護した猫を飼うときも「飼い猫」の助成で、手術の前に申し込む
  • 健康な猫の手術にはペット保険が使えない場合があるので、見積もりの額を手術の月の家計簿に入れておく

見積もりの項目を表と並べると、どこで額が違うかが分かります。助成を引いた額を手術の月に書いておけば、用意する額も手術の前に決められます。

この記事で参照した公的情報

  1. 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査(令和3年8月2日〜10月25日・小動物診療施設の開設者・回答1,096件・料金を金額の幅から選ぶ形・令和5年9月公表)の中央値=不妊手術(麻酔料を除く)猫避妊(卵巣切除)22,500円・猫避妊(卵巣子宮切除)22,500円・猫去勢12,500円、全身麻酔11,250円、採血料750円、CBC検査1,500円、生化学検査(スクリーニング)6,250円、初診料1,500円、入院料 猫2,500円(調査票は日数の単位を示していない)、抜糸750円。卵巣子宮切除の幅の割合(15,000〜20,000円未満18.3%・20,000〜25,000円未満32.1%・25,000〜30,000円未満21.0%)・卵巣切除の対応外54.7%・去勢の幅の割合(5,000〜10,000円未満21.3%・10,000〜15,000円未満32.5%・15,000〜20,000円未満30.0%)
    窓口
    公益社団法人 日本獣医師会(獣医師の団体の調査)
    確認日
    確認先
    https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
  2. 新宿区 飼い猫の去勢・不妊手術費用の一部助成(2026年10月2日更新)=対象は区民(在住・在勤・在学)が区内で飼っている猫・手術を受ける前に申請(手術の後では申請できない)・助成上限額 オス2,500円・メス4,000円・承認書の有効期限は承認を受けた月の翌月末まで(3月の承認は3月末まで)・指定動物病院(東京都獣医師会新宿支部加盟)で手術を受け、手術費用から助成額を引いた額を払う・飼い主のいない猫を保護して手術の後に飼う場合(新しい飼い主が決まっている場合も)は「飼い猫」の助成・妊娠中は危険度と手術料金が増す
    窓口
    新宿区 健康部 衛生課(新宿区保健所)管理係
    確認日
    確認先
    https://www.city.shinjuku.lg.jp/kenkou/eisei01_000001_00027.html
  3. 新宿区 飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費用の一部助成(2026年10月2日更新)=対象は区内に生息している飼い主のいない猫・手術を受ける前に申請・助成上限額 オス15,000円・メス25,000円・原則として手術済みの識別措置(耳先カット等)を行う・指定動物病院以外(区内の動物病院に限る)では全額を払ってから請求
    窓口
    新宿区 健康部 衛生課(新宿区保健所)管理係
    確認日
    確認先
    https://www.city.shinjuku.lg.jp/kenkou/eisei01_000001_00026.html
  4. 動物の愛護及び管理に関する法律 第37条第1項(犬又は猫の所有者は、みだりに繁殖して適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない=2020年6月1日施行の改正(令和元年法律第39号)の前は「措置をするように努めなければならない」)・第7条第5項(所有者は、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない)(2026年6月5日施行の版と2027年1月4日施行の未施行の版で同じ文)
    窓口
    e-Gov法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC1000000105
  5. 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年環境省告示第37号・最終改正令和4年環境省告示第54号)第3の4(繁殖制限=自らの責任で飼養や譲渡ができる場合を除き、原則として去勢手術・不妊手術等の措置を講じる)・第5の3(猫の所有者は、屋内飼養によらない場合は去勢手術・不妊手術等繁殖制限の措置を講じる)
    窓口
    環境省
    確認日
    確認先
    https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r02_21_1.pdf
  6. ペット保険(主に入院・手術・通院の費用が補償の対象・健康体なペットが受ける予防接種・病気予防の診療・健康診断・去勢・避妊手術などに係る費用は補償の対象とはならない場合がある)
    窓口
    一般社団法人 日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体)
    確認日
    確認先
    https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

App Store からダウンロードGoogle Play で手に入れよう

Mirai Kanaiを見てみる

この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。