畳の張替え費用はいくら?|裏返し・表替え・新調の1畳あたりの目安、6畳の総額、国産と中国産の違い、賃貸で誰が払うか

畳の張替えの費用は、畳の表面だけを直すか、芯まで新しくするかで大きく変わります。1畳あたりの額に、部屋の畳の枚数を掛けたものが総額の土台です。
この記事では、裏返し・表替え・新調の3つの方法の違いと、1畳あたりの目安を並べます。そのうえで、6畳の総額の計算、畳表の産地による値段の差、賃貸で誰が払うかを、農林水産省と国土交通省の資料で確かめます。
和室の畳の日焼けとささくれが気になります。裏返しで足りるのか、表替えが要るのか、いくら見ておけばいいのか分かりません。
張替えの方法は、裏返し・表替え・新調の3つ
畳は、芯の「畳床(たたみどこ)」、表面のござの「畳表(たたみおもて)」、長い辺に縫い付ける布の「畳縁(たたみべり)」でできています。どの部分を新しくするかで、方法が3つに分かれます。
- 裏返し:今の畳表をはがし、裏の面を表にして張り直す。畳表も畳縁も買い替えない
- 表替え:畳床はそのまま使い、畳表と畳縁を新しいものに替える
- 新調:畳床・畳表・畳縁をまとめて新しく作る
農林水産省の案内では、畳表は、いぐさを横糸、糸を縦糸にして織ったござ状のものです。畳店はこれを仕入れ、職人が畳床に張って縁を縫い付けます。
1畳あたりの費用の目安
1畳あたりの目安は、次の幅です。業者の案内ごとに幅の取り方が違うので、いちばん低い額といちばん高い額を並べました。
- 裏返し:3,000円〜9,000円
- 表替え:4,000円〜2万円
- 新調:7,500円〜3万5,000円
幅が広いのは、畳表の材料の質と畳床の種類で額が変わるためです。新調で3万円を超えるのは、高い畳表や縁の無い畳を選んだ場合などです。

図は、方法ごとの1畳あたりの幅です。どの方法でも、選ぶ畳表と頼む先で、同じ部屋でも額が変わります。
作業にかかる日数
案内では、裏返しと表替えは、朝に畳を引き取って当日中に戻す形が出ています。新調は畳床から作るので、2日〜2週間の幅が示されています。
新調では、部屋の寸法を測ってから作るため、測りに来る日と敷きに来る日が分かれることがあります。家具を動かす日を、その分だけ見込んでおきます。
どの方法を選ぶかは、年数と畳の状態で決まる
案内に出ている張替えの時期の目安は、次の幅です。使い方や湿気で傷み方が変わるので、年数より畳の状態を先に見ます。
- 裏返し:新しい畳表にしてから2年〜5年
- 表替え:4年〜10年。裏返しをしてからおよそ5年
- 新調:10年〜20年
裏返しは、1枚の畳表で1回だけ
裏返しは、畳表の裏がまだきれいなときだけ使えます。表のしみや焦げが裏までしみている畳表は、裏返しても跡が残るので、表替えになります。
1枚の畳表で裏返しができるのは1回です。裏返しをした畳が次に傷んだら、表替えか新調を選びます。
畳床が傷んでいると、表替えでは直らない
表替えは畳床をそのまま使うので、畳床が傷んでいるとできません。案内では、次のような状態は、表替えの前に業者に相談するよう書かれています。
- 踏むと沈む・弾力が無い
- 畳にへこみがある
- 畳と敷居の高さが5ミリ以上ずれている
- 畳床にシロアリが出ている
- 畳と畳の間にすき間がある
これらは畳床の傷みのしるしで、新調を考える段階です。案内では、畳表のささくれを放っておくと湿気や汚れが畳床まで届き、畳全体が早く傷むとされています。
6畳の部屋だと、総額はいくらになるか
総額は、1畳あたりの額に畳の枚数を掛け、運ぶ費用や処分の費用を足して出します。6畳の部屋で、1畳あたりの幅をそのまま6倍すると次のとおりです。
- 裏返し:1万8,000円〜5万4,000円
- 表替え:2万4,000円〜12万円
- 新調:4万5,000円〜21万円
これは材料と作業の額だけの幅です。新調では古い畳を引き取る費用がかかり、案内の例では1畳あたり約2,000円が示されています。
見積もりに並ぶ項目
見積書は「一式」でまとめられていることもありますが、中身は次の項目に分かれます。比べるときは、どの項目が入っているかをそろえます。
- 材料費:畳表・畳縁、新調なら畳床
- 作業費:はがす・張る・縁を縫う・敷き込む手間。縁の無い畳や柱の出っ張りに合わせる加工は高くなる
- 運搬費・出張費:畳を作業場との間で運ぶ費用
- 古い畳の処分費:新調で古い畳を引き取るとき
家具を動かす作業を、どこまで頼めるかも業者で違います。重い家具があるときは、見積もりのときに動かしてもらえるかを聞いておきます。
畳の大きさは、地域と建物で違う
農林水産省の資料に載っているJAS規格の畳表の寸法は、本間(京間)が191×95.5センチ、三六間(中京間)が182×91センチです。五八間(江戸間)は176×88センチ、五六間(団地間)は170×85センチです。
同じ「6畳」でも、1枚の大きさは部屋によって違います。見積もりの前に業者に測ってもらうと、大きさの違いによる額の差が見積書に入ります。
畳表の値段は、いぐさの産地と質で変わる
表替えの額の差は、選ぶ畳表でつきます。案内では、表替えの1畳あたりの例として、外国産の安い畳表が約6,000円、国産の高い畳表が約1万4,000円と示されています。
国産の畳表は、供給量の2割に満たない
農林水産省の資料(令和8年7月)では、令和7年の畳表の国内生産量は103万枚、輸入量は458万枚で、国内の自給率は18%でした。輸入はほぼすべてが中国からです。
畳の原料のいぐさは、そのほとんどが熊本県で作られています。国産の畳表の価格は令和7年産で1枚2,176円で、中国産との価格差は約2.3倍と示されています。
この2,176円は、産地の市場での畳表1枚の値段(すべての等級の平均)で、張替えの工賃は入っていません。国産か中国産かで、張替えの1畳あたりの額が数千円変わる理由の1つです。
いぐさのほかに、和紙や樹脂の畳表もある
いぐさのほかに、和紙や樹脂(ポリプロピレンなど)を使った畳表もあります。案内では、水や汚れに強く、色が選べる一方、いぐさの香りは無いと説明されています。
縁の無い半畳の畳(いわゆる琉球畳)は、角の加工に手間がかかるため、新調で半畳あたり1万円〜2万5,000円の案内があります。1畳に直すと2万円〜5万円で、縁のある畳より高くなります。
頼む先は、畳店・リフォーム会社・ホームセンター
畳の張替えは、畳店、リフォーム会社、ホームセンターなどで頼めます。どこに頼んでも、実際に畳を張るのは畳の職人です。網戸の額は網戸の張り替え費用にあります。
案内では、リフォーム会社やホームセンターは、作業を畳店に頼む形が多いとされ、その分の手数料が額に入ることがあります。和室の壁や襖もまとめて直すなら、窓口が1つで済むのがリフォーム会社に頼む利点です。
見積もりで確かめること
複数の業者から見積もりを取り、総額だけでなく項目をそろえて比べます。確かめるのは次のところです。
- 畳表の産地と等級、畳床の種類が書いてあるか
- 運搬費・処分費・家具の移動が入っているか
- 当日に追加の費用が出る場合があるか
- 作業中に家や家具を傷めたときの補償(業者の賠償責任保険)があるか
畳表の名前や産地が書いていない見積もりは、安い理由が材料なのか作業なのかが分かりません。分からない項目は、契約の前に聞いて書いてもらいます。
自分で張り替えるのは難しい
畳表を張るには、畳表を切る包丁や張る台、縁を縫う道具が要ります。案内では、張りが弱いと畳が浮き、強すぎると反るとして、自分で張り替えることを勧めていません。
傷んだところだけを隠したいときは、置き畳を上に敷く方法も案内されています。置き畳は張替えではないので、畳そのものの傷みは直りません。
賃貸の畳は、傷めた理由で払う人が変わる
賃貸の部屋の畳は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で、誰が払うかの考え方が示されています。分かれ目は、ふつうに住んでいて傷んだのか、借りた人の不注意で傷めたのかです。障子紙の1枚の額と、賃貸の障子の扱いは、障子の張り替え費用にあります。
日焼けと、次の人のための張替えは貸した人
ガイドラインでは、日照などによる畳の変色は、ふつうの生活で避けられない損耗として扱われます。傷めていない畳を、次の入居者のために裏返しや表替えをする費用は、貸した人の負担とされています。
ガイドラインのQ&Aでは、契約書に特約が無ければ、年数による傷みとふつうの使い方の傷みだけなら、借りた人の負担で張替える必要はないとしています。長く住んで一度も畳表の張替えが無かった場合は、借りた人が払う傷みかどうかを大家さんと話し合うよう勧めています。
借りた人が傷めた畳表は、年数を考えない
飲み物のしみや焦げ跡など、借りた人が傷めた畳は、借りた人の負担になります。このとき畳表は、消耗品としての性格が強いとして、何年住んだかを考えずに張替えの費用を負担します。
畳床は扱いが違い、6年で残っている価値が1円になるとして負担を割り引きます。負担の単位は原則1枚で、傷めたのが複数枚ならその枚数です。
契約書の特約と、退去のときの確かめ方
契約書に畳の表替えの特約がある場合は、その内容も見ます。特約の有効性の考え方と、退去のときの精算書の読み方は賃貸の退去費用はいくら?にまとめています。
住んでいる間に畳が傷んだときは、自分で業者を呼ぶ前に、大家さんか管理会社に知らせます。勝手に張り替えると、費用を誰が持つかで話がこじれることがあります。
家計簿での書き方
総務省の家計調査の分け方では、畳替えは「住居」の「設備修繕・維持」の中の、工事その他のサービスに入ります。畳表替代・畳裏返し代・畳床修理代が例に挙がり、出来上がった畳を買った場合も含みます。
張替えは何年かおきに来る出費なので、毎月の支出とは別の特別費として書いておくと、次の時期の見通しが立ちます。特別費の項目の立て方は家計簿の項目の決め方にまとめています。

図は、6畳の和室を表替えした月の書き方の例です。金額は例で、1畳8,800円の畳表を6枚と、運搬費を別の行に分けています。
迷いやすい場面
張替えの時期を選べる
急ぎでなければ、張替えに向く季節を選べます。案内では、気温と湿度が落ち着く4月〜5月か9月〜11月が、畳への影響が少ない時期として挙がっています。
年末や引っ越しの前に頼むなら、予約が取れる日を先に聞きます。新調は作る日数がかかるので、使いたい日から逆算して申し込みます。
介護のために、畳から床材に替えたい
要介護や要支援の認定を受けた人の住まいで、畳を板やビニル系の床材に替える工事は、介護保険の住宅改修の対象になることがあります。厚生労働省の通知では、床の材料の変更の例として、居室の畳敷から板製床材やビニル系床材への変更が挙がっています。
張替えそのもの(表替えや新調)は、この対象の例に入っていません。申請の順番と額は介護保険の住宅改修とはにまとめています。畳からフローリングに替える工事の費用は6畳のフローリングの張り替え費用にあります。
1部屋の畳の一部だけ傷んだ
傷んだ畳だけを表替えすることもできます。ただし、新しい畳表は色が青く、残した畳と色がそろうまで時間がかかります。
ガイドラインでも、工事は最低1枚単位で、色を合わせるなら部屋の畳の数の分になるとしています。賃貸で借りた人が負担するのは、色合わせではなく傷めた枚数です。
よくある質問
Q畳の張替えは1畳いくらですか
1畳あたりの目安は、裏返しが3,000円〜9,000円、表替えが4,000円〜2万円、新調が7,500円〜3万5,000円の幅です。畳表の質と畳床の種類で変わります。
Q6畳の表替えはいくらかかりますか
1畳あたりの幅を6倍すると、2万4,000円〜12万円です。運搬費や家具の移動が別になることがあるので、見積もりで項目を確かめます。
Q裏返しと表替えの違いは何ですか
裏返しは今の畳表の裏の面を使い、表替えは畳表と畳縁を新しくします。裏返しは1枚の畳表で1回だけで、裏まで傷んでいるとできません。
Q国産の畳表は高いのですか
農林水産省の資料では、国産の畳表は令和7年産で1枚2,176円で、中国産との価格差は約2.3倍です。国産は供給量の18%で、張替えの額は選ぶ畳表で変わります。
Q賃貸の畳の張替え費用は誰が払いますか
日焼けなどふつうに住んでいての傷みは、貸した人の負担です。借りた人が傷めた畳表は、年数を考えずに借りた人が負担し、単位は原則1枚です。
まとめ
- 張替えは裏返し・表替え・新調の3つで、1畳あたりの目安は3,000円〜9,000円、4,000円〜2万円、7,500円〜3万5,000円の幅
- 6畳の総額は1畳の額の6倍に、運搬費や処分費を足して出す
- 裏返しは1枚の畳表で1回だけ。畳床が傷んでいると表替えではなく新調になる
- 国産の畳表は供給量の18%で、中国産との価格差は約2.3倍(農林水産省・令和7年)
- 賃貸では、日焼けは貸した人、借りた人が傷めた畳表は年数を考えずに借りた人が負担する
- 家計簿では、住居の設備修繕・維持の特別費として書き、次の時期を見込む
畳の状態を見て方法を決め、1畳の額に枚数を掛ければ、総額の見当がつきます。見積もりでは畳表の産地と項目をそろえて比べます。
この記事で参照した公的情報
- 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)(畳の変色は通常の損耗・次の入居者のための裏返しと表替えは貸した人の負担・畳表は消耗品としての性格が強く経過年数を考えない・畳床は6年で残存価値1円・畳の負担は原則1枚単位で、複数枚ならその枚数・裏返しか表替えかは毀損の程度による・Q8 襖や障子、畳表の損耗が経年変化や通常使用だけなら借りた人の負担で張替える必要はない)
- いぐさ(畳表)をめぐる事情(令和8年7月)(令和7年の畳表の国内生産量103万枚・輸入量458万枚・自給率18%・国産畳表の価格2,176円/枚で中国産との価格差は約2.3倍・JAS規格の畳表の種類と寸法=本間191×95.5cm・三六間182×91cm・五八間176×88cm・五六間170×85cm)
- いぐさ・畳表(畳の原料のいぐさは、そのほとんどが熊本県で生産・畳表はいぐさを横糸、糸を縦糸にして織ったござ状のもの・畳職人が畳床に張って縁を縫い付ける)
- 介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて(平成12年1月31日 老企第34号)(床又は通路面の材料の変更=居室の畳敷から板製床材・ビニル系床材等への変更が想定される)
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(畳替え=住居の設備修繕・維持の工事その他のサービス・既製の畳を購入した場合も含む・畳表替代・畳裏返し代・畳床修理代)
