電気ケトルの電気代は1回いくら?|沸かす量と時間で出す1回・1か月の額と、電気ポット・やかんとの比べ方

電気ケトルの電気代は、本体の消費電力と、スイッチを入れてから沸くまでの時間、1kWhあたりの電気の単価で決まります。沸くまでの時間は入れた水の量で変わるので、1回の額は量しだいです。
この記事では、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、少しだけ沸かす場合と1Lを沸かす場合の額を計算します。電気ポットの保温ややかんのガス代との比べ方、子どものやけどを防ぐ点、明細の単価で出し直す手順もまとめます。
1日に何度も電気ケトルでお湯を沸かしています。1回の電気代は小さそうでも、ひと月でいくらになるのか見当がつかず、電気ポットとどちらが得なのかも迷います。
電気ケトルの電気代は、沸くまでの時間で決まる
電気ケトルは、スイッチを入れてから湯が沸いて自動で切れるまでの間だけ電気を使います。使った電力量は、消費電力のW の数を1,000で割り、沸くまでにかかった時間(時間の単位)を掛けたkWh です。
- 1回の電力量(kWh):W÷1,000×沸くまでの時間
- 1回の電気代:1回の電力量×1kWhの値段
時間は「時間」の単位で入れます。1分は60分の1時間なので、1分30秒なら0.025時間、5分なら約0.083時間です。消費電力は本体の底や取扱説明書の仕様の欄にあり、1,000Wから1,300W前後の製品が出ています。
式に入れる電気の値段は、どこの電力会社のどのプランかで家ごとに変わります。家電のカタログなどに載る電気代の目安には、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた目安単価、1kWhあたり31円(税込)が使われます。
協議会のQ&Aによると、今の目安単価は令和4年7月22日からの値です。電力・ガス取引監視等委員会の電力取引報にある、小売電気事業者全体の販売電力量と販売額などから計算されています。
1回あたりは、1円前後から数円
消費電力1,200Wの電気ケトルを例に、目安の単価31円で計算します。沸くまでの時間は、水の量と水の温度で変わるので例として置きました。
- 300mL(カップ2杯分)を1分30秒で沸かす例:0.03kWhで0.93円
- 1Lを5分で沸かす例:0.1kWhで3.1円
同じケトルでも、1Lを沸かすと300mLの3倍を超える額になります。沸くまでの時間の目安は、製品の取扱説明書やメーカーの仕様の欄に「カップ1杯分で約◯秒」のように載っていることがあります。コーヒーをいれる家電の額は、コーヒーメーカーの電気代で計算しています。
1か月・1年では、沸かす回数と量で変わる
電気ケトルは1回の額が小さい分、回数と量を掛けてはじめて家計の中の大きさが見えます。1,200Wの製品を、目安の単価31円で使った例を示します。回数と量は例です。
- 300mLを1日3回・30日:2.7kWhで約84円
- 1Lを1日2回・30日:6kWhで186円
- 1Lを1日2回・365日:73kWhで2,263円

図の2つの使い方は、どちらも同じ1,200Wのケトルです。1Lを1日2回沸かす使い方でも、1か月の額は200円に届きません。額を大きく動かすのは、1回に入れる水の量と、1日に沸かし直す回数です。
2025年の家計調査では、総世帯の電気代の平均は1か月10,962円でした。1Lを1日2回の例の186円は、その約1.7%です。明細には器具ごとの額が出ないので、式で一度出しておくと比べやすくなります。
保温の付いた製品は、保温の分が加わる
湯を沸かすだけの電気ケトルは、沸いたら電源が切れるので、置いておく間は湯を温める電気を使いません。一方で、保温機能の付いた製品もあり、保温している時間は電気を使い続けます。
保温付きの製品で額を出すときは、沸かす分の電力量に、保温の消費電力と保温した時間を掛けた分を足します。本体を二重の構造にした製品は、電気を使わずに湯を冷めにくくする仕組みです。
電気ポットとの違いは、保温にかかる電気
電気ポットは、2L前後の湯をまとめて沸かし、80℃や90℃などの決めた温度で保ち続ける器具です。保温のための電気が、湯を使わない時間にもかかり続けるところが、電気ケトルとの大きな違いです。
保温の消費電力は製品ごとに違い、20Wから40W程度が目安とされます。保温に平均30Wを使い続ける例なら、24時間で0.72kWh、目安の単価31円で1日約22円、30日で約670円です(消費電力は例)。

図の電気ポットの額は、保温の分だけです。実際には、最初に沸かす分と、湯を足して沸かし直す分の電気も加わります。電気ケトルの額と並べると、差の大きな部分を保温が占めていることが分かります。沸かす分と保温の分を合わせた額は、電気ポットの電気代にあります。
資源エネルギー庁の試算では、年約3,330円の差
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトは、電気ポットの使い方で電気がどれだけ変わるかを試算しています。満タンの2.2Lを沸かして1.2Lを使ったあと、6時間保温した場合と比べています。
比べる相手は、プラグを抜いて保温せず、使うときに沸かし直した場合です。この比べた例では、保温しないほうが年間で107.45kWhの省エネになり、約3,330円の節約になるとしています(1kWhあたり31円で換算)。
省エネポータルサイトは、低めの温度で保温し、必要なときにその都度沸かし直すことと、長く使わないときはプラグを抜くことを勧めています。電気ポットを使い続けるなら、保温の温度の設定から見直せます。
どちらが向くかは、湯を使う回数と間隔で決まる
1日に何度も、時間をおかずに湯を使う家では、すぐに注げる電気ポットが便利です。一方で、使う回数が少ない家や、使う時間がばらばらの家では、使うたびに必要な量だけ沸かせる電気ケトルのほうが、保温の電気がかかりません。
電気代だけでなく、待たずに湯が出る便利さも含めて選ぶ器具です。保温を続ける時間が長いほど、電気ケトルとの差は開きます。
やかん・IHとの比べ方
ガスこんろでやかんの湯を沸かす場合は、電気代ではなくガス代がかかります。ガスの1m³あたりの単価は、都市ガスかプロパンガスか、どのガス会社と契約しているかで大きく違います。
1Lの湯をやかんで沸かすガス代は、都市ガスで約1.7円から約2円、プロパンガスで約3.4円とする試算があります。1,200Wの電気ケトルで1Lを5分で沸かす例の3.1円と比べると、ガスの単価しだいでどちらが安いかが入れ替わります。
沸くまでの速さでは、1Lの水が電気ケトルで5分30秒程度、都市ガスのやかんを強火にかけて2分50秒程度という比べもあります。急いで多めの湯が要るときは、やかんのほうが早い場合があります。
都市ガスとプロパンガスの料金の違いは、ガス代の平均はいくら?にまとめています。やかんで沸かすときは、炎がやかんの底からはみ出さないように火を調節すると、ガスの使う量を抑えられます。
IHクッキングヒーターは、同じ式で出せる
IHクッキングヒーターでやかんの湯を沸かす場合も、使うのは電気なので、電気ケトルと同じ式で額を出せます。IHの火力の設定ごとの消費電力と、沸くまでの時間を掛けます。
IHは、1口で1,400W前後の消費電力の製品が出ています。同じ量の湯を沸かすなら、沸くまでにかかった時間を測り、電気ケトルの額と並べると比べられます。火力ごとの1時間の額は、IHクッキングヒーターの電気代にあります。
電気代を抑える使い方
電気ケトルの電気代は、沸かす量と回数の掛け算です。抑えるには、1回に沸かす量を減らすか、沸かし直す回数を減らすかのどちらかになります。
使う分だけの水を入れる
1Lを5分で沸かす例の3.1円に対して、300mLなら0.93円です(1,200W・目安の単価31円の例)。カップ1杯分の湯が欲しいときに満水まで入れると、使わずに冷める分の電気も払うことになります。
ケトルの内側に水量の目盛りがある製品なら、目盛りで使う量を確かめてから入れます。湯が残って冷めたあと、また満水から沸かすのを繰り返すと、そのたびに電気代がかかります。
買い替えるときは、ふだん沸かす量に合う容量の製品を選びます。容量や保温の機能で消費電力は製品ごとに違うので、候補の製品の仕様の欄で値を並べて比べます。
沸かした湯を、冷めにくい容器に移す
あとでもう一度湯を使うと分かっているときは、沸かした湯を保温できる水筒やポットに移しておくと、沸かし直す回数が減ります。電気を使わずに温度を保てる容器なら、保温の電気代もかかりません。
底の水あかを落とす
ケトルの底に白い水あかが付くと、熱が水に伝わりにくくなり、沸くまでの時間が延びます。取扱説明書に沿って、クエン酸などで内側の手入れをしておくと、沸く時間を保てます。
料理の下ごしらえに湯を使う
麺をゆでる湯や湯通しに使う湯を、電気ケトルで沸かしてから鍋に移すと、こんろで水から沸かす時間を短くできます。ガスこんろの家では、そのぶんのガス代が減る使い方です。
小さな子どもがいる家で気をつけること
消費者庁は、台の上の電気ケトルを子どもが倒し、こぼれた湯でやけどを負った事故の情報が医療機関から寄せられていると注意を呼びかけています。子どもが台を揺らしてケトルが倒れた例や、台からケトルが落ちた例が紹介されています。
子どもは大人より皮膚が薄く、やけどが深く重くなることがあるとしています。消費者庁が挙げている、事故を防ぐための点は次のとおりです。
- 電気ケトルは、電源コードも含めて小さな子どもの手の届かない場所に置く
- 倒れても湯が漏れにくい構造など、安全に配慮した製品を選ぶ
- 使うときはロックなどの安全機能を使い、ふたの閉め忘れや部品の傷み・劣化にも注意する
2026年6月から、転倒時の湯漏れ対策が必須に
消費者庁のコラム(2024年10月)によると、経済産業省が電気ケトル等の安全基準を見直しました。2026年6月以降に日本で製造・輸入される電気ケトル等は、倒れても湯漏れが50ml以下であることなどの試験に合格した製品であることが必須になります。
一方で、2026年5月以前に製造・輸入された対策の無い製品の在庫は、6月以降も売られる可能性があるとしています。買うときは、転倒したときの湯漏れの対策がある製品かどうかを確かめます。
自分の家の単価で、出し直す
31円は家電どうしを比べるための値で、自分の家の実際の値段とはずれがあります。手元の明細で1kWhの値段を出し、式の31円の所に入れれば、自分の家の額に近づきます。
ステップ1明細の請求額を、使った量で割る3分
電力会社の会員ページか検針票を開き、ひと月の請求額をその月のkWh の数で割ります。基本料金や再エネ賦課金まで含めた、自分の家の1kWhの値段になります。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。
ステップ2消費電力と沸くまでの時間を調べる3分
本体の底の表示か取扱説明書で、消費電力のW を見ます。ふだん沸かす量で、スイッチを入れてから切れるまでの時間を一度測っておきます。
ステップ3回数と日数を掛ける2分
1回の電力量に1日に沸かす回数と日数を掛け、ステップ1の値段を掛けます。たとえば明細の単価が1kWhあたり36円の家で、1,200Wのケトルで1Lを1日2回・30日沸かすと、6kWh×36円で216円です(単価と回数は例)。
家計簿で光熱費を見るときは、電気代の合計の中に、電気ケトルやポットのように毎日少しずつ使う器具の分も含まれています。器具ごとの額を一度出しておくと、どこから減らせるかの見当がつきます。
電気ケトルの良いところと、向かないところ
電気ケトルは、スイッチ1つで湯が沸き、少しの量ならすぐに沸かせます。火を使わないので火の消し忘れの心配がなく、コンセントのある所なら台所の外でも使えます。
一方で、容量は1L前後の製品が中心で、一度にたくさんの湯を使う料理には向きません。保温の機能が無い製品では、時間をおいて使うたびに沸かし直すことになります。買い替えの目安は電気ケトルの寿命にあります。
電気ケトルの電気代は、消費電力・沸くまでの時間・1kWhの値段の3つで出せます。満水まで入れて沸かしていないか、電気ポットで長く保温していないかを、まず確かめます。
よくある質問
Q電気ケトルの電気代は1回いくらですか
沸かす量で変わります。消費電力1,200Wの例で、目安の単価31円なら、300mLを1分30秒で沸かすと0.93円、1Lを5分で沸かすと3.1円です(時間は例)。
Q1か月使うと、いくらかかりますか
回数と量で決まります。1,200Wの例で、300mLを1日3回・30日なら約84円、1Lを1日2回・30日なら186円です(目安の単価31円)。
Q電気ポットと電気ケトルは、どちらが安いですか
電気ポットは湯を使わない時間にも保温の電気がかかります。保温に平均30Wを使い続ける例では、保温だけで1日約22円、30日で約670円です。使う回数が少ない家ほど、電気ケトルとの差は開きます。
Qやかんと電気ケトルは、どちらが安いですか
ガスの単価で入れ替わります。1Lを沸かすガス代は、都市ガスで約1.7円から約2円、プロパンガスで約3.4円とする試算があります。電気ケトルは1,200W・5分の例で3.1円です。
Q電気ケトルのコンセントは、抜いたほうがいいですか
待機電力がかかる製品なら、使わない間に抜くと、その分の電気を減らせます。待機電力の有無は取扱説明書で確かめます。子どもがいる家では、電源コードも含めて手の届かない所に置くことが、やけどを防ぐ点として挙げられています。
Q電気ケトルの電気代を抑えるコツはありますか
使う分だけの水を入れることと、沸かし直す回数を減らすことです。1,200Wの例で、1Lでなく300mLだけ沸かせば、1回の額は3.1円から0.93円になります(目安の単価31円)。
まとめ
- 消費電力をkW に直し、沸くまでの時間と1kWhの値段を掛けると1回の額になる
- 家電の表示に使う目安単価31円は、令和4年7月22日からの値(全国家庭電気製品公正取引協議会)
- 1,200Wの例で、300mLは1回0.93円、1Lは3.1円
- 1Lを1日2回・30日で186円、300mLを1日3回・30日で約84円
- 電気ポットは保温の電気がかかり、資源エネルギー庁の試算では保温しない使い方で年約3,330円の節約
- 子どもの手の届かない所に置き、転倒時の湯漏れ対策のある製品を選ぶ
- 自分の家の額を知るには、明細の請求額をその月のkWh で割った値段を式に入れる
消費電力と沸くまでの時間、明細の単価が分かれば、電気ケトルの1か月の電気代を出せます。電気ポットの保温と並べて、家に合う湯の沸かし方を選べます。
この記事で参照した公的情報
- よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 無理のない省エネ節約 キッチン 電気ポット(満タンの水2.2Lを沸騰させ1.2Lを使ったあと6時間保温した場合と、プラグを抜いて保温せず再沸騰させた場合の比較=年間107.45kWh・約3,330円の節約)
- 窓口
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
- 確認日
- 確認先
- https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html
- みんなの消費安全ナビ コラムVol.11 転倒時に湯漏れしにくい電気ケトルの使用を!(2026年6月以降に日本で製造・輸入される電気ケトル等は転倒流水対策(倒れても湯漏れ50ml以下など)が必須)
