IHクッキングヒーターの電気代は1か月いくら?|火力ごとの1時間の額、料理1回の出し方、ガスこんろとの比べ方

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IHクッキングヒーターの電気代は、使った火力の消費電力と、使った時間、1kWhあたりの電気の値段で決まります。同じ1時間でも、弱い火力で煮込むか強い火力で炒めるかで、額は数倍変わります。

この記事では、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、火力ごとの1時間の額と、料理1回・1か月の額を例で計算します。ガスこんろとの比べ方、時間帯別のプランの考え方、電気代を抑える使い方、明細の単価で出し直す手順もまとめます。

ガスこんろからIHクッキングヒーターに替えるか迷っています。毎日の料理で電気代がどれくらい増えるのか、ガス代と比べて高いのか安いのかが分かりません。

IHの電気代は、火力と時間と単価で決まる

IHクッキングヒーターは、天板の下のコイルに流した電気で磁力を起こし、金属の鍋の底に電流を生じさせて、鍋自体を熱くする加熱の方式です。電気代は、ほかの家電と同じ式で出せます。

  • 電力量(kWh):消費電力(kW)×使った時間(時間)
  • 電気代:電力量×1kWhの値段

消費電力のW の数は、1,000で割ってkW に直します。時間は「時間」の単位で入れるので、15分なら0.25時間、20分なら約0.33時間です。

火力によって消費電力が変わる

IHの消費電力は、選んだ火力で変わります。200Vのビルトイン型では、1つの加熱口の最大が3.2kW程度とする説明があり、本体全体ではヒーターとグリルの合計が上限(5.8kWなど)を超えないように自動で抑えられています。

ただ、最大の火力で使い続ける場面はかぎられます。弱火から中火の煮込みでは、消費電力は500W前後になるとする説明があります。コンセントにつなぐ卓上型もあり、消費電力の上限は製品の仕様の欄で確かめます。

1kWhの値段は、目安の単価31円で置く

電気の値段は契約しだいで変わるので、記事の計算では共通の値を使います。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価で、家電のカタログの電気代もこの1kWhあたり31円(税込)で書かれています。

協議会のQ&Aによると、この値は令和4年7月22日の改定からのもので、電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量と販売額の集計値などから出しています。自分の家の値段で出し直す手順は、記事の後ろにまとめます。

火力ごとの1時間の額と、料理1回の額

火力を3つの消費電力に置き、1時間使った例で計算します。目安の単価31円で、消費電力は例です。

焼肉やお好み焼きを食卓で焼くときは、ホットプレートの消費電力で同じように出せます。1時間の額とカセットこんろとの比べは、ホットプレートの電気代にあります。

  • 0.6kW(弱めの火力):0.6kWhで18.6円
  • 1.5kW(中くらいの火力):1.5kWhで46.5円
  • 3.0kW(強い火力):3.0kWhで93円

IHクッキングヒーターの火力ごとの1時間の電気代を、目安の単価31円で計算した例の図。0.6kWで18.6円、1.5kWで46.5円、3.0kWで93円。料理1回の例は、2.0kWで6分と0.6kWで20分の煮物で0.4kWh・12.4円。消費電力と時間は例

1時間ずっと強い火力で使うことは少なく、実際の料理は火力を切り替えながら進みます。そのため、料理1回の額は、火力ごとの時間に分けて足すと出せます。

煮物1回の例

煮物を、強めの2.0kWで6分かけて煮立て、弱めの0.6kWで20分煮込む例です。2.0kW×0.1時間で0.2kWh、0.6kW×約0.33時間で0.2kWh、合わせて0.4kWh、目安の単価31円で12.4円になります。

同じ料理でも、鍋の大きさや材料の量、火力の選び方で時間は変わります。火力を強くした時間が短いほど、額は小さくなります。

1か月の電気代の目安

IHを1か月使ったときの電気代の目安として、一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)のIH調理技術委員会の調べが紹介されています。標準的な4人家族が朝・昼・夕食に標準的なメニューで使った場合、1か月約1,170円(税込)です。

この額は、目安単価31円で計算した値です。電力量に直すと1か月約38kWh、1年では約14,040円になります。2025年の家計調査では、電気代の平均は二人以上の世帯で1か月13,218円なので、その約9%にあたる大きさです。

自分の家の使い方で出す例

家ごとの額は、1日に使う時間と火力で決まります。たとえば、1日に合計40分、平均1.2kWで使う家なら、1日0.8kWhで24.8円、30日で24kWh・744円です(時間と火力は例)。

料理の回数が多い日や、煮込みに長い時間をかける日は、その分だけ増えます。1か月の額を知りたいときは、よく作る料理1回の額を出し、作る回数を掛けると見当がつきます。

ガスこんろとの比べ方

IHとガスこんろのどちらが安いかは、電気とガスの単価、器具が鍋に熱を伝える割合で決まります。都市ガスかプロパンガスか、どの料金プランかで単価が大きく違うので、一つの答えにはなりません。煮込みを電気圧力鍋に替えたときの比べ方は、電気圧力鍋の電気代にあります。

ガスこんろのガス代は、こんろの出力(kW)を熱の量に直し、ガス1m³が出す熱の量(発熱量)で割って使ったガスの量を出し、1m³あたりの単価を掛けて求めます。出力1kWで1時間使った熱の量は3.6MJです。発熱量も単価もガスの種類と契約で違うので、ガス会社の案内と明細で確かめます。

単価の差が、そのまま額の差にはならない

IHは鍋そのものを発熱させるので、熱のロスが少ないとされ、熱効率を約90%とするメーカーの説明があります。ガスこんろは炎の熱で鍋を外から温めるしくみで、鍋に伝わらない熱もあります。

そのため、ガスと電気の単価を並べただけでは、料理1回の額の差は分かりません。毎日同じ時間使ったとして計算した例では、都市ガスのこんろがいちばん安く出るものと、プロパンガスとIHの順が単価しだいで入れ替わるものがあります。

ガスの種類ごとの単価の違いは、ガス代の平均はいくら?にまとめています。自分の家で比べるなら、ガスの明細の1m³あたりの額と、電気の明細の1kWhの値段を並べるところから始めます。

オール電化の家は、時間帯別のプランを見る

オール電化の家では、夜の単価が安く、昼の単価が高い時間帯別のプランを契約していることがあります。料理をする時間帯の単価で、IHの電気代は変わります。

たとえば、上の1か月24kWhの例で、料理をする時間帯の単価が1kWhあたり7円安ければ、1か月168円下がります(単価の差は例)。ただし、昼の単価が高いプランでは、昼に使う分が増えると額が上がります。プランごとの単価は、契約している電力会社の料金表で確かめます。

電気代を抑える使い方

IHの電気代は、火力の大きさと使う時間の掛け算です。抑えるには、強い火力の時間を短くするか、加熱の時間そのものを減らします。

  • IHに合う鍋を使う:鉄やステンレスの鍋に比べ、アルミや銅の鍋は火力が弱くなり、加熱の時間が延びることがある
  • 圧力鍋を使う:保温力が高く、電気代の節約に向くとする説明がある
  • 下ごしらえに電子レンジを使う:野菜の下ゆでなどを電子レンジに分けると、IHを使う時間が減る
  • 湯は電気ケトルで沸かす:鍋に入れる湯を先に沸かしておく
  • 節電の機能を使う:消費電力を抑える機能や、使った電気代の目安を表示する機能のある製品がある

電気代の目安が表示される製品なら、よく作る料理ごとの額を一度見ておくと、どこを減らせるかが分かります。電子レンジで下ごしらえをするときの額は電子レンジの電気代に、湯を沸かす額は電気ケトルの電気代にまとめています。

自分の家の単価で、出し直す

31円は全国で共通に使う目安なので、契約によっては実際の値段と数円ずれます。手元の明細から出した値段に入れ替えると、自分の家の請求に近い額になります。

ステップ1明細の請求額を電力量で割る3分

1か月分の明細から、請求額と、使った電力量(kWh)の2つの数字を写します。請求額÷電力量の答えが、基本料金や再エネ賦課金まで含めた自分の家の1kWhの値段です。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。

ステップ2よく作る料理の火力と時間を書き出す5分

ふだんの料理で、どの火力を何分使っているかを書き出します。火力ごとの消費電力は、取扱説明書の仕様の欄に載っていることがあります。

ステップ31回の電力量に回数と値段を掛ける2分

料理1回の電力量に、1か月に作る回数とステップ1の値段を掛けます。たとえば明細の単価が1kWhあたり34円の家で、1か月24kWh使うなら、24kWh×34円で816円です(単価は例)。

オール電化の家では、電気代の中に給湯や暖房の分も入っています。家計簿の光熱費の欄で、IHの分を一度出しておくと、ガス代がかからない分と電気代が増えた分を並べて見られます。

IHクッキングヒーターの良いところと、気をつけること

IHは火を使わないので、炎が立ち消えする心配がありません。トッププレートが平らで、ふきこぼれや汚れをふき取りやすく、鍋底全体が温まるので加熱のむらが少ないとされます。

切り忘れを防ぐ機能などを持つ製品もあり、高齢の人や子どものいる家でも使いやすい面があります。一方で、使える鍋はIHに対応したものにかぎられ、製品によって使える鍋の材質が違います。IHに替える工事の額はキッチンリフォームの費用にあります。

よくある質問

QIHクッキングヒーターの電気代は1時間いくらですか

火力で変わります。目安の単価31円で、0.6kWなら1時間18.6円、1.5kWなら46.5円、3.0kWなら93円です(消費電力は例)。

Q1か月ではいくらかかりますか

日本電機工業会の調べとして、標準的な4人家族が朝・昼・夕食に使った場合の1か月約1,170円が紹介されています。家ごとの額は、1日に使う時間と火力で変わります。

QIHとガスこんろは、どちらが安いですか

電気とガスの単価と、料理に使う火力と時間で変わります。都市ガスかプロパンガスか、どの料金プランかで単価が大きく違うので、一つの答えにはなりません。IHは熱効率が高いとされるので、単価の差がそのまま額の差にはなりません。

Qプロパンガスの家では、IHのほうが安くなりますか

どちらが安いかは、契約しているガスと電気の単価しだいで、一概には言えません。夜の単価が安いプランで、料理を夜の時間帯にまとめている家では、IHのほうが安くなることもあります。

Q電気代を抑えるコツはありますか

強い火力の時間を短くすることと、加熱の時間を減らすことです。IHに合う鍋や圧力鍋を使い、下ごしらえを電子レンジに分けると、IHを使う時間が減ります。

まとめ

  • IHの電気代は、火力ごとの消費電力(kW)×使った時間×1kWhの値段で出す
  • 計算に使った31円は、令和4年7月22日改定の全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価
  • 0.6kWで1時間18.6円、1.5kWで46.5円、3.0kWで93円(例)
  • 2.0kWで6分と0.6kWで20分の煮物は0.4kWhで12.4円(例)
  • 日本電機工業会の調べとして紹介される4人家族の1か月の目安は約1,170円
  • ガスこんろとどちらが安いかは、ガスの種類と電気・ガスの単価、料理の時間で変わる
  • 自分の家の額は、明細の請求額÷電力量で出した値段を、火力ごとの電力量に掛けて出す

火力ごとの消費電力と時間、明細の1kWhの値段が分かれば、IHクッキングヒーターの1か月の電気代を出せます。ガスの単価と並べて、家に合う使い方を考えられます。

この記事で参照した公的情報

  1. よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/qa/
  2. IHクッキングヒーターとは(標準的な4名家族世帯が朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHクッキングヒーターを使用した場合の1か月の電気代は約1,170円(税込)=一般社団法人 日本電機工業会 IH調理技術委員会調べ・目安単価31円/kWhで算出、と紹介している頁)
    窓口
    一般社団法人 日本電機工業会(IH調理技術委員会)の調べを載せたメーカーの製品紹介の頁
    確認日
    確認先
    https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ih_cooking/introduction/about/index.html
  3. 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 電気代(用途分類・1か月平均13,218円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409805

この記事を書いているのは

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