家電の延長保証は必要?入ると損かの決め方|保証料と修理代を比べる式、使う年数と、保証の対象外になるもの

支出の見直し ・ ・ 最終更新

家電の延長保証は、入らないと損になるものでも、入れば得になるものでもありません。入るかどうかは、保証料と壊れたときの修理代、その家電を使う年数、保証の中身を比べ、修理代を家計からすぐ出せるかで決めます。

延長保証は、保証期間の中で壊れる家電が限られることを前提に成り立つしくみです。確率の上では、保証料は元を取るための支払いではなく、急な修理代に備える「安心のための費用」と割り切る見方があります。

保証料を購入代金の5%とする家電量販店があり、16万円の家電なら8,000円です。高くて修理代もかさむ家電を長く使い、修理代をすぐ出せないなら入る理由になり、安い家電や貯えで直せる家電は見送る理由になります。

延長保証に入るべきか、入ると損なのか、その場で決められません。何を比べればいいのかも分かりません。

延長保証は、メーカー保証が切れたあとの修理に備えるもの

家電を買うと、メーカーの保証が付きます。メーカーの保証は購入から1年の商品が多く、延長保証は、その後も決められた期間、規約に沿って修理を受けられるようにするものです。

延長保証には、家電量販店が付けるもののほか、点検や清掃がセットになったもの、落としたときの破損や水濡れまで対象にするものもあります。加入料や保証の中身は店によって違うので、買う前に確かめます。

機械の故障は、使い始めの1年目に起きやすく、2〜5年目は少なくなり、それを過ぎると部品のすり減りで年ごとに増えていくとされます。1年目の故障はメーカーの保証で直せるため、5年までの延長保証は、故障が起きにくい時期を受け持つことになります。

入るか見送るかを決める早見

次の表は、延長保証に入るかを決めるときに確かめることと、それぞれが入る理由・見送る理由のどちらになるかを並べたものです。自分の家電で当てはまる側を数えると、決める目安になります。

確かめること 入る理由になる 見送る理由になる
修理代を出せるか 貯えからすぐ出せない 貯えから出せる
本体の値段 高い・機能が多い 安い
使う年数 長く使うつもり 早めに買い替える
壊れたときの困りかた 毎日の暮らしが止まる なくても困らない
置く場所 海の近く・温泉地 それ以外
保証の中身 何度でも・購入額まで 1回だけ・年ごとに減る

修理代の重さは、本体の値段だけでは決まりません。同じ5万円の修理でも、すぐ使える貯えがある家と、その月の生活費から出す家とでは、延長保証の役目が違います。急な出費に備える貯えの目安は、生活防衛資金はいくら?にまとめています。

値段が高く、機能が多い家電は修理代も高くなりやすい

値段の高い家電は修理代も高くなる場合があります。機能の多い家電は中の作りが複雑なぶん、修理代がかさむこともあります。症状や部品によっては、修理代が10万円を超えたり、購入価格に近くなったりすることもあります。

冷蔵庫や洗濯機のように、壊れると毎日の暮らしが止まる家電は、急いで直すか買い替えるかを決めなければなりません。保証があれば、そのときに大きな出費をせずに直せる場合があります。

置く場所と使い方も、壊れ方に影響する

海の近くや温泉地では、潮風や温泉のガスで基板がさびやすいとされます。こうした場所では、パソコンやエアコン、給湯器なども、保証を考える材料になります。

掃除機や洗濯機、調理家電のように本体に触れて操作する家電は、使い方の影響を受けやすいとされます。ただし、落とした・ぶつけたなど外からの力による壊れや、使い方による不具合は、保証の対象外になる場合があります。

保証料と修理代を比べる式

延長保証が見合うかは、保証料を、保証期間の中で起きうる修理の額で割ると見当がつきます。式は「元が取れる線(%)=保証料÷見込む修理代×100」で、その額の修理が保証期間の中で1回要る見込みがこの線より高ければ、保証料より修理代の見込みのほうが大きくなります。

次の表は、保証料を購入代金の5%として、3つの家電で線を出した例です。本体の値段と修理代は例として置いたもので、実際の額は品目と症状で変わります。

家電の例 保証料(5%) 修理代の例 元が取れる線
エアコン 16万円 8,000円 3万2,000円 25%
冷蔵庫 24万円 1万2,000円 6万円 20%
テレビ 9万円 4,500円 3万5,000円 約13%

金額は例です。冷蔵庫の例なら、保証期間の中で6万円の修理が要る見込みが5台に1台(20%)より高いと考えるとき、保証料のほうが小さくなります。

修理代の見当と、線が動くとき

延長保証の修理の審査を受け持つ会社の担当者は、2025年4月に、平均の修理単価をエアコンとテレビで約4万円、冷蔵庫で約5万円、洗濯機で約4万2,000円と示しています。いつの、どの修理を集めた数字かは書かれておらず、延長保証を扱う側の数字なので、目安の1つにとどめます。

修理が2回以上要ると見込むときや、修理代が高くなるときは、線は下がります。反対に、保証が1回だけのものや、年がたつと上限額が減るものは、受け取れる額が少なくなるので、表の線より高く見ておきます。

保証期間の中で家電が壊れる割合は、内閣府の消費動向調査には示されていません。この調査が示すのは、買い替えた世帯が前の家電を使った年数と買い替えの理由なので、壊れる見込みは自分で置くことになります。エアコンの症状ごとの修理代の目安は、エアコンの修理費用はいくら?に表があります。

家電ごとの使う年数と、修理用の部品を持つ期間

次の表は、内閣府の消費動向調査(2026年3月)で、2025年4月から2026年3月に買い替えた二人以上の世帯が、前の家電を使っていた平均の年数と、買い替えの理由が故障だった割合です。部品を持つ期間は、全国家庭電気製品公正取引協議会の規約(施行規則の別表3)の年数です。

家電 平均使用年数 故障で買い替え 部品を持つ期間
エアコン 13.4年 66.6% 9年
冷蔵庫 13.1年 63.8% 9年
テレビ 10.8年 70.8% 8年
洗濯機 10.1年 76.2% 6年
掃除機 7.4年 69.0% 6年

平均使用年数は、買い替えをした世帯だけを分母にして出した年数です。保証が5年なら、平均では保証が切れたあとも、掃除機で2年余り、エアコンで8年余り使われている計算で、その間の故障は自分で払うことになります。

部品を持つ期間は、メーカーがその製品の製造を打ち切ってから、修理用の部品を持っておく年数の下限です。製造の打ち切りから数えるので、買った日から数える保証の期間とは起点が違います。

寿命が近いサインや、修理か買い替えかの考え方は、家電ごとにまとめています。エアコン・冷蔵庫・テレビ・洗濯機・掃除機の寿命の記事を見てください。

入る前に、保証の範囲と対象外を確かめる

延長保証は、店や保証の種類によって、加入の条件と中身が違います。故障してから対象外と分かることのないよう、買う前に保証の規約で次の点を見ておきます。

  • 修理の回数:期間の中で何度でも直せるか、1回だけか
  • 上限の額:購入価格まで直せるか、年がたつと上限が減るか
  • 部品の範囲:リモコンなどの付属品も対象か
  • 対象外:落下や水濡れなどの破損、使い方による不具合、対象外の品目(パソコンなど)
  • 条件:店で買った品だけか、通販でも同じか、カードの年会費がかかるか

リモコンを対象外とする保証があり、機能の多い家電のリモコンは、買い替えると1万円ほどかかる場合があります。加入したときの保証書とレシートは、保証の期間と上限の額を後で確かめられるよう、一緒に残しておきます。

入らないときは、修理代を家計で備えておく

延長保証に入らないなら、保証料にあたる額を、家電の修理や買い替えに使うお金として取り分けておく方法があります。家にある家電ごとに同じように積み立てると、どれかが壊れたときに、その積み立てから出せます。

家計簿では、家電の代金と保証料を分けて書いておくと、保証を使ったかどうかを後から確かめられます。年に1回あるかどうかの支出は、特別費は思い出さずに明細から拾うの手順で、前の年の明細から拾えます。

保証を断られたとき・修理できないときの相談先

保証の対象外と言われたときは、規約のどの決まりに当たるのかを、販売店や保証の窓口に聞いて確かめます。説明に納得できないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらえます。

188の相談は無料で、通話料はかかります。部品を持つ期間が過ぎて修理できず買い替えるときは、古い家電を出す料金を家電リサイクル料金はいくら?で確かめられます。

まとめ

  • 延長保証は、保証料と修理代、使う年数、保証の中身を比べ、修理代を家計からすぐ出せるかで決める
  • 保証料を購入代金の5%とする家電量販店があり、16万円の家電なら8,000円
  • 元が取れる線は「保証料÷見込む修理代×100」で、修理の見込みがこの線より高いかで見る
  • 買い替えた世帯の平均使用年数は、エアコン13.4年・冷蔵庫13.1年・洗濯機10.1年など、5年の保証より長い
  • 買う前に、修理の回数・上限の額・リモコンなどの部品・対象外の決まりを規約で確かめる
  • 保証を断られて納得できないときは、消費者ホットライン188で相談窓口を案内してもらえる

この記事で参照した公的情報

  1. 消費動向調査 令和8年(2026年)3月実施調査結果 第5表 主要耐久消費財の買替え状況(二人以上の世帯・令和7年4月から令和8年3月の買替え・平均使用年数 ルームエアコン13.4年・電気冷蔵庫13.1年・テレビ10.8年・電気洗濯機10.1年・電気掃除機7.4年・買替え理由の「故障」66.6%・63.8%・70.8%・76.2%・69.0%・平均使用年数は買替えをした世帯のみを分母として算出)
    窓口
    内閣府 経済社会総合研究所
    確認日
    確認先
    https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202603.pdf
  2. 家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約施行規則 別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間(電気冷蔵庫9年・エアーコンディショナー9年・カラーテレビ8年・電気洗濯機6年・電気掃除機6年。保有年数は同表の年数を下回ることはできない。表示例は「補修用性能部品を製造打切後○年保有しております」)
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.html
  3. 消費者ホットライン(188で、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内・相談は無料で通話料はかかる)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

この記事を書いているのは

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