契約アンペアを下げると電気代はいくら安くなる?|10A下げると基本料金が月約310円(大手電力会社の料金表の例)、下げてよいアンペアの決め方と手続き

支出の見直し ・ ・ 最終更新

契約アンペアを10A下げると、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの料金表では、基本料金が月311.75円、1年で3,741円安くなります。20A下げれば月623.50円、1年で7,482円です。

下がるのは、契約の大きさで決まる基本料金の分だけです。使った量にかかる電力量料金の単価は変わらないので、使う量が同じなら、電気代はこの差の分だけ下がります。

基本料金の額は、電力会社と料金プランで違います。契約アンペアを選ばない料金の地域や、kVA で契約している家もあるので、まず検針票で自分の契約を確かめます。アンペアを選ばない料金の人は、後半の節で電気代を下げる手順をまとめました。

電気代の明細の基本料金が気になっています。契約アンペアを下げるといくら安くなるのか、下げてもブレーカーが落ちないかが分かりません。

今の契約から下げた先ごとに、安くなる額

契約アンペアごとの基本料金の差を、今の契約と下げた先の組み合わせで並べました。額は東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの料金表(1か月・税込)から出したもので、1年の差は月の差を12倍した額です。

今の契約→下げた先 基本料金の月の差 1年の差
60A→50A 311.75円 3,741円
60A→40A 623.50円 7,482円
50A→40A 311.75円 3,741円
50A→30A 623.50円 7,482円
40A→30A 311.75円 3,741円
30A→20A 311.75円 3,741円
20A→15A 155.87円 約1,870円

この料金表の従量電灯Bの基本料金は、10Aが311.75円、20Aが623.50円、30Aが935.25円、40Aが1,247.00円です。50Aは1,558.75円、60Aは1,870.50円で、10A上がるごとに311.75円ずつ増えます。

ほかの電力会社や料金プランでも、契約アンペアで基本料金が決まる形は同じでも、1Aあたりの額は会社ごとに違います。自分の家の差を出すときは、契約している会社の料金表で、今の契約と下げた先の基本料金を引き算します。

電気代のうち、基本料金はどのくらいの割合か

上の料金表の計算式では、月々の電気料金は、契約アンペアで決まる基本料金と、使った電力量で計算する電力量料金に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を足した合計です。電力量料金には、燃料の値段に合わせた燃料費調整額が足し引きされます。

契約アンペアを下げて変わるのは、このうちの基本料金だけです。同じ電力会社の案内でも、契約アンペアを下げると基本料金は下がるが、電力量料金の単価は変わらないと説明されています。

例:50Aで月260kWh使う家が40Aに下げると

例として、従量電灯Bを50Aで契約し、1か月に260kWh使う家で計算します。電力量料金は、最初の120kWhまでが1kWhあたり29.80円、120kWhをこえ300kWhまでが36.40円です(燃料費調整額と再エネ賦課金は入れていません)。

  • 50Aの基本料金:1,558.75円
  • 電力量料金:29.80円×120kWh+36.40円×140kWh=8,672円
  • 合計:10,230.75円(40Aなら9,919.00円)

この例では、基本料金は合計の約15%で、40Aに下げると月311.75円、割合にして約3%下がります。使う量が少ない家ほど、合計に占める基本料金の割合は大きくなります(使う量と契約は例)。

下げても合計が下がらないことがある

同じ案内では、契約アンペアを下げても、電力量料金は使い方によって変わらない場合や増える場合があり、電気代の合計が必ず下がるとは限らないとしています。アンペアを下げたことと、その月に使った量の増減は、分けて見ます。

明細を見比べるときは、基本料金の行と、使った量(kWh)の行を別々に確かめます。基本料金が下がっていれば、契約の変更は明細に入っています。

下げてよいアンペアは、同時に使う家電の合計で決める

契約アンペアは、同時に使える電気の量の上限です。同時に使う家電の合計が契約を超えると、ブレーカーが落ちて電気が止まります。1つの回路だけ落ちるなら専用回路の工事もあります。

料金表の電力会社の案内では、1年を通じていちばん電気を使うときを想定して選ぶとしています。夕食の支度をする時間、冷房を使う夏、暖房を何台も使う冬などです。

家電のアンペアの目安

家電の消費電力はW で書かれていて、100Vの家電なら「100Wで1A、1,000Wで10A」と考えます。同じ電力会社が示す目安(機器を使ったときの想定値)では、主な家電は次のとおりです。実際の値は、家電の取扱説明書などで確かめます。

  • 電子レンジ(30Lクラス):15A
  • 炊飯器(IH式・5.5合を炊いているとき):13A
  • 食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ):13A
  • ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg):乾燥時13A、洗濯時2A
  • アイロン:14A、ヘアードライヤー:12A
  • 掃除機:強10A、弱2A
  • 冷蔵庫(450Lクラス):2.5A、液晶テレビ(42型):2.1A
  • インバータエアコン(おもに10畳用):冷房5.8A、暖房6.6A

エアコンは、動き始めなどに冷房14A、暖房20Aまで上がるとされています。冬の朝に暖房を入れた直後は、ふだんの6.6Aではなく、20Aで足し算しておくと、落ちる場面を見落としにくくなります。

重なる場面ごとの合計の早見

家の中で家電が重なる場面を書き出し、合計のアンペアから契約の目安を見ます。次の表は、上の目安で足し算した例です(場面と家電の組み合わせは例)。

重なる場面(例) 合計の目安 収まる契約
朝食(レンジ・ドライヤー) 31.6A 40A
夏の夕食(冷房・炊飯) 23.4A 30A
冬の朝(暖房の立ち上がり) 37.5A 40A
休日の家事(乾燥・アイロン) 39.5A 50A

朝食の例は、冷蔵庫2.5A・電子レンジ15A・ヘアードライヤー12A・液晶テレビ2.1Aです。夏の夕食は、冷蔵庫・冷房5.8A・IHジャー炊飯器13A・液晶テレビの合計です。

冬の朝は、冷蔵庫・暖房の立ち上がり20A・電子レンジ15Aの合計です。休日の家事は、冷蔵庫・掃除機(強)10A・ドラム式の乾燥13A・アイロン14Aで39.5Aになり、40Aでは余りが0.5Aしかないので、1つ上の契約に入れました。

使い方をずらせば、下げられることもある

合計がいちばん大きい場面で、1つの家電の使う時間をずらせば、必要なアンペアは小さくなります。休日の家事の例で、乾燥を夜に回せば26.5Aになり、30Aに収まります。

ただし、家族の誰かが同じ時間に別の家電を使うこともあります。下げる前に、家族で重なる時間を書き出し、ずらし方を決めておくと、下げた後に落ちる回数を減らせます。

今の契約アンペアを確かめる

今の契約は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)か、電力会社の会員の頁で確かめます。会員の頁で見られる Web の検針票に、契約アンペアが書かれていることもあります。

分電盤にアンペアブレーカーが付いていれば、その色と数字でも分かります。料金表の電力会社の案内にある色分けは、次のとおりです。

ブレーカーの色 契約アンペア
赤 10A
桃 15A
黄 20A
緑 30A
灰 40A
茶色 50A
紫 60A

スマートメーターで契約アンペアを設定している家では、アンペアブレーカーが付いていないことがあります。分電盤で見つからないときは、検針票か会員の頁で確かめます。

下げるときの申し込みと、かかる費用

契約アンペアの変更は、契約している電力会社に申し込みます。料金表の電力会社では、カスタマーセンターへの電話か、インターネットで申し込めます(一部、インターネットで申し込めない場合があるとしています)。

同じ案内では、変更の前と後が10〜60Aの範囲なら、変更は無料です。アンペアブレーカーが付いている家は、取り外す工事をしてスマートメーターで設定し、工事の間に10〜15分程度の停電があります。

契約の内容や家の電気の設備によっては、電気工事店の工事が要り、その費用は自分の負担になることがあります。変更した月の基本料金は、日割りで精算されます。

季節ごとには変えられない

料金表の電力会社の案内では、電気の契約は年間契約が基本で、契約アンペアは1年でいちばん電気を使うときに合わせるので、季節ごとの変更は受け付けていません。夏だけ下げて冬に戻すような使い方はできません。

ほかの電力会社の案内にも、契約の期間は1年が基本で、一時的な変更は原則として受け付けないとするものがあります。下げすぎてブレーカーが落ちやすくなっても、すぐには戻せないことがあるので、下げる幅は重なる場面の合計から決めます。

賃貸・マンションのとき

アパートやマンションでは、契約アンペアを変えるのに、所有者や管理人の承諾が要る場合があります。申し込む前に、管理会社か大家さんに変えてよいかを確かめます。

アパートやマンションは建物ごとに引き込める電気の量に限りがあるので、契約を上げるときはとくに、ほかの部屋や共用部分との兼ね合いが出ます。物件によっては、退去するときに元の契約に戻すよう求められることもあるので、承諾を取るときに一緒に確かめておきます。

アンペアを選ばない料金のときは、使った量を減らす

すべての家が、契約アンペアで基本料金を決めているわけではありません。関西・中国・四国・沖縄の地域の大手電力会社の家庭向けの従量電灯(従量電灯A など)は、アンペアを選ばず、決まった量までの最低料金と、使った量の料金で決まる形です。

最低料金に入る量は会社ごとに違うので、契約している会社の料金表で確かめます。検針票に最低料金の項目が載っていて、契約アンペアの項目が無いなら、この形です。この場合、アンペアを下げて基本料金を減らす方法は使えないので、使った量(kWh)を減らすか、料金プランを見直します。

kVA や kW で契約している家

60Aより大きい容量が要る家や、オール電化の家では、kVA(キロボルトアンペア)で契約していることがあります。料金表の電力会社の従量電灯Cは、1kVAあたり311.75円に契約容量を掛けた額が基本料金です。

この契約でも、容量を下げれば基本料金は下がりますが、決め方や工事の要否は家の設備で変わります。契約している電力会社に、今の容量と下げられる幅を相談します。

使った量を減らす手順

使った量を減らすときは、明細の使用量(kWh)を毎月書き写し、前の年の同じ月と比べます。家電ごとの電気代の出し方は、待機電力の電気代やエアコンの電気代にまとめました。

料金プランには、基本料金が無く使った量だけで決まるものもあります。プランを変えるかは、自分の家の毎月の使用量で、今の料金と比べてから決めます。家の電気代を平均と比べる手順は、電気代の平均にあります。

電気代の支払いそのものが難しいときは、契約を見直す前に、払えないときの流れと相談先を確かめます。止まるまでの流れと公的な支援は、電気代が払えないときにまとめました。

よくある質問

Q契約アンペアを10A下げると、1年でいくら安くなりますか

冒頭の料金表の従量電灯Bでは、10Aごとに基本料金が月311.75円違うので、1年で3,741円です。ほかの電力会社では1Aあたりの額が違うので、契約している会社の料金表で引き算します。

Q下げたら、電気代の合計も必ず下がりますか

下がるのは基本料金の分で、使った量にかかる電力量料金は使い方で変わります。料金表の電力会社の案内でも、合計が必ず下がるとは限らないとしています。

Q変更に費用はかかりますか

料金表の電力会社では、変更の前と後が10〜60Aの範囲なら無料です。電気工事店の工事が要るときは、その費用が自分の負担になることがあります。

Q賃貸でも下げられますか

所有者や管理人の承諾が要る場合があります。管理会社か大家さんに変えてよいかと、退去のときに戻す必要があるかを確かめてから申し込みます。

Q冬だけ上げて、夏に下げることはできますか

料金表の電力会社では、季節ごとの変更は受け付けていません。1年でいちばん電気を使うときに合わせて選びます。

Q電気をまったく使わない月も、基本料金はかかりますか

料金表の電力会社の従量電灯Bでは、まったく電気を使わない月の基本料金は半額になります。長く家を空けるときは、契約している会社の決まりを確かめます。

まとめ

  • 冒頭の料金表の例では、10A下げると基本料金が月311.75円、1年で3,741円安くなる
  • 下がるのは基本料金だけで、電力量料金の単価は変わらない(合計が必ず下がるとは限らない)
  • 1Aあたりの額は電力会社とプランで違うので、自分の会社の料金表で引き算する
  • 下げてよいアンペアは、1年でいちばん重なる場面の家電の合計で決める(エアコンは立ち上がりの値で足す)
  • 変更は電力会社に申し込み、季節ごとには変えられない
  • 賃貸・マンションは、所有者や管理人の承諾が要る場合がある
  • アンペアを選ばない料金の地域や kVA の契約では、使った量を減らすか、料金プランを比べて見直す

検針票の契約アンペアと料金表があれば、下げたときの差を自分で出せます。家電の重なる場面を書き出して、無理のない契約を選べます。

この記事で参照した公的情報

  1. 料金単価表‐電灯(従量電灯Bの基本料金=10A 311円75銭・15A 467円63銭・20A 623円50銭・30A 935円25銭・40A 1,247円00銭・50A 1,558円75銭・60A 1,870円50銭/電力量料金=最初の120kWhまで29円80銭・120kWhをこえ300kWhまで36円40銭・上記超過40円49銭(1か月・税込・燃料費調整額は別))
    窓口
    東京電力エナジーパートナー
    確認日
    確認先
    https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/chargelist01.html
  2. 料金単価表‐主な契約種別の料金計算式(従量電灯B・Cの料金=基本料金+電力量料金(燃料費調整額を加減)+再生可能エネルギー発電促進賦課金・従量電灯Cの基本料金は311円75銭×契約容量・まったく電気を使用しない場合の基本料金は半額)
    窓口
    東京電力エナジーパートナー
    確認日
    確認先
    https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan2/chargelist04.html
  3. ご契約アンペアの選び方(アンペアブレーカーの色・検針票での確かめ方・1年を通じてもっとも電気を使うときを想定して選ぶ・電力量料金の単価は変わらず合計額が必ずしも下がるとは限らない・10〜60アンペアの範囲は無料で変更・変更した月の基本料金は日割り・季節的な変更は承ることができない・集合住宅は所有者や管理人の承諾が必要な場合がある)
    窓口
    東京電力エナジーパートナー
    確認日
    確認先
    https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampere02.html
  4. 主な電気機器のアンペアの目安(100Wで1A・1,000Wで10A(100Vの場合)・電子レンジ15A・IHジャー炊飯器13A・ヘアードライヤー12A・アイロン14A・インバータエアコンの立ち上がり時など暖房20A)
    窓口
    東京電力エナジーパートナー
    確認日
    確認先
    https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampere03.html

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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