待機電力の電気代はいくら?|1世帯で年228kWh・約7,068円の計算と、1Wごとの額、主電源を切る・プラグを抜くで減る分

待機電力の電気代は、使っていない家電がコンセントにつながっている間に使う電気の量と、1kWhあたりの電気の値段で決まります。1台ごとの量は小さくても、1年中続くので、家全体では年に数千円の大きさになります。
この記事では、資源エネルギー庁の調査の値と、家電のカタログに使われる目安の単価31円で、家全体と1台ごとの額を計算します。主電源を切る、プラグを抜くことで減る額と、抜かないほうがよい家電、自分の家の機器で出す手順もまとめます。
使っていない家電のプラグを毎回抜くのは手間がかかります。待機電力でどれくらいの電気代がかかっていて、どの家電から見直せばよいのか分かりません。
待機電力とは、使っていない間の電気
待機電力(待機時消費電力)は、家電を使っていないのに、コンセントにつないでいるだけで使われる電気のことです。リモコンで電源を切っても、本体は次の操作を受け付けるために、少しの電気を使い続けています。
資源エネルギー庁の省エネ性能カタログでは、待機時消費電力が生まれる場面を3つに分けて説明しています。
- 機能の維持:メモリー、内蔵の時計、表示の画面を保つため
- 指示を待つ状態:リモコンの操作や、タイマーなどの機能を働かせる指示を待つため。主電源が入っていないときにも当てはまることがある
- つないでいるだけ:機器によっては、コンセントにつないだだけで、わずかな電気を使う
テレビやレコーダーのリモコン待ち、電子レンジや炊飯器の時計、給湯器のリモコン、電話機やネットの機器などが、待機電力を使う家電として挙げられています。どれも、使っていない時間のほうが長い機器です。
1世帯で年228kWh、約7,068円
資源エネルギー庁の平成24年度の待機時消費電力調査では、家庭1世帯あたりの待機時消費電力量は年228kWhでした。1世帯あたりの全消費電力量4,432kWhの5.1%にあたります。
目安の単価31円で計算すると、228kWhは年約7,068円、1か月にすると約589円です。2025年の家計調査では、総世帯の電気代の平均は1か月10,962円だったので、その約5.4%の大きさになります。
228kWhを1年の時間(8,760時間)で割ると、平均で約26Wの電気が一日中流れ続けている計算です。1台ごとの値は小さくても、つないでいる機器の数だけ足し合わさって、この大きさになります。
調査は平成24年度のもので、省エネ性能カタログは、テレビではリモコンの指示待ちやタイマーに使われる待機時消費電力も削減されていると説明しています。今の自分の家の額は、下の手順で機器ごとに出すと近づきます。
式に入れる1kWhの値段
全国家庭電気製品公正取引協議会は、家電の電気代の表示に使う目安の単価を定めています。今の目安の単価は1kWhあたり31円(税込)で、令和4年7月22日に改定された値です。
この値のもとは、電力・ガス取引監視等委員会が公表する電力取引報です。小売電気事業者全体の販売電力量と販売額などを使って出したと、協議会は説明しています。自分の家の額に近づけるときは、明細から出した値段に置き換えます。
1Wの待機電力は、1年でいくらか
待機電力の額は、待機時消費電力(W)を1,000で割ってkWにし、つないでいる時間を掛け、1kWhの値段を掛けて出します。1年中つないだままなら、時間は8,760時間です。
- 0.5W:1年で4.38kWh、目安の単価31円で約136円
- 1W:1年で8.76kWh、約272円
- 2W:1年で17.52kWh、約543円
- 5W:1年で43.8kWh、約1,358円

1Wの差は1年で約272円です。家にある機器の待機時消費電力を足すと、家全体の待機電力の見当がつきます。
家の機器を足し合わせると
たとえば、テレビ0.5W、レコーダー2W、エアコン1W、パソコンの周りの機器を合わせて3W、スマホの充電器0.5Wを1年中つないでいる家なら、合計7Wです。1年で61.32kWh、目安の単価31円で約1,901円になります(待機の値は例)。
テレビの待機電力と、番組表の取得や高速起動の設定の関係は、テレビの電気代にまとめています。ゲーム機やパソコンの待機・スリープの額は、ゲーム機の電気代とパソコンの電気代にあります。
主電源を切る・プラグを抜くと、どれだけ減るか
資源エネルギー庁の省エネ性能カタログは、同じ平成24年度の調査から、待機時消費電力量を減らす2つの段階を示しています。
- 段階1:使わないときは、機器本体の主電源スイッチを切る。待機時消費電力量を約19%減らせる
- 段階2:プラグを抜いても機能に問題が無い機器は、使わないときにプラグを抜くか、節電タップなどを使う。年間の待機時消費電力量を約49%減らせる
年228kWhに当てはめると、主電源を切る段階で約43.3kWh、約1,343円の減りです。プラグを抜くか節電タップを使う段階では約111.7kWh、約3,463円の減りになります(目安の単価31円)。

節電タップを使うとき
スイッチの付いた電源タップに、テレビの周りやパソコンの周りの機器をまとめると、使わない時間にスイッチ1つで切れます。プラグを1本ずつ抜く手間が減るので、続けやすくなります。
選ぶときは、電気用品安全法のPSEマークがある製品にし、つなぐ機器の消費電力の合計が、タップの上限を超えないようにします。差し込み口やプラグの周りにほこりや湿気がたまると火災の原因になるので、ときどき掃除をし、コードが傷んでいないかも見ます。
プラグを抜かないほうがよい家電
待機電力を減らせるのは、抜いても困らない機器だけです。次のような機器は、電気代より働きを優先し、取扱説明書の案内に沿って使います。
- 冷蔵庫・冷凍庫:使っていない時間が無く、待機ではなく運転中の機器
- 給湯器:冬や寒い地域では、凍結を防ぐヒーターが電気で動くので、電源を切ると配管や機器が壊れるおそれがある
- 録画を予約したレコーダー・テレビ:主電源を切ったりプラグを抜いたりすると、予約録画や番組表の取得が止まる機種がある
- 電話機・ネットの機器(ルーターなど):着信やファクス、通信の機器が止まる
エアコンは、使わない季節にプラグを抜く方法と、抜き差しせずに設定や掃除で省エネをする方法の、両方が挙げられています。抜くかどうかと、使い始める前の点検の方法は、機種の取扱説明書で確かめます。
電子レンジには、使っていないときに自動で電源が切れ、待機時消費電力がかからない機種があります。毎回プラグを抜く前に、仕様の欄でその機能があるかを見ます。ルーターをつけたままにした額と夜に切ったときの差は、Wi-Fiルーターの電気代にあります。
抜きやすい家電から見直す
プラグを抜いても困らず、使わない時間が長い機器から見直すと、手間に対して減る額が大きくなります。毎日抜き差しするのが手間なら、まず季節の家電や長い留守のときから始めます。
使わない季節がある家電
季節で使う家電は、使わない間はプラグを抜いておけます。こたつや電気ストーブ、扇風機、加湿器など、しまう前に抜いておけば、その季節の間の待機電力はかかりません。
充電器・パソコンの周りの機器
スマホの充電器は、充電が終わったあとも差したままにしておくと、わずかな電気を使う製品があります。パソコンのモニター、スピーカー、プリンターは、パソコンを使わない時間に節電タップでまとめて切れます。
長く家を空けるとき
旅行や帰省で何日も家を空けるときは、テレビやレコーダー、温水洗浄便座など、抜いても困らない機器のプラグを抜きます。温水洗浄便座は待機ではなく、便座と温水を温め続ける分の電気を使うので、節電の機能と合わせた額は温水洗浄便座の電気代にまとめています。
買い替えるときは、待機時消費電力も見る
家電のカタログや仕様の欄には、待機時消費電力が書かれている製品があります。同じ種類の製品なら、この値が小さいほど、使っていない時間の電気代が下がります。
ただし、待機の分は1台あたり年に数百円の大きさです。待機電力だけで買い替えを決めず、使っている時間の消費電力や年間消費電力量と合わせて比べます。
自分の家の待機電力の額を出す
調査の228kWhは平成24年度の平均で、今の家の額とは違います。自分の家の機器で一度出しておくと、どこから見直すかの順番が決められます。
ステップ1機器の待機時消費電力を調べる10分
取扱説明書や仕様の欄で、機器ごとの待機時消費電力(W)を見ます。書かれていない機器は、コンセントとの間に差して使う電力計(ワットチェッカー)で、電源を切った状態の値を測る方法もあります。
ステップ2明細から1kWhの値段を出す3分
電力会社の会員ページか検針票で、ひと月の請求額と使った電力量(kWh)を見て、請求額を量で割ります。基本料金や再エネ賦課金も込みの、自分の家の1kWhあたりの値段です。明細の見方は、電気代の平均はいくら?にまとめています。
ステップ3W の合計から1年の額を出す2分
ステップ1の合計のWを1,000で割り、8,760時間とステップ2の値段を掛けます。たとえば合計7Wで、明細の単価が1kWhあたり35円の家なら、61.32kWh×35円で約2,146円です(待機の値と単価は例)。
家計簿で光熱費を見るときは、電気代の合計の中に、この待機の分も毎月入っています。主電源を切る、節電タップでまとめて切るといった見直しをしたら、翌年の同じ月の使用量(kWh)と比べると、減った分が見えます。
待機電力の電気代は、待機時消費電力のW、つないでいる時間、1kWhの値段で出せます。抜いても困らない機器を選び、主電源とタップから見直します。
よくある質問
Q待機電力の電気代は、1年でいくらですか
資源エネルギー庁の平成24年度の調査では、1世帯あたりの待機時消費電力量は年228kWhでした。目安の単価31円で年約7,068円、1か月約589円です。家にある機器の数と種類で変わります。
Q1Wの待機電力は、いくらになりますか
1年中つないだままなら、1年で8.76kWhです。目安の単価31円で約272円になります。2Wなら約543円、5Wなら約1,358円です。
Qプラグを抜くと、どれくらい減りますか
省エネ性能カタログでは、主電源を切ると待機時消費電力量が約19%、抜いても機能に問題が無い機器のプラグを抜くか節電タップを使うと約49%減るとしています。年228kWhの家なら、それぞれ約1,343円、約3,463円の減りです(目安の単価31円)。
Q全部の家電のプラグを抜いたほうがよいですか
抜かないほうがよい機器があります。冷蔵庫、凍結を防ぐ電気を使う給湯器、録画を予約したレコーダー、電話機やネットの機器などは、取扱説明書に沿って使います。
Q節電タップは使ったほうがよいですか
プラグを1本ずつ抜く手間を減らせます。PSEマークがある製品を選び、つなぐ機器の消費電力の合計がタップの上限を超えないようにし、ほこりがたまらないよう掃除します。
まとめ
- 待機電力は、使っていない家電がコンセントにつながっている間に使う電気
- 資源エネルギー庁の平成24年度の調査では、1世帯で年228kWh、全消費電力量4,432kWhの5.1%
- 目安の単価31円(全国家庭電気製品公正取引協議会)で年約7,068円、月約589円
- 1Wを1年中つなぐと8.76kWhで約272円
- 主電源を切ると約19%、プラグを抜くか節電タップを使うと約49%減る(省エネ性能カタログ)
- 冷蔵庫・給湯器・録画予約のある機器・電話やネットの機器は、取扱説明書に沿って使う
- 自分の家の額は、機器ごとのWを足し、明細から出した1kWhの値段で計算する
待機時消費電力のWと明細の単価が分かれば、自分の家の待機電力の電気代を出せます。抜いても困らない機器から順に見直せます。
この記事で参照した公的情報
- 省エネ性能カタログ 2019年版(省エネ基礎知識「知らないうちに電気を使っている」6ページ・家庭1世帯あたりの待機時消費電力量228kWh/年・全消費電力量4,432kWh/年の5.1%・主電源オフで約19%削減・プラグを抜くか節電タップで約49%削減。出所は「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」)
- 窓口
- 経済産業省 資源エネルギー庁(省エネ型製品情報サイト)
- 確認日
- 確認先
- https://seihinjyoho.go.jp/frontguide/pdf/catalog/2019/catalog2019.pdf
- よくある質問 Q7 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか(電力取引報の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき算出・現在の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込))
- 窓口
- 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
- 確認日
- 確認先
- https://www.eftc.or.jp/qa/
- 家計調査 家計収支編 2025年(総世帯の電気代・1か月平均10,962円)
- 窓口
- 総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
- 確認日
- 確認先
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409805
