エアコンの移設費用はいくら?|取り外し・取り付け・運ぶ費用と追加工事の目安、買い替えとの比べ方

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エアコンの移設費用は、標準の工事で済めば、取り外しと取り付けを合わせて1台2万〜3万円前後が目安です。取り外しが5,000〜1万円程度、取り付けが1万5,000〜2万円程度とされます。

この額に、運ぶ費用と追加の工事が足されます。古い配管を新しくする、ガスを補充する、移設先にコンセントや配管の穴が無い、といったときで、工事ごとの目安は、このあとの節で並べています。

新しく買う場合は、本体と取り付けの工事費に、古いエアコンの処分の費用がかかります。どちらがよいかは、エアコンの年数と移設先の部屋の広さ、両方の総額を並べて決めます。

引っ越し先にエアコンを持っていくか迷っています。移設にいくらかかるのか、買い替えたほうが安く済むのかが分かりません。

移設の費用の目安

移設の費用は、今の家での取り外し、新しい家までの運搬、新しい家での取り付けの3つと、移設先の様子で要る追加の工事を足したものです。同じ建物の別の部屋へ移すときは、運ぶ費用はかからないか小さく済みます。

冒頭の額は、エアコンの販売と工事を行う会社が示す目安です。この会社は新しいエアコンを工事込みで売ってもいるので、実際に頼む先の見積もりと並べて使います。

次の表は、頼む先ごとの、取り外しと取り付けの基本の工事の目安です。どちらも追加の工事は入っていません。

頼む先 基本の工事の目安 運ぶこと
引っ越しの事業者 1万5,000〜3万円程度 引っ越しの料金に含む
エアコンの工事の業者 1万4,000〜2万6,000円程度 別に手配する

工事の業者の額は、取り外し4,000〜8,000円程度と、取り付け1万〜1万8,000円程度を合わせたものです。引っ越しの事業者は、引っ越しの忙しい3〜4月には料金を高めにしていることもあります。

新しく取り付けるときの標準工事の額と比べたいときは、エアコンの取り付け工事費にある能力ごとの目安が使えます。移設でも、移設先が標準工事の条件(配管の長さや室外機の置き場所など)から外れると、追加の工事がかかります。

頼む先ごとの違い

引っ越しの事業者に頼むと、荷物と一緒に運んでもらえ、窓口も1つで済みます。ただ、エアコンの脱着は引っ越しの事業者が自分で行わず、外部の工事の業者に任せることがあり、追加の料金が前もって分かりにくいことがあります。

国民生活センターの資料には、見積もりのときにエアコンの当日の脱着費用や高所作業の追加費用の説明が無く、引っ越しの当日に約2万円の追加を払った相談が載っています。頼むときは、脱着と追加の工事が見積書に入っているかを確かめます。

エアコンの工事の業者に直接頼むと、詳しい見積もりを工事をする人から聞けます。運ぶのは自分か引っ越しの事業者になり、近い距離なら、数千円の追加で運搬を引き受ける業者もあります。

遠くへ引っ越すときは、今の家の近くの業者に取り外しを、新しい家の近くの業者に取り付けを、別々に頼むことになる場合があります。取り付けたあとに不具合が出ると、どちらの作業の原因か分かりにくくなるので、それぞれの業者に作業の中身を伝えておきます。

当日の追加料金の見分け方と、言われたときにその場ですることは、引っ越しの追加料金にまとめています。もう払ってしまったときの相談先も、同じ記事で確かめられます。

移設で足される工事と目安

移設では、新しく取り付けるときには無い工事がかかることがあります。今まで使っていた配管が傷んでいたり、移設先で長さが足りなかったりするときや、取り外しのときに冷媒のガスが抜けたときです。

次の表は、移設のときに足されることのある工事と目安を並べたものです。額は1台あたりで、業者や作業の中身で変わります。

追加の工事 要るとき 目安
配管の交換・延長 傷んでいる・4mを超える 1mあたり3,000〜4,000円
冷媒ガスの補充 ガスが抜けた・足りない 1万〜2万円
隠ぺい配管への接続 配管が壁の中を通る 1万〜2万円

隠ぺい配管は、建物の壁の中にあらかじめ配管を通してある作りです。今のエアコンと配管の長さや太さが合わず、つなげないことや、工事を断られることもあるので、移設先がこの作りかは先に確かめます。

移設先の条件で足される工事

移設先の様子で要る工事は、新しく取り付けるときと同じです。室外機を屋根や壁に置く、コンクリートやタイルの壁に穴を開ける、専用のコンセントを増やす、コンセントの形や電圧(100Vと200V)を合わせる、配管を化粧カバーで覆う、といった工事です。

工事ごとの目安は、エアコンの取り付け工事費の追加料金の表にあります。移設のときも、移設先の室外機の置き場所、配管の穴、専用のコンセントの3つを見ておくと、どの工事が要るかの見当が付きます。

冷媒のガスと、古い機種の注意

エアコンの室内機と室外機は、冷媒のガスが通る配管でつながっています。取り外すときは、ガスを室外機の中に閉じ込める作業(ポンプダウン)をしてから外し、取り付けたあとは配管の空気を抜いて(真空引き)から使います。

この作業がうまくいかないと、ガスが抜けて冷えなくなり、補充の費用がかかります。R22など、とても古い機種の冷媒はもう作られておらず、ガスが抜けると足せないため、移設をあきらめることがあります。

フロン排出抑制法の第86条は、特定製品に冷媒として入っているフロン類を、みだりに大気中に放出してはならないとしています。この法律でいうフロンの特定製品は業務用のエアコンや冷凍・冷蔵の機器と、車のエアコンで、家庭用のエアコンは入っていません(第2条第3項から第5項)。

家庭用でも、移設ではガスを外に出さないのが前提です。フロン類は、オゾン層を破壊し、地球温暖化に深刻な影響をもたらすものとされ(同じ法律の第1条)、ガスを抜いてしまうと新しい家で補充の費用もかかります。

電気の工事と、自分で外すとき

エアコンの工事には、電気工事士の資格が要る作業があります。経済産業省が示した解釈をもとにした静岡県の案内では、室内機と室外機をつなぐ内外接続線の作業と、接地線(アース)の作業が電気工事に当たるとしています。電気工事士でない人がこの工事をすると、罰則が適用されることがあります。

エアコンは重く、ガスの扱いを誤ると壊れることもあるので、取り外しから取り付けまで業者に頼みます。電気工事士法の決まりは、エアコンの取り付け工事費の電気の工事の節にあります。

移設か買い替えかの決め方

移設か買い替えかは、今のエアコンの年数と、移設先の部屋に合うかで、考え方が分かれます。次の表は、今のエアコンと移設先の様子ごとに、考え方と理由を並べたものです。

状況 考え方 理由
買ってから年数が浅い 移設を考えやすい 移設の費用で長く使える
長く使っている 買い替えも並べる 移設のすぐあとに壊れることがある
移設先の部屋が広い 買い替えを考える 能力が足りず効きにくい
本体が安かった 買い替えも並べる 移設の費用が本体に近づく
古い冷媒(R22など) 買い替えも並べる ガスが抜けると補充できない
賃貸の備え付け 持っていけない 部屋の設備で自分の物ではない

内閣府の消費動向調査では、2025年4月から2026年3月までにエアコンを買い替えた二人以上の世帯が、それまで使っていた年数の平均は13.4年でした。メーカーが修理用の部品を持っておく期間は、規約で製造打切後9年以上とされています。

製造年は、室内機や室外機のラベルで確かめられます。年数の数字の意味の違いはエアコンの寿命にあり、移設先の広さに合う能力と電気代はエアコンの電気代で見られます。

自分の額で比べる

移設と買い替えは、それぞれの総額で比べます。見積もりを取ったら、次の式に当てはめます。

  • 移設の総額:取り外しと取り付け+運ぶ費用+追加の工事
  • 買い替えの総額:新しい本体と取り付けの工事+古いエアコンの取り外しと処分

移設先にコンセントや配管の穴が無いときの工事は、移設でも買い替えでも同じようにかかるので、比べるときの差にはなりません。差になるのは、移設だけにかかる運ぶ費用・配管の交換・ガスの補充と、買い替えだけにかかる本体の値段と古いエアコンの処分です。

移設と買い替えの総額の例の図。移設は取り外しと取り付け24,000円、運ぶ費用4,000円、配管の交換3m分10,500円、ガスの補充12,000円で合計50,500円。買い替えは本体と標準工事98,000円、古いエアコンの取り外し5,000円、リサイクル料金990円、収集運搬料金2,500円で合計106,490円。金額は例

図は、移設で配管を3m新しくし、ガスも補充する家を置いた例です。移設は50,500円、買い替えは106,490円で、その時に払う額は移設のほうが55,990円少なくなります。

ただ、使える年数で割ると見え方が変わります。今のエアコンがあと4年で壊れるなら移設は1年あたり12,625円、新しいエアコンを12年使うなら1年あたり約8,874円です(年数は例)。今のエアコンをあと何年使えそうかを並べて決めます。

古いエアコンの処分

新しい家に持っていかないエアコンは、家電リサイクル法に沿って処分し、引き取りの料金も払います。料金一覧を出している家電製品協会によると、主要メーカーのエアコンのリサイクル料金は550円か990円で、税込の額です。

新しいエアコンを買う店に頼めば、取り付けと同じ日に古いほうを外して引き取ってもらえます。まだ新しく状態のよいものは、買い取りに出せることもあります。処分の出し方は家電リサイクル料金はいくら?にまとめています。

付け直さずに外すだけなら、取り外しの工事の額と処分の額を分けて見ます。取り外しだけを頼むときの額は、エアコンの取り外し費用にあります。

移設の前に確かめること

見積もりは、今の家と移設先の様子を正しく伝えるほど、当日の追加が出にくくなります。頼む前に、次のことを見ておきます。

  • エアコンのこと:メーカー・型番・製造年・何畳用か(室内機のラベルにある)
  • 今の家:室外機の置き場所(ベランダ・地面・壁や屋根)と、化粧カバーの有無
  • 移設先の部屋:広さ・配管の穴・専用のコンセントの形と電圧
  • 移設先の室外機:置き場所があるか、室内機から4mくらいに収まるか
  • 見積書:追加の工事が要る場合の額と、最大でいくらになるか

設置の様子が込み入っているときは、業者に現地を見てもらう見積もりを頼むと、額が確かになります。引っ越しの多い3〜4月は予約が取りにくくなるので、引っ越しの日が決まったら早めに頼みます。

工事が終わってから見積書に無い額を言われたときは、すぐに払わず、見積書・請求書・工事の写真を手元に残します。消費者ホットラインの188にかけると、住まいの近くの消費生活センターなどの窓口につないでもらえます。

賃貸の部屋のとき

賃貸の部屋に自分で付けたエアコンは、退去のときに外して持ち出すのが基本です。持っていかない場合は、付けたまま置いていけないかを、大家か管理会社に相談できます。認められれば、取り外しと処分の費用がかかりません。

入居したときから付いていた備え付けのエアコンは、部屋の設備なので持ち出せません。新しい部屋に備え付けがあり、自分のエアコンを付けたいときも、扱いを大家か管理会社に相談します。

新しい部屋に付けるときは、配管の穴を開けてよいか、室外機をどこに置けるかも先に聞いておきます。建物の作りや決まりで、穴を開けられない部屋もあります。

国土交通省のガイドラインは、借りた人が付けたエアコンの壁のビス穴や跡を、通常の損耗と考えられるとしています。退去のときに借りた人が払うものと払わないものは、賃貸の退去費用で分けています。

まとめ

  • エアコンの移設費用は、標準の工事で済めば取り外しと取り付けで1台2万〜3万円前後が目安。運ぶ費用と追加の工事は別にかかる
  • 引っ越しの事業者は窓口が1つで済み、工事の業者は直接詳しく聞ける。遠くなら取り外しと取り付けを別の業者に頼むこともある
  • 移設だけで足されることのある工事は、配管の交換・延長、冷媒ガスの補充、隠ぺい配管への接続。移設先の条件で要る工事は新しく付けるときと同じ
  • 移設では、ガスを外に出さずに室外機に閉じ込めるポンプダウンが要る(家庭用のエアコンはフロン排出抑制法の特定製品には入らないが、ガスは抜かない)。内外接続線と接地線の作業は電気工事
  • 移設か買い替えかは、年数・移設先の広さ・総額で決める。差になる費用だけを並べ、使える年数で割って比べる
  • 賃貸で自分で付けたものは退去のときに外すのが基本で、備え付けは持ち出せない。追加料金で困ったら188

移設の費用と、買い替えたときの総額を、自分の見積もりの額で並べられるようになりました。今のエアコンの年数と移設先の部屋の広さも合わせて、持っていくかを決められます。

この記事で参照した公的情報

  1. フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)第1条(オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するため)・第2条第3項(第一種特定製品=エアコンディショナー・冷蔵機器及び冷凍機器のうち、業務用の機器(一般消費者が通常生活の用に供する機器以外の機器)であって冷媒としてフロン類が充塡されているもの)・第4項(第二種特定製品=使用済自動車再資源化法の特定エアコンディショナー)・第5項(特定製品=第一種特定製品及び第二種特定製品)・第86条(何人も、みだりに特定製品に冷媒として充塡されているフロン類を大気中に放出してはならない)(2025-06-01 施行の版。未施行の版は無い)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC1000000064
  2. 家庭用エアコンの設置・修理工事の内容によって電気工事業の登録が必要です!(エアコンの設置工事のうち、室内機・室外機をつなぐ内外接続線の作業と接地線の作業は電気工事・登録を受けずに電気工事業を営んだり、電気工事士以外の者が電気工事を行った場合は罰則が適用されることがある・経済産業省原子力安全・保安院「エアコン設置工事に係る電気工事士法の解釈適用」(平成20年12月3日))(2025年10月7日更新)
    窓口
    静岡県 経済産業部商工業局地域産業課
    確認日
    確認先
    https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/shokogyoservice/1046844/1043015.html
  3. 引越トラブルにご注意(報道発表資料・令和8年2月4日:見積り時にエアコンの脱着作業に関する当日費用や高所作業に伴う追加費用の説明がなく、引越当日に約2万円の追加料を支払った相談(当日脱着は約1万円の追加料金と後から言われた)・エアコンの脱着などの附帯サービスの費用が引越料金に含まれると思っていたら別途料金を請求されたトラブル・附帯サービスは外部の事業者に委託することが多くあり、作業内容や費用、追加料金等について疑問があれば引越事業者に確認・すでに提供されたエアコンの脱着作業等は解約時に別途費用を請求されることがある)
    窓口
    独立行政法人国民生活センター
    確認日
    確認先
    https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260204_1.pdf
  4. 消費動向調査 令和8年(2026年)3月実施調査結果 第5表 主要耐久消費財の買替え状況(二人以上の世帯・令和7年4月から令和8年3月の間に買い替えた世帯・ルームエアコンの平均使用年数13.4年・11品目で最も長い)
    窓口
    内閣府 経済社会総合研究所
    確認日
    確認先
    https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202603.pdf
  5. 家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約施行規則 別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間(エアーコンディショナー9年・保有年数は同表の年数を下回ることはできない・表示例は「製造打切後○年保有」)
    窓口
    公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    確認日
    確認先
    https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.html
  6. 再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)主要メーカー一覧(品目とメーカー名でリサイクル料金が異なる・主要メーカーのエアコンは550円か990円・一覧には1,034円・2,000円のメーカーもある・税込)
    窓口
    一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
    確認日
    確認先
    https://www.rkc.aeha.or.jp/recycle_price_compact.html
  7. 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版・平成23年8月)(エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡=エアコンについても、テレビ等と同様一般的な生活をしていくうえで必需品になってきており、その設置によって生じたビス穴等は通常の損耗と考えられる)
    窓口
    国土交通省
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
  8. 消費者ホットライン(188に電話すると、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

この記事を書いているのは

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