エアコンの取り付け工事費の相場はいくら?|標準工事に入る作業と、追加料金がかかる工事の目安、自分の家の総額の出し方

エアコンの取り付け工事費は、標準工事なら1台1万6,000〜2万5,000円前後が目安とされます。冷房の能力が大きい機種ほど高く、6〜12畳用で1万6,000円前後、18畳用以上で2万5,000円前後です。
標準工事の範囲を超えると、追加の工事費が足されます。配管を延ばす、室外機を屋根や壁に付ける、専用のコンセントを増やす、といった工事で、数百円で済むものから2万円を超えるものまであります。
古いエアコンを外して捨てるときは、取り外しの費用とリサイクル料金、運ぶ料金も加わります。総額は「本体+標準工事+追加工事+取り外しと処分」で出せるので、見積もりの前に、自分の家に当てはまる追加工事を確かめておきます。
エアコンを買うときに、取り付けの工事にいくらかかるのかが分かりません。当日に追加料金を言われないかも心配です。
標準工事の費用の目安
次の表は、エアコンの大きさごとに、目安とされる額と、大手の家電量販店1社の通販の料金表の額(2026年10月に確認・税込)を並べたものです。どちらも本体の値段は入っていません。
| エアコンの大きさ | 目安とされる額 | 料金表の例 |
|---|---|---|
| 6〜12畳用 | 1万6,000円前後 | 18,700円 |
| 14畳用 | 1万7,000〜2万円前後 | 18,700円 |
| 18畳用以上 | 2万5,000円前後 | 24,200円 |
料金表の額は店で違い、改められることもあるので、頼む店の今の料金表で確かめます。目安の幅も店や業者で違い、6〜8畳用で1万〜1万8,000円、16畳用以上で1万6,000〜3万円とされることもあります。
家電量販店では、工事費を本体の値段に含めている場合があります。ほかの店やネットで買ったエアコンの取り付けは、断られるか追加の料金がかかることがあるので、本体と工事を別に頼むときは先に確かめます。
標準工事に入る作業
標準工事は、決まった条件の中で行う基本の工事です。中に入る作業として、次の5つが挙げられます。
- 室内機の取り付け:壁に板を付けて、室内機を掛ける
- 配管と電線の接続:配管とドレンホース、電線を、4mまでつなぐ
- 壁の穴あけ:木やモルタルなどの壁に、配管を通す穴を開ける
- 室外機の設置:同じ階のベランダか地面に置く
- 真空引き:つないだ配管の中の空気を抜く
工事の時間は、標準の条件なら1〜2時間が目安です。標準工事の中身は店や業者で違い、穴あけや真空引きを含めていない所もあるので、見積もりのときに作業ごとに確かめます。
配管を覆う化粧カバーは、標準工事には入りません。カバーを付けないときは、配管にテープを巻いて仕上げます。
標準工事で済む条件
標準工事で済むかは、家の条件で決まります。次の4つに当てはまれば、追加の工事は要らないことになります。
- 室外機の置き場所が、室内機のある階のベランダか地面
- 室内機と室外機をつなぐ配管が、4mくらいまでに収まる
- エアコン専用のコンセントが、取り付ける場所の近くにある
- 配管を通す穴がすでにあるか、壁が木やモルタルなど穴を開けやすい材質
どれか1つでも外れると、その分の追加工事がかかります。次の節で、工事ごとの目安を並べます。
追加料金がかかる工事と目安
次の表は、家の条件ごとに、要る追加の工事と目安の額を並べたものです。額は1台あたりで、店や業者、作業の中身で変わります。
| 家の条件 | 追加の工事 | 目安 |
|---|---|---|
| 室内機と室外機が4mより離れる | 配管の延長 | 1mあたり3,000〜5,000円 |
| 水を流すホースだけ延ばす | ドレンホースの延長 | 1mあたり400〜500円 |
| 2階から1階へ配管を下ろす | 高所作業 | 5,000〜2万円 |
| 室外機を屋根・壁・天井に | 特殊な設置 | 付け替え6,000円〜・新設1万5,000円〜 |
| 室外機を2段に重ねる | 二段置き | 付け替え3,000円〜・新設2万円〜 |
| コンクリートの壁に新しい穴 | 硬い壁の穴あけ | 1万6,500〜2万5,000円 |
| タイルの壁に新しい穴 | 硬い壁の穴あけ | 5,500〜8,800円 |
| 土壁・砂壁で強さが足りない | たて桟の取り付け | 2,200円〜 |
| 近くに専用コンセントが無い | コンセントの増設 | 8,000〜1万5,000円以上 |
| コンセントの形や電圧が違う | 交換・電圧の切り替え | 2,000〜4,000円 |
| 外の配管を見せたくない | 屋外の化粧カバー | 6,000〜8,800円 |
| 室内の配管を見せたくない | 屋内の化粧カバー | 9,000〜1万1,000円 |
| 古いエアコンが付いている | 取り外し | 4,000〜9,000円 |
| 古いエアコンを捨てる | リサイクル料金と運ぶ料金 | 550円・990円など+運ぶ料金 |
室外機の置き場所と配管の長さ
追加料金の差が大きく出るのは、室外機をどこに置くかです。2階の部屋に付けて室外機を1階に置くと、配管の延長に高所作業が重なり、2万円を超えることもあります。
ベランダが無い家では、室外機を屋根に置いたり、壁や軒下に金具で吊るしたりします。前のエアコンの金具をそのまま使えるなら付け替えの額で済みますが、金具を新しく付けると1万5,000円からが目安です。
3階以上で足場が無いときは、高所作業の料金に加えて、落ちないための器具の料金がかかることもあります。引っ越しで今のエアコンを付け直す移設は、取り外しと運ぶことと取り付けを合わせた費用になります。移設の費用の目安と買い替えとの比べ方はエアコンの移設費用にあります。
壁の材質と穴
配管を通す穴が無い部屋では、壁に穴を開けます。木やモルタルなら標準工事に入ることがあり、コンクリートやタイルなど硬い壁は追加になります。壁が厚いときや、穴を2か所以上開けるときも追加です。
集合住宅では、壁に穴を開けるには管理組合の許しが要ることがあり、建物によっては工事を断られます。穴を開けられないときは、配管を通す穴の付いた窓パネルを窓枠に付けて使う方法もあります。
窓枠にはめ込んで使う窓用エアコンなら、壁に穴を開ける工事は要りません。電気代の違いは窓用エアコンの電気代で比べられます。
電気の工事は、電気工事士が行う
エアコンは使う電力が大きいので、ブレーカーから分けた専用のコンセントにつなぎます。部屋に専用のコンセントが無いときは増設し、コンセントの形や電圧(100Vと200V)が本体と合わないときは、交換や切り替えの工事をします。増設の額はコンセント増設の費用にあります。
電気工事士法 第3条第2項は、一般用電気工作物等(家の電気の設備など)の電気工事の作業は、第一種か第二種の電気工事士でなければ従事してはならないとしています(保安上支障がないとされる省令の作業を除く)。除かれる作業は、電気工事士法施行規則 第2条第2項で決められています。
施行規則は、コンセントなどの配線器具を取り付けて電線をつなぐ作業を、資格の要る作業に入れています(露出型のコンセントを取り換える作業などを除く)。専用のコンセントを増やすときは、資格を持つ人が来るかを見積もりで確かめます。
古いエアコンの取り外しと処分
買い替えでは、古いエアコンの取り外しの費用がかかり、壁や屋根に付けた室外機は高くなります。外したエアコンは家電リサイクル法の対象なので、リサイクル料金と運ぶ料金を払って引き取ってもらいます。
家電製品協会の料金一覧では、主要メーカーのエアコンのリサイクル料金は550円か990円です(税込)。同じ一覧には1,034円や2,000円のメーカーもあり、これに店の収集運搬料金が2,000〜3,000円前後加わります。新しいエアコンを買う店に、古いほうの引き取りを頼めます。
メーカーごとの額や、買い替えのとき以外の出し方は家電リサイクル料金はいくら?にまとめています。替える時期の目安はエアコンの寿命にあります。
古い建物で穴を開けるときの石綿の調査
石綿障害予防規則 第3条は、建物の解体や改修の作業をする事業者に、前もって石綿(アスベスト)が使われているかを調べるよう求めています。壁に穴を開けるエアコンの工事でも、この事前調査の費用がかかることがあります。
新築の工事が始まった日(着工日)が2006年(平成18年)9月1日以降の建物なら、着工日を設計図書などで確かめる方法によることができます。それより前の建物では、前の調査の記録が無ければ、厚生労働大臣が定める者が調べます。調査の要る家かは、見積もりで建物の年を伝えて確かめます。
そのほかの追加の工事
配管を壁や天井の中に通す隠ぺい配管は、ふつうの取り付けより大がかりで、建物の状態で額が変わります。現地で見てもらってから額が決まり、建物によっては工事ができないこともあります。
移設のときや配管が長いときは、冷媒のガスが足りなくなり、補充の料金がかかることがあります。ドレンホースから「ポコポコ」と音がするのを防ぐ部品は、2,000〜3,000円が目安です。
自分の家の総額を出す
総額は「本体の値段+標準工事+追加工事+古いエアコンの取り外しと処分」で出します。見積もりを頼む前に、次のことを見ておくと、どの追加工事が要るかの見当が付きます。
- 室外機の置き場所:同じ階のベランダか地面か、屋根・壁・1階か
- 配管の長さ:室内機を付ける壁から室外機までが4mに収まるか
- 壁の穴と材質:配管の穴があるか、無ければ壁は何でできているか
- 専用のコンセント:近くにあるか、形と電圧は本体の仕様と合うか
- 古いエアコン:外すものがあるか、どのメーカーのものか
- 建物の年:新築の工事が2006年9月より前か

図は、1階の部屋に14畳用を付け、壁がタイルで穴が無く、専用のコンセントも無い家を置いた例です。標準工事の18,000円に、追加工事と古いエアコンの処分が加わり、合計は53,490円になります。
この例では、工事と処分だけで標準工事の約3倍です。図の額は目安の幅から置いた例なので、実際の額は見積書で確かめます。
見積もりで確かめること
当日に追加料金を言われないようにするには、工事の前に家の様子を正しく伝えて、総額で見積もってもらうことです。業者を選ぶときは、次の点を確かめます。
- 家の様子を伝える:室外機を置く場所や壁、コンセントの写真を送るか、現地で見てもらう
- 内訳が書いてあるか:標準工事と追加工事を分け、何にいくらかかるかが分かる
- 上限の額:「〜円から」だけでなく、最大でいくらになるかを聞く
- 工事の保証:取り付けたあとの水漏れやガス漏れに、何年まで対応するか
- 電気の工事:コンセントの増設などが要るとき、電気工事士が行うか
いくつかの業者から見積もりを取ると、標準工事の中身と追加の額を比べられます。標準工事の額が安くても、追加工事を含めると高くなることがあるので、同じ条件の総額で並べます。
工事の保証は、大手の量販店では1年から最長5年のものがあるとされ、期間と中身は業者で違います。料金が目安よりかなり安い、または高いときは、その理由を聞いておきます。
追加料金で困ったときの相談先
見積もりに無い高い追加料金を工事のあとで求められたら、すぐに払わず、見積書と請求書、工事の写真を残しておきます。困ったときは消費者ホットライン(188)に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。引っ越しの当日の追加は引っ越しの追加料金も見てください。
工事費を抑える方法
取り付けの頼み方と時期で、工事費や待つ時間が変わります。抑える方法には、次の3つがあります。
- 混む時期を避ける:引っ越しの3〜4月と暑い7〜8月が忙しい時期とされる
- 前の穴やカバーを使う:同じ場所に付け替えるなら、配管の穴や化粧カバーを使えることがある
- 本体と工事の総額で比べる:本体を安く買えても、工事費を足すと高くなることがある
忙しい時期は予約が取りにくく、料金が高めになることもあります。春や秋は業者の予定に余裕があり、希望の日に工事を頼みやすいとされます。
本体をネットで買って工事の業者に頼む方法と、家電量販店で本体と工事をまとめて頼む方法があります。工事の業者に直接頼むと、中間の手数料が入らない分、安くなる傾向があるとされます。店にまとめて頼むと、業者を探す手間がかかりません。
賃貸の部屋に取り付けるとき
賃貸の部屋に自分でエアコンを付けるときは、先に大家か管理会社に相談して許可を取ります。許可や退去のときの扱いを先に決めておかないと、あとで思わぬ費用がかかることがあります。
部屋によっては、標準工事で付けられないことがあります。頼む前に、次の点を確かめます。
- 配管を通す穴(エアコン用の穴)があるか
- 室外機を置ける場所があるか
- エアコンをつなぐ専用のコンセントが付いているか
- 200Vの機種なら、200Vの回路があるか
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、借りた人が持ち込んだエアコンを付けたことによる壁のビス穴や跡を、通常の損耗と考えられるとしています。テレビなどと同じく、ふつうの生活に要るものになってきたためとされます。
退去のときにエアコンを持って出るなら、取り外しの費用がかかります。付けたままにできるかも、取り付ける前に大家か管理会社と決めておきます。通常の損耗の分け方は賃貸の退去費用はいくら?にあります。
まとめ
- 標準工事の費用は、1台1万6,000〜2万5,000円前後が目安。能力の大きい機種ほど高く、料金表の額は店で違う
- 標準工事は、室内機の取り付け・配管の接続(4mまで)・穴あけ・室外機の設置・真空引き。中身は店や業者で違う
- 配管の延長、室外機の特殊な設置、硬い壁の穴あけ、専用コンセントの増設、化粧カバーは追加料金になる
- 古いエアコンは、取り外しの費用とリサイクル料金(主要メーカーは550円か990円・税込)、運ぶ料金がかかる
- コンセントの増設などの電気の工事は、電気工事士が行う。2006年9月より前に着工した建物では、決められた者による石綿の調査がかかることがある
- 総額は「本体+標準工事+追加工事+取り外しと処分」。家の様子を伝えて内訳と上限の額を見積もってもらう
- 追加料金で困ったら188。賃貸では先に大家か管理会社の許可を取る
この記事で参照した公的情報
- 電気工事士法 第3条第2項(第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない)(2025-06-01 施行の版)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000139
- 電気工事士法施行規則 第2条第2項(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業は、配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)などに掲げる作業以外の作業とする)(2023-12-28 施行の版。未施行の改正は無い)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50000400097
- 石綿障害予防規則 第3条(事業者は、建築物の解体又は改修の作業を行うときは、あらかじめ石綿等の使用の有無を調査しなければならない・新築工事の着工日が平成十八年九月一日以降である建築物は着工日を設計図書等の文書で確認する方法によることができる・前項各号の場合(すでに相当する調査の記録がある場合など)を除き厚生労働大臣が定める者に行わせる)(2026-04-01 施行の版。未施行の 2027-04-01 施行の版も同じ文)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000100021
- 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版・平成23年8月)(エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡=エアコンについても、テレビ等と同様一般的な生活をしていくうえで必需品になってきており、その設置によって生じたビス穴等は通常の損耗と考えられる)
- 再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)主要メーカー一覧(品目とメーカー名でリサイクル料金が異なる・主要メーカーのエアコンは550円か990円・一覧には1,034円・2,000円のメーカーもある・税込)
- 窓口
- 一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
- 確認日
- 確認先
- https://www.rkc.aeha.or.jp/recycle_price_compact.html
- 消費者ホットライン(188に電話すると、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する)
