フードバンクを利用するには|食品を受け取れる人・相談の窓口・受け取りまでの流れ

家計の見える化 ・

フードバンクは、まだ食べられるのに売ることができなくなった食品を企業などから寄附で受け取り、食べ物に困っている人や福祉の施設に無償で届ける団体です。個人が食品を受け取る道は、相談の窓口を通じる方法と、団体の配布会に申し込む方法の2つがあります。

この記事では、受け取れる人、窓口と近くの団体の探し方、受け取りまでの流れを、農林水産省と厚生労働省の資料でまとめます。食べ物と一緒に相談できる公的な制度と、家計簿での書き方も書きます。

今月は食費まで手が回りません。フードバンクを使いたいのですが、どこに連絡すればよいのか分かりません。

フードバンクは、寄附された食品を無償で届ける団体

農林水産省の説明では、フードバンクは主に食品関連の事業者などから未利用の食品の寄附を受け、こども食堂・こども宅食・生活困窮者・福祉施設などに無償で提供する団体です。名前に「フードバンク」と付いていなくても、同じ活動をする団体を含みます。

消費者庁の案内では、包装の印字ミスや賞味期限が近いなど、品質には問題がないのに通常の販売が難しい食品が集まります。米・パン・めん類・生鮮食品・菓子・飲料・調味料・インスタント食品などです。

フードバンクの流れの図。食品の事業者や個人が寄附した食品をフードバンクが集め、相談の窓口・福祉の施設・こども食堂・フードパントリーなどを通じて、食べ物に困っている人に無償で届く

図は、農林水産省の資料「円滑な食品アクセスの確保について」(令和8年4月)の食品寄附の流れを、受け取る側から見て簡単にしたものです。フードバンクは、個人に直接渡すだけでなく、窓口や施設を通じて届ける役も担っています。

団体の数と、国の関わり

農林水産省は、掲載を希望した団体を「フードバンクオープンリスト」にまとめていて、令和8年8月時点で343団体です。国は団体の立ち上げや機能の強化を支援していますが、食品を配るのはそれぞれの団体です。

そのため、受け取れる人・受け取り方・回数などの決まりは、団体ごとに違います。農林水産省のページも、団体についての問い合わせは各団体へ直接するよう案内しています。

似た名前の活動との違い

農林水産省の資料では、食べ物に困っている人への食の支援として、次のような活動が並んでいます。どれも寄附された食品などを使い、無料か安い値段で食べ物を届ける活動です。

  • フードパントリー:寄附された食品を、受け取る人に直接渡す活動
  • こども食堂:子どもを中心に、無料か安い値段で食事と団らんの場を用意する活動
  • こども宅食:支援が必要な子育て家庭に、定期的に食品を届ける活動
  • コミュニティフリッジ:公共の施設などに置いた冷蔵庫から、寄附された食品を受け取れるしくみ
  • フードドライブ:家庭で余った食品を、スーパーなどの回収の場所に持ち寄って寄附する活動

フードドライブは、食品を出す側の活動です。受け取る側が使う入口は、フードパントリー・こども食堂・こども宅食・コミュニティフリッジと、フードバンクにつながる相談の窓口です。

食品を受け取れる人

受け取れる人の決まりは、団体ごとに違います。フードバンクオープンリストの「主な提供先」には、生活困窮世帯・ひとり親の家庭・子育て世帯・高齢者の世帯・福祉の施設などが並んでいます。

厚生労働省の生活困窮者自立支援制度でいう「生活困窮者」は、法律 第3条で、仕事や心身の状況、地域とのつながりなどの事情で、経済的に困っていて最低限の暮らしを保てなくなるおそれのある人です。働いているかどうかでは分けていません。

個人には渡さず、施設や団体だけに届ける団体もある

フードバンクの中には、食品を渡す先を福祉の施設・子ども食堂・支援団体などに限り、個人には直接渡さない団体があります。その場合でも、団体とつながっている窓口や施設を通じて受け取れることがあります。

住んでいる市区町村に住む人だけ、ひとり親の家庭だけ、と対象を絞っている団体もあります。申し込む前に、団体の案内で対象を確かめます。

個人が受け取る道は2つ

個人が食品を受け取る方法は、大きく分けて次の2つです。どちらが使えるかは、住んでいる地域の団体と窓口のしくみで変わります。

  • 相談の窓口(自立相談支援機関・社会福祉協議会・市区町村の相談窓口など)を通じて受け取る
  • 団体が開くフードパントリー(配布会)に、自分で申し込んで受け取る

相談の窓口を通じて受け取る

厚生労働省の「自立相談支援事業の手引き」では、フードバンクは法律や制度によらない支援(インフォーマルな支援)の例として挙げられています。自立相談支援機関は、こうした地域の支援と連携して、生活に困っている人を支えるとされています。

県や市の案内にも、窓口を通じた例があります。長野県の案内(2026年6月更新)では、生活困窮者自立支援法に基づく相談窓口「まいさぽ」に相談して申し込み、県がつくった長野県フードサポートセンターから食料が届きます。

三鷹市の案内では、市の社会福祉協議会や市の相談窓口を通して、食べ物に困っている人に食品を届けています。どの窓口がフードバンクとつながっているかは地域で違うので、最初の電話で「食料の支援を受けたい」と伝えて確かめます。

フードパントリーに申し込んで受け取る

個人に直接渡している団体は、決まった日と場所で配布会(フードパントリー)を開いています。団体の案内では、予約が要る所と要らない所があり、受け取るときに本人を確かめる書類が要る所もあります。

団体によって、受け取れる回数に上限を設けている所や、初めての人には窓口などからの紹介を求める所があります。配布会の日程は、団体のホームページや市区町村の案内で確かめます。

近くのフードバンクと窓口の探し方

探す先は3つあります。電話が苦手なときは、住んでいる市区町村のホームページで「フードバンク」「食料支援」と探すと、市の案内が見つかることがあります。

1つ目は、農林水産省の「フードバンクオープンリスト」です。北海道・東北・関東などの地域ごとに、団体の名前・住所・電話番号・ホームページと、主な提供先(個人・子ども食堂・福祉の施設など)が載っています。

2つ目は、住んでいる市区町村の自立相談支援機関です。厚生労働省の生活困窮者自立支援制度のページに、窓口の一覧が置かれています。3つ目は、市区町村の社会福祉協議会です。

ステップ1オープンリストで、住んでいる県の団体を見る10分

農林水産省の「円滑な食品アクセスの確保」のページから、フードバンクオープンリストを開きます。住んでいる地域のシートで、市区町村と「主な提供先」を見て、個人に渡している団体に印を付けます。

ステップ2自立相談支援機関か社会福祉協議会に電話する10分

個人に渡している団体が近くに無いときや、どこが合うか分からないときは、窓口に電話します。「食料の支援を受けたい」「今月の食費が足りない」と、いまの困りごとをそのまま伝えます。

ステップ3受け取りの日と、持ち物を確かめる5分

窓口や団体から案内された日と場所、予約が要るか、持ち物を控えます。団体の案内では、本人を確かめる書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)と、食品を持ち帰る袋を求める例があります。

ステップ4受け取った日と中身を控える5分

受け取った日と、主な中身(米・缶詰・レトルトなど)をメモします。次にいつ受け取れるかも聞いておくと、次の買い物の量を決めやすくなります。

受け取れる食品と、決まっていること

届く食品は、そのときに寄附された物です。団体の案内では、米・パン・缶詰・レトルト食品・菓子・飲料などが並び、生鮮食品や冷蔵・冷凍の食品を扱う団体もあります。

寄附された物なので、品目を選んで頼むことはできないと案内している団体があります。調理ができない人のために、缶詰やパンなどすぐ食べられる物を配る場を別に設けている団体もあります。

続けて頼れるとは限らない

決まった回数を受け取ったあとは続けて受け取れないと案内している配布会もあります。食料の支援と並べて、収入や支出の立て直しを窓口で相談します。

一緒に相談できる公的な制度

食べ物が足りないときは、家賃・光熱費・借金など、ほかの支払いも苦しくなっていることがあります。自立相談支援機関では、食料の支援とあわせて、次の制度も1か所で相談できます。

  • 生活困窮者自立支援制度:仕事・住まい・家計の立て直しの支援。制度の中身は生活困窮者自立支援制度とはにまとめています
  • 生活福祉資金貸付:社会福祉協議会が窓口の公的な貸付。緊急小口資金などは生活福祉資金貸付とはにまとめています
  • 生活保護:資産や働く力などを活用しても暮らせないときの制度。条件は生活保護の条件にまとめています

子どもがいる家庭では、小・中学校の給食費や学用品費を市区町村が援助する就学援助もあります。条件と申請の時期は就学援助とはにまとめています。

家計簿での書き方

受け取った食品は、お金を払っていないので、家計簿の食費の金額には入れません。そのうえで、受け取った日と中身をメモの行に残すと、次の買い物で足りない物だけを買えます。紙でも表計算でも、同じ手順で書けます。

フードバンクで受け取った食品の家計簿の書き方の例の図。食費の行には買った物だけを金額で書き、受け取った食品は0円のメモの行として日付と中身(米・缶詰)を残す。月末に、買わずに済んだ物と次に受け取れる日を見返す

図は、書き方の例です。受け取った食品を金額にすると、実際に払った食費と混ざって、来月の予算が立てにくくなります。

ステップ1受け取った食品を、0円のメモとして書く2分

食費の欄に、日付と「フードバンク」と中身を書き、金額は0円にします。米のように長く持つ物は、いつまで足りそうかも一言添えます。

ステップ2買い足した物だけを、食費に書く1分

受け取った食品に合わせて買った野菜や肉などは、いつもどおり食費に書きます。食費の合計は、実際に払ったお金だけになります。

ステップ3足りない額を出して、相談に持っていく15分

1か月の入ったお金と出ていったお金を並べ、足りない額を出します。出し方は生活費が足りないときの「家計簿で「足りない額」を出す」にまとめています。窓口で話すときの材料になります。

迷いやすい場面

働いていて収入がある

生活困窮者自立支援制度は、働いているかどうかで対象を分けていません。食費が足りないときは、窓口で収入と支出の状況を伝えて、使える支援を確かめます。

生活保護を受けている

生活保護を受けている人を対象から外している団体と、対象に含めている団体があります。オープンリストや団体の案内で確かめるか、担当のケースワーカーに相談します。

今日食べる物がない

配布会の日を待てないときは、住んでいる市区町村の自立相談支援機関や社会福祉協議会、市の福祉の窓口に電話して、今日の食べ物が無いことを伝えます。窓口によって、すぐに対応できるかどうかが違います。

人に知られずに受け取りたい

届け方は団体や窓口で違い、長野県の案内のように配送で届くしくみもあります。農林水産省の資料には、事前に登録した家庭が、無人の倉庫に置いた冷蔵庫から食品を受け取れるコミュニティフリッジの例も載っています。

子どもの食事が心配

子どもがいる家庭は、こども食堂やこども宅食も入口になります。こども家庭庁は、ひとり親の家庭など支援が必要な家庭の子どもに食事や食品を届ける団体を支援する事業を行っています。

よくある質問

Qフードバンクの食品は、お金がかかりますか

かかりません。農林水産省の説明でも、フードバンクは寄附された食品を無償で提供する団体です。こども食堂は、無料か安い値段で食事を出す活動なので、一部に料金がかかることがあります。

Q収入の証明は要りますか

団体や窓口によって違います。本人を確かめる書類だけの所や、窓口からの紹介を求める所があります。申し込むときに、何が要るかを確かめます。

Q何回でも受け取れますか

回数に上限のある団体があります。続けて食べ物が足りないときは、窓口で家計の立て直しを相談します。

Q近くにフードバンクがありません

住んでいる市区町村の自立相談支援機関か社会福祉協議会に相談します。団体が遠くても、窓口を通じて届くしくみがある地域があります。

Q家族の分も受け取れますか

世帯の単位で登録する団体があります。家族の人数を伝えて、どれだけ受け取れるかを確かめます。

まとめ

  • フードバンクは、企業などから寄附された食品を、困っている人や施設に無償で届ける団体。農林水産省のオープンリストには令和8年8月時点で343団体が載っている
  • 受け取る道は、自立相談支援機関・社会福祉協議会などの窓口を通じる方法と、団体のフードパントリーに申し込む方法の2つ
  • 受け取れる人・回数・持ち物は団体ごとに違う。個人には渡さず、施設や窓口を通じて届ける団体もある
  • 探す先は、オープンリスト・自立相談支援機関・社会福祉協議会の3つ
  • 家計簿では、受け取った食品を0円のメモとして残し、食費には払った分だけを書く

住んでいる地域の窓口と、個人に渡している団体が分かれば、電話1本で次の一歩が決まります。足りない額を出して持っていくと、食べ物のほかの支援も一緒に相談できます。

この記事で参照した公的情報

  1. 円滑な食品アクセスの確保(フードバンクの説明・フードバンクオープンリスト=令和8年8月時点343団体・団体への問い合わせは各団体へ直接)
    窓口
    農林水産省
    確認日
    確認先
    https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/index.html
  2. 円滑な食品アクセスの確保について(令和8年4月)7. 経済的に困窮している方々への食支援活動の現状(フードバンク・こども食堂・こども宅食・フードドライブ・フードパントリー・コミュニティフリッジ)・10. 経済的に困窮している方々への対策
    窓口
    農林水産省
    確認日
    確認先
    https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/attach/pdf/index-146.pdf
  3. フードバンクオープンリスト(地域ごとの団体の名称・所在地・連絡先・主な提供先)
    窓口
    農林水産省
    確認日
    確認先
    https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/attach/xls/index-38.xlsx
  4. 関係省庁の制度・事業等(生活困窮者自立支援制度・生活保護制度・ひとり親家庭等のこどもの食事等支援事業)
    窓口
    農林水産省
    確認日
    確認先
    https://www.maff.go.jp/j/syouan/access/kanren.html
  5. フードバンク活動等(取り扱われる食品の例)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/foodbank
  6. 自立相談支援事業の手引き(フォーマル・インフォーマルを含めた支援メニュー=食材等を提供するフードバンク/生活困窮者支援団体から自立相談支援機関へつなぐ)
    窓口
    厚生労働省
    確認日
    確認先
    https://www.mhlw.go.jp/content/001472177.pdf
  7. 生活困窮者自立支援制度(自立相談支援機関の相談窓口の一覧)
    窓口
    厚生労働省
    確認日
    確認先
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059425.html
  8. 生活困窮者自立支援法 第3条(生活困窮者の定義)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000105
  9. 長野県フードサポートセンターによる食料支援について(生活就労支援センター「まいさぽ」への相談を通じて申し込み・配送)
    窓口
    長野県
    確認日
    確認先
    https://www.pref.nagano.lg.jp/chiiki-fukushi/kenko/fukushi/konkyu/shokuryoshien.html
  10. フードバンク事業(市の社会福祉協議会や市の相談窓口を通した食品の提供)
    窓口
    三鷹市
    確認日
    確認先
    https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/096/096574.html

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

Mirai Kanaiには、使える可能性のある制度をまとめた「支援を探す」の画面もあります。

App Store からダウンロードGoogle Play で手に入れよう

Mirai Kanaiを見てみる

この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。