生活福祉資金貸付とは|連帯保証人ありで無利子、なしで年1.5%の公的な貸付

当座のお金が要るときに使える公的な貸付に、社会福祉協議会が窓口の生活福祉資金があります。条件だけを見れば、民間の借入より軽いことがあります。
この記事では、資金の種類ごとの限度額・据置期間・償還期限を、厚生労働省の一覧で確かめて並べます。借りる前に確かめることも書きます。
来月まで生活費が持ちません。借りるしかないと思っていますが、どこから借りればよいのかが分かりません。
窓口は社会福祉協議会。対象は3つの世帯
実施しているのは行政ではありません。厚生労働省の案内では、実施主体は都道府県社会福祉協議会とされています。
相談と申請は身近な窓口で受け付けます。この事業に関する問い合わせは、お住まいの地域の市区町村社会福祉協議会で受けているとされています。
対象になる世帯は3つです。低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯に分かれます。
低所得者世帯には条件があります。必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯で、市町村民税非課税程度とされています。
障害者世帯は手帳で判定されます。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等が属する世帯です。
高齢者世帯は年齢で決まります。65歳以上の高齢者が属する世帯です。
資金によっては、もう1つ条件があります。総合支援資金と緊急小口資金は、原則として自立相談支援事業の利用が貸付の要件とされています。社会福祉協議会とあわせて、市区町村の自立相談支援機関にも相談することになります。
分からないときは電話でも聞けます。厚生労働省のコールセンター(0120-46-1999・平日9時から17時)が案内されています。
資金は4種類。使いみちで分かれる

図は、資金の4つの種類です。使いみちで分かれていて、それぞれ限度額が違います。
総合支援資金は生活の立て直しに使います。生活支援費・住宅入居費・一時生活再建費の3つがあります。
福祉資金は暮らしの中の出費に使います。福祉費と緊急小口資金の2つです。
教育支援資金は学びに使います。教育支援費と就学支度費の2つです。
不動産担保型生活資金は、住まいを担保にするものです。低所得の高齢者世帯向けのものと、要保護の高齢者世帯向け(保証人不要)の2つが一覧に示されていて、条件が他とかなり違います。
限度額と返し方は、資金ごとに決まっている

図は、主な資金の限度額です。厚生労働省の貸付条件等一覧から写しました。
緊急小口資金はいちばん手軽です。緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用で、10万円以内・無利子・保証人不要です。
返し方も短めです。据置期間は貸付けの日から2か月以内、償還期限は据置期間経過後12か月以内です。
生活支援費は生活再建までの生活費に使います。二人以上の世帯は月20万円以内、単身は月15万円以内で、貸付期間は原則3か月(最長12か月)です。
据置と償還は長めです。最終貸付日から6か月以内の据置で、償還期限は据置期間経過後10年以内です。
住宅入居費は敷金・礼金などです。住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用として40万円以内です。
一時生活再建費は幅広く使えます。就職・転職を前提とした技能習得に要する経費、滞納している公共料金等の立て替え費用、債務整理をするために必要な経費などで、60万円以内です。滞納した電気代などへの使い方は電気代が払えないときにあります。
福祉費は上限が大きくなります。生業を営むために必要な経費、住宅の増改築、療養に必要な経費、介護サービスを受けるのに必要な経費など幅広く、580万円以内(資金の用途に応じて上限目安額を設定)です。
教育支援費は月額で決まります。高校は月3.5万円以内、高専と短大は月6万円以内、大学は月6.5万円以内で、特に必要と認める場合は各上限額の1.5倍まで貸付可能です。
就学支度費は入学時の費用です。高等学校、大学又は高等専門学校への入学に際し必要な経費として、50万円以内です。
教育支援資金は無利子です。保証人は不要ですが、世帯内で連帯借受人が必要とされています。
利子は、連帯保証人がいるかどうかで決まる
民間の借入といちばん違うのがここです。利率が保証人の有無で決まります。
連帯保証人を立てる場合は無利子です。立てない場合は年1.5%になります。
保証人がいなくても借りられます。厚生労働省の案内では、原則として必要だが、連帯保証人を立てない場合も貸付可能とされています。
緊急小口資金と教育支援資金は別格です。どちらも無利子で、緊急小口資金は保証人そのものが不要です。
不動産担保型生活資金だけ利率が違います。年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率です。
返せる見込みは見られます。貸付の決定にあたっては、貸付条件に加えて償還可能性の有無が考慮されるとされています。
返せなくなったときの道もあります。償還にお困りの方には、償還開始時期を遅らせることができる償還猶予の制度等があるとされています。
借りる前に、返さなくてよいものを確かめる
貸付は返すお金です。先に、返さなくてよいものが使えないかを確かめます。
住まいには給付があります。住居確保給付金は家賃相当額を支給するしくみで、返す必要がありません。
保険料には減免や免除があります。しくみは国民健康保険料が払えないときと国民年金の保険料が払えないときにまとめました。
入口は1か所にまとめられます。市区町村の自立相談支援機関で、給付・減免・貸付をまとめて相談できます。
家計の立て直しも支援の対象です。家計改善支援事業では、家計状況の見える化と課題の把握、支援計画の作成、必要に応じた貸付のあっせんを行うとされています。
順番は生活費が足りないときにまとめました。制度の全体像は生活困窮者自立支援制度とはにあります。
借りたあとの家計簿の書き方
借りたお金は収入ではありません。返す約束のあるお金なので、書き方を先に決めておきます。
ステップ1借入と返済を別の行にする10分
入ってきた日に「借入」、返す日に「返済」として書きます。収入や支出と混ぜると、月の収支が実態と合わなくなります。
考え方は家計簿の貯金の書き方と同じです。口座どうしの移動と同じ扱いにします。
ステップ2据置期間の終わりを書き込む10分
据置期間が終わると返済が始まります。緊急小口資金なら貸付けの日から2か月以内、生活支援費なら最終貸付日から6か月以内です。
始まる月をカレンダーと家計簿に書いておきます。忘れると延滞になります。
ステップ3毎月の返済額を固定費に入れる15分
返済が始まったら、毎月の固定費の一覧に加えます。家賃や保険料と同じ扱いです。
一覧の作り方は家計簿の固定費の書き方にまとめました。明細から拾う形です。
ステップ4返し終わる月を年間収支表に書く10分
償還期限は資金ごとに違います。緊急小口資金は12か月以内、生活支援費は10年以内、福祉費と教育支援資金は20年以内です。
終わる月まで書いておくと、途中で不安になりません。形は年間収支表の作り方にあります。
住んでいる市区町村の名前と「社会福祉協議会」で検索して、窓口の電話番号を確かめてください。分からないときは厚生労働省のコールセンター(0120-46-1999)でも聞けます。
窓口と制度は、公的機関のページで確かめる
限度額も利子も、決めているのは厚生労働省と社会福祉協議会です。この記事のリンクから直接たどれます。
- 条件・金額・申請の方法は、各制度の公式サイトとお住まいの自治体の窓口で確かめてください
制度の条件や金額は、年度ごとに変わることがあります。最後は公的機関のページと窓口で確かめてください。
迷いやすい場面
すぐに現金が要る
緊急小口資金が当たります。10万円以内・無利子・保証人不要で、据置期間は貸付けの日から2か月以内です。
ただし審査と手続きの時間はかかります。原則として自立相談支援事業の利用も要件なので、まず社会福祉協議会に電話して、いまの状況を伝えます。
連帯保証人を頼める人がいない
立てなくても借りられます。年1.5%の利子がつきますが、貸付そのものは可能とされています。
緊急小口資金と教育支援資金は無利子のままです。教育支援資金は世帯内で連帯借受人が必要です。
滞納している公共料金がある
一時生活再建費の対象に入っています。滞納している公共料金等の立て替え費用として、60万円以内で使えます。
ただし先に減免を確かめます。国民健康保険料の減免は国民健康保険料が払えないときにまとめました。
子どもの進学費用が足りない
教育支援資金があります。教育支援費は月額、就学支度費は50万円以内で、どちらも無利子です。
よくある質問
Q生活福祉資金はどこで借りられますか
市区町村の社会福祉協議会です。実施主体は都道府県社会福祉協議会で、相談と申請は身近な社協が受け付けます。
Q誰が借りられますか
3つの世帯が対象です。低所得者世帯(市町村民税非課税程度で他から借りることが困難な世帯)、障害者世帯、65歳以上の高齢者が属する高齢者世帯です。
Q利子はどれくらいですか
連帯保証人を立てる場合は無利子、立てない場合は年1.5%です。緊急小口資金と教育支援資金は無利子です。
Q保証人がいなくても借りられますか
借りられます。原則として必要とされていますが、連帯保証人を立てない場合も貸付可能とされています。緊急小口資金は保証人不要です。
Qいくらまで借りられますか
資金ごとに違います。緊急小口資金は10万円以内、生活支援費は二人以上で月20万円以内、住宅入居費は40万円以内、福祉費は580万円以内です。
Q返せなくなったらどうなりますか
償還開始時期を遅らせることができる償還猶予の制度等があります。まず社会福祉協議会に相談します。
まとめ
- 窓口は市区町村の社会福祉協議会。実施主体は都道府県社会福祉協議会
- 対象は3つの世帯(低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯)
- 連帯保証人ありで無利子、なしで年1.5%。緊急小口資金と教育支援資金は無利子
- 緊急小口資金は10万円以内・保証人不要。据置2か月以内、償還12か月以内
- 生活支援費は二人以上で月20万円以内、単身で月15万円以内。原則3か月(最長12か月)
- 総合支援資金と緊急小口資金は、原則として自立相談支援事業の利用が要件
- 借りる前に、返さなくてよいもの(給付・減免)を先に確かめる
資金の種類と限度額が分かれば、社協で相談する中身が決まります。今日は窓口の電話番号を確かめるところから始められます。
この記事で参照した公的情報
- 生活福祉資金貸付制度(実施主体は都道府県社会福祉協議会・貸付対象の3区分・資金の4種類・連帯保証人・貸付利子・償還猶予・コールセンター0120-46-1999)
- 生活福祉資金貸付条件等一覧(生活支援費・住宅入居費・一時生活再建費・福祉費・緊急小口資金・教育支援費・就学支度費・不動産担保型生活資金の限度額と据置期間と償還期限)
- 生活困窮者自立支援制度(自立相談支援事業・住居確保給付金・家計改善支援事業)
- 生活福祉資金貸付制度について(全国社会福祉協議会の資料。総合支援資金と緊急小口資金は、自立相談支援事業の利用が原則要件化されている)
- 窓口
- 厚生労働省(全国社会福祉協議会の資料を掲載)
- 確認日
- 確認先
- https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001092878.pdf