猫の健康診断の費用|年齢ごとに受ける検査と合計の例、1日ドックの中央値16,250円、何歳から年に何回か

支出の見直し ・

猫の健康診断の費用は、コースの形(1日ドック)なら16,250円が真ん中の額です。日本獣医師会が令和3年に動物病院に聞いた調査の中央値で、犬と猫を分けない料金です。1日ドックを扱っていないと答えた病院も37.0%ありました。

検査を選んで受けるなら、額は猫の年齢と受ける検査で決まります。同じ調査の検査ごとの中央値を足すと、7〜10歳で便・尿・血液を調べて11,500円、11歳から血圧と甲状腺ホルモンを足して17,000円という例になります。

回数は、若いうちは年に1回、年をとったら半年に1回が目安です。半年ごとに増やす年齢は7歳ごろからとする考え方と、10歳からとする猫の獣医師の団体の目安があります。健康な猫の健康診断は、保険でも税でも戻らない前提で1年の額を決めます。

猫の健康診断は、何歳で、どの検査まで受ければよいのかが分かりません。年に1回でよいのか、毎年いくらかかるのかも知りたいです。

年齢ごとに受ける検査と合計の例

猫の年齢ごとに調べる検査は、アメリカの猫の獣医師の団体などがまとめた目安(2010年)を使います。その検査の中央値を日本獣医師会の調査から足したのが、次の表です。

年齢 受ける検査の例 合計の例
迎えた年〜2歳 便・ウイルス 9,500円
3〜6歳 便 1,500円
7〜10歳 便・尿・血液 11,500円
11歳から 上に血圧・T4 17,000円
画像も足す レントゲン・エコー 25,000円

迎えた年の行は、初めての病院の初診料1,500円に、採血料と猫エイズ(FIV)・猫白血病(FeLV)のウイルス検査、便の検査を足しました。ほかの行は、かかりつけの病院の再診料750円から足した額です。

画像の行は、11歳からの17,000円にレントゲン(単純撮影)と、お腹の超音波(エコー)の検査を4,000円ずつ足しています。どの額も、検査ごとの中央値を足して作った例です。実際にこの組み合わせで払われた額を調べたものではないので、通う病院の額は見積もりで確かめます。

若いうちは、血液と尿を獣医師と決める

目安の表では、3〜6歳の血液検査と尿検査は、受けるかどうかを獣医師と相談する項目です。3〜6歳でも血液と尿まで調べると、7〜10歳の行と同じ11,500円になります。

7〜10歳になると、血液・尿・便の3つが勧める項目に変わります。甲状腺ホルモン(T4)の検査も、元気に見える7〜10歳の猫で強く考えるよう、獣医師に求めています。

11歳からは、血圧と甲状腺ホルモンも勧める項目に入ります。どの検査も、体の様子や持病を伝えたうえで、獣医師と決めます。

1日ドックの料金の幅と、置いていない病院

日本獣医師会の調査では、コースの形の健康診断(1日ドック)の料金は中央値で16,250円です。平成27年の前回の調査は14,021円でした。

調査は料金を幅から選ぶ形で、2万〜2万5千円未満と答えた病院が111件(全体の10.1%)ありました。1万〜2万円の間は2,500円刻みの4つの幅に分かれ、どの幅も7%台の件数でした。

全1,096件のうち405件(37.0%)は、1日ドックを「対応外」と答えました。そうした病院では、上の早見の表のように検査を選んで受け、受けた検査の分を払う形になります。

調査は犬と猫を分けずに1日ドックの料金を聞いていて、どの検査を含むかも示されていません。コースの額を比べるときは、入っている検査を聞いて、上の表の行と並べます。

料金の幅ごとの件数を全部並べた表は、犬の健康診断の費用にあります。犬と猫で同じ調査の同じ項目なので、猫の飼い主もそのまま見比べられます。

検査ごとの料金と、猫で調べること

健康診断は、体重や体温を測り、獣医師が目で見て触って聴く身体検査から始まります。そのうえで足す検査の中央値は、次のとおりです。

検査 猫で見ること 中央値
CBC検査 貧血・炎症 1,500円
生化学検査 腎臓・肝臓・血糖 6,250円
尿検査 腎臓・膀胱・結石 1,500円
糞便検査 寄生虫・出血 750円
甲状腺(T4) 甲状腺の病気 4,000円
血圧測定 高い血圧 1,500円
腹部エコー お腹の臓器 4,000円
心エコー 心臓 4,000円

血を採る採血料は、中央値で750円です。どれも麻酔料を除き、犬と猫を分けずに聞いた額で、生化学検査はスクリーニングの費用、糞便検査は直接法の料金です。

このほか、猫のウイルス検査は、猫エイズ(FIV)が4,000円、猫白血病(FeLV)が2,500円でした。レントゲン(単純撮影)は4,000円、心電図は2,500円です。

年をとると増える病気と、足す検査

猫は年をとると、腎臓病や甲状腺機能亢進症、糖尿病、高い血圧などが出てくることがあります。尿検査や生化学検査は腎臓の働きを、T4の検査は甲状腺の働きを見るためのものです。

心臓の病気が気になるときは、心エコーや心電図を足すこともあります。画像の検査はコースの外の追加の項目にしている病院もあるので、予約のときに入っているかを聞きます。

健康診断で異常が見つかって詳しく調べるときは、額が大きくなります。精密な検査の中央値は、造影剤を使わないCTで35,000円、MRIで45,000円です。どちらも麻酔の料金を含まない額で、麻酔を使えばその分が加わります。

受け始める年齢と、年に何回か

猫の健康診断は、子猫のうちから受けられます。ワクチンや、生後6か月ごろに考える不妊・去勢の手術で病院に行くときに、体の様子を一緒に診てもらう形があります。

1歳を過ぎたら年に1回、7歳ごろからは半年に1回を目安にする考え方があります。アメリカの猫の獣医師の団体(FelineVMA)の目安では、10歳までは少なくとも年に1回、10歳からは少なくとも半年に1回です。

持病のある猫は、病気の様子を見るために、もっと短い間隔で検査を受けることがあります。回数は、年齢と体の様子を伝えて、かかりつけの獣医師と決めます。

若くて元気なときの検査の結果は、その猫の基準の値になります。年をとって数値が動いたときに見比べられるよう、結果の紙は捨てずにまとめておきます。

年に2回にすると、1年の額はどう変わるか

11歳からの17,000円の組み合わせなら、年1回で17,000円、年2回で34,000円です。1日ドックの中央値で見ると、年1回で16,250円、年2回で32,500円になります。

半年ごとの2回を同じ中身にしない方法もあります。1回は画像まで入れた25,000円、もう1回は17,000円にすると、1年で42,000円です。

迎えたときと、外の猫を保護したとき

猫を迎えたら、猫エイズ(FIV)と猫白血病(FeLV)にかかっていないかを、血液のウイルス検査で調べることがあります。家にほかの猫がいるときは、検査の結果が出るまで会わせないようにします。

外にいた猫を保護したときは、ノミなどの寄生虫を調べて、駆除の薬をもらうことがあります。ワクチンの額は猫のワクチンの費用で見られます。

予約から当日までに確かめること

健康診断は、予約が要る病院があり、猫を半日ほど預ける形もあります。予約のときに、次のことを聞いておきます。

  • 入っている検査:血液の項目、尿と便、T4、レントゲンとエコーが入っているか
  • 食事:何時から食事を抜くか、水は飲ませてよいか、飲んでいる薬はどうするか
  • かかる時間:その日のうちに帰れるか、預けるなら迎えに行く時刻
  • 結果:その日に聞けるか、外に出す検査で後日になるか、聞きに行く日の診察料
  • 採り方:尿と便を家で採るのか、病院で採ってもらうのか

尿は、2段のトイレなら下のシートを外しておくと、受け皿にたまった分を採れます。便は、砂のつかない新しいものを袋や容器に入れて、時間をおかずに持っていきます。

採取料の中央値は、便と、お腹を押して尿を出す採り方がどちらも0円です。猫の尿が家で採れないときは、病院で管(カテーテル)を通すか、お腹から膀胱に細い針を刺して採ります。この2つの採り方は、どちらも採取料の中央値が1,500円です。

病院が苦手な猫のとき

キャリーは上のふたが開く形だと、診察台で出し入れしやすくなります。怖がる猫は、大きめの洗濯ネットに入れたり、キャリーにタオルをかけて外を見えなくしたりします。

病院が苦手なことは、予約のときに伝えておきます。暴れて検査ができないときは、落ち着かせる薬(鎮静)を使うことがあり、その料金がかかるかも聞いておきます。

往診をする獣医師もいますが、家ではレントゲンが撮れないなど、病院より検査に限りがあります。連れて行けないときは、家で採った尿や便だけ持っていけるかを、病院に相談します。

ペット保険と医療費控除の扱い

元気な猫の健康診断は、保険からも税金からも戻らないお金として見ておきます。保険と税での扱いは、次のとおりです。

損害保険会社の業界団体(日本損害保険協会)の案内では、ペット保険の補償は入院・手術・通院の費用が中心です。健康体の猫の健康診断や予防のための診療は、補償の外になる場合があるとしています。

健康診断のあとに病気が疑われ、詳しい検査や治療を受けた分は、契約しだいで保険金が出ることがあります。どこからが対象かは、入っている保険の約款に書いてあります。保険の考え方はペット保険は必要?にあります。

所得税の医療費控除で数えられるのは、納税する本人と、生計を一にする配偶者その他の親族のための医療費です。猫は親族に当たらないので、健康診断も病気の治療も、控除の計算に入れられません。

健康診断の費用を毎月よけておく

健康診断の支払いは、受けた月に1回分がまとめてかかります。猫の年齢から検査と回数を決めて1年の額を出し、毎月の分に割ってよけておきます。

猫の健康診断の1年の費用の例の図。3〜6歳の猫が便の検査を年1回受けると1,500円で、12で割ると月125円。11歳を過ぎた猫が年2回受け、春に画像まで入れて25,000円、秋に血圧と甲状腺ホルモンまでで17,000円なら1年で42,000円、12で割ると月3,500円。金額は例で、検査ごとの中央値(日本獣医師会・令和3年)の合計

図は、若い猫と11歳を過ぎた猫で、1年の額を比べた例です。若いうちに血液と尿まで受けるなら、11,500円を12で割り、月に約958円をよけておきます。

手順1:通う病院の額を、早見の表と並べる

病院の案内や見積もりから、コースの額と中に入る検査、または検査1つずつの額を写します。猫の年齢の行と並べれば、その病院の額が表より上か下かが分かります。

手順2:受ける月と中身を決め、月の額にする

年に1回か2回か、どの月にどの組み合わせを受けるかを決め、1年の額を12で割ります。ワクチンの月と同じにするなら、その額も同じ月に書いておくと、その月の支払いがまとめて見えます。

毎月の「ペット」の欄に、割った額を取り分けておくと、受ける月に慌てずに払えます。家計簿の項目の作り方は家計簿のペットの項目、1年全体の額は猫を飼う費用はいくら?にあります。

よくある質問

Q血液検査だけなら、いくらかかりますか

かかりつけの病院なら、再診料750円・採血料750円・CBC検査1,500円・生化学検査6,250円の合計9,250円が、中央値で見た目安です(日本獣医師会・令和3年)。甲状腺ホルモン(T4)も調べると、4,000円が上乗せになります。

Q犬の健康診断と、料金は違いますか

日本獣医師会の調査は、1日ドックや検査の料金を犬と猫に分けずに聞いていて、猫だけの中央値はありません。ウイルス検査(FIV・FeLV)は猫で受ける検査で、犬の健康診断の額は犬の健康診断の費用で見られます。

Q家から出ない猫にも、健康診断は要りますか

猫の獣医師の団体の目安は、暮らし方を分けずに、すべての猫で少なくとも年1回の健康診断に意味があるとしています。家の中だけで暮らす猫でも、年齢で増える腎臓や甲状腺の病気は、検査で分かることがあります。

Q健康診断の費用に、ペット保険は使えますか

元気な猫の健康診断は、ペット保険の補償の外になる場合があります。健康診断で病気が疑われ、そのあと受けた検査や治療は補償されることがあるので、入っている保険の約款を見ます。

Q健康診断や治療の費用が払えないときは、どうすればよいですか

受ける検査と回数を、かかりつけの動物病院に相談します。治療費が払えないときの相談のしかたは、ペットの医療費が払えないときにあります。

まとめ

  • コースの形(1日ドック)の健康診断は中央値16,250円で、犬と猫の区別の無い料金(日本獣医師会・令和3年)。コースの無い病院も37.0%
  • 検査の中央値を足すと、迎えた年の便とウイルス検査で9,500円、7〜10歳の便・尿・血液で11,500円、11歳からの血圧とT4までで17,000円、画像も足して25,000円の例
  • 若いうちの血液と尿は獣医師と相談し、7歳から血液・尿・便、11歳から血圧と甲状腺ホルモンも勧める項目になる
  • 回数は若いうちは年1回、年をとったら半年に1回。半年ごとにする年齢は7歳ごろからとする考え方と、10歳からとする猫の獣医師の団体の目安がある
  • 健康な猫の健康診断はペット保険で補償されない場合があり、医療費控除の対象にもならない
  • 猫の年齢から検査と回数を選んで1年の額を出し、月の分に割ってよけておく

年齢の行で、受ける検査と1回の額がつかめます。年に何回にするかを獣医師と決めると、月によけておく額も出せます。

この記事で参照した公的情報

  1. 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年8月2日〜10月25日・小動物診療施設の開設者・回答1,096件・料金を金額の幅から選ぶ形・令和5年9月公表)の中央値(検査は麻酔料を除く・犬と猫を分けずに聞いた項目)=健康診断(1日ドック)16,250円(平成27年の調査は14,021円・20,000〜25,000円未満111件10.1%・対応外405件37.0%)、初診料1,500円・再診料750円、採血料750円・CBC検査1,500円・生化学検査(スクリーニング)6,250円・ウイルス検査(FIV)4,000円・ウイルス検査(FeLV)2,500円、尿検査の採取料(圧迫)0円・(カテーテル採尿)1,500円・(膀胱穿刺)1,500円・検査料(尿比重・試験紙・沈渣)1,500円、糞便検査の採取料0円・直接法750円、T4 4,000円、血圧測定1,500円、心電図検査2,500円、エックス線検査(単純撮影)4,000円、心エコー4,000円・腹部エコー4,000円、CT検査(造影なし)35,000円、MRI検査45,000円
    窓口
    公益社団法人 日本獣医師会(獣医師の団体の調査)
    確認日
    確認先
    https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
  2. AAFP-AAHA Feline Life Stage Guidelines(2010年・Journal of Feline Medicine and Surgery 12, 43-54)の Table 2(年齢ごとの最低限の検査)=年齢の区分 Kitten(0〜6か月)・Junior(7か月〜2歳)・Adult(3〜6歳)・Mature(7〜10歳)・Senior(11〜14歳)・Geriatric(15歳以上)。CBC・生化学・尿検査=Kitten/junior と Adult は ±・Mature と Senior/geriatric は +、T4=Mature ±・Senior/geriatric +、血圧=Adult ±・Mature ±・Senior/geriatric +、レトロウイルス検査=Kitten/junior +・ほかは ±、糞便検査=すべて +。少なくとも年1回の健康診断はすべての猫で正当化できる
    窓口
    全米猫臨床獣医師協会(AAFP)・米国動物病院協会(AAHA)
    確認日
    確認先
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10845473/
  3. FELINE LIFE STAGES(2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines の年齢の区分)=KITTEN(生まれてから1歳まで)・YOUNG ADULT(1〜6歳)・MATURE ADULT(7〜10歳)の Veterinary Checkups は Minimum of One Per Year、SENIOR(10歳から)は Minimum of Every 6 Months
    窓口
    FelineVMA(猫の獣医師の団体・旧 AAFP)
    確認日
    確認先
    https://catvets.com/wp-content/uploads/2026/08/FelineVMA_Life-Stages.pdf
  4. ペット保険(主に入院・手術・通院の費用が補償の対象・健康体なペットが受ける予防接種・病気予防の診療・健康診断・去勢・避妊手術などに係る費用は補償の対象とはならない場合がある)
    窓口
    一般社団法人 日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体)
    確認日
    確認先
    https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html
  5. No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(納税者が、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること)
    窓口
    国税庁
    確認日
    確認先
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

この記事を書いているのは

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