猫のワクチンの費用はいくら?|3種などは1回4,000円・猫白血病を含む混合は6,250円、子猫の最初の年と3年に1回の額

支出の見直し ・

猫のワクチンは、3種混合なら1回4,000円、猫白血病を含む4種・5種なら1回6,250円が、動物病院の料金の真ん中の額です。日本獣医師会の調査(令和3年)の中央値で、3種は猫白血病ウイルス(FeLV)を含まない混合ワクチン、4種・5種は含む混合ワクチンの区分に入ります。

猫には、法律で受けるよう決まったワクチンはありません。外に出ない成猫が3種などを年1回受けると1年に4,000円、3年に1回にすると1年あたり約1,333円です。

子猫を迎えた年は、時期をずらして何回か受けます。3種などを4回受けた例では、最初の年は16,000円です。

動物病院で、3種と5種のどちらにするかを聞かれました。毎年いくら用意すればよいのかも分かりません。

受け方ごとの1年の額

受け方ごとの1年の額を、日本獣医師会の調査の中央値で並べた例です。料金は動物病院ごとに違うので、かかりつけの病院の料金に置き換えて使います。

受け方 1年の額の例 内訳
3種などを毎年 4,000円 1回分
3種などを3年に1回 約1,333円 4,000円÷3
猫白血病を含む混合を毎年 6,250円 1回分
猫白血病を含む混合を初めて 8,750円 検査+1回分
子猫の最初の年 16,000円 3種などを4回

猫白血病を含む混合を初めて受ける年の行は、FeLVのウイルス検査の中央値2,500円に、混合ワクチン6,250円を足した額です。子猫の行は、生後16週ごろまでに3回、生後6か月ごろにもう1回受けた例で、3回で終われば12,000円です。

混合ワクチンの料金は、猫白血病を含むかで分かれる

日本獣医師会の調査は、猫の混合ワクチンの料金を、猫白血病ウイルス(FeLV)を含むものと含まないものに分けて聞いています。猫の混合ワクチンの中央値は、含まないものが4,000円、含むものが6,250円でした。

含まないものは、65.4%の病院が3,000〜5,000円未満、29.4%が5,000〜7,500円未満と答えました。含むものは、55.8%が5,000〜7,500円未満、14.2%が7,500〜10,000円未満です。

扱っていないと答えた病院は、含まないもので2.5%、含むもので15.8%でした。受けたい種類があるときは、予約のときに扱っているかを聞いておきます。

3種・4種・5種・7種の違い

3種混合で防げる病気は3つで、くしゃみや鼻水が出る猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症、激しい嘔吐や下痢が出る猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)です。この3つは、暮らし方にかかわらずすべての猫に勧められるコアワクチンにあたります。

4種は、3種の3つに猫白血病ウイルス感染症を足したワクチンです。5種になると、猫クラミジア感染症の予防も加わります。7種は、5種に型の違う猫カリシウイルスを足して、防げる型を増やしたものです。

調査の区分では、3種はFeLVを含まないもの、FeLVを加えた4種・5種・7種は含むものに入ります。種類が多いほど料金は上がりますが、種数ごとの料金は調査では分けていません。

単体のワクチンと、受ける前のウイルス検査

猫白血病(FeLV)と猫エイズ(FIV)には、1つの病気だけを防ぐワクチンもあります。日本獣医師会の調査の中央値はどちらも4,000円ですが、扱っていない病院がFeLVで60.4%、FIVで44.5%ありました。

猫白血病や猫エイズのワクチンを初めて受ける前には、すでに感染していないかを調べるウイルス検査を受けます。猫のウイルス検査の中央値は、FeLVが2,500円、FIVが4,000円です。

種類は、外に出るかと、ほかの猫に会うかで選ぶ

家の外に出ない猫には、コアワクチンだけの3種混合が勧められます。外に出る猫や、多頭飼いの猫、ほかの猫と会う機会がある猫には、4種以上が勧められます。

完全室内飼いでも、飼い主の服や靴についたウイルスを家に持ち込むことや、脱走したときにうつることがあります。そのため、外に出ない猫にもコアワクチンが勧められています。

住んでいる地域で流行している病気によっても、合う種類は変わります。暮らし方と、ペットホテルを使うかどうかを伝えて、かかりつけの動物病院で種類を決めます。

毎年か、3年に1回か

世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドラインでは、感染の危険が低い猫は、コアワクチンを3歳で受けたあと、3年より短い間隔では受けないとしています。危険が高い猫は、年1回まで間隔を縮めることを考えるとしています。

猫白血病のワクチンは、WSAVAの表では、最初の2回から1年後にもう一度受け、そのあとは感染した猫と接する危険が続く猫に毎年受けるとしています。外に出る猫や多頭飼いの猫の額は、受け方ごとの表の毎年の行で見ます。

ペットホテルでは、ワクチンを受けた証明書を求められることがあります。使う予定があれば、施設の決まりを先に確かめてから、受ける間隔を動物病院と相談します。

間隔を決めるときに、血液で免疫の強さを調べる抗体検査を使う方法もあります。副反応が心配な猫や高齢の猫で選ばれることがあり、検査の料金は動物病院で確かめます。

子猫の最初の年に受ける回数

子猫は、母猫の初乳からもらった抗体で守られていますが、この抗体は数か月でなくなります。抗体が残っている間はワクチンが効きにくいので、時期をずらして何回か受けます。

WSAVAの表では、コアワクチンは生後6週より前には始めず、生後16週まで3〜4週ごとに繰り返します。そのあと、生後6か月ごろにもう一度受けることを考えるとしています。

迎える前に、ペットショップや保護団体で1回目を受けていることもあります。接種の証明書を動物病院に見せて、残りの回数と日程を決めます。

子猫を迎える年は、ワクチンのほかに、用品や不妊・去勢の手術の費用も重なります。迎える年全体の額は猫を飼う費用はいくら?にまとめています。

猫に狂犬病の予防注射は要るか

狂犬病予防法で、登録と毎年の予防注射が決められているのは犬です。猫には、この法律のうち輸出入の検疫など一部の条文しか当てはまらず、予防注射の決まりはありません。

猫を海外へ連れて行くときや、海外から連れて帰るときは、検疫を受けます。行き先の国の条件で狂犬病のワクチンなどを求められることがあるので、早めに動物検疫所で手続きを確かめます。

犬と猫を一緒に飼っている家は、犬の分を別に数えます。犬の狂犬病の注射と混合ワクチンの1年の額は、犬のワクチンの費用は年間いくら?にあります。

接種の前と後に気をつけること

ワクチンは、元気で体調のよい日に受けさせます。熱や食欲がない、吐く、下痢をしているとき、妊娠しているときは、日を改めるか獣医師に相談します。

治療中の病気や飲んでいる薬があれば、前もって伝えます。初めての病院では、ワクチンの料金とは別に初診料(調査の中央値1,500円)がかかることがあるので、予約のときに合計を聞いておきます。

副反応は、接種の10分ほどあとから数時間のうちに出ることがあります。多いのは、元気や食欲がない、熱が出るといった軽いもので、命にかかわる重いものはまれです。午前中に受けて、その日は家で様子を見られるようにします。

顔が腫れる、息が苦しそう、ぐったりしているなどのときは、すぐ動物病院に連絡します。免疫がつくまでには2〜3週間かかるので、その間は外に出さず、ほかの猫と会わせないようにします。

ペット保険と、費用を抑えるときに見ること

健康なときに受けるワクチンは、ペット保険の補償の対象にならない場合があります。保険に入っていても、ワクチンの費用は家計から出すものとして見ておきます。

日本損害保険協会の案内では、ワクチンを受けていれば防げる病気の治療費も、一般的に補償の対象になりません。ワクチンを省くと、うつったときの治療費が保険から出ないことがあります。

費用を抑えるときは、まず受ける種類と間隔を動物病院と相談します。料金は病院ごとに違うので、近くの病院の料金を聞いて比べる方法もあります。ペット保険を考えるときの見方はペット保険は必要?いらない?にあります。

家計簿で毎月よけておく額

猫のワクチン代は、払う月にだけまとまって出ていく支出です。迎えた年と2年目からで額が変わるので、分けて書き出し、1年分を12で割った額を毎月よけておきます。

猫のワクチンの1年の支払いを並べた例の図。子猫の最初の年は、生後8週・12週・16週・6か月に3種混合を4,000円ずつ受けて合計16,000円、12で割ると月1,334円。成猫が3種混合を毎年1回受けると4,000円で、12で割ると月334円。金額は例

図は、子猫の最初の年に3種混合を4回受け、2年目からは毎年1回受ける例です。最初の年の16,000円は月1,334円、2年目からの4,000円は月334円を取り分ければ足ります。

3年に1回にするときは、4,000円を36か月で割り、月112円です。家計簿の項目の作り方は家計簿のペットの項目にあります。

払ったら、受けた日と種類、次に受ける時期を書いておきます。接種の証明書はペットホテルで使うこともあるので、領収書と一緒にしまっておきます。

よくある質問

Q家から出ない猫にも、ワクチンは要りますか

猫に法律で決まったワクチンはありませんが、外に出ない猫にもコアワクチン(3種など)が勧められています。飼い主の服や靴からウイルスが入ることや、脱走したときにうつることがあるためです。

Q不妊・去勢の手術と、どちらを先にしますか

ワクチンと手術の順番や、間をどのくらいあけるかは、動物病院と相談して決めます。手術の費用は猫の避妊手術の費用で確かめられます。

Qワクチン代を払うのが苦しいときは、どうすればよいですか

受ける種類と間隔を、かかりつけの動物病院に相談します。病院代全体が払えないときの相談先と分け方は、ペットの医療費が払えないときにあります。

まとめ

  • 猫の混合ワクチンの料金の中央値は、猫白血病(FeLV)を含まないもの(3種など)が4,000円、含むもの(4種・5種など)が6,250円
  • 猫に法律で決まったワクチンは無く、狂犬病の予防注射の決まりも犬だけ
  • 外に出ない猫は3種、外に出る猫や多頭飼いの猫は4種以上を、動物病院と相談して選ぶ
  • 1年の額は、3種などを毎年で4,000円、3年に1回で約1,333円、子猫の最初の年に4回受けた例で16,000円
  • 猫白血病や猫エイズのワクチンを初めて受ける前には、ウイルス検査(FeLVの中央値2,500円)がかかる
  • ワクチン代は迎えた年と2年目からに分けて書き出し、12で割った額を毎月取り分ける

外に出るかどうかで種類を、危険の高さで間隔を決めると、1年のワクチン代が出ます。それを12で割れば、月々よけておく額になります。

この記事で参照した公的情報

  1. 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年8月2日〜10月25日・小動物診療施設の開設者・回答1,096件・料金を金額の幅から選ぶ形・令和5年9月公表)の中央値=猫混合ワクチン(FeLVを含まないもの)4,000円(3,000〜5,000円未満65.4%・5,000〜7,500円未満29.4%・対応外2.5%)・猫混合ワクチン(FeLVを含むもの)6,250円(3,000〜5,000円未満10.8%・5,000〜7,500円未満55.8%・7,500〜10,000円未満14.2%・対応外15.8%)・猫ワクチン(FIV)4,000円(対応外44.5%)・猫ワクチン(FeLV)4,000円(対応外60.4%)・ウイルス検査(FIV)4,000円・ウイルス検査(FeLV)2,500円(血液検査は麻酔料を除く)・初診料1,500円
    窓口
    公益社団法人 日本獣医師会(獣医師の団体の調査)
    確認日
    確認先
    https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
  2. 狂犬病予防法 第2条(適用範囲=犬。猫などは第7条から第9条まで・第11条・第12条・第14条などに限って適用)・第7条(輸出入検疫=検疫を受けた犬等でなければ輸出・輸入してはならない)(2016年4月1日施行の版・e-Gov の版一覧で未施行の版なし)
    窓口
    e-Gov法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000247
  3. 2024 guidelines for the vaccination of dogs and cats・Core vaccines for pet cats の表(FPV・FHV・FCV=6週齢より前には始めず16週齢まで3〜4週ごと・6か月齢ごろの再接種を考える・リスクの低い猫は3歳で、その後は3年より短い間隔にしない・リスクの高い猫は年1回まで・FeLV=8週齢から3〜4週あけて2回・1年後・陰性の猫だけに接種し、接種の前に検査する)
    窓口
    世界小動物獣医師会(WSAVA)
    確認日
    確認先
    https://wsava.org/wp-content/uploads/2025/06/Cats-Vaccination-Table.pdf
  4. ペット保険(ワクチンを接種していれば予防が可能な病気は一般的に補償の対象とならない・健康体なペットが受けるワクチンなどの予防接種・健康診断などに係る費用は補償の対象とならない場合がある)
    窓口
    一般社団法人 日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体)
    確認日
    確認先
    https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html

この記事を書いているのは

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