成年後見の費用はいくら?|申立ては印紙3,400円と切手・診断書、報酬は月2万〜6万円がめやす。払えないときの助成と法テラス

家計の見える化 ・ ・ 最終更新

成年後見(法定後見)の申立てには、収入印紙3,400円(申立手数料800円と登記手数料2,600円)と郵便切手、診断書や戸籍の代金がかかります。後見が始まると、後見人の報酬が大阪家庭裁判所のめやすで月2万円〜6万円かかり続けます。

東京家庭裁判所に後見開始を申し立てる例では、診断書と鑑定を除いた実費は8,750円です。鑑定をするときは鑑定費用が加わり、令和7年は10万円以下が約85.8%でした。報酬は家庭裁判所が審判で決め、本人の財産から払います。

親の認知症が進んで、預金の手続きに成年後見が要ると言われそうです。最初にいくら用意して、毎月いくら払い続けるのかが分かりません。

成年後見の費用は、申立ての費用と後見人の報酬

成年後見の制度には、家庭裁判所が後見人などを選ぶ法定後見と、本人が元気なうちに契約で決めておく任意後見があります。この記事の中心は法定後見で、任意後見は後ろの節で扱います。

法定後見でかかるお金は、次の2つです。申立ての費用は最初に1回、報酬は後見が続く間、家庭裁判所が決めた額を払います。

  • 申立ての費用:収入印紙・郵便切手・診断書や戸籍などの代金、鑑定をするときの鑑定費用。専門家に申立てを頼めばその報酬
  • 後見人などの報酬:家庭裁判所が報酬付与の審判で決め、本人の財産から払う(民法 第862条)

親族が後見人に選ばれ、報酬付与の申立てをしなければ、報酬はかかりません。弁護士や司法書士などが選ばれたときや、監督人が付いたときは、その報酬がかかります。

費用の早見表

下の表は、この記事で確かめた額をまとめたものです。郵便切手は東京家庭裁判所の額、報酬は大阪家庭裁判所のめやすで、どちらも裁判所ごとに違うことがあります。

費用 額のめやす 払う人
申立ての印紙 3,400円 申立人
郵便切手 東京家裁は4,000円 申立人
書類の代金 証明書300円など 申立人
鑑定費用 10万円以下が約85.8% 申立人
専門家への依頼 10万〜30万円程度 頼んだ人
後見人の報酬 月2万〜6万円 本人の財産
監督人の報酬 月1万〜3万円 本人の財産

申立ての費用は、原則として申し立てた人が払います。事情によって本人の負担とされることもあり、その決まりは下の「申立ての費用は、原則として申立人が払う」の節に書いています。

申立ての費用は、収入印紙・郵便切手・書類の代金

後見開始の申立ては、本人の住所地の家庭裁判所にします。裁判所の案内では、申立てに必要な費用は次のとおりです。

  • 申立手数料:収入印紙800円分
  • 登記手数料:収入印紙2,600円分
  • 連絡用の郵便切手:額は裁判所ごとに違う
  • 鑑定費用:鑑定をすることになったとき

保佐や補助の申立てで、保佐人や補助人に代理権や同意権を与える申立ても一緒にするときは、その申立てごとに収入印紙800円が加わります。補助は、同意権か代理権の申立てを同時にしなければならないので、印紙は800円の2回分以上になります。

郵便切手は、東京家庭裁判所の後見開始で4,000円

郵便切手の額は、申し立てる家庭裁判所の案内で確かめます。東京家庭裁判所の令和7年4月の手引では、後見開始は4,000円分です。

内訳は500円2枚・350円3枚・110円15枚・50円2枚・20円10枚と、切手の組み合わせまで決まっています。代理権付与などを加える保佐開始や補助開始は、5,000円分です。

書類の代金:診断書・戸籍・住民票・登記されていないことの証明書

申立てには、本人の戸籍謄本、本人と後見人候補者の住民票か戸籍の附票、診断書、本人が成年被後見人などとして登記されていないことの証明書などを付けます。どれも発行から3か月以内のものです。

登記されていないことの証明書は1通300円で、東京法務局の後見登録課か、全国の法務局・地方法務局の本局で取ります。戸籍謄本は1通450円が標準で、住民票の手数料は市区町村で違います。

診断書は、家庭裁判所が定める成年後見制度用の書式で、かかりつけの医師などに書いてもらいます。作成の費用は病院ごとに決まっていて、数千円が目安です。

申立ての実費の計算の例

図は、東京家庭裁判所に後見開始を申し立てる場合の、鑑定と診断書を除いた実費の例です。住民票は1通300円、本人と候補者で2通と仮に置いています。

後見開始の申立ての実費の例の図。東京家庭裁判所に申し立てる例で、後見開始の申立手数料の収入印紙800円、登記手数料の収入印紙2,600円、郵便切手4,000円、登記されていないことの証明書300円、本人の戸籍謄本450円、住民票2通600円で、合計8,750円。診断書と鑑定費用は別。金額は例

この例では合計8,750円で、これに診断書の代金が加わります。戸籍や住民票を郵便で請求するときは、小為替の発行の手数料と、送り返してもらう封筒の切手代も見込みます。

鑑定は令和7年は約3.4%、費用は10万円以下が約85.8%

家庭裁判所が、本人の判断能力を医師に鑑定させることがあります。その場合は、申立人が鑑定費用を予納します。

最高裁判所の「成年後見関係事件の概況」(令和7年1月〜12月)では、鑑定を実施したのは終局事件の約3.4%です。鑑定の期間は、1か月以内が約52.6%でした。

鑑定費用の分かれ方は、5万円以下が約43.7%、5万円を超え10万円以下が約42.1%で、合わせて約85.8%が10万円以下に収まっています。厚生労働省の案内も、鑑定料は個々の事案によって異なり、ほとんどの場合は10万円以下としています。

東京家庭裁判所の手引では、鑑定をすることになった場合は、別途予納について連絡があるとしています。鑑定費用は申し立てる前には分からないので、10万円までは出せるかを見ておくと、予納の連絡が来ても慌てません。

専門家に申立てを頼むと、報酬が加わる

申立書の作成や申立ての代理を弁護士や司法書士に頼むときは、上の実費のほかに報酬を払います。報酬は事務所ごとに決まり、公的な基準はありません。

申立ての代理や書類作成の報酬の目安は、10万〜30万円程度です。見積もりでは、報酬と実費、鑑定費用の扱いが分かれているかを確かめます。

申立ての費用は、原則として申立人が払う

家事事件手続法 第28条で、手続の費用は各自の負担です。後見開始の申立てでは、申し立てた家族などが印紙や切手の代金を払います。

同じ条文の第2項で、裁判所は事情により、手続の費用を本人などに負担させることができます。家庭裁判所によっては、申立書の「手続費用の上申」の欄で、本人の負担とすることを希望できます。

申し立てたら、許可なく取り下げられない

家事事件手続法 第121条で、後見開始の申立ては、審判の前でも家庭裁判所の許可がなければ取り下げられません。望んだ人が後見人に選ばれなくても、それを理由に取り下げることはできない形です。

申し立てる前に、後見人に誰が選ばれうるか、報酬がいつまで続くかを家族で確かめておきます。成年後見関係事件の概況(令和7年)では、親族が成年後見人などに選ばれたのは約16.4%、親族以外が約83.6%でした。

申立てから審判までの期間

同じ概況では、終局した事件のうち2か月以内に終わったものが約71.1%、4か月以内が約93.8%です。鑑定をする場合は、その期間が加わります。

審判で後見が始まると、家庭裁判所の嘱託で後見の登記がされます。申立ての時に納めた2,600円の登記手数料は、この登記のためのものです。

報酬の額は、家庭裁判所の審判で決まる

後見人の報酬は、後見人が家庭裁判所に報酬付与の申立てをし、審判で決まった額を本人の財産から受け取ります。民法 第862条は、後見人と本人の資力その他の事情によって、相当な報酬を与えることができると定めています。

報酬の額は法律で決まっていません。裁判官が、後見の事務の内容と本人の財産の内容などを見て、事案ごとに決めます。

大阪家庭裁判所のめやす(令和7年4月)

大阪家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額のめやす」(令和7年4月)は、次のとおりです。管理財産額は、預貯金と有価証券などの流動資産の合計です。

  • 成年後見人の基本報酬:月額2万円
  • 管理財産額が1,000万円を超え5,000万円以下:月額3万円〜4万円
  • 管理財産額が5,000万円を超える:月額5万円〜6万円
  • 成年後見監督人(5,000万円以下):月額1万円〜2万円
  • 成年後見監督人(5,000万円超):月額2万5,000円〜3万円

継続的な財産管理の権限がある保佐人・補助人も、成年後見人と同じめやすです。保佐監督人・補助監督人・任意後見監督人は、成年後見監督人と同じです。

成年後見人などが2人以上いるときは、めやすの額を、それぞれが分けて受け持つ事務の内容に応じて割り振ります。人数分の額が足されるわけではありません。

付加報酬は「特に労力を要するもの」があったとき

不動産の売却や遺産分割、訴訟の対応など、特に労力を要する事務があった場合は、基本報酬に相当額が付加されることがあります。東京家庭裁判所のめやすとして、身上監護に特別困難な事情があれば基本報酬の50%の範囲内とする割合が示されたことがあります。

大阪家庭裁判所の令和7年4月のめやすには、50%という割合は書かれていません。付加報酬は「相当額」とされているので、どこまで加わるかは事案ごとの審判で決まります。

報酬付与の申立ては、印紙800円と切手110円

報酬を受け取るには、後見人が家庭裁判所に報酬付与の申立てをします。東京家庭裁判所の案内(令和7年4月版)では、申立書に収入印紙800円を貼り、郵便切手110円を付けます。監督人が申し立てるときも同じ額です。

申立ての時期は、家庭裁判所に後見の事務を報告する時期に合わせるよう案内されています。報酬は、審判で額が決まってから本人の財産から受け取る、後払いの形です。

決まった報酬の額に、即時抗告はできない

家事事件手続法 第85条第1項で、審判に即時抗告ができるのは、特別の定めがある場合に限られます。後見について即時抗告ができる審判を並べた第123条に、報酬付与の審判は入っていません。

報酬の額に疑問があるときは、審判をした家庭裁判所の後見の担当に問い合わせます。次の報酬付与の審判では、その期間の事務の内容と本人の財産をもとに、あらためて額が決まります。

実際の報酬の分布(最高裁判所の実情調査)

最高裁判所は、令和7年7月〜12月に決まった全国の報酬付与の審判102,466件を集計しています。親族以外の成年後見人で、付加報酬を求めなかった事件の年額は、流動資産で次のように分かれました。

  • 100万円未満:20万円台が73.9%
  • 100万円以上500万円未満:20万円台が80.2%
  • 500万円以上1,000万円未満:20万円台が80.6%
  • 1,000万円以上5,000万円未満:30万円台が54.0%
  • 5,000万円以上1億円未満:60万円台が50.3%
  • 1億円以上:70万円台が43.0%

流動資産が1,000万円未満なら、年20万円台(月2万円前後)の事件が7割を超えます。親族の成年後見人で付加報酬を求めなかった事件でも、100万円未満では20万円台が56.6%でした。

成年後見人の報酬の1年の分布の図。最高裁判所の実情調査(令和7年7月〜12月)で、親族以外の成年後見人・付加報酬の求めが無い事件の年額。流動資産1,000万円未満では年20万円台が7割台から8割、1,000万円以上5,000万円未満では30万円台が54.0%、5,000万円以上1億円未満では60万円台が50.3%。月2万円で5年続いた例は120万円

報酬はいつまで続くか

法定後見は、本人の判断能力が回復して審判が取り消されるか、本人が亡くなるまで続きます。報酬も、その間は毎年の報酬付与の審判ごとに払います。

たとえば、めやすの月2万円が5年続くと、24万円×5年で120万円です。図の分布と合わせて、本人の預貯金と年金で何年払えるかを見ておきます。

任意後見は、契約の費用と監督人の報酬

任意後見は、本人が元気なうちに、将来頼む人(任意後見受任者)と頼む内容を公正証書の契約で決めておく制度です。判断能力が落ちたときに、家庭裁判所が任意後見監督人を選ぶと、契約の効力が生じます。家族に財産の管理を任せる家族信託の費用は家族信託の費用はいくら?にまとめています。

契約を結ぶとき:公正証書の手数料など

日本公証人連合会の案内では、任意後見契約の公正証書を作る費用は次のとおりです。手数料は令和7年10月1日の改定後の額です。

  • 公正証書の作成手数料:1契約につき1万3,000円(紙に印刷して3枚を超えると、1枚ごとに300円)
  • 法務局に納める収入印紙代:2,600円
  • 登記嘱託手数料:1,600円
  • 正本・謄本などの作成手数料:電子データは1通2,500円、書面は枚数×300円
  • 書留郵便料:登記のために公正証書の謄本を法務局へ送る分(重さで少し変わる)

本人が入院していて公証人が出張するときは、病床執務加算6,500円と、日当と交通費が加わります。受任者が2人なら、権限を共同で使う定めが無い限り、契約が2つになり手数料も2つ分です。

公証役場では、任意後見契約と同じく遺言も公正証書で作れます。遺言の手数料の計算は公正証書遺言の費用はいくら?にまとめています。

効力を生じさせるとき:監督人の選任の申立て

任意後見監督人の選任の申立ては、収入印紙800円分と登記手数料1,400円分、連絡用の郵便切手が要ります。鑑定をすることになれば、その費用も加わることがあります。

任意後見人の報酬は、契約で決めます。任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決め、本人の財産から払います。めやすは成年後見監督人と同じで、大阪家庭裁判所では月1万円〜2万円(5,000万円以下)です。

費用を払えないときは、市区町村の助成と法テラス

本人の財産が少なく、報酬や申立ての費用を払えないときは、市区町村の成年後見制度利用支援事業と、法テラスの立替があります。厚生労働省の案内でも、必要な経費を助成している市町村があるとしています。

市区町村の成年後見制度利用支援事業

助成の対象者・上限・申請の時期は、市区町村が要綱で決めます。神戸市の案内(2025年4月改正)では、生活保護を受けている人など報酬の負担が真に困難な人について、家庭裁判所が決めた報酬の範囲内で助成します。

神戸市の助成の上限は、施設に入所している人が月額18,000円、自宅などで生活している人が月額28,000円です。申立ての費用の助成は、神戸市では市長が申し立てた場合に限られています。令和7年の成年後見関係事件の概況では、申立人の約23.7%が市区町村長でした。

報酬の助成は、家庭裁判所の報酬付与の審判が出てから申請します。神戸市は、審判の後おおむね3か月以内に出すよう案内しているので、審判書が届いたらすぐに市区町村に確かめます。

法テラスの立替は、申立てを頼む弁護士・司法書士の費用

日本司法支援センター(法テラス)は、収入と資産が基準に当たる人のために、弁護士・司法書士に払う費用を立て替えます。厚生労働省の案内では、後見の申立てを代理する人の費用の立替などを受けられる場合があるとしています。

法テラスの案内では、鑑定料などの実費は限度額の範囲内で立て替えられ、超える分は原則として自分で払います。立て替えてもらった費用は分けて返し、生活保護の受給中は返済を待ってもらえます。手続きが終わった後も受給を続けていれば、返済の免除を申請できます。

生活保護を受けていても、成年後見は使える

生活保護を受けている人も、成年後見の申立てができます。報酬は、市区町村の利用支援事業の対象になるかを、福祉事務所と市区町村の窓口に確かめます。

生活保護の制度のしくみと申請の流れは生活保護の条件にまとめています。申立てを弁護士や司法書士に頼むときは、法テラスの立替が使えるかも合わせて相談します。

地域の相談窓口と助成の窓口を探す手順

成年後見の相談先は、市区町村ごとに違います。次の順で探すと、申立ての手続きと助成の窓口がそろいます。

ステップ1厚生労働省の窓口検索で、地域の相談窓口を探す5分

厚生労働省の成年後見制度のサイトにある「相談窓口のご案内」で、都道府県と市区町村を選ぶと、権利擁護の相談窓口(中核機関など)が出ます。任意後見の相談は、最寄りの公証役場が窓口です。

ステップ2市区町村の利用支援事業の要綱を読む10分

市区町村のサイトで「成年後見制度利用支援事業」を探し、対象者・上限額・申請の期限を書き出します。高齢者と障害のある人で担当課が分かれている市区町村もあります。

ステップ3申し立てる家庭裁判所の切手の額と書式を確かめる10分

本人の住所地の家庭裁判所のページで、郵便切手の額と組み合わせ、申立書の書式を確かめます。診断書は、家庭裁判所が定める書式で医師に頼みます。

家計簿での記録のしかた

後見が始まると、本人のお金は後見人が管理し、家庭裁判所に財産目録や収支を報告します。始まる前から、本人のお金と家族のお金を分けて書いておくと、報告の準備が楽になります。

ステップ1本人の口座と、申立人の支払いを分けて書く10分

申立ての費用は申立人が払うので、家計簿では申立人のお金として書きます。本人の口座から払ったものと混ざらないよう、行を分けます。

ステップ2本人の1か月の収入と支出を書き出す20分

年金の額、施設や医療の費用、保険料などを1か月分書き出します。申立書に付ける収支予定表の下書きになり、報酬を何年払えるかの見通しにも使えます。

紙でも表計算でも、同じ手順で出せます。通帳は申立ての直前に記帳して、コピーを付けます。

迷いやすい場面

家族を後見人の候補にしたが、専門家が選ばれた

後見人は家庭裁判所が選ぶので、申立書に書いた候補者が選ばれるとは限りません。専門家が選ばれると、その報酬は本人の財産から払います。

選ばれた人を理由に申立てを取り下げることは、許可が無いとできません。候補者を書く前に、家庭裁判所の手引で、専門家が選ばれることがある事情を確かめておきます。

報酬を払うと、本人の預金が減っていく

報酬は、本人の資力も見て家庭裁判所が決めます。流動資産が少ない場合の分布は、実情調査では年20万円台が中心で、資産が多い事件より低い額になっています。

それでも払えないときは、市区町村の利用支援事業の対象になるかを確かめます。介護の費用とあわせた月々の見通しは、介護費用の平均はいくら?と並べて考えます。

預金を下ろしたいだけで、成年後見が要るか迷う

成年後見関係事件の概況(令和7年)では、主な申立ての動機は預貯金等の管理・解約が最も多く、次いで身上保護です。成年後見は、預金の手続きが終わっても、本人の判断能力が戻るか亡くなるまで続きます。報酬が続くことを含めて、申し立てるかを決めます。

亡くなった後の預金の引き出しは、成年後見ではなく相続の手続きになります。その手順は亡くなった人の預金を引き出すにはにまとめています。

成年後見の制度は、令和8年の改正で変わる

令和8年6月24日に公布された民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)で、後見と保佐の制度はなくなり、補助の制度にまとめられます。施行は、公布の日から2年6か月を超えない範囲で政令で定める日です。

施行日より前に後見開始の審判を受けた人は、施行後も従前の例によると附則で定められています。改正後の報酬のめやすや手続きの費用は、施行日が決まった後の裁判所の案内で確かめます。

申立ての手数料も、法改正で変わる

裁判所の手数料を定める民事訴訟費用等に関する法律は、令和5年法律第53号で別表が組み替わります。組み替わった後の後見開始の申立ては2,000円で、オンラインで申し立てるときは1,900円です。

改正法は2023年6月14日に公布され、5年以内の政令で決める日に施行されます。その日が来るまでは今の800円のままなので、申し立てる時点で裁判所の案内を見ます。

令和8年の民法の改正に合わせた整備法(令和8年法律第46号)も、同じ別表を改めます。民法の改正が施行された後は、補助開始の申立てが3,300円、オンラインでは2,900円です。整備法の施行は民法の改正と同じ日で、その日はまだ政令で決まっていません。

よくある質問

Q成年後見の申立てには、全部でいくらかかりますか

東京家庭裁判所で後見開始を申し立てる例では、印紙3,400円と切手4,000円、証明書や戸籍などで、診断書を除いて8,750円でした。これに診断書の代金と、鑑定をするときは鑑定費用が加わります。

Q後見人の報酬は毎月いくらですか

大阪家庭裁判所のめやすでは、成年後見人は月2万円で、管理財産が1,000万円を超えると月3万円〜4万円です。実際の額は、後見人の申立てを受けて、家庭裁判所が報酬付与の審判で決めます。

Q報酬付与の申立てにも費用がかかりますか

東京家庭裁判所の案内では、報酬付与の申立ては収入印紙800円と郵便切手110円です。申し立てるのは後見人や監督人で、決まった報酬は本人の財産から受け取ります。

Q報酬は誰が払いますか

後見人の報酬は、本人の財産から払います。申立ての費用は原則として申立人が払い、事情により本人の負担とされることもあります。

Q親族が後見人なら、報酬はかかりませんか

親族の後見人が報酬付与の申立てをしなければ、報酬はかかりません。申し立てれば、親族でも家庭裁判所が決めた報酬を受け取れます。

Q鑑定は必ずありますか

令和7年の概況では、鑑定を実施したのは約3.4%です。鑑定をするときの費用は、10万円以下が約85.8%でした。

Q払えないときはどうすればよいですか

市区町村の成年後見制度利用支援事業で、報酬や申立ての費用が助成されることがあります。申立てを弁護士や司法書士に頼む費用は、基準に当たれば法テラスの立替を使えます。

まとめ

  • 成年後見の費用は、申立ての費用と後見人などの報酬の2つ
  • 後見開始の申立ては、収入印紙800円と登記手数料2,600円、郵便切手(東京家庭裁判所は4,000円)、診断書や戸籍などの代金
  • 鑑定は令和7年は約3.4%で、費用は10万円以下が約85.8%
  • 報酬は家庭裁判所が決め、本人の財産から払う。大阪家庭裁判所のめやすは月2万円〜6万円で、管理する財産の額で変わる
  • 報酬付与の申立ては印紙800円と切手110円(東京家庭裁判所)。決まった額に即時抗告はできない
  • 任意後見は、公正証書の作成手数料1万3,000円などと、監督人の報酬がかかる
  • 払えないときは、市区町村の成年後見制度利用支援事業と法テラスの立替
  • 令和8年の民法の改正で、後見と保佐は補助にまとめられる。施行日は政令で決まる

この記事で参照した公的情報

  1. 法定後見制度とは(手続の流れ、費用)(補助・保佐・後見の申立手数料800円・登記手数料2,600円・連絡用の郵便切手と鑑定料・鑑定料はほとんどの場合10万円以下・法テラスの民事法律扶助・経費を助成している市町村もある)
    窓口
    厚生労働省(成年後見はやわかり)
    確認日
    確認先
    https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/
  2. 任意後見制度とは(手続の流れ、費用)(任意後見監督人選任の申立て=収入印紙800円・登記手数料1,400円・連絡用の郵便切手・鑑定費用を負担することがある・任意後見監督人の報酬は家庭裁判所の審判で本人の財産から)
    窓口
    厚生労働省(成年後見はやわかり)
    確認日
    確認先
    https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/
  3. 相談窓口のご案内(法定後見制度は窓口検索で最寄りの権利擁護相談窓口へ・任意後見制度は最寄りの公証役場へ)
    窓口
    厚生労働省(成年後見はやわかり)
    確認日
    確認先
    https://guardianship.mhlw.go.jp/consultation/
  4. 後見開始(申立人・申立先は本人の住所地の家庭裁判所・申立手数料800円・郵便料は裁判所ごとに異なる・登記手数料2,600円・鑑定費用を負担することがある・標準的な添付書類)
    窓口
    裁判所
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_01/index.html
  5. 後見・保佐・補助開始申立ての手引(令和7年4月)(東京家庭裁判所の手数料等=後見開始は収入印紙800円と2,600円・郵便切手4,000円分(500円2枚・350円3枚・110円15枚・50円2枚・20円10枚)・代理権付与などを加える保佐・補助は5,000円分・鑑定をするときは別途予納の連絡)
    窓口
    東京家庭裁判所
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/kouken/1101R0704.pdf
  6. 報酬付与の申立てについて(R7.4版)(成年後見人等が報酬を受け取るには報酬付与の審判の申立てが要る・収入印紙800円・郵便切手110円・監督人も同じ・申立ては後見等事務報告を行う時期に合わせる)
    窓口
    東京家庭裁判所
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/kouken/5201R0610.pdf
  7. 成年後見人等の報酬額のめやす(令和7年4月)(成年後見人の基本報酬は月額2万円・管理財産額1,000万円超5,000万円以下は月額3万円〜4万円・5,000万円超は月額5万円〜6万円・成年後見監督人は5,000万円以下で月額1万円〜2万円・5,000万円超で月額2万5,000円〜3万円・任意後見監督人も同様・付加報酬は特に労力を要するものがあった場合に相当額・複数成年後見人等は分掌事務の内容に応じて適宜の割合で按分)
    窓口
    大阪家庭裁判所
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/119_R7.04_hosyumeyasu.pdf
  8. 報酬に関する実情調査の集計結果について(令和7年7月〜12月)(全国の報酬付与申立事件102,466件・流動資産額別の年間の報酬付与額の割合)
    窓口
    最高裁判所事務総局家庭局
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/assets/R7housyukekka.pdf
  9. 成年後見関係事件の概況(令和7年1月〜12月)(2か月以内の終局 約71.1%・申立人のうち市区町村長 約23.7%・主な申立ての動機は預貯金等の管理・解約が最も多く次いで身上保護・鑑定の実施 約3.4%・鑑定期間1か月以内 約52.6%・鑑定費用5万円以下 約43.7%・5万円超10万円以下 約42.1%・10万円以下 約85.8%・親族が成年後見人等に選任 約16.4%)
    窓口
    最高裁判所事務総局家庭局
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/assets/20260316koukengaikyou-r7.pdf
  10. 民法 第862条(後見人の報酬=家庭裁判所が被後見人の財産の中から相当な報酬を与えることができる)・令和8年法律第45号による改正(後見・保佐を補助に一元化・施行は公布の日から2年6月を超えない範囲内で政令で定める日・附則第2条=施行日前の後見開始の審判は従前の例)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
  11. 民法等の一部を改正する法律案(令和8年6月17日成立・6月24日公布・成年後見制度の見直しは公布の日から2年6月を超えない範囲内において政令で定める日に施行)
    窓口
    法務省
    確認日
    確認先
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00389.html
  12. 家事事件手続法 第28条(手続費用は各自の負担・裁判所は事情により他の者に負担させることができる)・第85条第1項(審判に対しては特別の定めがある場合に限り即時抗告をすることができる)・第121条(後見開始の申立ては家庭裁判所の許可を得なければ取り下げることができない)・第123条(後見の事件で即時抗告ができる審判の一覧。報酬付与の審判は無い)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052
  13. 登記手数料令 第2条第10項(後見登記等ファイルに記録がない旨の登記事項証明書=1通300円)・第13条(後見開始・保佐開始・補助開始の審判に基づく登記の嘱託=1件2,600円)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140
  14. 民事訴訟費用等に関する法律 別表第一 15の項(家事事件手続法別表第一の審判の申立て800円)・令和5年法律第53号による改正後の別表第一(後見開始などの審判の申立て2,000円・電子情報処理組織による申立て1,900円。施行は公布から5年を超えない範囲で政令で定める日)・令和8年法律第46号による改正後の別表第一(民法の改正の施行後の補助開始の審判の申立て3,300円・電子情報処理組織による申立て2,900円。施行は令和8年法律第45号の施行の日)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/346AC0000000040
  15. 4 任意後見契約(任意後見契約公正証書の作成手数料は1契約につき1万3000円・法務局に納める収入印紙代2,600円・登記嘱託手数料1,600円・書留郵便料は重量によって若干異なる・正本謄本等は電磁的記録で1通2,500円・書面で枚数×300円・任意後見人の報酬は話合いで決める)
    窓口
    日本公証人連合会
    確認日
    確認先
    https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow04
  16. 立替制度に関するよくあるご質問(弁護士・司法書士の費用(着手金・実費など)を立て替え分割で返済・鑑定料などの実費は限度額の範囲内で立替え、超える金額は原則として自己負担・生活保護を受給中は返済の猶予・終了後も受給していれば免除の申請ができる)
    窓口
    日本司法支援センター(法テラス)
    確認日
    確認先
    https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/tatekaeqa.html
  17. 後見報酬助成(成年後見制度利用支援事業)(神戸市の案内:生活保護を受けている者など報酬の負担が真に困難な者・助成の上限は施設入所者が月額18,000円・居宅生活者が月額28,000円・報酬付与の審判後に申請・審判請求費用の助成は市長申立てのみ)
    窓口
    神戸市
    確認日
    確認先
    https://www.city.kobe.lg.jp/a38463/housyuzyosei.html

この記事を書いているのは

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