カーシェアとマイカーはどっちが得?|月に何時間乗るかの分かれ目を、自分の車の費用から出す

支出の見直し ・

カーシェアとマイカーのどちらが得かは、月に乗る時間で決まります。マイカーで毎月決まって出る費用から、どちらが安いかの分かれ目の時間を出せます。乗る時間がそれより短ければカーシェア、長ければマイカーのほうが安くなります。

例えば、車の代金・駐車場・保険・税・車検で毎月決まって約3万円かかる車なら、15分230円のカーシェアと比べた分かれ目は、月に約42時間(週に約10時間)です。分かれ目は駐車場代や車の代金で大きく動くので、自分の額で出します。

1日以上の遠出が多い人は、カーシェアではなくレンタカーの料金と比べます。もう車を持っていて手放すか迷う人は、車の代金を今売れる額から数えます(車をもう持っている人の数え方)。

車の費用が重いので、カーシェアに替えたいと考えています。でも、自分の乗り方だと、かえって高くならないかが分かりません。

早見:毎月決まって出る費用ごとの分かれ目

マイカーで毎月決まって出る費用は、乗っても乗らなくてもかかる分です。車の代金の月割り・駐車場・任意保険・自動車税・車検・点検を足した額で、自分に近い行を見てください。表の「月の時間」が分かれ目で、「週の時間」はそれを週にならした時間です。

毎月の費用 月の時間 週の時間
1万円 約13時間 約3時間
2万円 約28時間 約6時間
3万円 約42時間 約10時間
4万円 約57時間 約13時間
5万円 約71時間 約17時間

表は、例の前提で出しています。カーシェアは15分230円(1時間920円)で月額基本料880円、マイカーのガソリン代は1時間あたり約230円としました。週の時間は、1か月を約4.3週として割っています。

月に乗る時間が表の時間より短ければカーシェアのほうが安く、長ければマイカーのほうが安くなります。料金や走り方が違えば分かれ目も動くので、次の手順で自分の額に置き換えてください。

1万円の行は、車の代金を払い終えていて、自宅に駐車場がある場合などです。月極の駐車場を借りていると、駐車場代だけで毎月の額が大きく変わります。

分かれ目の時間を、自分の数字で出す

紙でも表計算でも、次の4つの手順で出せます。用意するのは、車の費用の領収書や明細と、使う予定のカーシェアの料金表です。

ステップ1マイカーで毎月決まって出る費用を月あたりにする15分

乗った時間に関係なく出る費用を、1か月あたりにして足します。年に1回のものは12で、2年に1回の車検は24で割ります。

  • 車の代金:(買った額 − 手放すときに売れる見込みの額)÷ 乗る月数。ローンで買ったなら、利息も足す
  • 駐車場:月極の駐車場代。自宅にあって払っていなければ0円
  • 任意の自動車保険:年払いなら12で割る
  • 自動車税・軽自動車税:年額を12で割る
  • 車検:前回の車検の総額を24で割る。税・自賠責保険料・整備の代金が入っている
  • 点検・タイヤ・オイルなど:1年分を12で割る

自動車税の標準の税率は、2019年10月1日以後に初めて登録した自家用の乗用車で、1,000cc超1,500cc以下なら年30,500円です。2015年4月1日以後に最初の新規検査を受けた自家用の軽乗用車なら、軽自動車税は年10,800円です。

駐車場代は、住む所で大きく違います。総務省の小売物価統計調査では、月極駐車場の2025年の平均で、東京都区部が27,287円、名古屋市が6,833円でした。

年に1回や2年に1回の費用を明細から拾う手順は、車の維持費にあります。駐車場は月極駐車場の相場、保険は自動車保険の平均、車検の内訳は車検の費用で見られます。

ステップ2走った分だけ増えるガソリン代を、1時間あたりにする5分

マイカーのガソリン代は、乗った時間に応じて増えます。カーシェアの料金にはガソリン代が入っているので、比べるときはマイカーの側だけに数えます。

1時間あたりの額は、1か月のガソリン代を、その月に乗った時間で割って出します。乗った時間が分からなければ、1時間に走る距離を燃費で割り、1リットルの値段を掛けます。

例えば、1時間に20km走り、燃費が1リットル14.1km、ガソリンが1リットル164.69円なら、1時間あたり約230円です。燃費は日本自動車工業会の2025年度調査の平均、値段は家計調査の2025年の平均価格を当てはめた例です。

高速道路の料金や出先の駐車場代は、カーシェアでもマイカーでも同じようにかかります。分かれ目を出すときは、両方から外して比べます。

ステップ3カーシェアの1時間あたりの料金を、料金表から出す5分

カーシェアの料金は、時間の料金に、月額基本料などが加わる形です。使う予定の会社の料金表で、次の所を見ます。

  • 時間の料金:15分や10分ごとの額。15分の額なら4倍すると1時間あたりになる
  • 月額基本料:0円のものと、毎月かかるものがある。同じ額まで利用料金に充てられるものもある
  • 入会金やカードの発行料:入会のときに1回だけかかるものがある
  • パック料金:6時間・12時間などをまとめた料金。長く借りるときは、時間の料金を積み上げるより安くなることがある
  • 距離の料金:長い時間借りたときなどに、走った距離1kmごとにかかるものがある

カーシェアでは、ガソリン代と保険料が料金に含まれる形です。給油が要るときの払い方は、会社の案内で確かめます。

ステップ4式に当てはめて、分かれ目を出す3分

ステップ1〜3の額を、次の式に当てはめます。**分かれ目の時間(月)=(マイカーで毎月決まって出る費用 − カーシェアの月額基本料)÷(カーシェアの1時間の料金 − マイカーの1時間あたりのガソリン代)**です。

かっこの前の部分は、乗らなくてもマイカーのほうが余分にかかる額です。後ろの部分は、1時間乗るごとにカーシェアのほうが余分にかかる額で、前を後ろで割ると、両方が同じ額になる時間が出ます。

計算の例

中古の小型の乗用車を持つ場合の例で、分かれ目を出します。金額は例なので、自分の領収書と料金表の額に置き換えてください。

費用 元の額 1か月あたり
車の代金 6年で90万円 12,500円
駐車場 月極 10,000円
任意保険 年6万円 5,000円
自動車税 年30,500円 約2,540円
車検 2年で10.8万円 4,500円
点検・消耗品 年2.4万円 2,000円
合計 約36,540円

車の代金は、120万円で買い、6年後に30万円で売れる見込みとした例で、差の90万円を72か月で割っています。カーシェアは15分230円で1時間920円、月額基本料は880円とし、ガソリン代はステップ2の例の1時間あたり約230円です。

式に当てはめると、(36,540円 − 880円)÷(920円 − 230円)=約52時間です。この例では、月に約52時間(週に約12時間)より短く乗るなら、カーシェアのほうが安くなります。

月に20時間乗った場合の、マイカーとカーシェアの1か月の費用の例の図。マイカーは毎月決まって出る額36,540円とガソリン20時間分4,600円で41,140円、カーシェアは月額基本料880円と時間の料金20時間分18,400円で19,280円。金額は例

図は、同じ例で月に20時間乗った場合です。マイカーは41,140円、カーシェアは19,280円で、差は21,860円です。

月に60時間乗ると、マイカーは50,340円、カーシェアは56,080円で、マイカーのほうが安くなります。長く乗る日が多い月は、パック料金を使うとカーシェアの額が下がることがあるので、その額でも比べます。

車をもう持っている人は、今売れる額から数える

もう持っている車を手放すか迷うときは、車の代金を、買った額ではなく今売れる額から数えます。買った額は、手放しても戻らないからです。

持ち続けると、売れる額は年々下がっていきます。その下がる分が、持ち続ける間の車の代金です。今売ると70万円、3年後に40万円なら、30万円を36か月で割って、1か月あたり約8,330円です。

売れる額は、買取の見積もりで確かめます。ローンが残っている車は、売った額でローンの残りを返し切れるかを、ローンの契約先に確かめます。車検証の所有者の確かめ方は、車のローンが払えないときにあります。

手放すときの自動車税

車を売って名義を変えただけでは、払った自動車税は月割りで戻りません。廃車(抹消登録)にしたときは、抹消登録した月の翌月から3月までの分が戻ります。

軽自動車税は、売っても廃車にしても戻りません。手放す時期と戻る額の早見は、車を売却したら自動車税は戻る?にまとめています。

料金のほかに確かめること

安さだけで決めると、使いたいときに使えないことがあります。カーシェアに替える前に、次の点を自分の暮らしに当てはめて見ます。

  • 歩いて行ける所に、車の置き場があるか:置き場が遠いと、行き帰りに時間がかかる。地方では、置き場が少なく、マイカーの代わりにしにくい所がある
  • 使いたい時間に空いているか:人気の時間帯や置き場は、予約が埋まることがある。前の人の返却が遅れて使えないこともある
  • 止めている時間も料金になる:出先で買い物や用事をしている間も、借りている時間に数える
  • 車に物を置いておけない:チャイルドシートやベビーカーを使うなら、毎回の積み下ろしが要る。ペットを乗せられないことがある
  • 毎日の通勤や送り迎え:毎日乗ると、月の時間が分かれ目を超えやすい

どれも、カーシェアの会社や置き場によって違います。入会する前に、家の近くの置き場の空き具合と、使うときの決まりを確かめます。

事故や傷のときの負担を、借りる前に確かめる

国民生活センターは、レンタカーやカーシェアで、つけた覚えのない傷の修理代を求められるなどの相談を紹介しています。保険や補償の適用、休業補償などの契約の条件が複雑なことを、問題点に挙げています。

カーシェアは、使う前と返すときに、自分で車の状態を確かめます。事故のときの自己負担や休業補償の決まりは、会社の約款で先に見ておきます。困ったときは、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターにつながります。

家計簿で、1〜2か月乗った時間を数えてから決める

分かれ目と比べる「月に乗る時間」は、思っている時間と違うことがあります。手放す前に1〜2か月、車に乗った日と時間を、家計簿のメモ欄やカレンダーに書いておきます。

書くのは、出かけた時刻と帰った時刻です。出先で止めていた時間も入れて数えると、カーシェアに替えたときの料金に近くなります。

走った距離は、メーターの数字を月の初めと終わりに控えると分かります。日本自動車工業会の2025年度調査では、月間走行距離の平均は345kmでした。

カーシェアに替えたあとの書き方

カーシェアの料金は、家計簿の「車」の項目に書きます。月額基本料は毎月決まって出る分なので、固定費の一覧にも入れておきます。

替えて1年たったら、前の年の車の費用と、カーシェアの1年分を並べます。分かれ目を超える月が続くなら、乗り方か、車を持つかどうかを見直す合図になります。

調査の平均と比べるときの注意

マイカーの費用を調べると、業界団体の調査の平均が出てきます。日本自動車工業会の2025年度乗用車市場動向調査では、乗用車を持つ世帯の平均月間維持費は9,500円でした。

ただし、この維持費に入っているのは、燃料代・修理代・有料駐車場代・有料道路通行料などです。車両代やローン返済、保険料、税金は除かれているので、カーシェアの月額とそのまま比べると、マイカーの費用を少なく見積もります。

前回の2023年度は12,100円でしたが、2025年度から訪問の調査がWEBの調査に変わり、前回までとは並べて比べられないとされています。分かれ目は平均ではなく、ステップ1のように自分の車の代金・保険・税・車検まで入れた額で出します。

よくある質問

Q週末だけ乗るなら、どっちが得ですか

1回3時間を月に5回なら、月15時間です。計算の例の車なら、分かれ目の約52時間より短いので、カーシェアのほうが安くなります。

毎週末に半日以上乗るなら、時間が分かれ目に近づきます。パック料金や距離の料金も入れて、両方の額を出して比べます。

Q通勤に車を使っています

通勤では、勤め先で止めている時間も借りている時間に数えるので、1日の時間が長くなります。毎日の通勤に使うと、月の時間が分かれ目を大きく超えることがあります。

車を持ち続けるなら、車の維持費の手順で費用を月あたりにします。保険・駐車場・車検のどこで額が動いているかを分けて見ると、見直す所が分かります。

Qカーシェアにすると、ガソリン代や保険料はかかりませんか

ガソリン代と保険料は、カーシェアの料金に含まれる形です。自動車税や車検の費用も、自分では払いません。

ただし、事故のときの自己負担や休業補償は、会社の決まりによって別にかかることがあります。借りる前に約款で確かめます。

Q遠出や旅行のときはどうしますか

1日以上借りるなら、カーシェアのパック料金と距離の料金を足した額を、レンタカーの料金と比べます。レンタカーの1日の目安と補償料は、レンタカーの料金相場にあります。

Qカーリースとは、どう比べますか

カーリースは、月額を払って1台の車を自分だけで使う形です。リースの月額に入っているもの(車の代金・税・車検など)を、ステップ1の同じ行と置き換えると、同じ式でカーシェアと比べられます。

駐車場とガソリン代は、リースでも自分で払う形です。この2つはマイカーと同じように足します。

Q2台のうち1台を手放すか迷っています

手放す1台の分だけで、分かれ目を出します。その車に毎月決まって出る費用と、その車に乗っている時間を数えます。

残す1台で間に合う日は、カーシェアの時間に数えません。2台が同時に出ている日だけを数えると、カーシェアで足りるかが分かります。

Q平均では、カーシェアにいくら使っていますか

家計調査(2025年)では、二人以上の世帯のレンタカー・カーシェアリング料金は1年4,393円でした。使わない世帯も含めた平均で、レンタカーの料金も入っています。

カーシェアを使っている人だけの平均ではないので、自分の額の目安にはなりません。替えたときの額は、料金表と月に乗る時間から出します。

まとめ

  • カーシェアとマイカーのどちらが得かは、月に乗る時間が分かれ目より短いか長いかで決まる
  • 分かれ目=(毎月決まって出る費用 − 月額基本料)÷(カーシェアの1時間の料金 − 1時間あたりのガソリン代)
  • 毎月決まって出る費用には、車の代金・駐車場・保険・税・車検・点検を入れる
  • もう持っている車は、今売れる額と数年後に売れる額の差で、車の代金を数える
  • 止めている時間も料金になる。置き場・予約・荷物・補償の決まりも確かめる
  • 手放す前に1〜2か月、乗った時間を家計簿に書いて、分かれ目と比べる

自分の車の費用とカーシェアの料金表から、分かれ目の時間を出せました。1〜2か月乗った時間と比べれば、手放すか持ち続けるかを数字で決められます。

この記事で参照した公的情報

  1. 2025年度乗用車市場動向調査(2026年3月・調査実施時期2025年9月・WEB法(今年度から訪問調査法から切り替え)・平均月間維持費9,500円・月間維持費とは燃料代・修理代・有料駐車場代・有料道路通行料等で車両代・ローン返済・保険料・税金は除外・月間走行距離の平均345km・A車の平均燃費14.1km/l)
    窓口
    一般社団法人日本自動車工業会
    確認日
    確認先
    https://www.jama.or.jp/release/docs/release/2026/20260414_2025PassengerCars.pdf.pdf
  2. 地方税法 第154条(自動車税の標準税率・自家用の乗用車で総排気量1リットル超1.5リットル以下は年額3万500円)・第448条(軽自動車税の標準税率・四輪以上の乗用の自家用は年額1万800円)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  3. 小売物価統計調査(動向編)2025年 第1表 7342 車庫借料(月極駐車料金・屋根なし・アスファルト舗装・小型自動車)の年平均(東京都区部27,287円・名古屋市6,833円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200571&tstat=000000680001&cycle=7&tclass1val=0
  4. 家計調査 家計収支編 2025年 第4-1表(品目分類・二人以上の世帯・ガソリンの平均価格164.69円・レンタカー・カーシェアリング料金の年間の支出金額4,393円)
    窓口
    総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409546
  5. レンタカー、カーシェアのトラブルに注意(2021年3月25日・つけた覚えのない傷の修理代等を請求されたなど返却時の修理代に関するトラブル・カーシェアで鍵を紛失して交換費用を請求された・保険や補償制度の適用、休業補償等に関する契約条件が複雑・契約前に保険や補償制度の適用条件を確認・カーシェアは利用前後に必ず自分で確認・消費者ホットライン188)
    窓口
    国民生活センター
    確認日
    確認先
    https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210325_1.html

この記事を書いているのは

Mirai Kanaiは、家計を見えるようにすることを目的とした個人向けの家計簿サービスです。運営するMove for People株式会社は、家計が見えていないことが、使える制度を逃したり、対処が遅れたりする原因になっていると考えています。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。特定の金融商品の推奨や、個別の投資判断に関する助言を行うものではありません。公的制度の要件・金額は変更される場合があり、自治体によって異なります。実際のご利用にあたっては、必ず公式の窓口でご確認ください。