自転車保険は義務?|条例で義務の34都府県・努力義務の10道県(令和6年4月1日現在)と、罰則・入っているかの確かめ方

支出の見直し ・ ・ 最終更新

自転車保険に入る義務は、国の法律ではなく、都道府県の条例で決まります。国土交通省の資料では、令和6年4月1日現在、条例で加入を義務にしているのは34都府県、努力義務にしているのは10道県です。

この記事では、国の案内と都道府県の条例を分け、どの都道府県が義務か、誰に義務がかかるか、罰則はあるかを書きます。「自転車保険」という名前でなくても条例の保険に当たるものと、すでに入っているかを家計簿と保険証券で確かめる手順もまとめます。

子どもが自転車で通学を始めます。住んでいる県で自転車保険が義務なのか、今の保険で足りているのかが分かりません。

自転車保険の義務は、都道府県の条例で決まる

自転車に乗る人に保険への加入を求める決まりは、国の法律にはありません。加入を義務にするか、努力義務にするかは、都道府県などが条例で決めています。

国土交通省の案内では、条例による加入の義務化は、平成27年10月に兵庫県で初めて導入されました。その後も義務や努力義務とする条例が作られ、義務化の動きが広がっているとしています。

国は、標準条例を配って条例づくりを進めている

国は平成31年2月に、地方公共団体に向けて標準条例を作って配りました。条文の形をひな型として示したもので、国土交通省は技術的助言と呼んでいます。

第2次自転車活用推進計画でも、都道府県などに、標準条例を使うなどして加入を義務にする条例を作るよう促すことが、国の取り組みに入っています。実際の中身は、都道府県ごとの条例で確かめます。

条例でいう保険は、相手への賠償に備えるもの

標準条例の「自転車損害賠償責任保険等」は、自転車で人の命や体を傷つけたときの損害賠償に備える保険か共済です。自分のけがに備える保険ではなく、相手への賠償の補償が要るという意味です。

東京都の条例も、他人の生命や身体の損害を賠償できる保険等への加入を義務にしています。自分のけがの補償が付いているかどうかは、条例の義務とは別の話です。

住んでいる所ではなく、乗る所の条例がかかる

標準条例の条文解説では、県の中で自転車を使うときは、その県に住んでいるかどうかにかかわらず条例がかかるとしています。北海道の案内でも、道外から来た観光客なども対象です。

住んでいる県が努力義務でも、義務の県へ自転車で出かければ、その県の条例がかかります。旅行先でレンタサイクルを使うときも同じです。

電動アシスト自転車も、条例の自転車に入る

東京都の条例は、自転車を道路交通法 第2条第1項第11号の2の自転車としています。この自転車には、人の力を補う原動機を使うもののうち、内閣府令の基準に当たるものが含まれます。

基準に当たる電動アシスト自転車に乗るときも、条例の加入の決まりがかかります。基準に当たらないものは、道路交通法では自転車として扱われません。

義務の34都府県・努力義務の10道県・未制定の3県

国土交通省の「地方公共団体の条例の制定状況」は、令和6年4月1日現在の状況を、公布日を基準に3つに分けています。

  • 義務(34都府県):宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、新潟県、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
  • 努力義務(10道県):北海道、青森県、岩手県、茨城県、富山県、和歌山県、鳥取県、徳島県、高知県、佐賀県
  • 未制定(3県):島根県、長崎県、沖縄県

この一覧は令和6年4月1日現在で、公布した日を基準にしています。その後に条例を変えた都道府県もありうるので、住んでいる所と乗る所の都道府県の案内で、今の決まりを確かめます。

保険会社などの解説の中には、国土交通省の一覧と区分が違う県を載せているものもあります。区分が食い違うときは、その県の案内と条例で確かめます。標準条例は、都道府県のほか政令市も条例を作る側として書いているので、住んでいる市の案内も見ておきます。

埼玉県・千葉県・大阪府の例

埼玉県の案内では、県の条例の改正で、平成30年4月1日から県内で自転車を運転する人の加入が義務になりました。千葉県の案内では、それまで努力義務だった加入が、令和4年7月1日から義務になっています。

千葉県は、令和2年度の県のインターネット調査で加入率が約6割だったことを、義務にした理由の一つに挙げています。大阪府の案内でも、府の条例で自転車に乗る人は自転車保険に入らなければならないとしています。

東京都の例:人のけがは義務、物の損害は努力義務

東京都は、令和2年4月1日施行の条例の改正で、加入を義務にしました。自転車に乗る人(未成年者を除く)、保護者、仕事で自転車を使う事業者、自転車の貸付業者が対象です。

東京都の条例では、他人の命や体の損害に備える加入は義務で、他人の物の損害に備える加入は努力義務です。ほかの人がすでに保険を用意しているときは、この決まりはかかりません。

北海道の例:乗る人は努力義務、事業者は義務

北海道の条例では、自転車に乗る人の加入は努力義務です。北海道の案内では、自転車の貸付業者と、仕事で自転車を使う事業者は、平成30年10月1日から加入が義務になっています。

このように、同じ都道府県の中でも、個人と事業者で義務と努力義務が分かれていることがあります。一覧の区分だけでなく、自分が当たる立場の決まりを見ます。

条例で加入を求められる人

標準条例は、加入の義務がかかる人を4つに分けています。自転車の販売店、通勤で自転車を使う人がいる勤め先、学校などには、努力義務がかかります。

標準条例で自転車損害賠償責任保険等への加入を求められる人の図。加入の義務は、自転車に乗る人(未成年者を除く)、子どもが乗るときの保護者、仕事で自転車を使う事業者、自転車の貸付業者。努力義務は、販売店が買う人の加入を確かめること、勤め先が自転車通勤の人の加入を確かめること、学校などが情報を知らせること

どの立場でも、ほかの人がすでにその利用に合う保険を用意しているときは、自分で入らなくてよいとされています。たとえば、家族の保険で補償されている、貸付業者が保険に入っている、などの場合です。

子どもが乗るときは、保護者が入る

標準条例では、未成年者が自転車に乗るときは、監護する保護者に加入の義務がかかります。条文解説は、未成年者は自分で契約するのが難しいので保護者に義務づけた、と説明しています。

学校で入るPTAの総合補償制度などで補償されている場合もあると、条文解説は書いています。学校から配られた案内に、賠償の補償が入っているかを見ておきます。

仕事で乗るときは、個人の保険では足りない

条文解説では、個人向けの日常生活賠償特約などは、事業のために自転車を使う場面を補償しないとしています。そのため、事業で自転車を使う事業者は、事業向けの賠償責任保険などに別に入る義務があります。

東京都の案内でも、仕事で自転車を使っている間の事故は、個人賠償責任保険等では補償されないとしています。配達などで自転車を使う人は、勤め先がどの保険に入っているかを確かめます。

千葉県の案内では、個人事業主が個人賠償責任保険に入っていても、業務中の事故は補償されないので、業務の事故を補償する保険に別に入る必要があるとしています。事業所が県外にあっても、県内で配達などに乗るなら加入が要ります。

自転車で通勤するときは、勤め先が加入を確かめることがある

標準条例では、通勤で自転車を使う人の加入は、自転車に乗る人としての義務です。標準条例は、勤め先に、自転車で通勤する従業者が入っているかを確かめるよう努めることを求めています。

条文解説では、勤め先の確かめ方として、保険証券などを見るほか、加入を約束する誓約書を交わすことでも足りるとしています。勤め先から届け出を求められたら、後の「入っているかを確かめる手順」で契約を探します。

入らないときの罰則は、標準条例には無い

標準条例は、加入しないことへの罰則を設けていません。条文解説は、まずは加入に向けた意識を高めることが大事なので、今は罰則までは設けていないと説明しています。

北海道の案内でも、努力義務の自転車利用者と、義務の事業者のどちらにも罰則はありません。東京都の条例の条文にも、加入しないことへの罰則の定めはありません。

千葉県の案内も、加入の義務に罰則は無いとしています。罰則を置くかどうかは都道府県の条例で決まるので、乗る所の条例で確かめます。

青切符は、道路交通法の違反の制度

警察庁の案内では、令和8年4月1日から、16歳以上の自転車の運転者が交通反則通告制度(青切符)の対象になりました。一定の道路交通法の違反について、反則金を納めれば刑事の手続きに進まない制度です。

青切符の対象は、信号の無視などの道路交通法の違反です。保険の加入の決まりは都道府県の条例にあり、道路交通法の決まりではありません。

罰則が無くても、事故の賠償は自分で負う

罰則が無いことと、事故を起こしたときに賠償しなくてよいことは別です。北海道が日本損害保険協会の資料から紹介している裁判の例では、自転車の事故で次の額の支払いが命じられています。

  • 9,521万円:小学生が夜、歩行者の女性と正面衝突し、女性は意識が戻らない状態になった(神戸地方裁判所・平成25年7月4日判決)
  • 9,266万円:高校生が車道を斜めに横断し、自転車の会社員と衝突し、会社員に重い障害が残った(東京地方裁判所・平成20年6月5日判決)
  • 6,779万円:下り坂をスピードを落とさずに交差点に入り、横断歩道の女性と衝突し、女性が亡くなった(東京地方裁判所・平成15年9月30日判決)
  • 5,438万円:信号を無視して交差点に入り、横断歩道の女性と衝突し、女性が亡くなった(東京地方裁判所・平成19年4月11日判決)

資料では、賠償額は判決で加害者が支払いを命じられた金額の概算です。東京都の案内は、神戸地方裁判所の例について、保護者に監督の責任を認めて約9,500万円の賠償を命じたと書いています。

都内の自転車利用者の加入率は65.6%

東京都の「令和7年度 自転車等の安全利用(保険加入等)に関する調査」では、都内の自転車利用者の加入率は65.6%でした。都内に住む18〜79歳の自転車利用者1,000人に、令和8年2月にインターネットで聞いた調査です。

内訳は、自分で加入している人が49.8%、世帯主が入っている保険で補償されている人が15.8%です。加入率は、この2つを足した数です。

「自転車保険」という名前でなくてもよい

条文解説は、条例の保険に当たる代表的なものとして、自動車保険や火災保険、傷害保険などの特約を挙げています。「日常生活賠償特約」や「個人賠償責任補償特約」などの名前で売られているものです。

これらの特約は、買い物中に売り物を壊したなど、日常生活の事故を広く補償し、自転車の事故もその一つとして補償します。クレジットカードなどの会員向けの保険にも、同じような商品があるとしています。

大阪府の案内は、自転車保険のほか、共済、勤め先などの団体保険、PTAの保険、TSマークの保険、クレジットカードの付帯保険を挙げています。千葉県の案内では、賃貸住宅に入るときに加入する火災保険に、特約が付いているケースも多くあります。

家族の分も入っていることがある

条文解説では、これらの特約は、契約者本人だけでなく、同居の家族や、生計を一にする別居の未婚の子も補償の範囲であることが「殆ど」だとしています。別居の未婚の子の例は、仕送りを受けて一人で暮らす大学生です。

親が入っている自動車保険や火災保険に特約があれば、子どもの自転車の分も補償されていることがあります。範囲は契約ごとに違うので、家族全員の契約の中身を見ます。

自転車に掛けるTSマークの保険もある

北海道の案内では、自転車の点検整備を受けたときに付けるTSマークに、傷害保険と賠償責任保険が付いています。自転車そのものに掛ける保険なので、誰が乗っても補償の対象になります。

TSマークの保険の有効期間は1年間で、北海道の案内は更新を忘れないよう呼びかけています。貼ってあるマークの期限を見ておきます。

千葉県の案内では、TSマークの保険は業務上の事故にも対応していますが、物の損害は補償しません。自分のけがの補償は条例には決まりが無く、今の医療保険などと合わせて考えるとしています。

自転車が何台あっても、人に掛ける保険は1つでよい

北海道の案内では、個人賠償責任保険は人に掛ける保険なので、家に自転車が何台あっても、台数で保険料は変わりません。もらった自転車や借りた自転車に乗るときも、今の保険が自転車の事故を補償していれば、あらためて入る必要はありません。

一方で、知らないうちに同じ補償に重ねて入ることもあると、北海道の案内は書いています。新しく入る前に、今の契約を洗い出します。保険会社などの解説では、重ねて入っても保険金は合算されないと説明されています。

入っているかを確かめる手順

手元の契約を洗い出せば、自転車の事故の賠償に備えがあるかが分かります。家計簿の保険料の行から始めると、見落としにくくなります。

自転車の事故の賠償に備えがあるかを確かめる手順の図。ステップ1は家計簿や明細の保険料の行を12か月分拾う。ステップ2は保険証券で個人賠償責任などの特約を探す。ステップ3は補償される人の範囲と、自転車の事故が入るかを見る。ステップ4は備えが無ければ、年払いの保険料を毎年の支出の予定に入れる。証券を読んでも分からないときは、契約している保険会社や代理店に聞く

ステップ1家計簿やカードの明細から、保険料の行を拾う10分

家計簿、通帳、カードの明細を12か月分さかのぼり、保険料と共済の掛金の行に印を付けます。年払いの保険は年に1回しか出てこないので、12か月分を見ます。

学校のPTAの保険や、カードの会員向けの保険のように、明細に保険料として出ないものもあります。学校から配られた案内と、カードの会員向けの案内も手元に集めます。保険料の一覧の作り方は保険料の平均の記事にあります。

ステップ2保険証券で、特約の名前を探す15分

拾った契約ごとに、保険証券か重要事項説明書を開きます。自動車保険、火災保険、傷害保険の特約の欄に、日常生活賠償や個人賠償責任といった名前があるかを見ます。

火災保険に付ける個人賠償責任の補償は、火災保険の相場の記事でも触れています。見つかった特約の名前と、どの契約に付いているかを書き留めます。

ステップ3補償される人と、自転車の事故が入るかを見る10分

特約が見つかったら、補償される人の範囲に、自転車に乗る家族が全員入っているかを見ます。別に暮らす子どもがいれば、その子が範囲に入るかも見ます。

自転車の事故が補償に入るか、補償の上限はいくらかも書き留めます。証券を読んでも分からないときは、契約している保険会社や代理店に聞きます。

ステップ4入っていなければ、年払いの保険料を予定に入れる5分

備えが無い家族がいれば、特約を付けるか、別の保険に入るかを決めます。特約は、元の保険の保険料に足されて一緒に引き落とされるので、家計簿では元の保険の行が増えます。

年払いの保険は、払う月の支出が大きくなります。紙でも表計算でも、払う月に保険料を書いた行を先に作っておくと、毎年同じ月に出ることを忘れにくくなります。

補償の額はいくらにするか

北海道の案内は、必要な補償の額について、約9,500万円の高額の賠償の例を挙げたうえで、暮らし方や予算に合わせて選ぶとしています。標準条例と東京都の条例は、補償の額の下限を決めていません。

千葉県の案内でも、条例には補償の額の決まりが無く、自分の状況に合わせて選ぶとしています。保険会社などの解説には、1億円以上や2億円以上を目安に挙げるものもあります。

保険によっては、相手との示談の交渉を保険会社が行うサービスが付くものもあります。補償の上限は、契約ごとに違います。ステップ3で書き留めた上限を、上の裁判の例の額と並べて見ると、今の備えで足りるかを考えやすくなります。

保険料は、補償の中身で違う

千葉県の案内では、保険料は補償の中身で違い、安いものでは百数十円程度の自転車保険もあるとしています(月額か年額かは書かれていません)。詳しくは各保険会社に聞くよう案内しています。

保険会社などの解説には、特約なら月100〜200円、単独の自転車保険なら月200〜1,000円を目安に挙げるものもあります。どちらも商品で変わる目安です。

家計簿では、特約は元の保険の行に、単独の保険は保険料の行に、払う形(月払いか年払いか)のまま書きます。年払いなら、払う月の行を先に作っておきます。

迷いやすい場面

住んでいる県は努力義務で、義務の県へ通勤している

条例は、乗る所の都道府県のものがかかります。住んでいる県が努力義務でも、義務の都府県の中を自転車で走るなら、その都府県の条例がかかります。

通勤の途中で県境を越えるなら、両方の都道府県の案内を見ます。勤め先から加入の確認を求められることもあります。

旅先で自転車を借りる

標準条例では、自転車の貸付業者に、貸す自転車の利用に合う保険に入る義務があります。条文解説は、有料か無料かにかかわらず、続けて自転車を貸すホテルや市町村も貸付業者に当たるとしています。

ただし、条文解説によると、事業者向けの保険は、借りた人の運転のミスによる事故を補償しないものもあります。借りるときに、貸付業者の保険がどこまで補償するかを聞きます。

生活保護を受けている

北海道の案内は、生活保護を受けている人の保険料の扱いについて、住んでいる市区町村の生活保護の担当に相談するよう案内しています。保険料を払う前に、担当のケースワーカーに聞きます。

県の職員を名乗って、保険に入るよう電話が来た

千葉県の案内では、県の職員を名乗り、指定の自転車保険に入らないと罰則があると言う不審な電話の事例がありました。県が特定の保険を勧めることや、県や市町村が保険の申し込みを受け付けることはないとしています。

おかしいと思ったら、県の担当の課や近くの警察署に相談します。保険料の名目で振り込むよう求められても、すぐには払いません。

子どもが家を出て、大学の近くで暮らしている

条文解説では、親元を離れて仕送りを受けて暮らす大学生は、親の特約の補償の範囲に入る例として挙げられています。ただし範囲は契約ごとに違います。

子どもが結婚している、生計を別にしているなど、条件に当たらない場合もあります。親の契約の証券で、別居の子の条件を確かめます。

よくある質問

Q自転車保険に入らないと罰金がありますか

国の標準条例には、加入しないことへの罰則はありません。北海道の案内でも罰則は無く、東京都の条例の条文にも罰則の定めはありません。

罰則を置くかどうかは、都道府県の条例で決まります。乗る所の都道府県の案内で確かめます。

Q全国で自転車保険は義務になったのですか

国の法律で全国一律に義務になったわけではありません。国土交通省の資料では、令和6年4月1日現在、義務は34都府県、努力義務は10道県、未制定は3県です。

Q火災保険や自動車保険の特約でもよいですか

自転車の事故の相手への賠償が補償に入っていれば、特約でも条例の保険に当たります。当たる保険の種類は「自転車保険」という名前でなくてもよいにまとめています。

Q家族それぞれが入る必要がありますか

特約は、同居の家族や生計を一にする別居の未婚の子も補償の範囲であることが「殆ど」だと、条文解説は書いています。1つの契約で家族の分が補償されていれば、それぞれが入る必要はありません。範囲は契約ごとに違うので、補償される人の欄を確かめます。

Q子どもの自転車は、誰が保険に入るのですか

標準条例では、未成年者が自転車に乗るときは、監護する保護者に加入の義務がかかります。学校のPTAの保険などで補償されていれば、保護者が別に入らなくてよい場合もあります。

Q自転車を何台も持っていると、保険料は高くなりますか

北海道の案内では、個人賠償責任保険は人に掛ける保険なので、自転車の台数で保険料は増えません。自転車そのものに掛けるTSマークの保険は、自転車ごとに付けます。

Q自転車保険の保険料はいくらですか

補償の中身と商品で違います。千葉県の案内では、安いものでは百数十円程度の自転車保険もあるとしています。すでに入っている保険の特約で足りることもあるので、先に今の契約を確かめます。

Q電動アシスト自転車も対象ですか

東京都の条例は、自転車を道路交通法の自転車としています。内閣府令の基準に当たる電動アシスト自転車はこれに入るので、条例の加入の決まりがかかります。

まとめ

  • 自転車保険に入る義務は、国の法律ではなく都道府県の条例で決まる。国は標準条例を配って条例づくりを進めている
  • 国土交通省の資料では、令和6年4月1日現在、義務は34都府県、努力義務は10道県、未制定は3県。その後の変更は都道府県の案内で確かめる
  • 住んでいる所ではなく、自転車に乗る所の条例がかかる
  • 標準条例で加入の義務がかかるのは、乗る人(未成年者を除く)、保護者、事業者、貸付業者。仕事で乗る分は個人の保険では補償されない
  • 標準条例には罰則が無い。北海道と東京都の条例も罰則を置いていないが、事故の賠償は自分で負う
  • 令和8年4月1日から始まった自転車の青切符は道路交通法の違反の制度で、保険の加入の決まりとは別
  • 特約でも条例の保険に当たる。家計簿の保険料の行から契約を拾い、証券で特約と補償される人を確かめる

火災保険や自動車保険の証券で特約の欄を見れば、今の備えがあるかが分かります。補償される人の欄に、同居の子どもが入っているかも確かめます。

この記事で参照した公的情報

  1. 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について(条例による義務化は平成27年10月に兵庫県で初めて導入・令和6年4月1日現在で34都府県が義務、10道県が努力義務=公布日ベース・標準条例(技術的助言)の作成と配布)
    窓口
    国土交通省 自転車活用推進本部
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/index.html
  2. 地方公共団体の条例の制定状況(令和6年4月1日現在)(義務34都府県・努力義務10道県・未制定3県の都道府県名)
    窓口
    国土交通省 自転車活用推進本部
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/pdf/situation.pdf
  3. 自転車損害賠償責任保険等への加入促進に関する標準条例(第2条 定義=自転車の運行によって人の生命又は身体が害された場合の損害賠償を保障する保険又は共済・第3条 利用者(未成年者を除く)・保護者・事業者・貸付事業者の加入義務・第4条 小売業者と事業者の確認の努力義務・第5条 学校等の設置者の情報提供の努力義務)
    窓口
    国土交通省 自転車活用推進本部
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/pdf/ordinance.pdf
  4. 自転車損害賠償責任保険等への加入促進に関する標準条例 条文解説(平成31年2月)(解説1=日常生活賠償特約・個人賠償責任補償特約・クレジットカード等の会員向けの保険・同居の家族と生計を一にする別居の未婚の子/解説2=県外から乗り入れても県内で利用すれば条例の適用/解説3=PTA総合補償制度/解説5・11=事業活動と通勤/解説21=罰則を設けない理由)
    窓口
    国土交通省 自転車活用推進本部事務局
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/pdf/commentary.pdf
  5. 第2次自転車活用推進計画 措置15(都道府県等に対し、標準条例を活用する等により、自転車損害賠償責任保険等への加入を義務付ける条例の制定を促進する)
    窓口
    国土交通省 自転車活用推進本部
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/good-cycle-japan/plan/action2/
  6. 東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例 第27条〜第27条の4(令和2年4月1日施行の改正で加入を義務化・他人の生命又は身体の損害は義務、他人の財産の損害は努力義務・令和7年6月1日施行の版の条文)
    窓口
    東京都 都民安全総合対策本部
    確認日
    確認先
    https://www.tomin-anzen.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jitensha/seisaku-jyourei/jitensha-jourei
  7. 自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等(加入義務の概要・高額賠償事例=神戸地方裁判所 平成25年7月4日判決 約9,500万円)
    窓口
    東京都 都民安全総合対策本部
    確認日
    確認先
    https://www.tomin-anzen.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jitensha/seisaku-jyourei/jitensha-jourei/0000001924
  8. 令和7年度 自転車等の安全利用(保険加入等)に関する調査報告書(都内在住の18〜79歳の自転車利用者1,000人・インターネット調査・令和8年2月4日〜2月9日・加入率65.6%=自分で加入49.8%+世帯主の保険でカバー15.8%)
    窓口
    東京都 都民安全総合対策本部
    確認日
    確認先
    https://www.tomin-anzen.metro.tokyo.lg.jp/about/tyousa-keikaku/keikaku/0000002070
  9. 自転車損害賠償保険等への加入に関するQ&A(北海道自転車条例 第16条=自転車利用者は努力義務・自転車貸付業者と業務で自転車を利用する事業者は平成30年10月1日から義務・罰則なし・TSマーク付帯保険・複数台・もらった自転車・生活保護)
    窓口
    北海道 環境生活部くらし安全局地域安全課
    確認日
    確認先
    https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/cak/koutsuu/bicycle/insurance-qa.html
  10. 自転車事故による裁判事例(神戸地裁 平成25年7月4日 9,521万円・東京地裁 平成20年6月5日 9,266万円・東京地裁 平成15年9月30日 6,779万円・東京地裁 平成19年4月11日 5,438万円=日本損害保険協会「知っていますか?自転車の事故」から)
    窓口
    北海道 環境生活部くらし安全局地域安全課
    確認日
    確認先
    https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/1/1/2/5/0/8/4/5/_/bicycle-precedent%202.pdf
  11. 自転車保険の加入義務化(大阪府自転車条例で自転車利用者は加入しなければならない・自転車保険の種類一覧=個人賠償責任保険・自動車保険の特約・火災保険の特約・傷害保険の特約・共済・団体保険・PTAの保険・TSマーク付帯保険・クレジットカードの付帯保険)
    窓口
    大阪府 都市整備部交通戦略室交通計画課
    確認日
    確認先
    https://www.pref.osaka.lg.jp/o130080/dorokankyo/osakajitensha/jitensya-hoken.html
  12. 自転車損害保険等の加入義務化について(埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例の改正・施行日 平成30年4月1日・自転車保険、自動車保険や火災保険、クレジットカードの個人賠償特約、TSマークに付帯する保険などが該当)
    窓口
    埼玉県
    確認日
    確認先
    https://www.pref.saitama.lg.jp/a0311/jitensya/jitensyajyourei.html
  13. 千葉県では自転車保険への加入が義務化されました(令和4年7月1日から・努力義務から義務へ・令和2年度の県のインターネット調査で加入率約6割・罰則はない・条例に補償額の規定はない・保険料は安価なもので百数十円程度・TSマーク付帯保険は業務上の事故に対応し物損の補償はない・個人事業主の業務中の事故・不審電話の事例)
    窓口
    千葉県 くらし安全推進課
    確認日
    確認先
    https://www.pref.chiba.lg.jp/seikouan/koutsuuanzen/jikoboushi/jitensha/gimuka.html
  14. 自転車の交通ルール・交通反則通告制度(令和8年4月1日、道路交通法の一部を改正する法律(令和6年法律第34号)のうち16歳以上の自転車の運転者を青切符の対象とする規定が施行)
    窓口
    警察庁
    確認日
    確認先
    https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/rulebook.pdf
  15. 道路交通法 第2条第1項第11号の2(自転車の定義=原動機を用いるものは人の力を補うため原動機を用いるもので内閣府令で定める基準に該当するものを含む)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105

この記事を書いているのは

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