家計簿の立替金はどう書く?|自分の支出に数えず、戻るまで「立て替え中」に置く

友人の分までまとめて払った、仕事の電車代を自分のカードで払った、家族の買い物を代わりに済ませた。立て替えたお金はあとで戻ってくるので、家計簿のどこに書くかで迷います。
そのまま支出に書くと、その月の支出が実際より多く見えます。戻ってきたお金を収入に書くと、今度は収入も多く見えます。この記事では、立て替えたお金を二重に数えない書き方と、戻るまでの置き方を順に書きます。
立て替えた分を支出に書くか、書かないかで迷います。戻ってきたお金をどこに書けばよいのかも分かりません。
立て替えたお金は、自分の支出ではない
総務省の家計調査では、立替金を生活費(消費支出)に入れていません。貸したお金や敷金と同じ「実支出以外の支払」に置き、戻ってきたお金も収入(実収入)ではなく「実収入以外の受取」に入れています。
家計調査の用語の解説は、実支出以外の支払を「見せかけの支出」と呼んでいます。手元から現金は出ていきますが、貸したお金のように、あとで戻る形で残るものが入るからです。立て替えたお金は、相手のところに一時的に置いてある自分のお金と考えると分かりやすくなります。

図のように、支出に数えるのは自分が食べたり使ったりした分だけです。家計簿の付け方の「支出と移動を分ける」と同じ考え方で、置き場所が変わっただけのお金は支出に数えません。
返してもらわないと決めた分は、その時点で自分の支出になります。おごった分や多めに払った分の置き場は、交際費の記事の「おごった・多めに払った」に書いています。
書き方は3つ。どれか1つにそろえる
立て替えたときの書き方には、たとえば次の3つがあります。どれでも月末の数字は合わせられますが、途中の見え方が違います。
1. 支出に入れず、「立て替え中」の一覧に書く
払ったときに、自分の分だけを支出に書き、立て替えた分は別の一覧に書きます。戻ってきたら、一覧に戻った日を書いて消します。家計調査と同じ分け方で、支出の合計は最初から自分の分だけになります。
一覧を別に持つ手間はありますが、まだ戻っていない額がいつでも見えます。項目の決め方の記事でも、仕事で立て替えて戻るお金は支出にも収入にも入れず、戻るまでメモしておく形にしています。
2. いったん支出に書き、戻ったら同じ項目から引く
払った額をそのまま支出に書き、戻ってきた日に同じ項目へマイナスで書きます。カードの明細の額をそのまま写せるので、書き写す手間は少なくなります。
払った月と戻った月が同じなら、月の合計は1の書き方と同じになります。月をまたぐと、払った月は支出が多く、戻った月は少なく見えるので、見直しのときに注意します。
3. 支出に書き、戻ったら収入に書く
払った額を支出に、戻った額を収入に書きます。お金の出入りを通帳のとおりに並べたいときの書き方です。
ただし、支出も収入も、立て替えた分だけ多く見えます。家計調査では戻ってきたお金は収入に入れないので、手取りと比べたり、国の平均と並べたりするときは、立て替えの分を外して見ます。
どれにするかは、家計簿で何を見たいかで決めます。大事なのは、一度決めた書き方を、次に立て替えたときも同じに使うことです。
立て替えを書く手順
ここでは、1の書き方で進めます。紙でも表計算でも、どの家計簿でも同じ手順でできます。
ステップ1「立て替え中」の一覧を1つ作る3分
家計簿の最後のページや、表計算の別のシートに一覧を作ります。欄は、払った日・誰の分か・何の分か・金額・戻った日の5つです。表計算なら、立て替えの行の備考に同じ言葉を入れておくと、あとで絞り込んで合計を出せます。
一覧は支出の表と分けておきます。支出の項目の中に「立て替え」を作ると、その額が支出の合計に入ってしまうからです。
ステップ2払ったときに、自分の分と立て替えた分を分けて書く1分
カードや口座の明細に出るのは、払った合計の額です。そのうち自分の分を支出に書き、残りを一覧に書きます。割り勘で自分の分がはっきりしないときは、合計を人数で割った額を自分の分にします。

図は、1か月の例です。飲み会の4人分16,000円をカードで払い、自分の分4,000円だけを食費に書いています。3人分12,000円と、仕事の電車代1,240円は一覧に書き、支出には数えません。金額はどれも例です。
ステップ3戻ってきたら、一覧に戻った日を書く1分
戻ってきたお金は、収入にも支出にも書きません。一覧のその行に戻った日を書けば、その立て替えは終わりです。一部だけ戻ったときは、戻った額と残りの額を書いておきます。
ステップ4月末に、一覧の残りを数えて残高と合わせる5分
月末には、一覧のうち戻った日の無い行を合計します。現金や口座から払った分は、まだ戻っていなければ手元から出たままなので、財布や口座の残高が家計簿から出した額よりその分だけ少なくなります。カードで払った分は、引き落としのあとに同じ差が出ます。
「返す分」の行は、向きが逆です。まだ返していないお金は手元に残っているので、残高はその分だけ多くなります。返す分は立て替え中の合計に入れず、合計から引いて数えます。
図の例では、精算待ちの1,240円の分だけ手元のお金が少なくなります。この差を足しても残高が合わないときは、家計簿が合わないときの探し方で、置き場所ごとに照らし合わせます。
場面ごとの書き方
友人の分をまとめて払った・割り勘にした
自分がまとめて払ったときは、自分の分だけを支出に書き、ほかの人の分は一覧に書きます。先にお金を集めてから払ったときも、後で集めたときも、支出に書くのは自分の分だけです。
端数を自分が多めに持った分や、返してもらわないことにした分は、その時点で交際費などの支出に移します。一覧のその行には、消した理由を一言書いておくと、あとで見返したときに迷いません。
立て替えてもらった(自分が返す側)
誰かに払ってもらった自分の分は、その日の支出に書きます。使ったのは自分だからです。返すまでは、一覧に「返す分」として書いておきます。
返した日には、支出にもう一度書きません。カードの代金が口座から引き落とされたときに支出にもう一度つけないのと同じで、二重に数えることになるからです。
夫婦や同居の家族の間の立て替え
家計が1つにまとまっている家では、家族の間で払った分は立て替えではなく、同じ家計の中の移動です。家計簿には、何に使ったかで支出を1回だけ書きます。
財布が別で、共有の支出を出し合っている家は、共有の支出として書いたうえで、誰が立て替えたかを残しておきます。精算の仕方は、夫婦で家計簿を共有する記事に例の金額付きで書いています。実家暮らしで家族の買い物を立て替えるときは、家に入れるお金の記事を見てください。
仕事の経費を立て替えた
交通費や出張の宿代、仕事で使う品を自分で払ったときは、精算されるまで一覧に書いておきます。いつ、どの口座に戻るかは勤め先の精算の決まりで変わるので、経費の精算の案内や担当の人に確かめます。
精算の額が給料と一緒に振り込まれる場合は、給料の振込に混ざって入ってきます。給与明細や振込の内訳で精算の額を確かめ、その分は収入に入れずに一覧から消します。
出張の旅費が決まった額で出て、立て替えた額と合わない
出張の旅費が、実際にかかった額ではなく決まった額で出る勤め先もあります。この場合は、立て替えた額を一覧に書き、旅費が入ったらその額で消します。
足りなかった分は、自分が払ったお金として交通費などの支出に移します。多かった分は、収入に書くか、同じ項目から引くかを決めて、毎回同じにそろえます。
通勤の交通費
給料と一緒に通勤手当として出るお金は、立て替えの精算ではありません。家計調査でも、通勤手当は給料と同じ勤め先収入の定期収入に、通勤の定期代は交通に入っています。
自分で定期代を払い、給料に通勤手当が含まれるなら、手取りを収入に、定期代を交通費に書きます。仕事の途中の移動のように、あとで実際の額が精算される交通費だけを立て替えとして一覧に書きます。
カードや電子マネーで立て替えた
カードで立て替えたときも、使った日に自分の分と立て替えた分を分けて書きます。引き落とし日ではなく使った日で書く理由は、クレジットカード払いがずれる理由の記事にまとめています。
電子マネーで立て替えたときも同じで、チャージは移動、使ったときの自分の分だけが支出です。チャージの書き方は、電子マネーのチャージの記事に書いています。
立て替えは、払った日に分けて書いておけば、戻るまでの間も支出の合計がぶれません。書き方をどれか1つに決めておくことが大事です。
よくある質問
Q立て替えて戻ってきたお金は、収入ですか
家計調査では、立替金などの戻り金は収入(実収入)ではなく「実収入以外の受取」に入ります。家計簿でも収入に書かないでおくと、収入の合計が手取りとそろいます。収入に書く決め方にするなら、払ったときも支出に書いて、出と入りの両方をそろえます。
Q「立替金」の項目は作ったほうがよいですか
作るなら、支出の合計に入らない場所に作ります。支出の項目の中に作ると、立て替えた額が生活費に入ってしまいます。紙なら別のページ、表計算なら別のシートや列にします。
Q会社の経費がいつ戻るか分かりません
戻るまで一覧に残しておけば、家計簿の支出はずれません。戻る日は、勤め先の精算の締め日や振込日で決まるので、案内や担当の人に確かめます。給与明細が見られないときは、口座に入った日と額で一覧を消します。
Q家族の出張中の食費は、家計簿に入れますか
勤め先から精算される分は立て替え、自分の家計で負担する分は食費です。決まった額の手当が出るなら、その手当と実際の食費をどう書くかを先に決めておきます。どちらになるかは、勤め先の出張の決まりで確かめます。
Q少ない額の立て替えも書きますか
その日のうちに現金で戻るものは、書かない決め方もあります。出ていく額と戻る額が同じで、家計簿の数字が変わらないからです。ただし、カードや口座で払ったものは明細に残るので、書いておくと明細と照らし合わせやすくなります。
Q立て替えたことを忘れてしまいます
払ったその日に一覧へ書いておくと、忘れにくくなります。書きそびれたときは、カードや口座の明細を見て、合計が大きい支払いから拾います。月1回の見直しで一覧を開き、戻っていない行が無いかを見ておきます。
まとめ
- 家計調査では、立替金は生活費(消費支出)の外で、戻ってきたお金も収入に入れない
- 支出に数えるのは自分の分だけ。立て替えた分は「立て替え中」の一覧に書く
- 戻ってきたら、収入にも支出にも書かず、一覧から消す
- 月末は、立て替え中の残りを足し、まだ返していない分を引いて、残高と合わせる
- 財布が別の夫婦は立て替えを月1回まとめて精算し、仕事の経費は勤め先の精算の決まりで戻る日を確かめる
自分の分と立て替えた分を払った日に分けておけば、戻るのを待つ間も支出の合計が合います。戻っていない額も、一覧を見ればすぐに分かります。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(令和7年(2025年)1月改定)(実支出以外の支払のその他=貸金・立替金・敷金、実収入以外の受取のその他=立替金などの戻り金、定期収入=通勤手当、交通=鉄道通勤定期代)
- 家計調査 用語の解説(実支出以外の支払・実収入以外の受取・消費支出)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html