還暦祝いの相場はいくら?|親・祖父母・兄弟・上司・友人ごとの額と、現金で贈るか・のし袋・税金・家計簿での書き方

還暦祝いの額には、法律や公的な決まりはありません。ギフトの会社などの案内で示されている目安は、両親へは3万〜5万円、祖父母と兄弟姉妹へは1万〜3万円、上司や恩師へは5,000円〜1万円、友人へは3,000円〜1万円の幅です。
この記事では、ギフトの会社など5つの案内に書かれた幅を、相手ごとに並べます。還暦の年の出し方、現金で贈るかどうか、のし袋、お返し、税金の扱い、きょうだいで出し合うときの家計簿での書き方もまとめます。
親の還暦祝いを、きょうだいでいくらずつ出せばよいのか分かりません。旅行を贈るなら、1人あたりの額がどこまで上がるのかも心配です。
還暦祝いの相場は、相手との関係で決まる
還暦祝いの額は、贈る相手との関係で目安が分かれています。案内では、日ごろお世話になっている両親への額が高く、友人や上司へは受け取りやすい額にとどめる形が示されています。

図は、5つの案内のうち多くが示す幅をまとめたものです(両親への3万〜5万円は5つとも重なる範囲)。相手ごとに、案内によって違う幅もあわせて並べると、次のとおりです。
- 両親・義両親へ:3万〜5万円とする案内が3つ、1万〜5万円と3万〜10万円とする案内が1つずつ。10万円ほど贈る人もいるとする案内もある
- 祖父母へ:1万〜3万円とする案内が4つ。両親と同じ3万〜5万円とする案内も1つある
- 兄弟姉妹へ:1万〜3万円とする案内が4つ、1万〜2万円とする案内が1つ
- おじ・おばなど親戚へ:日ごろお世話になっている人には1万〜3万円、付き合いの少ない遠い親戚には5,000円〜1万円とする案内がある
- 上司・恩師へ:5,000円〜1万円とする案内が3つ、1万円前後とする案内が1つ。付き合いの少ない上司には5,000円ほどとする案内が2つある
- 友人・知人へ:3,000円〜1万円とする案内と、5,000円〜1万円とする案内がある
- 夫・妻へ:1万〜3万円ほどとする案内がある
幅の中で額を決める見方
同じ関係の相手でも、額は幅の中で決めます。案内で挙げられている決め方は、次のとおりです。
- きょうだいで話し合う:両親に贈るときは、1人だけ高すぎたり低すぎたりしないよう、額をそろえるか、連名にしてまとめて渡す
- 配偶者と相談する:義両親に贈るときは、額を先に配偶者と決め、配偶者のきょうだいとも足並みをそろえる
- 兄弟姉妹は贈り合う前提で:年の近い兄弟姉妹は、お互いに還暦祝いを贈り合うことになるので、負担にならない額にする
- 上司には有志で:職場の人や教え子で出し合うと、1人あたりの負担が軽く、相手も受け取りやすい
- 孫は無理をしない:孫が小さい子どもや学生なら、手紙や絵、お祝いの言葉だけでも十分とする案内がある
還暦の年は、生まれた年から出せる
国立天文台の暦の用語解説では、60年で干支が一回りするため、60歳になることを還暦を迎えるとしています。還暦祝いは、数え年で61歳、または満年齢で60歳の年に行うとされています。
年齢のとなえ方に関する法律(昭和25年1月1日施行)は、国民に、数え年で言い表すならわしを改めて満年齢で言い表すよう心がけることを求めています。国や地方公共団体の機関は、特にやむを得ない場合を除き、満年齢で言い表します。満年齢は、年齢計算ニ関スル法律で、生まれた日から数えます。
生まれた年に60を足した年は、誕生日を迎えると満60歳になり、数え年では61歳の年に当たります。そのため、数え年でも満年齢でも、生まれた年に60を足した年が還暦の年になります。例えば1967年に生まれた人は、2027年が還暦の年です。
10年後の古希は、満年齢と数え年で年が1年ずれます。古希の年の出し方と相手ごとの額は古希祝いの相場はいくら?にまとめています。
祝う日
還暦祝いを行う日に決まりはなく、家族の都合で決めてよいとされています。案内では、正月、誕生日、敬老の日、大型連休など、家族が集まりやすい日が挙げられています。
職場の上司の還暦が、退職と同じ時期になることもあるとする案内があります。その場合は、これまでのお礼の気持ちを込めて贈る形が示されています。退職祝いの額は退職祝いの相場にあります。
現金で贈るか、品物で贈るか
還暦祝いで現金を贈るかどうかは、案内によって書き方が分かれます。目上の人に現金を渡すのは失礼に当たるとされてきたので、品物を贈るほうが無難とする案内が3つあります。
上司や恩師への現金は、「生活の足しに」という意味に取られることがあるとする案内もあります。一方で、家族の間では現金や商品券を贈ることもあるとし、現金は失礼には当たらないとする案内もあります。
家族の事情で現金を贈るときは、きょうだいや周りの人と先に話し合う形が案内されています。品物と現金を両方贈ってもよいとする案内や、手紙やメッセージカードを添える形も紹介されています。
品物・旅行・食事会の費用の目安
品物や食事会で祝うときの費用の目安も、案内に示されています。
- 花・フラワーギフト:5,000円〜1万円とする案内と、花束5,000円〜1万5,000円とする案内がある
- お酒:1万〜3万円
- 旅行券・旅行ギフト:5万〜10万円とする案内と、旅行券3万〜10万円とする案内がある。高くなるので、きょうだいで出し合う形が紹介されている
- 食事会(レストラン・料亭):1人あたり5,000円〜1万円とする案内と、5,000円〜1万5,000円とする案内がある
- 自宅での食事会:料理にお酒やケーキの代金も合わせて、1人あたり3,000〜5,000円ほど
食事会をするときは、その費用と品物を合わせて予算を考える形が案内されています。赤いものを贈る習わしや、避ける品物(菊・お茶・白いハンカチ・櫛など)も、案内では挙げられています。
縁起の悪いものと、のし袋・お札
還暦祝いでは、4(死)や9(苦)を連想させるものは避けるとする案内があります。品物に4や9が入るものも、ふさわしくないとされています。
のし袋と表書き
現金を包むときの袋と書き方は、次のとおりです。
- 袋と水引:紅白の蝶結び(花結び)の水引の袋。何度あってもよいお祝いに使う結び方で、結婚祝いに使う結び切りや、金銀の水引は避けるとする案内がある
- 袋の格:5,000円〜1万円は水引が印刷された袋、1万〜3万円は水引の付いた袋、3万円以上は鶴亀や松竹梅の袋とする案内がある
- 表書き:水引の上に「祝還暦」「還暦御祝」「寿還暦」「御祝」など。4文字を気にする人もいるので、迷ったら「祝還暦」とする案内もある
- 名前:水引の下に、贈る人のフルネーム。夫婦は右に夫のフルネーム、左に妻の名だけ
- 3人以上の連名:中央に代表者の名前を書き、左に「外一同」などと添えて、全員の名前を別紙に書く
- 中袋:表に「金参萬円」のように旧字体で金額、裏に住所と名前
- 書く道具:毛筆か筆ペンで、濃い黒で書く。薄墨は弔事に使うので避ける
新しいお札を用意し、肖像のある面を袋の表に向けてそろえて入れます。品物を手渡すときは包装の外にのし紙を掛ける「外のし」、配送するときは内側に掛ける「内のし」とする案内があります。
郵送するときは現金書留
遠くに住む親などに現金を郵便で送るときは、郵便法で書留にしなければならないと決まっています。郵便局の窓口で、現金書留にして送ります。
お返し(還暦内祝い)の考え方
還暦祝いのお返しは必須ではなく、感謝の気持ちとして贈ると丁寧とする案内があります。贈るなら、いただいた額の3分の1から半額ほどが目安とされています。
家族や親しい間柄なら、食事会に招くことをお返しとする形もあります。お返しの表書きは「内祝」か「還暦内祝」、水引は紅白の蝶結びで、還暦を迎えた本人の名前を書くと案内されています。
還暦祝いに税金はかかるか
個人から受け取る還暦祝いは、国税庁の No.4405 の「祝物」に当たります。社会通念上相当と認められる額なら、贈与税はかかりません。
どこまでが社会通念上相当かの金額の線は、No.4405 には示されていません。社会通念上相当と認められる額を超えるものは、No.4405 の贈与税がかからない財産には当たりません。
暦年課税では、贈与税がかからないお祝いなどを除き、1月1日から12月31日までの1年間にもらった額を合計し、110万円の基礎控除を引いて計算します(No.4402)。合計が110万円以下なら、贈与税はかからず申告も要りません。
子から親への生活費の援助
No.4405 は、親子や兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費に充てるために受け取るもので通常必要と認められるものには、贈与税がかからないとしています。ただし、かからないのは、必要なつど直接生活費に充てる分に限られます。
生活費の名目でも、預金したり、株式などの買い入れに充てたりした分は、贈与税がかかります。贈与税のしくみは贈与税はいくらから?にまとめています。
家計簿での書き方
親への還暦祝いは、仕送りではなく交際費
別に暮らす親へ贈った還暦祝いは、現金でも品物でも交際費に書きます。総務省の家計調査は、交際費を「贈答用金品及び接待用支出」などとしていて、贈与金の例示に「祝儀」があります。
家計調査の仕送り金は、生活費などを継続的に補助するための現金支出です。1回かぎりの還暦祝いは仕送りと分けて書くと、毎月の仕送りの額と混ざりません。
お祝い・香典だけを「慶弔費」の行に分ける方法は家計簿の交際費はどこまで入れる?にまとめています。毎年の母の日の贈り物の予算と書き方は母の日の予算はいくら?にあります。
きょうだいで出し合うときは、立て替えを分けて書く
きょうだいで出し合って1つの品や旅行を贈るとき、代表の1人がまとめて払うと、ほかのきょうだいの分を立て替えることになります。代表の家計簿では、自分の分だけを交際費に書き、ほかの人の分は「立て替え中」として分けておきます。

図は、きょうだい3人で旅行ギフトを贈った場合の例です。代表が全額を交際費に書くと、自分の交際費が3倍に見え、戻ってきたお金も収入のように見えてしまいます。
立て替えた分が戻ったら、立て替え中の一覧から消します。書き方は家計簿の立替金はどう書く?にまとめています。
食事会を開くときは、自分たちの分と分ける
還暦祝いの食事会で、親の分を子が払うときは、親の分を交際費に書きます。自分や自分の家族が食べた分は、ふだんの外食と同じ行に書くと、交際費が実際より大きく見えません。
家計調査も、自分が食べた分は食料の外食、相手の分を払ったなら交際費と分けています。自分の分まで交際費に入れる決め方もあるので、どちらにするかを家計簿の最初に決めておきます。
迷いやすい場面
きょうだいで額がそろわない
きょうだいの暮らし向きが違うと、同じ額を出しにくいことがあります。案内では、先に連絡を取り合って額をそろえるか、連名にしてまとめて渡す形が示されています。
連名の袋には、出した額の差を書かなくてよいとする案内があります。家計簿には、自分が実際に出した額だけを交際費に書きます。
祖父母の還暦を、孫として祝う
孫から祖父母への目安は1万〜3万円の幅ですが、小さい子どもや学生なら、お金をかけなくてよいとする案内があります。手紙や絵、電話でお祝いを伝える形が紹介されています。
親が孫の分として品物を用意したときは、親の家計簿の交際費に書きます。子どもが自分の小遣いから出したときは、子どもの帳面に書きます。還暦の年に限らず毎年の敬老の日に贈るときの予算の目安と家計簿での書き方は敬老の日のプレゼントの予算はいくら?にまとめています。
よくある質問
Q親への還暦祝いはいくらですか
3万〜5万円の範囲が、5つの案内で重なっています。旅行などを贈るときは、きょうだいで出し合って10万円ほどになることもあるとされています。
Q上司への還暦祝いはいくらですか
5,000円〜1万円の幅で、付き合いの少ない上司には5,000円ほどとする案内があります。現金より品物を贈るほうがよいとされ、職場の人と出し合う形も紹介されています。
Q還暦祝いに現金を贈ってもよいですか
目上の人への現金は避けて品物にするとする案内と、家族の間なら現金でもよいとする案内があります。現金を贈るときは、きょうだいや周りの人と先に話し合います。
Q還暦祝いは満60歳と数え61歳のどちらの年ですか
どちらも、生まれた年に60を足した同じ年です。祝う日は、正月、誕生日、敬老の日など、家族が集まりやすい日で決めてよいとされています。
Q還暦祝いのお返しは要りますか
必須ではないとする案内があります。贈るなら、いただいた額の3分の1から半額ほどが目安とされ、食事会に招くことをお返しとする形もあります。
Q子どもからの還暦祝いに贈与税はかかりますか
社会通念上相当な額のお祝いなら、国税庁の No.4405 により贈与税はかかりません。贈与税がかからないお祝いを除いて、1年間にもらった額の合計が110万円を超えるときは、翌年2月1日から3月15日までに申告と納税が要ります(No.4402・暦年課税の場合)。
まとめ
- 還暦祝いの額に公的な決まりはなく、目安はギフトの会社などの案内で示されている相手ごとの幅
- 両親へは3万〜5万円、祖父母と兄弟姉妹へは1万〜3万円、上司へは5,000円〜1万円、友人へは3,000円〜1万円が、多くの案内の示す幅
- 数え年でも満年齢でも、生まれた年に60を足した年が還暦の年
- 目上の人には現金より品物とする案内があり、現金は紅白の蝶結びの袋に入れる。郵送は現金書留
- 社会通念上相当なお祝いに贈与税はかからない
- 家計簿では、贈った分は交際費に書き、きょうだいの分の立て替えは分けておく
この記事で参照した公的情報
- 六十干支(60年で干支が一回りするため、60歳になることを還暦を迎えるという)
- 窓口
- 国立天文台 暦計算室
- 確認日
- 確認先
- https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/60kansi.html
- 年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年法律第96号・昭和25年1月1日施行。国民は年齢を数え年で言い表す従来のならわしを改め、年齢計算に関する法律により算定した年数で言い表すよう心がける/国又は地方公共団体の機関はその年数で言い表す)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0100000096
- 年齢計算ニ関スル法律(明治35年法律第50号。年齢は出生の日から起算する)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/135AC1000000050
- タックスアンサー No.4405 贈与税がかからない場合(夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの・必要な都度直接これらに充てるためのものに限る/個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの・令和8年4月1日現在法令等)
- タックスアンサー No.4402 贈与税がかかる場合(暦年課税の基礎控除110万円・1年間の合計が110万円以下なら申告は不要・令和8年4月1日現在法令等)
- 郵便法 第17条(現金を郵便物として差し出すときは、書留の郵便物としなければならない。e-Gov に載っている未施行の版(令和8年法律第42号による改正。施行日は政令で定める日)も同じ文)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000165
- 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(交際費=贈答用金品及び接待用支出・贈与金の例示に祝儀/仕送り金=生活費などの全部又は一部を継続的に補助するための現金支出)