家計簿の予算の立て方|手取りから先に外す分を引き、残りを費目に配る

家計簿の予算は、手取りから「先に出ていくと決まっているお金」を外し、残った額を費目に配って立てます。先に外すのは、先取りする貯金、毎月の固定費、年に数回の支払いに備えて毎月取り分ける額の3つです。
この記事では、その順番で予算を立てる手順と、費目ごとの数字の決め方を書きます。あわせて、月の途中で見るところ、予算を超えたときの直し方、1年分の予算との関係もまとめます。
予算を決めても、月の半ばで食費が足りなくなります。そもそも、どの費目にいくら割り当てればよいのか分かりません。
予算は「その月に使ってよい上限」を先に決めておくもの
家計簿は、使ったお金を後から書く記録です。予算は、その月に費目ごとにいくらまで使うかを、使う前に決めておく予定です。
2つを並べると、予定と実際の差が費目ごとに見えます。差が出た費目だけを見直せばよいので、家計簿を見返す時間も短くなります。
予算を決めるときの土台は、手取りです。額面からは税や社会保険料が引かれるので、実際に口座に入る額を使います。
予算を立てる手順
手取りから、決まっているものを順に外していきます。最後に残った額が、食費や日用品など、その月の使い方で増えたり減ったりする費目に配れる額です。

図は、手取り25万円の一人暮らしを置いた例です。金額は例なので、自分の手取りと一覧の額に置き換えてください。
ステップ1月の手取りを決める10分
給与明細の差引支給額を、予算の出発点にします。残業代などで月ごとに額が違う人は、直近3か月のうち少ない月の額を使うと、予算が足りなくなる月を減らせます。
ボーナスは、月の手取りに入れません。特別費や貯金に回す分として、別に扱います。
ステップ2先取り貯金の額を外す5分
貯金は「余ったら」ではなく、先に外します。給料日に別の口座へ移す額を決めて、手取りから引きます。
額は、直近の家計簿で毎月いくら残っているかから決めます。決め方と移す手順は先取り貯金のやり方にまとめています。
ステップ3固定費の合計を外す10分
家賃、スマホとネット、保険料、サブスクなど、毎月同じ額が落ちるものの合計を引きます。固定費の一覧の合計を、そのまま使います。
電気・ガス・水道は月によって額が変わります。1年分の合計を12で割った額を固定費の側に置くか、変動する費目として後で配るかを、先に決めておきます。
ステップ4特別費の月割りを外す15分
1年分の特別費の一覧を合計し、12で割った額を毎月取り分けます。自動車税や固定資産税、年払いの保険、家電の買い替えなどが入ります。
この額を外しておかないと、支払いが来た月に、その月の費目の予算から払うことになります。取り分けた分は、使う月まで貯金とは別の口座などに置いておきます。
ステップ5残りを費目に配る15分
手取りから3つを外した残りを、食費・日用品・交際や娯楽などの費目に配ります。1つの費目に割り当てた額が、その月の上限です。
費目は、細かく分けすぎないほうが続きます。お菓子やランチを別の費目にせず「食費」にまとめるなど、数を絞ると毎月の確認が短く済みます。
配った後に残った分は、「予備」の行にしておきます。どの費目にも入らない出費や、少し超えた費目の穴埋めに使います。
ステップ6合計が手取りに収まるかを確かめる5分
貯金・固定費・特別費・各費目・予備を全部足して、手取りと同じかそれ以下になっているかを見ます。千円単位で丸めておくと、月の途中で計算しやすくなります。
足りないときは、費目の額を削る前に、固定費と先取りの額が今の手取りに合っているかを見ます。どこから見直すかは毎月赤字の家計の手順が使えます。
費目ごとの数字の決め方
予算の数字は、理想の額ではなく、自分の家計の実績から決めます。そのうえで、国の平均は分け方をそろえてから参考に見ます。
自分の過去の記録から決める
直近3か月の家計簿で、費目ごとの平均を出します。これが、何もしなければ出ていく額です。
最初の予算は、その平均と同じか、少しだけ下げた額にします。いきなり大きく削ると、月の半ばで足りなくなり、予算そのものを使わなくなることがあります。
削りたい費目があるときは、1つだけ選んで数千円ずつ下げます。守れた月が続いたら、次の費目に移ります。
国の平均を見るときは、どの分け方の数字かをそろえる
総務省の家計調査の2025年の結果では、二人以上の世帯の消費支出は1か月平均314,001円でした。二人以上の世帯の食料は1か月平均89,754円です。
この額は「用途分類」という分け方の数字です。家計調査では、人に贈るために買った食べ物は食料ではなく交際費に入り、自分の家で食べる分だけが食料になります。
同じ家計調査には、贈り物も中身ごとに食料に入れる「品目分類」の表もあります。こちらでは二人以上の世帯の食料が1か月あたり94,895円になり、同じ年でも表によって額が違います。
単身世帯のうち、勤め先から給与を受けている勤労者世帯では、消費支出が191,523円、食料が45,787円でした。これも用途分類の数字です。
二人以上の世帯の平均は、世帯人員2.87人、世帯主の年齢60.7歳の家計の数字です。人数や年齢が違えば額も変わるので、平均は予算の答えではなく、自分の実績と並べる物差しに使います。
比べる前に、自分の費目の範囲を国の分け方に寄せておきます。寄せ方は家計簿の項目の決め方に、食費の範囲のそろえ方は家計簿の食費のつけ方にまとめています。
手取りの割合の目安は、国の基準ではない
予算の立て方を調べると、手取りを「必要なもの5・欲しいもの3・貯金2」に分けるような割合の目安が出てきます。これは民間の目安で、家計調査は理想の割合を示していません。
割合で見たい場合は、自分の家計簿で出した割合を、同じような世帯の実際の割合と並べます。出し方は家計の理想の割合にまとめています。
月の途中で見るところ
月末に1回見るだけでは、超えたと分かるのは月が終わってからです。月の途中で、食費や日用品など変動する費目を見ます。

図は、食費の予算4万5,000円の例です。月の予算を月の日数で割り、過ぎた日数を掛けると、その日までに使ってよい目安が出ます。
目安より多く使っていたら、残りの予算を残りの日数で割り、1日あたりの額に直します。図の例では、残り2万7,000円を20日で割って1日1,350円です。
日割りが細かすぎるなら、月の予算を週の数で割り、週ごとに見る方法もあります。週の初めに先週の合計を出すだけなので、手間は少なくて済みます。
カードで払った分は、引き落としの日ではなく使った日で数えます。引き落としの日で数えると、先月使った分が今月の予算を食ってしまいます。ずれの直し方はクレジットカード払いがずれる理由にまとめています。
予算を超えたときの直し方
超えたときは、まず理由を見ます。その月だけの出費なのか、予算の額そのものが実績に合っていないのかで、直し方が違います。
その月だけなら、ほかの費目や予備から回す
急な付き合いや来客など、その月だけの理由で超えたなら、予備やほかの費目の残りから回します。回したことは、家計簿の余白に一言書いておきます。
月の合計が手取りの中に収まっていれば、1つの費目が超えても家計は赤字ではありません。費目ごとの予算は守る目標で、全体の額を守るための物差しです。
特別費が原因なら、取り分けた分から払う
年払いの保険や家電の買い替えのように、特別費の一覧にあるものが来た月は、ステップ4で取り分けた分から払います。その月の費目の予算からは払いません。
一覧になかったものが来たときも、取り分けた分から払います。そのうえで、翌年の一覧に書き足しておきます。
同じ費目が続けて超えるなら、予算の額を直す
同じ費目が続けて超えるなら、予算の額が実績に合っていない見込みがあります。直近3か月の平均を出し直し、予算の額を上げます。
上げた分は、ほかの費目か予備から持ってきます。どこからも持ってこられないときは、固定費か先取り貯金の額を見直します。
余った月は、行き先を決めておく
予算が余ったときに、翌月に繰り越すのか、貯金に回すのかを先に決めておきます。決めていないと、余った分がそのまま別の費目で使われます。
繰り越すなら、翌月の予算の行に「繰越」として足します。貯金に回すなら、移した日に家計簿へ移動として書きます。
月の予算と、1年分の予算の関係
月の予算は、1年分の予定を12に分けた1か月分です。特別費やボーナスのように、年に数回しか出入りしないお金は、月の予算だけでは見えません。
1年分の予定は、年間収支表に並べます。収入・毎月の支出・特別費・貯金を12か月分並べると、特別費が重なる月や、ボーナスで埋める月が先に分かります。作り方は年間収支表の作り方にまとめています。
年が替わる前後に予算を組み直すなら、先に年間収支表を作り、そこから月の予算に下ろす順番にします。翌年の特別費の一覧も、このときに1年分の明細から作り直します。
給与明細の手取りが変わった月は、ステップ1からやり直します。手取りが変わったのに予算を直さないと、毎月少しずつ足りなくなります。
迷いやすい場面
収入が月によって違う
直近の少ない月の手取りを予算の出発点にします。多かった月の差額は、その月の予算には足さず、特別費か貯金の側に回します。
1年分の手取りの合計を12で割って、毎月同じ予算にする方法もあります。この場合は、少ない月の不足を多い月の分で埋めることになるので、埋める分を口座に残しておきます。
夫婦で予算を立てる
2人の手取りと、家族で共通に払う支出を並べて、共通の分の予算を立てます。昼食代や趣味など、1人ずつ使うお金は「こづかい」として人ごとに額を決めると、細かく見せ合わずに済みます。
全部の支出を見せ合う必要はありません。どこまでを共有するかの決め方は、夫婦で家計簿を共有するにまとめています。
家計簿をつけていないので、過去の記録がない
口座とカードの明細なら、過去の数か月分をさかのぼれます。明細に出ない現金の出費だけ、1か月だけ記録してから予算を決めます。
記録の始め方は家計簿の付け方にまとめています。1か月つければ、費目ごとのおおよその額が分かります。
現金を袋に分けて管理したい
費目ごとの予算を現金で袋に分ける方法は、使った額が目で見えます。家計簿では、袋に入れたときは移動、袋から払ったときに支出として書きます。
月末には、袋の残りと家計簿の残りが合うかを確かめます。袋の分け方と照らし合わせ方は家計簿の袋分けのやり方にまとめています。
紙や表計算で予算の表を作りたい
列は「費目・予算・実際・差」の4つで足ります。月末に実際の額を書き、差がマイナスの費目にだけ印を付けます。
表計算なら、差の列に「予算-実際」の式を入れておきます。紙でも表計算でも、どの家計簿でも同じ手順で使えます。月ごと・項目ごとの実際の額を関数で出す表の作り方は家計簿をエクセルで作る方法にまとめています。
よくある質問
Q予算の費目は、いくつに分ければよいですか
決まった数はありません。細かく分けるほど、毎月の確認に時間がかかります。迷ったら、食費・日用品・交際や娯楽・衣服や美容・その他と予備から始めます。
Q食費の予算は、いくらが目安ですか
直近3か月の自分の食費の平均が、最初の目安です。国の平均と比べるなら、家計調査の食料は用途分類の数字なので、贈り物を交際費に入れるなど自分の範囲をそろえてから比べます。
Q予算は週で決めますか、月で決めますか
決めるのは月の単位にし、見るのを週の単位にすると両方の良いところが使えます。月の予算を週の数で割り、週ごとに使った額と並べます。
Qボーナスは予算に入れますか
月の予算には入れません。額が決まっていないので、特別費の不足分や貯金に回す分として、年間収支表の側で扱います。
Q予算を立てても守れません
予算の額が、実績より低すぎることがあります。直近3か月の平均に戻して1か月過ごし、守れたら1つの費目だけ数千円下げます。
Q予算が余ったら、どうしますか
翌月に繰り越すか、貯金に回すかを先に決めておきます。決めておかないと、余った分がほかの費目で使われて、どこに行ったか分からなくなります。
まとめ
- 予算は、手取りから先取り貯金・固定費・特別費の月割りを先に外し、残りを費目に配って立てる
- 手取りは給与明細の差引支給額。月で違う人は少ない月の額から始める
- 費目ごとの数字は、自分の直近3か月の平均から決め、削るのは1つずつ
- 国の家計調査の平均は、用途分類の数字。二人以上の世帯の食料は1か月平均89,754円(2025年)
- 月の途中は、変動する費目だけを日割りか週ごとに見る
- 超えたら、その月だけの理由か、予算の額が合っていないのかを分けて直す
- 1年分の予定は年間収支表に並べ、月の予算はその1か月分として下ろす
先に外す3つが決まれば、残りを配るだけで予算ができます。まずは直近3か月の平均を書き出すところから始められます。
この記事で参照した公的情報
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 第1-1表(用途分類・全国=消費支出314,001円・食料89,754円・世帯人員2.87人・世帯主の年齢60.7歳)
- 窓口
- 総務省統計局(e-Stat)
- 確認日
- 確認先
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409521
- 家計調査 家計収支編 2025年 単身世帯 第1表(用途分類・勤労者世帯=消費支出191,523円・食料45,787円・年齢43.3歳)
- 窓口
- 総務省統計局(e-Stat)
- 確認日
- 確認先
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409815
- 家計調査 家計収支編 2025年 二人以上の世帯 品目分類の表(食料の年間支出1,138,736円=1か月あたり94,895円)
- 窓口
- 総務省統計局(e-Stat)
- 確認日
- 確認先
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040409546
- 家計調査 用語の解説(用途分類と品目分類・世帯の範囲)
- 窓口
- 総務省統計局
- 確認日
- 確認先
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kaisetsu.html