更新料の相場は家賃の何か月分?|国の調査で見る地域の差と、更新の月のお金の備え方

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賃貸の更新料は、法律で額が決まっているお金ではありません。払うかどうかと額は、入居のときに結んだ契約書に書かれた内容で決まります。

この記事では、更新料を取る割合と額を国土交通省の調査で地域ごとに確かめます。最高裁の判断、更新のときにかかるほかのお金、払えないときの動き方、家計簿での備え方までをまとめます。

更新の案内が届いて、家賃1か月分の更新料が書いてありました。この額が高いのか普通なのか、払わないといけないのかが分かりません。

更新料は、契約書に書かれていれば払うお金

更新料は、契約の期間が終わって更新するときに、借りている人が大家に払うお金です。最高裁は平成23年の判決で、更新料には家賃の補充や前払い、契約を続けるための対価などの性質があると述べています。

更新料を払う義務は、法律ではなく契約書の条項から生まれます。契約書に更新料の定めがあれば払い、定めがなければ払う義務はありません。

額も契約書で決まります。家賃の何か月分という形で書かれていることがあるので、更新の案内が届いたら、契約書の更新の条項と並べて額を見ます。

更新料の相場を、国の調査で見る

更新料の地域ごとの割合と額を示した国の資料に、国土交通省の「民間賃貸住宅実態調査」(平成19年6月公表)があります。賃貸住宅の管理会社に、平成17年4月から平成18年3月に契約した物件のことを聞いた調査で、175社が答えました。

国土交通省の民間賃貸住宅実態調査(平成19年6月公表・管理会社175社)の、更新料を取っている割合と平均の月数の図。神奈川県90.1%・0.8か月、千葉県82.9%・1.0か月、東京都65.0%・1.0か月、埼玉県61.6%・0.5か月、京都府55.1%・1.4か月、愛知県40.6%・0.5か月、沖縄県40.4%・0.5か月、長野県34.3%・0.5か月、北海道28.5%・0.1か月、福岡県23.3%・0.5か月、広島県19.1%・0.2か月、富山県17.8%・0.5か月、愛媛県13.2%・0.5か月、宮城県0.2%・0.5か月、大阪府0%、兵庫県0%

更新料を取っている割合は、神奈川県が90.1%、千葉県が82.9%、東京都が65.0%、埼玉県が61.6%でした。関西では京都府が55.1%で、大阪府と兵庫県は0%です。

平均の月数は、東京都と千葉県が家賃の1.0か月分、神奈川県が0.8か月分、埼玉県が0.5か月分でした。京都府は1.4か月分で、調べた16の都道府県の中で平均の月数がいちばん長くなっています。

北海道は取っている割合が28.5%で、平均は0.1か月分でした。同じ「更新料あり」でも、地域によって額の重さが違います。

この調査は、約20年前の契約を調べたものです。いまの物件の更新料は、契約書と、住んでいる地域の不動産会社の案内で確かめます。

大家が更新料を取る理由

同じ調査では、更新料を取る主な理由も聞いています(117社・複数回答)。「一時金収入として見込んでいる」が53.0%、「長年の慣習」が50.4%でした。

続いて「家賃が低い分の収入を確保」が21.4%、「損耗を補修するための財源」が20.5%です。最高裁の判決も、更新料は家賃と共に大家の事業の収益の一部になるのが通常だとしています。

新しい調査の「更新手数料」は、更新料とは別のお金

国土交通省の住宅市場動向調査にも、「更新手数料」の項目があります。令和7年度の調査では、三大都市圏で令和6年度に民間の賃貸住宅に入居した世帯のうち、更新手数料が「あり」は44.4%でした。

「あり」の世帯の月数は、「1か月ちょうど」が69.7%、「1か月未満」が11.8%、「2か月ちょうど」が12.6%です。首都圏だけでは「あり」が57.8%、近畿圏では26.9%でした。

ただし、令和7年度の調査票は、更新手数料に大家に払う更新料を含めず、仲介業者に払う更新の事務手数料だけを書くよう求めています。この数字を更新料そのものの相場として読むときは、この違いに気をつけます。

最高裁は、1年ごとに2か月分の更新料を有効とした

更新料の条項が消費者契約法で無効になるかが争われた裁判で、最高裁は平成23年7月15日に判決を出しました。京都市内の共同住宅で、家賃は月3万8,000円、1年ごとに家賃の2か月分(7万6,000円)の更新料を払う契約でした。

判決は、契約書にはっきり具体的に書かれた更新料の条項は、更新料の額が家賃の額や更新される期間に照らして高すぎるなどの特段の事情がない限り、無効にならないとしました。この契約の2か月分・1年ごとも、特段の事情はないと判断されています。

判決は、何か月分から「高すぎる」になるかの線は示していません。額や条項に納得できないときは、消費者ホットライン188に電話すると、近くの市区町村や都道府県の消費生活センターなどの相談窓口につながります。

更新のときに、更新料のほかにかかるお金

更新の月には、更新料のほかにも支払いが重なることがあります。どれがかかるかは契約によって違うので、契約書と更新の案内で1つずつ確かめます。

  • 更新の事務手数料:管理会社や仲介した不動産会社に払う、更新の手続きの手数料
  • 火災保険料:入居のときに加入を求められた保険を、更新のときに続ける分
  • 家賃保証会社の保証料:保証会社を使っているときの、更新の分の保証料
  • 新しい家賃:更新を機に家賃が変わる場合の、次の月からの額

更新の案内の請求額は、これらを合わせた1つの額で書かれていることがあります。内訳が分からないときは、何の費用かを管理会社に聞いてから払います。

更新料は、家計調査では家賃地代に入る

総務省の家計調査は、借家の更新料を、家賃と同じ「家賃地代」に入れています。礼金や仲介手数料も同じ家賃地代です。

国の家賃の平均と比べるときは、どの統計に更新料が入っているかで額がずれます。家賃の平均と、統計ごとの違いは家賃の平均の記事にまとめています。

更新料を払えないとき・払わないとき

契約書に更新料の定めがあるのに払わないと、未払いとして請求され、契約の解除を求められることがあります。払えそうにないときは、期限の前に管理会社か大家に連絡し、支払いを待ってもらえるか、分けて払えるかを相談します。

支払いが遅れたときの遅延損害金は、契約書の率で求められます。個人が事業者から借りる消費者契約では、消費者契約法で年14.6%を超える部分が無効です。

家賃そのものも払えなくなりそうなときは、返さなくてよい住居確保給付金などの公的なしくみがあります。窓口と条件は、家賃が払えないときの記事にまとめています。

手続きをしないまま、期間が過ぎたら

期間の定めがある賃貸借で、更新をしない通知などがないまま期間が過ぎると、借地借家法により、前と同じ条件で更新したものとみなされます(法定更新)。この場合、その後の契約は期間の定めがないものになります。

法定更新のときに更新料を払うかは、契約書の書き方で変わります。最高裁の事件の契約書には、「法定更新でも合意更新でも更新料を払う」という条項がありました。

更新しないで引っ越すとき

更新しないなら、契約書の解約の予告期間までに、管理会社か大家に退去を伝えます。予告が間に合わないと、更新したとみなされて更新料を求められることがあります。

更新料を払ったあとすぐに退去しても、更新料が戻らない契約があります。最高裁の事件の契約書にも、入居期間にかかわらず更新料の返還や精算に応じない条項がありました。

更新のない契約・更新料のない住まい

定期借家契約は、期間が終わると更新がなく終わる契約です(借地借家法 第38条)。住み続けるには、大家と再び契約を結びます。住宅市場動向調査(令和7年度)では、民間の賃貸住宅に入居した世帯のうち定期借家は2.0%でした。

独立行政法人都市再生機構(UR)の賃貸住宅は、URの案内で更新料がかからないとしています。引っ越し先を選ぶときは、家賃だけでなく、更新料があるかと何年ごとかも契約前に確かめておきます。退去のときの原状回復の費用と敷金の精算は、賃貸の退去費用の記事にまとめています。

更新料を家計簿で備える手順

更新料は2年ごとなど決まった月にだけ出るので、その月だけ見ると家計が赤字に見えることがあります。更新の月と額を先に書いておけば、毎月少しずつ取り分けられます。

ステップ1契約書で、更新の月と額を確かめる10分

契約書の契約期間と、更新料の条項を確かめます。更新料が「家賃の1か月分」なら、今の家賃から額を出します。更新の事務手数料や、火災保険・保証会社の更新の時期も、契約書や保険証券で確かめて一緒に書き出します。

ステップ2更新の月にかかる額を合計する5分

書き出した額を足して、更新の月に払う合計を出します。図は、家賃7万円で2年ごとに更新する場合の例です。

更新の月にかかる額を合計して月割りにする例の図。家賃7万円・2年ごとの更新で、更新料(家賃1か月分)70,000円、更新の事務手数料11,000円、火災保険料(2年分)15,000円、保証会社の保証料(更新の分)10,000円で、合計106,000円。24か月で割ると1か月4,417円。金額は例

この例では、更新の月に10万6,000円がかかります。更新料だけでなく、事務手数料や保険料も含めて見ておくと、請求が届いてから慌てずに済みます。

ステップ3更新までの月数で割って、毎月取り分ける5分

合計を、更新までの月数で割ります。図の例なら、10万6,000円を24か月で割って、1か月4,417円です。

この額を毎月、更新用の口座や封筒に取り分けます。入居してすぐに始めれば、最初の更新の月までに合計がそろいます。

ステップ4家計簿では、特別費として書く2分

更新料を払った月は、ふだんの家賃とは分けて、特別費として書きます。家賃の行に混ぜると、その月だけ家賃が高く見えて、毎月の住居費の比べ方がずれます。2年に1回の支払いの拾い方は、特別費を明細から拾う記事にまとめています。

よくある質問

Q更新料の相場は、家賃の何か月分ですか

国土交通省の民間賃貸住宅実態調査(平成19年6月公表)では、更新料の平均の月数は、東京都と千葉県が1.0か月分、神奈川県が0.8か月分、京都府が1.4か月分でした。自分の物件の額は、契約書の更新料の条項で確かめます。

Q大阪や兵庫には、更新料はないのですか

同じ調査では、大阪府と兵庫県で更新料を取っている割合は0%でした。ただし約20年前の契約を調べたもので、額は契約ごとに決まるので、自分の契約書で確かめます。

Q更新料が家賃の2か月分なのは、高すぎませんか

最高裁は平成23年の判決で、1年ごとに家賃の2か月分の更新料を払う条項を有効としました。高すぎるかどうかは、家賃の額や更新の期間に照らして判断され、判決は月数の線を示していません。

Q更新料は、値下げや分割にしてもらえますか

契約書に額が書かれていれば、その額を払うのが前提です。減額や分割に応じるかは大家や管理会社しだいなので、払えないと分かった時点で早めに相談します。

Q更新してすぐ引っ越したら、更新料は戻りますか

契約書に返還しない定めがあれば、戻りません。引っ越しを考えているなら、更新の前に解約の予告期間を確かめて、更新しないで退去できるかを見ます。

まとめ

  • 更新料は法律で決まった額ではなく、契約書に書かれていれば払う
  • 国土交通省の調査(平成19年公表)では、取る割合は神奈川県90.1%・東京都65.0%・京都府55.1%、大阪府と兵庫県は0%
  • 平均は東京都1.0か月分・京都府1.4か月分・北海道0.1か月分で、地域で重さが違う
  • 住宅市場動向調査の「更新手数料」は、令和7年度の調査票では大家に払う更新料を含まない
  • 最高裁は、1年ごとに家賃の2か月分の更新料を有効とした。高すぎるなどの特段の事情があれば別
  • 払えないときは期限の前に管理会社か大家に相談し、家賃も苦しいときは公的なしくみを確かめる
  • 更新の月にかかる合計を更新までの月数で割り、毎月取り分けて、払った月は特別費に書く

更新料は契約書の条項で決まると分かりました。次の更新の月と合計を書き出して、毎月の取り分けを始めます。

この記事で参照した公的情報

  1. 民間賃貸住宅実態調査の結果について(平成19年6月29日公表・別紙2の1 賃貸住宅管理会社への調査結果=平成17年4月〜平成18年3月に契約した物件で更新料を徴収している割合と平均の月数・有効回答175社/更新料を徴収する主な理由・有効回答117社・複数回答)
    窓口
    国土交通省 住宅局
    確認日
    確認先
    https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3_.html
  2. 令和7年度 住宅市場動向調査 経年変化比較表(民間賃貸住宅)問20 更新手数料の有無・月数/問6 賃貸契約の種類、報告書の調査票(更新手数料には大家に支払う更新料は含まず、仲介業者に支払う更新に関する事務手数料のみを記載)
    窓口
    国土交通省(政府統計の総合窓口 e-Stat)
    確認日
    確認先
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&cycle=8&toukei=00600630&tstat=000001017729&tclass1val=0&year=20251&month=0&result_back=1
  3. 最高裁判所第二小法廷 平成23年7月15日判決 平成22年(オ)第863号 更新料返還等請求本訴,更新料請求反訴,保証債務履行請求事件(京都市内の共同住宅・賃料月額3万8,000円・1年ごとに賃料の2か月分の更新料条項を消費者契約法10条により無効とはできないとした)
    窓口
    裁判所
    確認日
    確認先
    https://www.courts.go.jp/hanrei/81506/detail2/index.html
  4. 借地借家法 第26条(期間の定めがある建物の賃貸借で更新しない旨の通知がないときは従前の契約と同一の条件で更新したものとみなす・その期間は定めがないものとする)・第38条(定期建物賃貸借=契約の更新がないこととする旨を定められる)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
  5. 消費者契約法 第9条第1項第2号(支払期日までに払わない場合の損害賠償の額の予定は、年14.6%を超える部分が無効)
    窓口
    e-Gov 法令検索(デジタル庁)
    確認日
    確認先
    https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
  6. 消費者ホットライン(188に電話すると、近くの市区町村や都道府県の消費生活センター等の消費生活相談窓口を案内)
    窓口
    消費者庁
    確認日
    確認先
    https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
  7. 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)(家賃地代=借家・借間の更新料を含む)
    窓口
    総務省統計局
    確認日
    確認先
    https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2025/zuhyou/kouh2025.xlsx
  8. 賃貸物件の更新料とは?(UR賃貸住宅は更新料が不要・自動更新)
    窓口
    独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
    確認日
    確認先
    https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/201912/000432.html

この記事を書いているのは

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