特養(特別養護老人ホーム)の費用はいくら?|1か月の内訳と、要介護度・部屋・所得の段階で変わる額

特別養護老人ホーム(特養)の1か月の費用は、介護保険の施設サービス費の1割〜3割、居住費、食費、日常生活費の合計です。要介護度・部屋の種類・所得の段階で、それぞれの額が変わります。
この記事では、4つの費用の決まり方を、厚生労働省の告示と資料(令和8年6月と8月の改定を含む)で分けて示します。入所の条件、所得が低い人の軽減、月の上限、医療費控除の扱い、家計簿での分け方も載せます。
親が特養に入ることになり、毎月いくら払うのか見当がつきません。年金で払いきれるのかも心配です。
特養の1か月の費用は、4つの支払いの合計
介護サービス情報公表システムでは、特養を使うときは、施設サービス費のほかに居住費・食費・日常生活費などがかかるとしています。4つの中身は次のとおりです。
- 施設サービス費:介護保険の対象。要介護度と部屋の種類で決まる額の1割〜3割を払う
- 居住費:部屋の料金。室料と光熱費に当たる分
- 食費:食材料費と調理費に当たる分
- 日常生活費:理美容代など、介護保険の外で施設が決める分
居住費と食費は介護保険の給付の外にあり、施設との契約の額を払います。住民税非課税世帯などで負担限度額認定を受けた人は、1日あたりの上限までを払えばよくなります。
入居のときの一時金はかからない
運営の基準 第9条で、特養が入所者から受け取れる費用は、介護保険の自己負担、食費、居住費、特別な居室や特別な食事の費用、理美容代、日常生活で通常必要なものの費用です。有料老人ホームの入居一時金に当たる費用は、この中に挙げられていません。
おむつ代も、第9条の受け取れる費用には入っていません。運営の基準 第13条では、おむつを使わざるを得ない入所者のおむつを、施設が適切に取り替えることになっています。
要介護4・1割負担の人の1か月(例)
受給者の割合がいちばん大きい要介護4(下の統計)で、1割負担の人が30日入った場合を、部屋の種類ごとに計算した例です。施設サービス費には処遇改善加算(Ⅰ)イを足して1単位10円とし、居住費と食費は国の基準費用額と同じ額としています。

図の施設サービス費は、1日886単位(ユニット型個室)か802単位(多床室)の30日分に、処遇改善加算の16.3%を足した単位数の1割です。日常生活費は施設ごとに決まるので、この合計には入れていません。
ほかの加算が付く施設や、31日ある月は、この例より高くなります。負担限度額認定を受けた人は居住費と食費が下がるので、後の節の例のように合計が大きく変わります。
特養に入れるのは、原則として要介護3以上
介護保険法 第8条は、特養に入所できる要介護者を、厚生労働省令で定める要介護状態区分の人などに限っています。介護保険法施行規則 第17条の9で、その区分は要介護3から要介護5です。
要介護1・2の人は、施行規則 第17条の10により、居宅で日常生活を営むことが困難なやむを得ない事由があると認められるときに限って入所できます。要支援1・2の人は、特養を利用できません。
介護給付費等実態統計(令和7年4月審査分)では、介護福祉施設サービスの受給者のうち、要介護3〜5の人が全体の9割以上です。要介護3が27.6%、要介護4が41.4%、要介護5が27.2%でした。
指定介護老人福祉施設の運営の基準 第7条では、空きより申込みが多いときは、介護の必要の程度や家族の状況を見て、必要性が高い人を優先して入所させるよう努めるとしています。申し込んだ日の順番だけでは決まりません。
厚生労働省の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」では、2025年4月1日時点で要介護3以上の入所申込者は20.6万人、うち在宅の人は8.6万人です。要介護1・2の申込者(特例入所の対象)は1.8万人でした。
この数は、複数の施設への重複申込みなどを除くよう都道府県に頼んで集めたものです。長く名簿に載っている人も含まれ、全員がすぐに入所を必要としているとは限らないと注記されています。
入所定員が30人以上の特養が介護老人福祉施設、29人以下の特養は地域密着型介護老人福祉施設です。地域密着型の特養は単位数が別に決まっていて、1割負担の1日の額は要介護3の多床室で745円です。
要介護認定の区分は、入所できるかどうかと、施設サービス費の単位数の両方に関わります。申請の流れと区分の決まり方は、要介護認定とはで扱っています。
施設サービス費は、要介護度と部屋の種類で決まる
施設サービス費は、1日あたりの単位数で決まっています。令和6年厚生労働省告示第86号(令和6年4月から)では、特養の1日の単位数は次のとおりです。
- 要介護1:多床室・従来型個室589単位、ユニット型670単位
- 要介護2:多床室・従来型個室659単位、ユニット型740単位
- 要介護3:多床室・従来型個室732単位、ユニット型815単位
- 要介護4:多床室・従来型個室802単位、ユニット型886単位
- 要介護5:多床室・従来型個室871単位、ユニット型955単位
ユニット型は、ユニット型個室とユニット型個室的多床室の両方に使う単位数です。介護サービス情報公表システムの1割負担の1日の額(1単位10円)は、要介護3で732円(多床室・従来型個室)と815円(ユニット型)です。
1割・2割・3割は、負担割合証で決まる
自分が1割・2割・3割のどれかは、介護保険負担割合証(市区町村が交付)で分かります。介護保険法施行令 第22条の2では、本人の合計所得金額が160万円以上で2割、220万円以上で3割です。
ただし、同じ世帯の65歳以上の人の年金収入とその他の合計所得金額の合計が、2割の線では単身280万円・2人以上346万円、3割の線では単身340万円・2人以上463万円に満たないときは、1段低い割合になります。住民税非課税の人と生活保護を受けている人は、1割です。
2割・3割の人は、施設サービス費の自己負担が1割の2倍・3倍になります。居住費・食費・日常生活費は、負担割合では変わりません。
加算が足され、処遇改善加算は令和8年6月から上がった
施設サービス費には、施設の体制やケアに応じた加算が足されます。施設は、利用料などの額を運営規程に定め、入所の前に重要事項を書いた文書で説明することになっています(運営の基準 第4条・第23条)。
介護職員等処遇改善加算は、ほかの単位数の合計に率を掛けて足す加算です。令和8年厚生労働省告示第87号では、令和8年6月1日から、特養の率は(Ⅰ)イ16.3%・(Ⅰ)ロ17.6%・(Ⅱ)イ15.9%・(Ⅱ)ロ17.2%・(Ⅲ)13.6%・(Ⅳ)11.3%です。
改正前の率は、(Ⅰ)が14.0%、(Ⅱ)が13.6%でした。同じ施設・同じ部屋でも、令和8年6月分から施設サービス費が少し上がっている場合があります。
施設ごとに付く加算の例
介護報酬の算定構造(R8.6.1)では、特養の加算には次のようなものがあります。1単位10円・1割負担なら、単位数の10分の1の円が自己負担に足されます。
- 日常生活継続支援加算:1日36単位(従来型)・46単位(ユニット型)
- サービス提供体制強化加算:1日22単位(Ⅰ)・18単位(Ⅱ)・6単位(Ⅲ)
- 看取り介護加算(Ⅰ):死亡日以前31〜45日は1日72単位、4〜30日は144単位、2日前・3日前は680単位、死亡日は1,280単位
どの加算を算定しているかは、施設ごとに違います。この記事の例は処遇改善加算だけを足しているので、ほかの加算が付く施設では例より高くなります。
1単位の単価は、施設のある地域で変わる
厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)では、1単位の単価は、10円に施設のある地域区分ごとの割合を掛けた額です。この記事の例は1単位10円で計算しているので、単価が10円より高い地域の施設では、施設サービス費がその分だけ高くなります。
統計で見た1人当たりの費用額
介護給付費等実態統計(令和7年4月審査分)では、介護福祉施設サービスの受給者1人当たり費用額は31万5,600円です。要介護度別では、要介護3が29万4,800円、要介護4が31万7,700円、要介護5が34万円です。
この費用額は、保険給付額・公費負担額・利用者負担額を合わせた1か月の額です。部屋の種類や加算が混ざった平均なので、自分の施設の額は、請求書の単位数で確かめます。
居住費と食費は、基準費用額が目安(令和8年8月から)
居住費は室料と光熱費に当たる費用、食費は食材料費と調理費に当たる費用です。国は、施設の平均的な費用の額を勘案して、1日あたりの基準費用額を決めています(介護保険法 第51条の3)。
厚生労働省の資料では、令和8年8月からの特養の基準費用額(1日)は次のとおりです。
- 食費:1,545円
- ユニット型個室:2,066円
- ユニット型個室的多床室:1,728円
- 従来型個室:1,231円
- 多床室:915円
食費の基準費用額は、令和8年8月に1日1,445円から100円上がりました。同じ資料では、負担限度額認定を受けていない人(第4段階)の食費は、施設と利用者の契約で金額を決めるとしています。
部屋の種類で、居住費は2倍以上違う
運営の基準 第38条では、ユニットは、少数の居室と、その近くに設けた共同生活室でひとまとまりになった場所です。多床室は、介護サービス情報公表システムで相部屋と説明されている部屋です。
基準費用額で比べると、ユニット型個室の2,066円は、多床室の915円の2倍を超えます。30日では、居住費だけで3万4,530円の差になります。
日常生活費と、施設が別に受け取れる費用
運営の基準 第9条では、施設は介護保険の自己負担と居住費・食費のほかに、次の費用を受け取れるとしています。
- 入所者が選んだ特別な居室の費用
- 入所者が選んだ特別な食事の費用
- 理美容代
- 日常生活で通常必要になるもので、入所者に負担させることが適当と認められるものの費用
これらの費用は、あらかじめ内容と額を書いた文書で説明を受け、同意したうえで払います。介護サービス情報公表システムの1か月の目安の例では、日常生活費を約1万円(施設により設定)としています。
通院の交通費や、医療機関に払う医療費・薬代は、施設に払う4つの費用とは別にかかることがあります。施設が持つ費用と入所者が払う費用の分け方は、入所の前に受け取る重要事項の書類で確かめます。
所得が低い人は、食費と居住費に上限がある
住民税非課税世帯で預貯金などが一定の額以下の人は、市区町村で負担限度額認定を受けると、食費と居住費が1日の上限までになります。基準費用額との差は、特定入所者介護サービス費(補足給付)として介護保険から施設に払われます。
厚生労働省の資料で、特養の負担限度額(1日・令和8年8月から)は段階ごとに次のとおりです。
- 第1段階:食費300円、多床室0円、従来型個室380円、ユニット型個室880円
- 第2段階:食費390円、多床室430円、従来型個室480円、ユニット型個室880円
- 第3段階①:食費680円、多床室430円、従来型個室880円、ユニット型個室1,370円
- 第3段階②:食費1,420円、多床室530円、従来型個室980円、ユニット型個室1,470円
段階は、世帯と配偶者の課税状況、本人の年金収入と合計所得金額の合計、預貯金の額で決まります。第2段階は、世帯全員が住民税非課税で、合計が82万6,500円以下、預貯金が650万円以下(夫婦は1,650万円以下)の人です。
段階ごとの預貯金の線、申請に要る書類と毎年の更新は、介護保険の負担限度額認定にまとめています。申請先は、施設のある市区町村ではなく、本人の介護保険の市区町村です。
施設サービス費には、月の上限がある(高額介護サービス費)
施設サービス費の自己負担には、所得の区分ごとに1か月の上限があり、上限より多く払った分は高額介護サービス費で払い戻されます。居住費・食費・日常生活費は、この計算に入りません。
介護サービス情報公表システムでは、1か月の上限は次のとおりです。
- 生活保護を受けている人など:1万5,000円(個人)
- 住民税非課税世帯で、年金収入と合計所得金額の合計が82万6,500円以下の人:2万4,600円(世帯)・1万5,000円(個人)
- 上に当たらない住民税非課税世帯:2万4,600円(世帯)
- 課税世帯で、課税所得380万円未満:4万4,400円(世帯)
- 課税所得380万円以上690万円未満:9万3,000円(世帯)
- 課税所得690万円以上:14万100円(世帯)
課税所得は、同じ世帯の65歳以上の人の課税所得で判定します。支給を受けるには市区町村への申請が要り、申請のしかたは高額介護サービス費で扱っています。
2割負担のユニット型個室では、上限を超えることがある
要介護4・2割負担の人がユニット型個室に30日入ると、例の単位数では施設サービス費の自己負担は約6万1,800円です。課税所得380万円未満の世帯の上限は4万4,400円なので、約1万7,400円が戻ります。
同じ世帯にほかに介護サービスを使う人がいれば、その人の自己負担も合わせて上限と比べます。医療保険の自己負担と合わせた1年分の上限は、高額医療・高額介護合算で扱っています。
負担限度額と月の上限を当てはめた例(第2段階・多床室)
第2段階の人(要介護4・1割負担)が多床室に30日入った例です。施設サービス費は最初の例と同じ単位数で、食費と居住費は負担限度額で計算しています。

施設にいったん払う額は約5万2,600円で、高額介護サービス費が戻った後は3万9,600円です。最初の例の多床室(約10万1,800円)と比べると、約6万2,000円少なくなります。
社会福祉法人の特養で、自己負担が4分の1軽くなる場合
社会福祉法人などが運営する特養では、市区町村が生計困難と認めた人について、法人が利用者負担の4分の1(老齢福祉年金の受給者は2分の1)を軽くする制度があります。厚生労働省の令和元年度の資料で、特養の例として減らす対象に挙げているのは、1割負担・食費・居住費です。
同じ資料の条件は、住民税非課税で、年間収入が単身150万円以下、預貯金等が単身350万円以下などです。今の条件と、入る特養がこの軽減をしているかは、市区町村の介護保険の担当に問い合わせます。
生活保護を受けている
生活保護を受けている人は、負担限度額認定の第1段階で、預貯金の要件はありません。多床室の居住費は0円、食費は1日300円です。
介護保険の自己負担や日常生活費の扱いは、担当の福祉事務所で確かめます。保護を受ける条件は生活保護の条件にまとめています。
医療費控除は、自己負担の2分の1が対象
国税庁のタックスアンサー No.1125 では、特養に払った介護費・食費・居住費の自己負担の2分の1が、医療費控除の対象です。日常生活費と、特別なサービスの費用は対象になりません。
特養が出す領収証には、医療費控除の対象になる金額が書かれることになっています。申告の手順は医療費控除のやり方で扱っています。
最初の例のユニット型個室(約13万9,200円)なら、1か月で約6万9,600円が対象です。No.1125 の注では、特養の施設サービス費だけに対する高額介護サービス費が戻ったときは、その2分の1を医療費から引いて計算します。
医療費控除は、自分と生計を一にする家族のために払った医療費も合わせて申告できます(No.1120)。1年の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、その5%)を超えた部分が控除の対象で、窓口は税務署です。
親の費用を払う子の控除
特養に入った親を扶養していれば、扶養控除の対象になることがあります。親の年金収入の線と、親が老人ホームに入った場合の見方は、親を扶養に入れる条件にまとめています。
65歳以上の人は、障害の程度が障害者に準ずると市町村長などの認定を受けていれば、障害者手帳がなくても障害者控除の対象です(No.1160)。控除の額と、市区町村での認定の受け方は、障害者控除とはに載せています。
家計簿での分け方
特養の請求書には、施設サービス費・居住費・食費・日常生活費が並びます。行を分けて書いておくと、医療費控除と高額介護サービス費の確かめにそのまま使えます。
手書きのノートでも表計算のシートでも、同じ手順で書けます。子が親の口座に代わって払う月は、立て替えの書き方と同じように、どちらのお金かを行ごとに書いておきます。
ステップ1請求書の行を、種類ごとに書き写す10分
施設サービス費・居住費・食費・日常生活費を、「介護」の項目の中で別々の行に書きます。何月分の請求かも、行の横に添えておきます。
ステップ2居住費と食費の日額と日数を控える5分
居住費と食費は、1日の額に日数を掛けた額です。負担限度額認定を受けているなら、日額が認定証の段階の額になっているかを見ます。
ステップ3高額介護サービス費の振込を、収入の行に書く5分
高額介護サービス費が振り込まれたら、元の支出は消さずに、収入として別の行に書きます。何月の分が戻ったのかを添えると、医療費控除で引く額を出すときに迷いません。
ステップ4医療費控除の対象額を、1年分足す10分
領収証の医療費控除の対象額を、1月から12月まで足します。施設サービス費だけに対して戻った高額介護サービス費があれば、その2分の1を引いた額が特養の分の医療費です。
入所の前に受け取った重要事項の書類を、家計簿と一緒にとっておいてください。加算の名前と日常生活費の額を、毎月の請求書と照らせます。
迷いやすい場面
入院や外泊で、施設にいない日がある
介護報酬の算定構造では、入院や外泊の日は、1月に6日を限度として、所定の単位数に代えて1日246単位を算定します。7日目からの扱いと、入院中の居住費の扱いは、入所の前に受け取る重要事項の書類で確かめます。
年金だけで払えるか分からない
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で、令和6年度末の老齢年金の平均年金月額は、厚生年金保険(第1号)が15万1,142円(基礎年金を含む)、国民年金が5万9,431円です。例の多床室(約10万1,800円)は、国民年金の平均を上回ります。
負担限度額認定、高額介護サービス費、社会福祉法人などの軽減は、どれも申請が要ります。住民税非課税世帯なら、本人の介護保険の市区町村の窓口で、どれに当たるかを確かめます。
世帯を分けると安くなるのか
負担限度額認定の段階と高額介護サービス費の上限は、住民票の世帯の課税状況で決まるので、世帯を分けると判定が変わることがあります。配偶者は世帯を分けても判定に入るので、夫婦の場合は変わりません。
判定のしかたの細かいところは、介護保険の負担限度額認定の迷いやすい場面で扱っています。世帯を分けたときの保険料などへの影響は、市区町村の窓口で確かめます。
介護老人保健施設や有料老人ホームと迷っている
No.1125 では、介護老人保健施設と介護医療院の自己負担(介護費・食費・居住費)は、全額が医療費控除の対象です。特養は2分の1なので、同じ額を払っても控除の対象の額が違います。
有料老人ホームは、介護保険法 第51条の3 の負担限度額の対象に入っていません。食費や家賃に当たる費用は、施設との契約で決まります。前払金の返り方と、介護付き・住宅型の介護の費用の払い方は有料老人ホームの費用はいくら?にまとめています。
同じ特養で、月によって額が違う
施設サービス費・居住費・食費はどれも1日あたりで決まるので、31日ある月は30日の月より1日分高くなります。入院した月や加算が付いた月も、請求書の単位数と日数を見れば、差の元が分かります。
よくある質問
Q特養の費用は、月いくらかかりますか
要介護4・1割負担の人が30日入った例では、日常生活費を除いてユニット型個室で約13万9,200円、多床室で約10万1,800円です(1単位10円・処遇改善加算(Ⅰ)イ・食費と居住費は基準費用額)。第2段階の人の多床室なら、高額介護サービス費が戻った後で3万9,600円です。
Q要介護1・2でも特養に入れますか
原則として入れません。居宅で暮らすことが難しいやむを得ない事由があると認められたときに限って、入所できます(介護保険法施行規則 第17条の10)。
Q食費と居住費は、高額介護サービス費で戻りますか
戻りません。高額介護サービス費の計算に入るのは、施設サービス費の1割〜3割だけです。食費と居住費を下げる制度は、負担限度額認定です。
Q2割負担になるのは、どんな人ですか
本人の合計所得金額が160万円以上の人で、220万円以上なら3割です。世帯の65歳以上の人の年金収入などの合計が一定の額に満たない場合は、1割のままです。
Q特養の費用は、医療費控除の対象になりますか
介護費・食費・居住費の自己負担の2分の1が対象です。日常生活費は対象になりません。対象の金額は、特養の領収証に書かれることになっています。
まとめ
- 特養の1か月の費用は、施設サービス費の1割〜3割・居住費・食費・日常生活費の合計
- 入所できるのは原則として要介護3以上。要介護1・2はやむを得ない事由があるときだけ
- 施設サービス費は1日の単位数で決まり、要介護3は多床室732単位・ユニット型815単位(令和6年4月から)
- 処遇改善加算の率は令和8年6月から上がり、特養の(Ⅰ)イは16.3%
- 食費の基準費用額は令和8年8月から1日1,545円。居住費は多床室915円・ユニット型個室2,066円
- 負担限度額認定で食費と居住費、高額介護サービス費で施設サービス費の自己負担が下がる
- 医療費控除の対象は、介護費・食費・居住費の自己負担の2分の1
4つの費用を分けて見ると、どこが段階や上限で下がるのかが分かります。家計簿に行を分けて書いておくと、毎月の額の見込みも立てやすくなります。
この記事で参照した公的情報
- どんなサービスがあるの? 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)(施設サービス費のほか居住費・食費・日常生活費などがかかる・要支援1・2の人は利用できない・新たに入所する要介護1・2の人はやむを得ない理由がある場合以外は利用できない・利用者負担(1割・1日)要介護1 589円〜要介護5 871円(従来型個室・多床室)・670円〜955円(ユニット型)・居住費は室料+光熱費相当・食費は食材料費+調理費)
- 窓口
- 厚生労働省(介護サービス情報公表システム)
- 確認日
- 確認先
- https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html
- どんなサービスがあるの? 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(利用者負担(1割・1日)要介護3 745円(従来型個室・多床室)・828円(ユニット型))
- 窓口
- 厚生労働省(介護サービス情報公表システム)
- 確認日
- 確認先
- https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group19.html
- サービスにかかる利用料(施設の利用は1割〜3割のほかに居住費・食費・日常生活費・特別養護老人ホームの1か月の自己負担の目安の日常生活費約10,000円(施設により設定)・特養の基準費用額と負担限度額(令和8年8月から)・高額介護サービス費の上限(1万5,000円〜14万100円・課税所得は同じ世帯の65歳以上の人で判定・申請が必要))
- 窓口
- 厚生労働省(介護サービス情報公表システム)
- 確認日
- 確認先
- https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
- 介護保険法 第8条第22項・第27項(介護老人福祉施設は入所定員30人以上の特別養護老人ホーム・地域密着型は29人以下・入所する要介護者は厚生労働省令で定める要介護状態区分の者など)・第51条の3(特定入所者介護サービス費・基準費用額は平均的な費用の額を勘案して定める)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
- 介護保険法施行規則 第17条の9(要介護3〜5)・第17条の10(要介護1・2でやむを得ない事由があると認められる者)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第4条(重要事項を記した文書の交付と説明・同意)・第7条(必要性が高い入所申込者の優先的な入所)・第9条(利用料等の受領=食費・居住費・特別な居室・特別な食事・理美容代・日常生活で通常必要となるもの・文書で説明し同意を得る)・第13条(おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替える)・第23条(運営規程に利用料その他の費用の額)・第38条(ユニットの定義)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第86号)(指定施設サービス等介護給付費単位数表 1 介護福祉施設サービス=介護福祉施設サービス費(Ⅰ)(Ⅱ)要介護1 589単位〜要介護5 871単位・ユニット型介護福祉施設サービス費 要介護1 670単位〜要介護5 955単位)
- 令和6年度介護報酬改定の施行時期について(訪問看護など4つ以外のサービスは令和6年4月1日施行)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和8年厚生労働省告示第87号・令和8年3月13日)(介護福祉施設サービスのイ〜ヤは(略)=改正なし・介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)イ1000分の163・(Ⅰ)ロ176・(Ⅱ)イ159・(Ⅱ)ロ172・(Ⅲ)136・(Ⅳ)113(改正前は(Ⅰ)140・(Ⅱ)136・(Ⅲ)113・(Ⅳ)90)・附則で令和8年6月1日施行)
- 介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)(介護福祉施設サービスの単位数・入院や外泊の場合は1月に6日を限度として所定単位数に代えて1日246単位・日常生活継続支援加算 1日36単位/46単位・サービス提供体制強化加算 22/18/6単位・看取り介護加算(Ⅰ)72/144/680/1,280単位)
- 窓口
- 厚生労働省
- 確認日
- 確認先
- https://www.mhlw.go.jp/content/001675193.pdf
- 令和8年度介護報酬改定について(基準費用額(食費)を令和8年8月から1日1,445円→1,545円・第4段階は施設と利用者の契約で金額を設定・特養の居住費の基準費用額(多床室915円・従来型個室1,231円・ユニット型個室的多床室1,728円・ユニット型個室2,066円)と段階ごとの負担限度額・預貯金の要件)
- 厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)(一単位の単価は10円に、地域区分とサービスの種類ごとの割合を乗じた額)
- 令和6年度 介護給付費等実態統計の概況(図7 施設サービスの種類別にみた要介護状態区分別受給者数の割合・図8 受給者1人当たり費用額(令和7年4月審査分)=介護福祉施設サービス 総数315.6千円・要介護3 294.8千円・要介護4 317.7千円・要介護5 340.0千円・費用額は保険給付額・公費負担額・利用者負担額の合計)
- 社会福祉法人等による生計困難者等に対する介護保険サービスに係る利用者負担額軽減制度事業(令和元年度 行政事業レビュー公開プロセス資料)(住民税非課税で年間収入が単身150万円・預貯金等が単身350万円以下などを満たし市町村が認める者・軽減は利用者負担の1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)・対象のサービスに介護福祉施設サービス・特養入所の例は1割負担・居住費・食費)
- No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価(指定介護老人福祉施設は介護費・食費・居住費の自己負担額の2分の1・日常生活費と特別なサービス費用は対象外・領収証に対象の金額が記載される・施設サービス費だけに対する高額介護サービス費はその2分の1を差し引く)
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(自己または生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費・10万円(総所得金額等が200万円未満の人は5%)を超える部分・最高200万円)
- No.1160 障害者控除(精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、障害の程度が障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人)
- 特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)(2025年4月1日時点・要介護3以上 20.6万人(うち在宅 8.6万人)・要介護1・2(特例入所の対象)1.8万人・重複申込等を排除するよう依頼・必ずしも現に入所を必要としている場合に限らない)
- 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和6年度末の平均年金月額=厚生年金保険(第1号)老齢年金 151,142円(基礎年金月額を含む)・国民年金 老齢年金 59,431円)
- 窓口
- 厚生労働省年金局
- 確認日
- 確認先
- https://www.mhlw.go.jp/content/001617995.pdf
- 介護保険法施行令 第22条の2(2割は本人の合計所得金額160万円以上・3割は220万円以上。同じ世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額が346万円(単身280万円)・463万円(単身340万円)に満たない場合などは適用しない)
- 窓口
- e-Gov 法令検索(デジタル庁)
- 確認日
- 確認先
- https://laws.e-gov.go.jp/law/410CO0000000412
